奇跡の写真
2018 JUL 16 17:17:59 pm by 西村 淳
1929年、ワイマール共和国、ベルリン。
このCDジャケットの写真を見て痺れた。
左からブルーノ・ワルター、アルトゥーロ・トスカニーニ、エーリッヒ・クライバー、オットー・クレンペラー、そしてヴィルヘルム・フルトヴェングラー。ワイマール共和国の黄昏、それにしてもよくこの写真がとれたものだ。まさに丁度このころモットル夫人を介してフルトヴェングラーに面会する機会を得た近衛秀麿はその著書「フィルハーモニー雑記」(音楽文庫‐音楽之友社、1954年刊)に記す。・・面会の唯一の注意として、「彼の前ではトスカニーニのトの字も言ってはいけない」。思わずにやりとしてしまうが、この奇跡の一枚、クラシック音楽を多少なりとも齧った人にはその価値はよく理解できるに違いない。20世紀はカリスマ指揮者の時代だった。
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東 賢太郎
7/16/2018 | 10:54 PM Permalink
有名な写真ですね。彼らは音楽を家庭で楽しむことを可能にした録音技術というものが勃興期からモノラルまでに進化する時代の楽界の寵児であり、欧州でしか聴けなかったクラシック音楽が米国に渡ってさらに世界に伝播する時代のいわば宣教師たちでした。現在は音楽が家庭からスマホに入りこんで電車の中でも楽しめ、音楽家は宣教師よりエンターテイナーになっているかもしれません。複雑な思いがありますね。
西村 淳
7/17/2018 | 4:44 AM Permalink
そうなんですね。正直なところクレンペラーとシュターツカペレ・ベルリンのブルックナーの第八(三楽章のみ)が遺っているとはびっくりしました。1923年の録音です。
想いはワイマール共和国に。ナチスの台頭前、良貨は悪化に駆逐されました。