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これは犯罪なのか

2015 JUL 6 20:20:59 pm by 西牟呂 憲

 我が世代は中高年ということで、完全なデジタル化はなかなかできていない(特に僕は)。従って例えば電車の中でズーッと携帯をいじるわけではなく、雑誌・新書・文庫を手に持っている。
 それが僕は物凄く読むのが早い。どうもプロセスを楽しむタイプではないので平気で面倒なところを飛ばすからだ。同じ文体にも飽きるので、2~3冊を同時に読む。するとですな、凄いペースで溜まっていくのだ。
 1年に一度づつ〇ック・オフに二束三文で売り払っていた。しかし読み込まないうちにイヤンなった物も相当数残りどうしようかと悩んで思い付いた。

 まだ綺麗に手垢も付いてなく帯もちゃんとしてる本は、二足三文で売り飛ばされるのは気の毒ではないか。もし本屋さんの書棚にそっと置いてみたら、もう一度売れて本屋さんも売り上げは上がるか。
 喜寿庵には去年他界した亡母の文庫本と僕の漫画単行本が山のようにあって、どうしようもなくて焚き火にしているくらいだ。但し本というものは物凄く燃えにくいということが分かったが。
 無論変な書き込みも何もしていない。勧誘の紙も挟んでいない。指紋は付いているだろうが、新刊にしか見えない。新たな読者に買われた方が本の本望だろう。

 だが待てよ、売るほうが故買(盗品とかと分かっていて売る)に当たるだろうか。然し後で本屋さんが怒られては申し訳ないが、自分で買ったやつを置いてかえるだけだからそうじゃない。〇ックオフだって、もはや値段の付かないものを処分するといって引き取ってくれているではないか。古いレコードはその手で処分したことだし。
 寄贈したものだとすればどうだろう。この場合は善意の寄贈をそうと知らずに再販することになる。
 いずれにせよ、こういった行為は忌まわしい『万引き』の逆で『億置き』とでも言うのか。

 ところで梶井基次郎の『檸檬』という短編小説がある。主人公(三高生)が買って手に持っていたレモンを本屋(丸善)の本の上に置き去り、まるで爆弾を置いて帰ったような気分に浸るという作品だった。美しい文章の名作で名高いが、僕は初めのあたりの『背を焼くような借金』という表現に違和感を感じた。天下のエリート三高生がかりそめに貧しても、そのような借金取りに追われることがあるだろうか、と。そんなになるのは女か酒か。
 それはさておき、病により夭折した梶井の作品に影響を受け、丸善にレモンを置いていく人が後を絶たなかったと言う。これ『億置き』ですかね。丸善はそのレモンをどうしたのだろう。
1.捨てた
2.食べた
3.売った
 これで売った場合は何かの犯罪になるのだろうか。

『億置き』を僕自身はまだやっていないが。もっとも伝票を挟み込む本屋さんの手間が増えるだけかな。犯罪になるのかどうか誰か教えて欲しい。

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Categories:春夏秋冬不思議譚

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