Sonar Members Club No.36

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AI 天国の成れの果て Ⅱ 

2025 DEC 24 0:00:45 am by 西 牟呂雄

 使っているパソコンを2台並べて同じ質問をChatGTPに打ち込んでみた。するとレスポンスがビミョーに違っている。これはパソコンに残っているデータやメールをAIが認識して質問者にチューニングした耳障りの良い答えをしつらえるからだろうか。使用者は共に私なのだが、メールアドレスは別のものを使っている。
 結論に関しては似たような答えにはなっているが、アプローチは違う物だった。
 また、同じことを英語と日本語で質問したところ、極端に正反対の結論にはならないが、結論は多少ずれていた。ChatGTPはしょせん国産ではないから、英語の回答の方が正確というかガッチリした結論を出すように感じた。
 ただし、私の質問は、前者が『全盛期の朝青龍とアントニオ猪木がストリート・ファイトをやったらどっちが勝つか。ルール無し、ノック・アウトのみ』であり(これは日本語だけで質問した、念のため)後者は『三国同盟に日本が加わらなかったら真珠湾攻撃は避けられたか』という下らない内容である。
AIアルゴリズムを勉強したわけではないので正確にはわからない。おそらくAIそのものの汎用性は共通していても、使用目的に応じて様々な要素を排除・強調するようなチューニングをすれば使い勝手は違ってくるのだろう。

 グーグル社の開発するジェミニ3とChatGTPが直接対決するような構図も面白い。片方の答えをコピーして「これに反論して逆の結果を導け」と打ち込んでみたらどうなるか。
 あるいは同じソース・コードをチューニングして互いの腕を競うようなゲームを競わせる、例えば、犯罪を裁く際にAI検事とAI弁護士が競い合うようなゲーム。ちょっと解説すると、競艇では選手が乗るモーター・ボートは抽選で決め、選手はそのボートを調整してレースに臨み、我々は乗り手の腕とエンジンの癖の組み合わせに賭けている。馬と騎手が決まっている競馬とここが違うが、選手の腕を競うという意味では公平に見える。ジェミニを扱う検事役とChatGptを操る弁護士役の対決は駆けの対象になりゃせんか。
 それぞれが飼いならしたAIを持つことで、例えばはじめから互いの方向の食い違う場合の結論の出し方は相当簡略化できる。AI時代の会議は、会議のための資料を時間をかけて作成する必要はなく、白黒は瞬時に決まる。待てよ、最後の判定をするAI裁判官の公平性は大丈夫か。

 推測の域でしかないが、目下のチャットGPT程度は対話を繰り返すことによってそれなりに鍛えられて使い勝手は飛躍的に進化する代物で、そうこうしているうちに無くてはならないものになり、片時も手放せなくなるようになるだろう。そして益々超頭脳としての機能は上がる。
 急速に進化するAIを駆使して戦争が行われていたりしたら恐ろしい、いやもうすでに一部はそうかもしれない。一部と限定したのは全てAIが判断するなら超頭脳は『核』の使用をためらうはずがない。
 我が国は攻撃を受ける兆候が見られると判断されたら、敵の交戦意欲を無力化するAIでも開発しようか。高市政権はインテリジェンスの充実に熱心だから、無論ハードの戦力の向上もやりつつソフト戦略で即応すべく人材・組織を変えていく、発信力・外交力を発揮すべく世界にネット・ワークを張り巡らせるといい。

辣腕アトム VS 哲人28号 (人工知能対決)

 ここまで書いてきてだんだん分かって来た。政策とか戦略・経営に適用させるためにAIトレーナーのような(例えば猛獣使いのイメージ)人材が必要になり、そういう人がプロ化する。現代の熟練工のように自由自在にAIを駆使しロボットを操るようなエンジニアが必要とされ、心配するほど雇用は減らないだろう。なぜならディープ・ラーニング機能が発達してもどうしても新たに生まれる需要・危機に限りはないから ”初めのインプット” を起こす単純作業は減らないから、何がしかの人手は増え続けるからだ。
 私のような老人が過去の成功体験にモノを言わせてアーダコーダと垂れ流すウンチクが最も不必要な時代がすぐに来る、それはうれしい。更に言えば今日知的業務として高い料金を取るコンサルなど1回百円の自動販売機のように、話を聞いてもらってチャチャッと結論を聞かせてくれる。かかる時間は1秒以下だろう。コンプライアンス・チェック、詐欺電話遮断、はたまたトクリュウ勧誘排除、まだあるぞ、早くそうなってほしい。そのころ私はアルツハルマゲドンで桃源郷に遊ぶ心地なのだ。

 そういえば、プーチン・習・金のそろい踏みというおどろおどろしい画像は生成AIじゃないのかね。すると万が一の場合も3人共何事もなかったように揃って永久に人前に姿を現し、世界を威嚇することが可能だ。

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AI天国の成れの果て


 

喜寿庵歳時記 リフォームと民泊

2025 DEC 16 0:00:16 am by 西 牟呂雄

 築百年、各ジェネレーションごとに屋根を変え、サッシを入れ、床暖を張り、暖房を引き、と手を加えてきた喜寿庵も、ついに私の番が回って来た。きっかけは能登の地震で古民家が全滅したことだった。恐る恐る耐震構造の診断を受けたらば、一発アウト。柱と土台はしっかりしたもののようだが、壁の耐震はやはり基準の無い頃の建築なので持ちそうにないとのこと。おまけにマズいことに崖の上に建っているものだから能登並の地震だったら一たまりもない。
 診断をしてくれた方が親切だったのでリフォーム業者をお願いしたところ、それなりの古民家ということで宮大工のような神社・仏閣・古民家の専業を紹介され、はっきり言って見積もりはハネ上がった。だがその時点ではもう後に引けなかった。
 すると、アーダ・コーダと蘊蓄を聞かされ新たな提案までされた挙句、手が足りないの材料が無いのとなって工期は何と半年!こうなりゃもう破れかぶれだ。

ガラーン

 いよいよ工事が始まった。
 覗きに行くと畳は上げられ床ははがされ壁も一部は抜かれていた。へぇ、この下はこんなになっていたのか、などと見ていたが、幼いころから過ごして来た家が解体されるのには感慨深いものがやはりある。
 そういえば庭だって楓が枯れたりこの辺には薔薇があったな。
 新たな命を吹き込むようにリフォームされれば家も喜んでくれるだろう。冬の寒い日には早く言って温めてやらなければ、と車を飛ばしたものだった。
 で、親方が帰って一人になった時点で気が付いた。今晩ここには泊まれない!
 いかにも間抜けな話だが、工事は二階・書斎部分と居間・水回り部分の2か所を分割して行う計画だ。即ち二階部分は普通に使えることは使え布団も置いてある。カップラーメンでも食べながらキャンプ気分で泊まろうと考えていた。だが親方の帰り際の一言ですべてが瓦解した。『電気・ガス・水は止めてますから』
 これ、どうすりゃいいんだ、今から東京まで帰るか。
 と、あることに気が付いた。このすぐ近くに北富士総合大学の学生が運営する民泊がある。ダメもとでいってみるか。そこも空き家をリフォームして学生サークルが交流の場に活用していたはずだ。
 とことこ尋ねてみると学生さんが一人で留守番をしていた。聞けば相部屋でよければ泊まれるという。平屋で共有スペースの他に畳敷きの6畳二部屋・4畳半一部屋、素泊まり〇千円の安さだ。お願いして日帰り温泉までメシとお風呂に行った。

陽気なイタリアン

 さて、ビールと焼酎を手に戻ってみると驚いた。8人ほどが鍋を囲んでいるではないか。
 半数は白人で、イタリアからの旅行者と北富士総合大学に来た留学生だそうだ。
 僕は数十年前にしばらくイタリア南部にいたことがあるので少し喋ると破顔一笑、いろいろ話してくれた(そこからは英語)。二人は従弟同士で片方は学生、もう一人は休みを取って1年かけて世界中を回っている、どういう制度なのか知らないが給料は出ているらしい。シンガポールから上海に渡って富士山を見に来た、この後はオーサカだとか。試しに焼酎のロックを勧めると少し飲んで目を丸くし、もういいと笑った。

エストニア美人

 こちらの二人は遥かエストニアからの留学生で日本語専攻で留学に。確かに上手な日本語だった。今度はロシア語で話しかけたのだが全然通じない。そうか、バルト三国がソ連邦だったのはこの子たちが生まれる前なのだ。ましてやエストニアは今やNATOの一員でもあり、ロシア語なんかお呼びでない(その後英語で話した)。
 話していると、こういうゲスト・ハウスはあちこちにあって旅慣れた外人はよく使うらしい。学生さんに聞けば利用者は半分以上が外国人だとか。ふうん。そしてこういった民泊のネットワークは全国にあるらしい。
 皆さんお若い、老人は僕だけ。だが老人が旅をしてはいけないという事はない。僕もリュック一つでこういう所を泊まり歩けば行ったこともない日本の各地を回れる。面白そうだな。
 さて、酔いも回ったので寝ようと民泊用語のドミトリーという6畳敷きの部屋に行き、つい立てで区切られた一角に布団を敷く。すると相部屋の人がムックリ起き上がった、女性?挨拶するとドイツからの観光客で一人で富士山を見に来たと言っていた。ドミトリーはそういうものらしく平気で着替えだすと腕にはタトゥー。妙な恐怖感を感じたが、まあいいや。
 翌日チェック・アウトまで寝ていたら、客は僕だけになっていた。工事は半年かかるからまた泊まろう。

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『の』 および 左川ちか について

2025 DEC 9 12:12:22 pm by 西 牟呂雄

 友人が編集する文芸誌で詩人かつ翻訳家のサワコ・ナカヤスの文章に恐れ入った。以下、一部を抜粋させていただく。尚、原文は英語で訳はその編集者である。
『の』について。
この魔術的というほかない(そしてつけ加えるなら、きわめて美しくもある)日本語であった。そしてわたしにとってこの語は、翻訳そのものの魔法をとらえている。『の』に翻訳不可能なところは何もない。それはそれ自身、それ自体においては大した意味もない語であり、おおむね、人間、物、場所などのあいだの関係性を示すものにすぎない。それは私たちの世界を組織している、シンタックスと呼ばれる見えない糊である。私はそれを愛する、もしも無人島に持っていくものを選ばねばならないとしたら私はその『の』を持っていくであろう。ー

 どうです。このあと、濃厚な考察と編集者との抱腹絶倒のやりとりが続くのだが、編集者はあることに気づく。かつて東京23区エリアの電話番号が7桁だったとき、口に出して言う際にはXXX『の』XXXXと言い慣わしていたことを。ホントだ!
 そして僕も気が付いた。母方が神道だったので葬式の時には祭詞を奏上するのだが、死ぬと『命(ミコト)』になるためXXX(苗字)翁(女性は媼)『の』命(みこと)、と読みあげていた。
 昔から日本ではそう呼んだのだ。源義経はミナモト『の』ヨシツネであり、藤原道長はフジワラ『の』ミチナガという具合に。これらのケースは指し示す『の』や所有を主張する『の』ではなく、人のバック・グラウンドを表していて、場合によっては省略も可能な『の』である。
 すると将来AIなんかが効率的な日本語を流暢に使った日には消えてしまうかもしれない。そしてそれに洗脳されたガキが妙な『の』抜きの日本語を喋ってしまうのではないかと恐ろしくなる。それは困る。サワコ・ナカヤスさんのように無人島には持っていきたくはないが、無性に愛しくなる。
 例えば『食べ「ら」れない』の「ら」のように、将来その存在すら危ぶまれる音が『の』か。
 ひょっとしたら既に捨てられた『の』がその辺に落ちてないか、気になってしょうがない。 
 『の』を散りばめるとどうなるか。
さびしいの かたわらの女(ひと)声に出す
  旅路 の 秋 の 雹 の 冷たさ

 ダメだな。
 ところでこの サワコ・ナカヤス という人は左川ちかという明治生まれで昭和初期に作品を発表した前衛詩人の英訳者でもあり、その翻訳によってアメリカ翻訳者協会ルシアン・ストライクアジア翻訳賞を受賞したという人。
 更にその左川ちかは、ジェイムズ・ジョイスの翻訳なども手掛けた一種のモダニズム詩人で、念のため検索したところこれがまた大変にマズかった。暗く不吉なモチーフが散りばめられて返ってテンションが上がる。
 どのくらいマズいかというと、読んで1週間はマトモな日本語の文章が書けなくなった程だ。戦前にこんな詩人がいたとは、つくづく詩人にならなくてよかった。是非読まないことを勧める。
 とは言いつつも、恐る恐る読み込んでみるとですな。
 作品をそのまま載せるのは憚られるが、この人の見ている光景が脳内変換して、金属製の言葉がペン先から飛び出してきたような詩である。
 北海道から上京すると、緋色の裏地を付けた黒いビロードの上下、黒いベレー帽に黄金虫の指輪で銀座を闊歩する。ジェイムス・ジョイスが泥酔の中に紡いだ詩の翻訳でおかしくなり、ロクでもない男にしくじったのかとも思ったが違う。
 やはり最初からこういう才能だったのだろう。出身地の厳しい自然に対峙した時、この人には風雪の音がレッド・ツェッペリの楽曲に聞こえていたに違いない。
 どうです、読みたくなりますか。

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喜寿庵歳時記 晩秋

2025 DEC 1 16:16:52 pm by 西 牟呂雄

 4時半には山の端に夕日がかかり、10分もしないうちに沈んでいくその間の最もお気に入りのショットです。
 欅の葉がほとんど落ちて色が消えた芝生に絨毯のようになってしまうとそれはそれで見ごたえがあるもので、掃いてしまうのも惜しくなります、まあ掃くんですけどね。

ギッ
シリ

 そしてその落葉はセッセとネイチャー・ファームに運ぶんですが、ちゃんとした腐葉土になるかどうか。
 栗を拾い柿を落とし、スーパー・ニンニ君を植えて、短かった今年の秋を実感しました。

 この喜寿庵、築百年の代物で(関東大震災後)能登の被害状況を見て念のため耐震構造の検査を受けたのです。爺様が結構頑丈に作っているはずなのでタカを括っていたらとんでもない。見積もりを見て仰天しました。要するに壁の構造が今日の基準を全く満たしておらずこれでは、と業者が迫るのです。おまけにここは20mほどの崖の上ですからねぇ、まず助からない。

母屋二階から

 色々考えたのですが耐震だけでもやろう、ということになり今月から工事が始まります。しかも『なるべく外観は変えないで』との当方の我儘を聞いてくれたのはいいが、診断してくれた事務所が宮大工(神社や古民家のリフォーム専門)を連れて来てしまい見積はハネ上がりました。

うわぁー

 そして、こういうことはどうも一遍に押し寄せるように起こるらしく、飛び地の後背地での砂防ダム建設もいよいよ取付道路を作り出しました。複雑な地権を縫うように買収し林を切り倒し、山肌を削るのです。
 『タダで使っていい』と言ったもののどうなっているかは気になります。
 行ってみるとこれが凄い迫力。あの森林が土砂崩れの跡のように無くなっていました。これで高さ5m程度ですかね。側まで行って見上げると山がのしかかってくるような錯覚に陥りました。取付道路はここを上った後、左方向に曲がって更に上の山奥に向かいます。
 それでこの場所が開けると、写真左手にまた不気味なモノがこれ。

 明らかに人口の手積み石垣が出現。山腹に墓石がありクマイドンの骨が発掘されたこのミステリアスな場所にまたもや謎が。

新種恐竜 クマイドン発見


 まさかご先祖様が山賊でもやっていて、この山深いところに密かに作った山城の遺構じゃないだろうな。そんな話聞いてないよ。
 ここでまた私の悪い癖がでました。ひょっとして取付道路のおかげでこの忌々しい土地が観光資源になったりトラックが毎日往来することで付加価値がついたら。自動販売機でも置いて案内板を作って、いや、そんなミミッチイことじゃなくて温泉を掘り当てて・・・、アホらしい。
 そもそも工事はこれから5年かかる上に資材置き場として『タダで使っていいです』と言っちゃったのだから。

 それはともかく、いろんなことが動き出した実感がします。アーキテクチャーにコンストラクション。そして私は古希を過ぎます。来年にかけて何かが起こるのでしょうか、ふう、ひとまずビールを。

贋作ジェット・ストリーム 回顧編

2025 NOV 24 0:00:44 am by 西 牟呂雄

ーエデンの東が流れる=
 お久しぶりです
 パーサーのジェット・ニシです
 人間はハタチの頃に回帰すると言われています
 それどころかその頃から一歩も進むことのない人もいます
 そういう人達は懐かしさを回顧することはないでしょう
 なぜなら一生青春を生きているからです

やあ!相変わらずだね 
いつも何かに夢中になって
誰かに惚れている
人が深刻になるような目にあっても
ケラケラ笑っている
しばらく会わずにいると
どうしているのか気になる
キミ 年取らないのかい

夕闇の迫る中
寂しい二人が必死に支え合う
二人の間に言葉は無く
音も聞こえず
やがて訪れる漆黒の闇は
視界を奪うだろう
ビロードのカーテンが引かれると
突如、金色の小人が躍りだす

ーエデンの東が流れる=

 いかがでしたか
 ハタチの頃に回帰されたでしょうか
 また空の旅でお会いしましょう
 お相手はパーサーのジェット・ニシでした

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にっ似ている Ⅱ

2025 NOV 19 19:19:53 pm by 西 牟呂雄

 僕は以前から公言している日本ハムファイターズのファンです。今年も残念ながらC・Sでホークスに及ばなかったが、最後まで良く戦った。
 声の限り罵倒している対戦チームにも、中には敵ながら是非我がファイターズに来てほしい選手はいますね。
 かつては松田宣浩が好きでした。宿敵ホークスのアゴ髭『熱男』のことです。痛いところでかっ飛ばされて何度も『このヤギ面野郎!』と叫んだが、実はファン。ファイターズの中田翔とトレードしてくれないかなぁ、と毎年願っていました。特にあの空振りをした時にクルッと反対に向くフォームが好きで、勝手に『奴打法』と呼んだものです。

 今は誰かというとイーグルスの村林選手。以前からカッコいいなと注目していました。
 そろそろ10年選手で、もっぱら守備固めだったが去年あたりからスィングが良くなってレギュラー入り。
 高校時代は143kmを投げるピッチャーだったが、イーグルスは遊撃手としてドラフト指名します。さすがに肩が強く、その守備力も評価が高い。

 この人は目付きがいい。隈取りしたような目力があって、打席に入るといかにも打ちそうな雰囲気が漂う。
 毎回打席に立つ時は目を閉じて『頼むからファイターズからは打たないでくれ』と念じました。
 また私服の着こなしも良くて、御覧の通りですぞ。

 トカナントカイッチャッテ、皆さんごめんなさい。
 本物は最期の1枚だけ。目力の画像を検索していて目に留まった3人の写真を並べました。
 一人目は俳優の山田裕貴、お次は吉沢亮、3人目が本物の村林選手。
 4枚目に私の写真にしようとして止めました。

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にっ似ている

星を持つ男

2025 NOV 15 0:00:57 am by 西 牟呂雄

 運がいい人という意味ではない。もっと恐ろしい話で、この私のことなのだ。
 まあ聞いてほしい。
 ある日突然腕に痒みを感じてガリガリ引っ搔いていた。夜みると余程強く掻いたとみえて赤く腫れている。

 だがそれだけではないのだ。他にも蚊に刺されたような跡が点々と繋がっていた。まさか帯状疱疹じゃないだろうな。いや、痛みはない。
 そしてジッとみているとあることに気が付いた。これ、まるで北斗七星の並び方じゃないか。写っていないが右奥の掻きむしったところにもう一つで七つになる。正確に言えば柄杓の向きが逆で、これは幕末庄内藩の二番大隊が使った『破軍星旗』のデザインである。

破軍星旗

 破軍星とは柄杓の柄の部分(私の腕には写っていないところ)の星で、「この星に向かって軍をすすめると戦いに敗れ、逆に背にして戦うと必ず勝利する」という信仰の対象になっているとか。

 更に不気味なことに、こちらは右手の掌にこの夏ごろから現れたデキモノ。初めは農作業中に付けた傷かと思っていたら、いつまでたっても治らず、次第に大きくなってきた。
 左に北斗七星ならばこれは北極星か。

 因みに気になったので手相としてはどう観るのか、テキトーな本を立ち読みしたところ、以下の記述があった。
 『芸術的な発想・新しい企画・表現欲求が強まる。感情の伝え方が豊かになり、交渉や説得で影響を与えやすい。海外・遠方・想像の世界が広がる。一方で、感情の高ぶりによる衝動的な行動が見られる。無意識のストレスや疲労のサイン』
 ナンジャコレ。デタラメな思い付きを言いふらして疲れる、という意味なら毎日やってる。
 まあいいか。これから言ってみよう『左手に北斗七星、右手に北極星。オレは星を持つ男だ』

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とりあえずの死ー日本棄民伝 劇団1980

2025 NOV 10 20:20:36 pm by 西 牟呂雄

 『とりあえず死にます。日本に帰る日まで』
 何という絶望的な言葉だろう。アル中、嘘つき、認知症、その他様々なクセのある4人のおばあさんが行き場を失って養老院で暮らしている。ところがそこは日本ではなく旧満州、哈爾濱外僑養老院なのだ。
 満蒙開拓団として日本から渡り、そのまま居残らざるを得なかった残留婦人と呼ばれる人達である。
 そして彼女たちの世話を焼いているのは日本軍についてきて置き去りになった朝鮮人の女性。
 彼女達は望郷の思いもさることながら、若かったころの自身の幻が現れては日本敗戦後の悲惨な体験が苛む。ここは分身を登場させる、という悪魔的な手法で観客を思いっきり引き込む。
 現代演劇の音響・照明を駆使した迫力ある舞台は強烈だった。

 仲間の早野さんが主演した舞台を見てきた。お話を伺うと、何しろ老婆の役作りだから腰を曲げて演ずるので肉体的にもキツい。おまけに過去の体験はどれも命がけの様相で、乳飲み子を置き去りにする、満人に襲われる、パートナーを見殺しにする、殺される・・・。いきおい声を張り上げる演技が延々とつづくのだからたまらない。毎日終るとドッと疲労が被さってくる感じでボロボロになるそうだ。

 ポツダム宣言受け入れ後のソ連侵攻は鬼畜の振る舞いにより入植日本人はズタズタにされる。運よく帰国できたにせよ同様の苦労には多くの証言がある。満州だけではない。内蒙古や北方領土ではその後も帝国陸軍の果敢な戦闘が記録されている。

スキー競技の張家口

ヒグチのリスト


 満州出身の著名人は民間だけでも赤塚不二夫・浅丘ルリ子・池田満寿夫・岩見隆夫・梅宮辰夫・小澤征爾・加藤登紀子・藤原正彦と多士済々だ。男性は『夫』がつく人が多いが、偶然なのか。
 加藤登紀子さんのお父さんはそれこそ哈爾濱で元関東軍の特務だったと思うが、新宿のロシア料理店のオーナーだった。芸能関係にもネットワークがあった興味深い人物と聞いた。

 重いテーマだが戯曲が書かれたのは1992年。バブルのバカ騒ぎがすっ飛んだ直後なので驚いた。そろそろ置き忘れたものに手を付けなければ、と日本が気付かされたごとし。
 この養老院はその後も存続し、同じように帰国できなかったロシア人、アメリカ人、韓国・朝鮮人もいた。その後盛り上がった帰国支援事業により、帰国が叶った人も留まらざるを得なかった人も既に鬼籍に入られたことだろう。最期の心の安らぎとご冥福を祈る。
 初演のパンフレットに現地の養老院長の言葉が引用されている。
『ここに彼女達がいる限り日本の戦後は終わっていないのです。いやたとえ居なくなっても終らないでしょう、日本政府は彼女達に何もしていないのだから』
 これには参った。それはそうだろう、行き場の無くなった方々を手厚く面倒を見ていただいたことには感謝する。
 だが考えても見てほしい、日本は負けたのだ。負けてからは、占領され憲法を変えられ、米兵には乱暴され、ソ連兵には略奪され、シベリアに送られ、内地もメチャメチャにされ『何もしていない』どころか『何もできなかった』のだ。それから懸命に働いて稼ぎ、うっかり調子に乗ってバブルに踊り、やっと何かできるように1990年代になった。そちらさんだって国共内戦から文化大革命とやってたじゃないの。まぁいいか。

 早野さん、熱演お疲れさまでした。
 韓国人役の方のタドタドしい日本語があまりにハマったので、韓国の女優さんかと思いました。
 もう一つ、ゴチャゴチャになって地元の満人が叫ぶシーンは、満州語なのか北京語(マンダリン)なのか。待てよ、満州語なんて今更教えられる人はいないか。

 あっ、書いておいてなんですがもう千秋楽過ぎてます。

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日本史 五つの仮説

2025 NOV 8 11:11:01 am by 西 牟呂雄

 前回、ロバート・キャンベル先生の話の中から飛躍して、茶器の逸品「付藻茄子(つくもなす)」は大坂夏の陣で粉々になったのを、徳川家康が漆塗師の藤重藤元・藤巌親子に復元させて『これが本物だ』と嘘を言い張ったのじゃないか、という荒唐無稽な想像を楽しんだ。だがひょっとすると、日本史にはそうやっていまだに騙されているような秘密はほかにもあるのではないだろうか。
 有名な噂話では豊臣秀頼は秀吉の実子ではないとか、凄いのになると孝明天皇は毒殺され明治天皇は南朝の血を引く大室寅之祐がなりすました、等々。
 面白いので有名無名オリジナルのホラ話を綴ってみた。

漢委奴国王印偽物説
 1784年、福岡県の志賀島で百姓が水田の耕作中に巨石の下から偶然発見したとされるが、昔から『あれは偽物』説が絶えない。発見された場所が江戸期という比較的新しい時代にも関わらずはっきりとしていない。
 黒田藩の儒学者亀井南冥が『後漢書』の金印であると言ったからそうなったらしい。
 そもそも志賀島には金印にある奴国の遺跡など全く無いとか『委』に人偏がついてないとかツッコミ所は満載。
 お墨付きを与えた亀井南冥が黒田の殿様にニオベンチャラを言う目的で自分でこしらえた、というのが本当じゃないかな。高くついただろうが。

藤原不比等落胤説
 藤原家の人々が秘かに伝えてきた噂だが、僕は末裔から直接聞いた。
 飛鳥板蓋宮の乙巳の変で蘇我氏中心の政治を改めて改革を始めた。のちに天智天皇と藤原鎌足コンビになるのだが、その前に中大兄皇子時代の愛妾を中臣鎌足に下げ渡し、その時に既に懐妊していた愛妾は男の子を生み、それが不比等だという話。
 事実不比等は壬申の乱の後には不遇を囲っていたが、下級官吏から次第にのし上がり、息子たち4兄弟は出世するあたり妙にイミシン。藤原家は他にも一条天皇の第一皇子である敦康親王が道長の養子となっている。臣籍降下しないで養子になるところなんかますます怪しい。『公卿補任』『大鏡』『帝王編年記』『尊卑分脈』といった文書にも記され、平安時代にはある程度知られていたことがうかがえる。
 すると天皇家男系男子のY1aの遺伝子を引いていることになるので、皇統維持の有力な候補になり得る人材がいるのではないかな。
 そう言えばウチも家系伝説では藤原の流れという事になっている、たぶんウソだろうけど。

北条一族頼朝暗殺説
 頼朝は前年末、相模川の橋供養からの帰路で落馬し、直後に体調を崩して翌1199年の1月に死ぬ。だが、吾妻鏡が死因について記述するのはそれから13年も経過してからだ。
 北条氏が鎌倉時代を通じて何やら暗い印象を受けるのは、頼朝が死んだ後次々と頼朝と正子の子供達が謀殺されていることが遠因と思う。が、実際の暗殺に関わったとは言わないが実子の死後も平然としている正子の根性を思えば頼朝の死も・・・。
 そして今度はウチの母方だが、頼家亡き後に『私も源氏の血を引くのだから次の鎌倉殿は私かな~』と大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で調子に乗って言い放ち、北条に誅殺された先祖がいる。平賀朝雅という。
 いずれにせよ源氏3代どころか有力御家人をかたっぱしから片付けて京都から将軍を連れてくるなんぞ、もし策を巡らせてやったのなら大したもんだ。

西郷隆盛龍馬裏切り説
 やったのはいまでは見廻組と判明している。しかし龍馬が死んで得をするのは幕府側だけではない。
 龍馬は船中八策に見られるように共和制を唱えてはいるが、基本的に公武合体主義者であり、徳川慶喜を新体制のトップにする構想(船中八策は後世の偽書とする説も有力だが)を持っていたようだ。
 そして龍馬暗殺時点では薩摩=西郷は倒幕の腹を固めていたと見られ、すでに龍馬は邪魔者だった。
 そこで必死に龍馬を追っていた見廻組に潜伏先をチクって殺らせる・・・。
 西郷は豪放磊落な人格者であるが密偵の使い方もうまく、人名が明らかになった者だけで三人いる。江戸で焼き討ちを実施した益満休之助、アメリカ公使館員のヘンリー・ヒュースケンを暗殺した伊牟田尚平、後に赤報隊を率いた相良総三の三人。かなりエグい仕事をやったようで、三人とも不審死した。
 誰かを使って居所を示唆した可能性はあるかな。
 この場合、見廻組にチクったとすると、なぜ新撰組を使わなかったのかという謎は残る。思うに使わずにおいて逆に『やったのは新選組だ』という噂を広め捜査を混乱させたのかも、スゲー。
 とは言うものの、プロの間では否定されているそうだ。

帝国陸軍にコミンテルンのスパイ説
 ロシアの機密文書の公開でにわかに注目を浴びた説。だが、2・26事件の背景とは言わないが、天皇親政と共産主義は相性がいい、という言説が陸軍内部にあったことは確かである。
 盧溝橋事件も日中を離反させるために仕組んだ陰謀だ、とまで飛躍するのだが。そうなると張作霖爆殺も満州事変もみんなコミンテルンの仕業と比定されるので耳障りがいいがどうだろう。
 以前チラと書いたことがあるが、国民党の秘密組織であるC・C団のトップ陳兄弟の弟、陳立夫が戦後も台湾で存命していた。歴史家保坂正康がインタヴューしていて『当時の帝国陸軍にコミンテルンのスパイがいたはずだ。こんな簡単なことが分からないのか』と言ったらしい。 
 1918年、モスクワにおいてボリシェビキの会議が開かれ、日支闘争計画案が決議されていることは史実。
 一方で開戦前のアメリカ中枢に多くのソ連スパイがいて、ハル・ノートの原案を作成したハリー・ホワイトは実際にスパイ容疑が掛ったのち不審死している。
 大本営作戦参謀だった瀬島龍三は関東軍参謀としてシベリア抑留中にスパイ訓練を受けた、との証言がある。「厳格にチェックされた共産主義者の軍人を教育した」「これらの人物は共産主義革命のため、モンゴルのウランバートルに存在した第7006俘虜所において特殊工作員として訓練された」「シベリア抑留中の瀬島龍三が日本人抑留者を前にして『天皇制打倒!日本共産党万歳!』と拳を突き上げながら絶叫していた」等々。
 いっそもう一捻りして開戦前からコミンテルンと繋がっていて、海軍に真珠湾をやらせ関東軍を煽り辻政信を調子に乗せ、実はこっそりゾルゲと酒飲んだりしてた・・・。どうかな。

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ロバート・キャンベル先生の講演

2025 NOV 1 19:19:09 pm by 西 牟呂雄

 しばしばテレビに出るロバート・キャンベル先生の講演会「国内外の災害見聞記録から問う人文学の現在地」を聞きに行った。テーマがこわい。
 ところが、話しは茶器の逸品、「付藻茄子(つくもなす)」。豊臣家が所蔵していたが、大坂夏の陣で壊れてどこかに行ってしまったものを、徳川家康が漆塗師の藤重藤元・藤巌親子に探させるとカケラを探し出してきてそれを復元した、という大変な代物である。続けて、今年の夏頃に危険を冒してウクライナを訪問した際に出会ったアーチストの話になり、キーウの攻撃を受けた集合住宅で拾い集めたお皿について云々、戦火を潜り抜けた生活物資について語った後に平和について考察するというオチでした。
 まあ話は面白いのだが、僕は初めの『カケラを探し出してそれを復元した』に引っかかって集中できなかった。
 藤重藤元・藤巌親子はあまりの家康の剣幕にビビり、焼け跡のゴミを見てヤバいことを悟り、そこら辺のゴミをかき集めて『ありました』と報告したのではないだろうか。そしてそのゴミからテキトーに復元したとしたらどうだろう。おそらくブツを見たことがあったので、そういう離れ業ができたと考えてみた。すなわち付藻茄子は藤重親子のオリジナルで、来歴は嘘。一方家康もそのことは当然知りつつも『よくやった!大儀である』と誉めそやし、豊臣を倒して手に入れた、という箔を付けて見せびらかした。
 それでも名器の風格が損なわれる訳でもなく、今日でも鑑賞に堪えるのだから別にどっちでもいいか。
 まっ、それぐらいの腹芸と阿吽の呼吸でこなす配下がいなけりゃ天下を取るという大仕事はできまい。
 この話、ウクライナを訪問するにあたってお土産に能登の地震で砕けた陶磁器を元に拵えたモニュメントからの流れの話のようです。

石川県のCALC社製

 講演の間中、上述の妄想に捕らわれていて後の方はすこぶる印象が薄い、キャンベル先生ごめんなさい。
 一つだけ、戦争によって完全に価値が逆転した場合、言葉の意味は捻じ曲がり感情もそれに乗り、書き記されたり残されたりしてとどまる。例えば繰り返し襲ってくる地震(能登・東日本・神戸)なども、あまりに悲惨な映像を見てしまうと、言葉はどうあるべきでどう読み取るのか。圧倒的な逆転に対しては、ひょっとして意味すら失うのか。
 どうやら僕はそのあたりから思索を始めることになりそうだ。

 ところでキャンベル先生は、話し方からは深い教養と優しい人柄が伝わった。古き良きアメリカン・リベラルの趣があって、トランプのことはさぞ嫌いなんでしょうねぇ。

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