何てセコいんだ!
2025 OCT 5 8:08:41 am by 西 牟呂雄
小銭をジャラジャラとポケットに入れている。お財布を持たないからだ。そうするとズボンのポケットが傷むという理由で小銭入れを持たされていたが、もうどこかに行ってしまった。
あるヤボ用で某日新幹線に飛び乗った。チケットを買った後に丁度出発する名古屋から東京行きのぞみ、自由席だ。空いていて運良く3人掛けの通路側に、窓側には女性が一人で寝入っていた。間の席に荷物を置くとビールを飲んですぐウトウトした。20時56分発名古屋発、東京行き最終に近い。
1時間ほどしたときにフト目をやると、黒い小物があることに気が付いた。手に取って見るとLANVINの小銭入れではないか。座席前のラックに取り残されたようにあった。ラックにあったから隣の女性のものではないのは明らかだ。手に取ってみると545円入っているではないか。ははァ、だれか忘れたのだな。マッこの金額なら大騒ぎもしないのだろうな、と思いそのまま席の上に放置していた。
だが、しばらくすると急にこの小銭入れと545円が哀れになって来た。どうでもいいモノとして主に冷たくさえて放置されてしまったかわいそうな代物に思える、どうしよう、降りる時にそのまま置いておけば清掃のおじさんが拾って届けてくれるだろうか、いや、そのおじさんは懐に入れるのは別に構わないがその後大事に使ってくれるだろうか、駅に着いてから届けに行くのも面倒だな、とどうでもいいことで心は千々に乱れた。
少し前の小銭入れの紛失について、あの金は今頃どこかで人の役に立っているだろうかなどとも考え、ひょっとしてこれは天の采配かと思えないでもなかったが、丁度車掌さんが通りかかったので「これ、現金が入った忘れものですよ。名古屋までに降りた人です」と渡すことができた、ヤレヤレ。平和ニッポンに貢献したような気分だ。
ところで、もしあれが545円ではなく、もっと多額のお金だったらオレはポケットにいれてしまわないかが気になった。千円だったらどうか、1万円だったら・・・。
結論から言えば迷うのは千円から5千円と思われた。1万円を超えるとなにやら落とし主に悪いような気がする。十万円ならば、これはとてもとても。百万円とでもなればそんな金に触るだけでも犯罪に巻き込まれるのじゃないかとビビる。
するとオレの現金の識別閾値の上限は5千円以下か・・・・ウッ、情けない。
まっ、届けますけどね。
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