ようやく秋 と思ったら冬
2023 NOV 13 23:23:24 pm by 西 牟呂雄
山荘は朝晩は寒い。枯葉が散ってくる。伸び放題の草を刈って野焼きする。
11月になってやっと秋めいてきた。
枯れ葉は穏やかな視界のどこかでひらひらと落ちて、一たび風が吹けば一斉に踊るがごとく舞い散っていく。さながら桜が散るごとく。何とか吹雪のような枯れ葉の舞いを撮りたいと30分粘ったがダメだった。
春を告げる桜と晩秋の一年に二度、勢いのあるものが一斉に失せてしまうのを見続けた日本人は独特の感性を身に纏ったのだろう。季節の変わり目にいきなり姿を変える風景は無常観といえばそうかもしれないが、もう一ひねりしてみたい。どうだろう、我々が、もちろん普通に持っている普遍的な闘争心とか怒りとかは別として、時に見せる憐憫の情、或いは寂しさとも言える感情が培われたのではないか。
更にもう少し掘り下げてみたいが『さて、明日は何があるかな』という具合の明るさ、あまり人は共感しないかもしれないが僕は日本人は独特の明るさを持っていると考えていて、その明るさも四季の移ろいや度重なる自然災害が培ったものとは言えないだろうか。
1万年続いた縄文時代に今の私が考えたことと同じことを思った誰かがいたのは間違いない、その後に続く弥生・農耕時代は更に、と思えるのだ。
ところで今年の夏の異常な暑さで、例えば紅葉に異変が起きている。もみじが赤くなっていない、むしろ見たこともない黄色だ。黄色いもみじは何を示唆しているのか。もう一本はまだ緑い。おまけに柿がなったのでシブ柿だから干してみたのだが、念のために齧ってみたらなんと甘い!僕の記憶違いなのだろうか、それとも暑さのせいで甘くなってしまったのか。
この年になってこんな環境の変化を目の当たりにするとは思わなかったが或る意味我々世代の責任とも言える。
我々はいったい何をしてきたのか。次世代に何を残せるのか。僕は今のところ見習い農業でジャガイモやニンニクを造って、セッセと食料を生産しで酸素を供給している。アグリ万歳!
さて、信長公記に『其日は、もとすに至つて御陣を移させられ』と書かれていて、これは甲州攻め帰り本栖湖を通って行った記録である。天気もいいから本栖湖まで足を延ばして信長の見た富士山でも楽しもうか。本栖湖は透明度の高さで名高いが、そこから富士山を眺めたことはなかった。子供の頃に遊びに来たことはあるが、泳いだ記憶だけが残っている。
その後、本栖湖と隣の精進湖の間にかのオウムのサティアンがつくられていたため気味が悪くて近寄らなかった。跡地にテーマ・パークが建設されたが潰れている。あんなゲンの悪い所じゃね。
本栖湖は明るく輝いていた。信長はこの富士山をみた二カ月後に本能寺で死ぬ。
現地で初めて知ったが、千円札や五千円札の裏に刷られている富士山はここからの眺めだとか。お札を見ると将にこの姿なので僕も。
本物はもう少し高い所から撮ったようだ。満足して帰ってきたら何と3年ぶりの木枯らし1号が吹いて、北関東では雪。
オイオイ、秋はどこに行った。やっぱりおかしいよ。
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Categories:和の心 喜寿庵
2 comments already | Leave your own comment
西村 淳
11/15/2023 | Permalink
一週間ほど前のNHKニュースで富士山頂に雪がない、と言っていました。これはフェイクではないようで、山頂がぎざぎざで、北斎の赤富士ならぬ黒富士の映像も。美しくないです。
西 牟呂雄
11/16/2023 | Permalink
おっしゃる通りで、この写真ポイントよりもう少し北側から見ると(即ち真西から見ると)富士山の姿は尖って見えます。古い絵でも山頂には3っつのトンガリが描かれているものもあり、新幹線や河口湖あたりから見える美しい稜線とは違っていますね。
故安倍元総理の別荘のあたりです。