Sonar Members Club No.36

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台風の通った相模湾を渡る

2024 JUN 8 0:00:11 am by 西 牟呂雄

 なんと間の悪い。恒例の油壷ー伊東レースが、台風直後の6月1日に行われた。前日、土砂降りの中、船を下したが、準備も何もレースが成立するかどうかも分からない荒れた天気で、台風は通過しても雨・風・うねりは残るかと暗澹たる気持ちになった。我が艇はレース・ボートではないのであんまりうねりに叩かれると規定時間内に入港できず、リタイアにされる公算が高いのである。
 そう思って朝起きてみると何と風はない。油・水・ビール・ウィスキィ・食料を積み込み出艇申告し、レース旗であるピンクのリボンを括りつけた。本部艇にチェック・インをするため、スタート・ラインに向ってみれば鏡のような凪の海面である。我が艇はうねりにも弱いが、ベタ凪はもっと困る。凪では更に進まない。
 試練は続く。メイン・セールを揚げようとすると出ない!マスト内の巻き込み式なのだが、中で噛んでしまっていた。ボースンがリフトに乗ってマストを登り、色々手を尽くしてもダメ。スタート時間の信号が鳴った。
 ところが、あまりの風の無さに各艇ポジション取りに悩み一斉にフライングしてしまった。ジェネラル・リコールという再スタートとなる。こっちもはれどころじゃなく、メインはあきらめてやれゼネカーを出すぞスピンを揚げるぞとジタバタし、全く船は進まずに焦りまくっているうちに予告信号が鳴り、再スタートとなった。
 スタート後10分を経過した時点で冷静沈着なスキッパーが厳かに言った。
『エンジンをかけろ。我が艇はリタイアするから本部にコールしろ』
 全員全く異存なく、一部はニターッとした(僕が)。
 こうなったらエンジンをブン回していい所に船を付け、早く温泉に浸かろうと一瞬にして切り替わったのだ。

 後方で必死に風を拾い真面目にレースを戦っている僚船を見ながら、通常は6時間はかかる航路を約3時間で伊東に着いて入港祝いのビールを飲んで温泉に入った。
 ところがのんびりと船に戻って来ると、大モメにモメている。僚船のオーナーとレース委員がトラブッていた。
 レース委員会はあまりの風の無さにコースの短縮を決定したが、その際のフィニッシュ・ポイントは『北緯35度2分45秒 東経39度10分15秒付近』と決められていて、熱海から見える初島の北側である。ところがまずいことにこの日、同じような葉山~初島レースも行われ、そのフィニッシュ・ラインもそのあたりだった。そこでレース本部は多少ズラしてラインを張った。この際、ピン・ポイントで狙ってきた船がラインを見誤り、多少行って来いとなってロスが生じたのだ。その時本部艇に向ってかなり激しい罵声が飛んだらしい。
 こういうこともあり得るので帆走指示書には『上記の位置はおおよそであり、位置の誤差は救済の対象にならない』と規定している。この『おおよそ』が問題とされた。
 そこから事態は複雑になった。罵声を浴びせられたレース委員会も頭に来たらしく、船名を確認するとその船の所属ヨット・クラブの会長に厳重注意の電話を入れた。そして査問を受けたそのクルーも激高したという話。話がつかずに、油壷のドンである我がスキッパーの所に持ち込まれた。こういう時『おおよそ』は困るのだ。
 まぁ、レースの最中だから興奮するのは分かるものの、品性に欠ける罵声は宜しくはない。その場でクレームのレッド・フラッグを揚げてレース成立後にしかるべき話し合いが行われるべき、という結論だ。

 モメごとを捌いて、伊藤市長も来賓として参加する歓迎パーティーに臨んだ。
 ここだけの話だが、地ビールというのにあまり旨いものはない、とだけ言っておこう。

 さて、翌日再びセールと格闘して遂に引きずり出すことに成功、よかったよかったと港を出ると、真向いの東風を受けた。真上り、と言ってとても帆走できない。しかもよく見るとセールの一部が破けている。これは・・・・。このまま風に逆らわずに行ければ持つのだろうか。
 案の定、破れ目は伸びてしまいこのままでは裂けて修理不能になる。今度はあわてて下ろしてたたむ。思えばこのセールも、十年以上良く働いてくれた。僕達のムチャな航海にも付き合わされて波飛沫を浴び、寒風の中を何とか安全に港へと運んでくれたのだ。これで寿命かとなると葬式でも出してやりたくなる。いや、むしろ捨てずに喜寿庵にでも持って行ってハンモックにするとか日差し除けにでもならないのか。そう言えば物置の奥に押し込んだ、もう使わなくなったゴルフ・クラブとかスキー板のようなものを並べて眺めたら楽しいかもしれない。
 いや、他にもあるぞ、弾かなくなったギター、得体の知れないスパイク、使い物にならないノコギリ、と次から次へと頭に浮かんできて、暫し黙って海面を見つめていた。
 それらは人間の業のような・・・マッ、ただのゴミ・ガラクタだが。
 初島を交わし熱海に別れ告げ、真鶴半島を過ぎたあたりでは日が射した。夕べから飲み始めたウィスキィが2本が空いた。
 で、結局のところ往復ともセール無しの汽走になってしまい、とてもヨットで横断した気がしなかったが、安全な航海はできたことになる。帰港した途端に雨が降り出した。
 セールよ、ありがとう。
 もう梅雨だな。

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贋作 ジェット・ストリーム 女性コーラス編

2024 JUN 2 20:20:12 pm by 西 牟呂雄

ーミスター・ロンリーが流れてくるー
 またお目にかかれましたね
 パーサーのジェット・ニシームです
 長い旅に出られたのでしょうか
 それとも忙しいお仕事でしょうか
 いずれにせよ日常を離れて
 しばし瞑想にふけるのもいいでしょう
 安らかな女性トリオのボーカルでおくつろぎ下さい

 稲妻のような光
 あなたを貫いていった
 一瞬だけ はっきりと見えた
 青白い横顔
 あの光が
 あなたを遠くに連れて行った
 そしてわたしは置いていかれた
 あなたをわたしから遠ざけた光
 1億光年先の過去から
 あなたを目がけた光
 なぜ どうして 今なのか あのひとなのか
 



 さあ これからだ
 夜中に走り出したくなる
 さあ これからだ
 早朝に 飛び込みたくなる
 さあ これからだ
 身支度を整える
 あたらしい 靴
 あたらしい ランドセル
 あたらしい 船
 もう夢から覚めたろう
 これから 大変だぞ お前たち

ーエデンの東が流れてくるー

 いかがでしたか
 おくつろぎいただけたでしょうか
 最後のスリー・ディグリーズはどうしてもはずせません
 次回は日本版の女性コーラスを
 お届けしたいと思います
 また 空の旅でおめにかかりましょう
 パーサーはジェット・ニシームでした

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ケタ外れの資産と自由

2024 MAY 26 8:08:42 am by 西 牟呂雄

 今日のコンピューターの進化と通信技術の爆発的革新によってビジネス・チャンスが生まれるのであろうが、その果実を十分に味わえるのは一部の限られた天才達、GAFAの創業者や昨今のイーロン・マスク、サム・アルトマン、正体不明のサトシ・ナカモトといった人々だ。こういった天才の頭脳構造は計り知れない。
 つらつら思うのだが、彼等は数学の問題を『解く』のではなく、問題を『造る』ような思考をするのではないか。そうなると無限に思考は進化し続け、おかげで我々は便利に暮らせ、彼等は益々富栄える。天才もここまで来るとかなり危なくて、彼らの子供達には自閉症が多いことが知られている。
 特にマスクは次々とターゲットを変え、ものすごい能力と集中力でもって成し遂げていく。そのために超多額の投資を厭わず、周囲と軋轢を起こし、極限とも思われるリスクを取り続ける。最終的には人類の火星植民を考えていると言うから驚きである。怖いのは本当にそうなりそうな気がしてくるからだが。
 同じような天才、ピーター・ティールは不死の研究に投資するだけでなく、将来の技術により蘇生を期待し遺体を冷凍保存する計画だそうだ。
 そして、彼等のような超天才+超富豪が等しく求めるのは何か、というとこれが『自由』なのだ。ただ、単純に好き勝手に暮らすというような我々の考える自由ではない。
 既に彼らの事業領域は国境を越えてしまい、国家というものは彼等の仕事をむしろ拘束しがちな機構である。したがって無政府主義のアナキストになるかというとむしろその逆を目指す。マスクやティールがそうであるように、一般的なポリ・コレとかフェミニズム系の言説には激しく反発する。ツイッターを買収して凍結されていたドランプ元大統領のアカウントを復活させた。更に自身がCEOを辞任すべきかどうかツイッター上で投票まで行って辞任している。
 一方で、自分のプライバシーには非常に敏感で、それが守られなければ完全なる自由は得られないと考えている。もっと極論すれば政府の干渉からプライバシーを守るためなら民主主義など無用の長物に違いない。そもそも極端に高い知能の彼等から見れば、バカにしか見えない連中の投票行動なんぞはアテにならないと考えるはずだ。
 どうもビル・ゲイツとかスティーヴ・ジョブズといった当初のIT長者といわれた人々と、マスク・アルトマン等の次世代とではこのあたりの考えは違う。彼等は伝統を愛するなどという気質はサラサラなく、既存の右翼・左翼といった分類などに当てはまらない。
 こういった天才たちの末裔に至っては一般人とは共存できなくなるのだろう。
 かれらが夢中になるようなプロジェクトも、例えば火星に移住するとか遺体を保存して将来蘇生するというのにも莫大なコストがかかり、彼ら以外にその恩恵を享受できるような者はいない。
 そうなると、ただでさえ大富豪なのだから、核戦争に備えた広大なシェルターやら例えば南極に快適な住空間を造り、その中でいかなる制約も受けずに自由に暮らし始め、仮想通貨で外界からモノを調達し、ハッキング技術によりいかなる攻撃も阻止し、人工の食事をし、仮想空間で遊びながら、好き放題研究開発に明け暮れる。これは楽しみというか怖いもの見たさというか、そのような生活をしているところに見学に行きたくなるような興味が湧く。だが一緒に住めるはずもない。

 ところでアメリカ以外の国はどうであろう。彼らに匹敵するような天才がいるに違いないが、今どこで何をしているのだろうか。アジアには孫正義や盟友のテリー・ゴウやジャック・マーもいいセンをいっていた。ただ、孫正義は借入金が大きすぎるし、テリー・ゴウは政治に興味を持ちすぎ、ジャック・マーは共産党に潰されそうだ。まぁ彼らは日本人ではないが。
 ホリエモンがそうなりそうな芽はあったのだが、ちょっと乱暴すぎて叩かれた。筆者はアレはもったいないと思うのだ。今はロケットに関わっているようだが、再びチャレンジ復活するところを見たい。
 どうも日本国内に留まっていてはいくら天才でもとほうもない資産を築くような方向にはいかない。更に言えば、やたらとIQの高い人間のいる確率が同じだとしても、日本の暮らしが居心地が良くて、そこまで孤独に自由を求めるという感覚は生まれない.むしろ侘び・寂びの方に行くのではないかな。
 規格外の天才児である大谷翔平がメジャーで成功しているのを見ても、ズーッと日本にいたらあそこまでブレイクしなかった。
 天才が一生かかっても使いきれない資産を築き上げ。自由を求める気分を醸成するインセンティヴは風土と密接な関係があるに違いない。筆者自身はアンチ・グローバルであるから少しも困らないし、外国に住みたいとも思わない。大谷の活躍を見ているだけで充分である。
 無論、そうでない人がアメリカに移住するのは構わない。それこそ自由なのである。 

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みーつけた

2024 MAY 19 16:16:57 pm by 西 牟呂雄

 最近また一段とモノを失くす。特に喜寿庵にいるとコマゴマした作業をするが、かなりの頻度で愛用の道具が忽然と姿を消す。シャベル・鋏・焼却炉の灰掻き、どれもいい具合に錆の付いた味のあるモノだった。
 故トム市原氏によると、それらは異次元にワープしてそっちで役に立っているから気が向いたらこの世に帰ってくるのだそうだ。そうであればよほど向こうの方が居心地がいいらしく、もう何か月も見ない。
 そして恐ろしいことに幻聴まで聞こえてきた。夜になって電気を付けると『ミシッ』とか『コン』とかいったかすかな怪音がする。はじめは虫がLEDにぶつかっているのかと思っていたが今はまだ虫なんか飛んでない。喜寿庵にいるときは大抵一人だから確かめようもない。そしていつでも聞こえるわけじゃない。待てよ、ポルター・ガイストじゃないのか!

 ある日、夜中に喜寿庵に着いて電気をつけると例の『コンッ』が聞こえた。試しに『ただいま』と返事をしてみた。するとかすかにLEDが瞬いたような気がした。
 実はここの二階の部屋に大昔友達が泊まった時にチョット妙なことがあった。霊感の強い女性が『いらっしゃる』と呟いて朝まで放心状態で正座していた。その姿を実際には見ていないが、一緒に寝ていた女性が朝方『きもちワル~』と言って青ざめていた。試しにその部屋で何回も寝てみたが、僕には何も起こらない。しかし気になって懇意にしている真言密教のお坊さんにお祓いしてもらったことがある。
 喜寿庵は築100年は経っているが、不幸になったという人はいない(取り合えず私自身は除いて)。即ち悪霊の類ではない。すると座敷童なのではないだろうか。
 そこで、名前をつけてやることにした。まず考えたのは『コロポックルちゃん』だった。
 だが結論から言ってこの名前は気に入らないというか、全く反応がなかった。
 それからいろいろ試すのだが『〇〇ちゃん』とか『✖✖✖✖ちゃん』と試したが芳しくない。露骨に『座敷わらし様』もダメ。色々試したがアホらしくなってしばらく忘れてしまった。

 ある日、喜寿庵に憑いて思わず『ただいま』と声に出したところポルター・ガイストが起こって軽い怪音がした。オッ久しぶりに出たのか。ヨシッ。いろいろ考えて私が布教している滋養教の神様の名前を呼んでみた。『滋養様、今参りました』すると『ミシッ』と返事があった。しめた。ちゃんと敬語を使えば反応してくれたのだ。
 電気を付けながら『ご機嫌はいかがですか』『コンッ』『だいぶ暖かくなりまして』『カンッ』といったやり取りが続くではないか。
 それからは外に行くときは『滋養様、行ってまいります』とか声をかける。ただこれには何も返事はない(当たり前だが)。ネイチャー・ファームで農作業中にフト語り掛ける。『滋養様、近頃は雨が少のうございます』先日はついに生垣を手入れしながら『お熱うございます、はい』とやっていたら通りがかった人が目を丸くしていたのであわてて携帯で話しているフリをした。アブナイアブナイ。

ポテト・フィールド

 ネイチャー・ファームでは今年もジャガイモ・ナス・ピーマン・キュウリを造り始めた。昨年飢えていたニンニ君は収穫間近。油カスや肥料をやって育てている。
 するとですな、農作業の合間に思わず労働歌のように口ずさむことがクセになってきた。

ニンニ君

『滋養様~、滋養様~
 今年も年貢を納めます~
 ハァ~めでたい~、めでたい~』
 というテキトーな詩をゴスペル風に歌っているとディープ・サウスの綿花畑で汗を流しているような気がしてなかなかソウルフルである。
 あれっ、誰かいる?振り向いても誰もいない、ン?見られているのか?

あっ!

 当然誰もいるはずがない。
 あっ!
 半年ほど行方がわからなかったシャベルが顔を出していた。
 異次元から帰って来たんだな、お帰り。
 そうか、これも滋養様のお導きだろう。ありがたやありがたや。
 そこで、先程のゴスペルを口ずさみながらお礼の踊りを奉納した。
 間の悪いことにそこに電車が通りかかって、富士山観光に行く外人が大勢こちらを見ていた。

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おやっ ヒョッコリ先生だ!

2024 MAY 11 11:11:58 am by 西 牟呂雄

 朝、喜寿庵からコーヒーを飲みにコンビニまで歩いていると、先の方にヨチヨチと歩いている人を見つけた。杖をついて下を見ながら一歩づつ歩くのだが、左の方を引きずるような歩き方で、前に進むのはもっぱら右足。左は進んだ分を必死に追いついていく感じ、だから一歩づつと言ったが正確に言えば半歩づつなのだ。
 途中に真言宗のお寺があるが、そこで止まると本堂の方に向かって被っているベレー帽をとるとゆっくりと一礼した。そのハゲた頭と横顔が見えた、ヒョッコリ先生だ!しばらく見ないうちにめっきり老け込んだ印象。待てよ、僕はこの人の年齢を知らない。戦争前のことを語っていたから昭和の始めの生まれだと思うが・・・。そうすると今年は昭和99年だから九十翁を超えているのは間違いあるまい。話が弾むと面倒だが挨拶くらいは、と近づこうとしてただならぬ気配を感じた。本堂に向かって何かを話しているのだ。
 僕は先生の家族について、息子さんがいて孫がいることしか知らない。その孫は僕の親友のレイモンド君だが、息子さんの海外勤務で今は一緒にはいない。それだけだ。奥さんの話は聞いたことはないし、一人で暮らしているのではないだろうか。
 ほんの1分程でまた歩き出した。思えばこの人は面白い話をしてくれたけれど、どれもこれも本当かどうか疑わしいものばかりだった。変な発明家のような話はおそらく出まかせだろう。コロナの最中に県境を越えてはならないとなっら時、それではと県境沿いに移動して海に出ようとしていたが、それもできなかったに決まっている。訳のわからないニュー・ビジネスのウンチクを傾けていたがうまくいったという話は聞こえてこなかった。戦前の日本のパフォーマンスを論じ、マルクスを語ったこともあったので、オールド・リベラルの系譜かとも思える。
 話しかけようとして止めたのは。そのたたずまいに一生懸命振りが滲み出ているからだ。話せばどうせ奇天烈なことを言うだろうが、無理にやっている気がしてしまって遠慮せざるを得ない。僕はコーヒーは諦めて帰り道をたどった。

 ヒョッコリ先生の孫とおぼしき推定4歳のレイモンド君もおそらくその血を引いていて実にバランスの悪い子供だが、彼の場合の一生懸命は微笑ましい。多分それは、その努力が叶わぬにしても彼の未来につながっているから。ところが推定90歳超えの先生の場合には未来はない。残酷な言い方になるが、すべての ”一生懸命” は来るべきⅩデーに向かっており、それは避けられない。先生は今一生懸命に死のうとしている。
 フト思うのだが、子供のころはどうだったのか、青春時代は何を考えていたのか、壮年期に何をしていたのか、もっと真面目に聞いておけばとも思う。いや、思わないか。
 それなりに噂が耳に入るのだが、先生は東京で仕事を終えた後に請われて北富士総合大学の理事になっていたようで、地元ではチョットした有名人なのだった(最近分かった)。

 考えてみれば僕だって老人の範疇に十分入る年齢だ。スノボだろうがヨットだろうが数えるほどしかやれないし、そう考えると桜を見るのも落ち葉を掃くのも20回が限度だ。最後の方は先生のような一生懸命感を身に纏うことになるだろう。
 どうあがいてもその『一生懸命』さが自然と備わってしまうとすれば逆らっても仕方がない。それなら今から多少の準備はしなければいかん。なぜなら今まで『一生懸命』に、などということを考えた事もやったこともないのだから。そんな時に、例えばスノボで足でも折ればその姿は哀愁を帯びるどころか、みっともない、いやむしろ滑稽といった笑いの対象になってしまう。うーむ。

 レイモンド君、イギリスでどうしてるかなぁ、英語を喋ってイギリス人になってたりして。

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海と船と釣り

2024 MAY 3 23:23:42 pm by 西 牟呂雄

 サボッてばかりでは船に申し訳ない。コーキングもしなかったし。
 久しぶりに会った愛艇アール・コンシェルジはさすがに機嫌が悪そうだった。彼女(船は女性名詞だから)はプライドが高い。僕は愛想笑いは浮かべずに、そっぽを向いている彼女に近づいて行き『相変わらずキレイだなぁ』と語りかけるように独り言を言う。その後桟橋からポンッと飛び乗って『久しぶりに会うとどんなに素晴らしい船なのか改めてわかるな』とわざとつぶやくと、ユラリと船が揺らいだ。どうやら機嫌は直ったようだ。

 朝方多少グズついたが曇り空で時々日が差す。多少寒いがセーリングはできる。と思ったらいきなりトラブった。我が艇は水のタンクが舳先にあって50Lくらいの水を積むのだが、あまりに久しぶりなのでその水を抜いた。すると電動ポンプがエアを噛んでしまって水が出ないではないか!これでは長い航海はできない(しないけど)。それで配管を開けて試してみたのだが、パイプにクラックが入っていた。パイプは塩ビの特注で手配はできない。あれこれ考えて水道配管の部品で付け替えることにして、カインズホームまで車を飛ばして買ってきた。取り付けてみると・・・出ない。ポンプが空気を吸ってしまって圧がかからないのだ。口を付けて吸ってみたがダメ。どうやらパッキングが甘くて継ぎ目からまだ空気が入っているらしい。再びカインズホームでサイズの合いそうなゴム・パッキングを探す。

 やっとこさ水は出るようになった時点で夕方。
 ところがなにやらおいしそうな。
 仲間の船がバーベキューを始めていたのだ。
 僕達も酒・肉・野菜を持ち込んで仲間に入れてもらう。
 やっぱりこう来なくっちゃね。

 ここで衝撃的なニュースが飛び込んできた。
 別の船のオーナーさんが亡くなったと言うのだ。
 全員箸が止まってしまった。原因は事故だ、脳溢血だ、脳梗塞だ、と憶測が飛び交う。
 自転車が好きな人でスポーツ・サイクルで世田谷から油壷まできたこともあった。
 何より、明日の三浦~横浜のレースにもエントリーしていた。
 その船のクルー達は参加するかどうか悩んでいたが、故人の意思を汲んで決行するとしたらしい。
 追悼レースとなれば、我が艇もスタートくらいは見送らなければ、と早く寝た。

 翌朝。スタート地点は湾を出たところにあるブイだ。
 近づくとセールを卸している本部艇の周りにエントリー艇がポジション取りで旋回中である。
 ところがご覧の通り全く風のない凪。各艇スピンやゼネカーを上げて必死に風を拾おうと苦戦していた。
 長音が鳴ってスタート。それぞれの作戦に従って僅かな風に向ったり、なじんだりしていく。

 その中で故人が乗るはずだった船を見つけ、激励の声をかけた。
 すると、バウのところに故人愛用の合羽がまるで旗のように翻っている。
 彼らの友情や船乗り魂が伝わって来た。
 がんばれよ、の気持ちと共にご冥福を祈った。

 早朝のスタートを見送って、港に帰った。
 遅い朝メシを食べて一服してもまだ11時。あの風では横浜まで6時間では無理だ。僕達も今更出港しても遊べない。
 すると知り合いが声をかけてくれた。
 『釣りに行くけど来ない?』

 この人はハーバーのレースで何度も優勝している高速艇のオーナーで、釣り船の2軸船も所有している。
 僕は釣りはやらないが、この船には乗ってみたかったので連れてってもらうことにした。スクリューが二つあって右は右回転・左は左回転で推進する。ギアの操作だけでも細かい調整ができる船で、ヨットとはフロントの景色がまるで違う。
 風で苦労することなくドンドン進んでエンジンを止めた。
 水深40mくらいの所で波に揺られながら釣りが始まった。アンカーも打たずに漂っていると横波にはかなり揺れる。甲板で上半身裸になって寝ころんだ。

この画は借り物

 するといきなり『あっきたきた』と声が掛かってタモですくうと赤い魚が釣れた。高級魚、ハタだ。
 揚げた時にキラキラしていたがスマホが間に合わず画像は借りモノ。
 この人はもう一尾釣りあげたあと、やってごらんよ、と竿を貸してくれた。ヨーシ、オレも。
 疑似餌は赤いタコを付けてくれたが、他にも黄色・緑色の奇麗に光る物がたくさんあって、フーム魚にも好みがあるのかと奥深い。
 そしてサーッとリールを落としていくと着底したのがわかるのだ。
 それから疑似餌が生きているフリをするためにクイッ、クイッと引いては流す。
 すると、ピンと張った釣り糸の先の疑似餌の感触が、アッこれは何かをこすっているな、とかフワッと浮いたな、とか伝わるのである。

ちゃんと目もある

 糸は潮に流され船は風に流され、角度約45度の方向、即ち水深の√2倍の50~60m先の見えない海底を疑似餌は漂っていて、僕は手探りのようにその感触を味わった。
 一度だけググッといった感じで手ごたえがあったようだが、上げてみたら藻がついていた。
 場所も変えてみたが、その後は当たりもない。
 レースは横浜に行けただろうか。
 亡きO氏の魂も風に乗れたかな。
 クイッ、クイッ、クイッ・・・・

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空師(ソラシ)を知っていますか

2024 APR 28 11:11:19 am by 西 牟呂雄

この高さ

 喜寿庵の欅の木が伸び放題伸びてどうにもならないので枝を落とそうとしたのだが、植木屋のオッチャンはビビッて断られた。無理もない、御年82才だもんな。しかも崖の上から渓谷の方に伸びているので足場がない。川までは20m以上あるから落ちればケガじゃすまない。
 いろいろ聞いてみると、高所作業専門の『空師』なる職業があることが分かった。ソラシなんて何だかサギ師の親戚みたいな響きにたじろいだが、八方手を尽くして探し当てた。さる造園会社に所属しているらしいのだが、なぜかスマホの番号しか表記されておらず、いつ電話しても繋がらない。たまに繋がっても『今は静岡にいまして』とか『見積もりを送ります』と言いながら連絡は来ない。最もひどかったのは『車が動かなくなって・・・』である。だんだんわかって来たのは、彼はその会社のただ一人の空師で、どうもスケジュール調整とか見積もりはたった一人でやっているらしい。ようやく会えたのは初めの連絡から3カ月後だった。現れたのは40代とおぼしきオニーチャンだった。
『空師ってどんな資格なんですか』
『そんなもんありません。自分、アメリカでツリー・クライミングの訓練を受けました』
直訳すれば、木登りの訓練を受けた・・・。まっいいか。
『この檜の枝を落としてほしいんですが』
『楽勝ッス』
『重機は入れないけど大丈夫ですかね』
『梯子で行けます。この崖下、誰もいないんでしょ』
『鮎釣りが解禁されてるから釣り人が時々いますけど』
『わかりました』
 その後、こちらはインドに行ったり彼が忙しかったりしてさらにひと月過ぎた。
 来るはずの日に、待てど暮らせど現れない。しょうがない、電話する。
『あっ・・・・。申し訳ないッス。きょうはちょっと・・・』
『いつなら来れるんだ』
『じゃ、あさって』
『本当だな』

 そして当日は1時間遅れでやって来た、何ともくたびれたオジーちゃんと一緒に。今までのトンチンカンな対応から見て、オニーちゃんの方は相当アブない人物と見立てていたので、しばらく一緒に見ていることにした。
 すると、やおらベルトの辺りに様々な道具をブラ下げるとロープと電動鋸を掴むとヒョイヒョイと登りアッという間に梯子の天辺まで行き、そこらじゅうを切りだした。そして更に手持ちのロープを上の方の枝に括りつけてズルズルと上に登り、幹を揺らしながら枝を落としてしまった。ここまで僅30分。あまりの手際の良さに呆気にとられた。
 降りてきて次の段取りを話しているので、試しに梯子に登らせてもらった。ところが彼の半分も行かないうちにギブ・アップ。この梯子というものはものすごく振動するのだ。下で抑えてもらっていたにもかかわらず、カシャカシャ揺れて怖いなんてもんじゃない。下からは分からなかったが崖の方に大きくせり出していた。おとなしく降りてくると奴は言った。
『あー良かった。上ってそのまま降りられなくなる人結構いるんスよ』
 早く言えよ!

さっきより高い

 さっそく二本目に取り掛かったが、今回は梯子を登り切って幹に取り憑いたところで動きが止まってしまった。
 しがみついたまま、ジッとしていてまるで蝉がとまっているみたいだった。
 しばらくして降りてきた。
『足場にしようと思っていた枝の瘤が腐っていて足を掛けたら落ちちゃって』
 ゾッとするようなことを言う。
 オジーさんと何やら話しているが、次第に表情が曇って来た。
『どうした。作戦変更かい』
『あのですね。チャット今の道具だけじゃ梯子の先が登れそうもないんですよ』
『ホントか、じゃしょうがないな。機材だけの問題なの』
『ウーン・・・・納得がいかない・・・・』
『オイオイ、それじゃ1本分しか払えないぜ』
『エート・・・・。悔しいな』
『それじゃな、メシ食って一息入れて考えてから午後おいでよ』
『あっ、いいですか』
『ああ』
 オジーちゃんと帰って行った。

 午後になって再びいろいろな道具を携えてやって来た。こんなもんどうやって使うのか。そしてその新兵器やらロープやらを腰にくくりつけた。全部で30kg以上あるそうだ。
 今度は梯子を幹に縛り付けながら登り、午前中に立ち往生したところから道具を使ってよじ登りだした。
 一つづつ幹に括りつけて足場にし、一歩づつ登っていく。

 足首には脚絆のような物を装着しているが、内側に釘のようなスパイクがついていて、ヤバくなったら幹に引っ掛けるらしい。
 作業的には一つやると一つ片づけるといった感じで、それはウッカリとか慌ててやって道具を落としたりすれば怪我人は出るだろうし、自分が落ちたら命もヤバい。
 慎重に、慎重に登り遂に届く範囲の最高部の達すると体を固定した。
 それから、なぜか電動は使わず腰に差していた鋸で枝を落としだした。
 足場が悪いので、重そうな枝はロープで縛り吊り下げていく。
 問の外で人の声が聞こえる。何だか人だかりがしているようだ。

門の外から

 すると、そこからは空師のアンチャンが欅の上に留まっているところが遠くに見えるので『あれは何だ』と指をさしている。
 僕が言うのもナンだが、僕のこの辺での評判は芳しいものではない。遠目には誰だか分からないものだから、また僕がターザンごっこに興じているのかと思ったのだろう。出てきた僕を見て『アレッ』という顔をされ、あれはプロに絵だを落としてもらってるんです、と説明するにいたった。
 登り始めてから3時間。全ての作業を終えて降りてきた。その時一度足首のスパイクが滑ったらしく、ズルッツと半分中吊りになった。やっぱり危険作業なのだな。
 『いや~勉強になりました。下から見るとまっすぐなんですけどあの瘤のあたりから螺旋みたいに曲がっていてこっちも回りながらしか登れないんですよ。これ考えて持ってきて良かった』
 成程、色々あるな。
 このように木によじ登って伐採を専門にやるプロの『空師』を看板に掲げているのは東日本に30人程しかいないので、年がら年中忙しいのだとか。
 いたずら心が湧いてきて、崖下に隆々と生えている欅を指して『アレはできるかい』と聞くと『あんなのチョロイ』という返事。それじゃもっと深いところの木はできるか、イジワルを言うと、しばらく覗き込んでいたが『これに比べたら簡単ッス』だ。ヨーシ、面白くなってきたぞ。

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おォ! 鉄の爪

2024 APR 20 9:09:06 am by 西 牟呂雄

 鋭い眼光、いかり肩、リングをノッシノッシと闊歩しては相手と組みあう。スキを見てこめかみにガシッと手が食い込むともはや成すすべはない。そのまま押し倒されて抑え込まれればスリー・カウント。立ったまま揉み合えばギブアップ必至のアイアン・クローの完成である。手を広げた親指の先から小指の先までのスパンは33cm、林檎を握り潰す120kgの握力、単純だが物凄い威力の必殺技。ダラスの帝王、フリッツ・フォン・エリックは怖かった。

アイアン・クロー

 都内某中学で盛んに行われたタイトルマッチでは地味な技だったことと子供の握力ではギブアップが取れないために使い手は少なかったが、やられると痛い。
 その中学に通っていた時の放課後に人だかりができていた。巨人のような白人が男の子を連れて校内に迷い込んできたのだ。その白人を遠巻きにしているのは男子生徒ばかりで、僕もその輪にヤジ馬として加わった。その中学は道を隔てた向かいに高級ホテルがあり、近所には大使館もいくつかあって外人は当時でも珍しくない。そのうち思い切って生徒手帳を差し出した奴がいてその外人は気軽にサインしたのをきっかけに輪が縮まって集団が押し寄せるようになった。やや危険な雲行きになると体育の教師が割って入って生徒を押し戻したのだ。巨人は髪の毛を短く借り上げて眼鏡をしていた。『おい。あれ誰なんだ』『バカ、エリックだよ。アイアン・クローだ』『エーッ!』初めての出会いだったが、テレビで感じた殺気はなくニコニコしていた。
 ギミック上のキャラクターはベルリン生まれのヒットラー・ユーゲント出身、敗戦後の移民となっているが全部ウソで、根っからのテキサンである。
 ジャイアント馬場が自ら決着を着けると公言していた試合はテキサス・デスマッチで行われた。それは10カウント・ノック・アウトかギブアップでのみ、反則裁定なしというアホみたいなルールだった。ストマックにめり込んだアイアン・クローのまま馬場の巨体を持ち上げかけたりこめかみから出血させたりの荒れた試合を二人のレフリーはひたすらカウントを取り続ける。最後は馬場がエリックの頭を思いっきり鉄柱に打ち付けてノック・アウト勝ちだったと記憶する。実にプロレス的勝負で、馬場は試合後の勝利者インタビューに答えて『これで馬場より強いとは言わせない』と言ったのが印象に残っている。

 映画『アイアン・クロー』はそのエリックの5人の息子(長男は早世)の物語である。おそらくあの時に連れていたのは年長のケビンだっただろう。ご承知の通り、ケビンを除いた兄弟は全員不幸な死に方をしてしまい、呪われた一家などと言われていた。
 ケビン役のザック・エフロンがレスラーに成りきって肉体改造をしている(他も凄いけど)。プロレスの演出はチャボ・ゲレロ。スマック・ダウンで大活躍したメキシカンである。これがまた80年代のスタイルを忠実に再現していて実に見ごたえがある。
 6人の息子がいたが、長男を早くに失くし、ケビン・デビッド・ケリー・マイク・クリスの5人がレスラーとなる。この内デビュー後1年でピストル自殺してしまうクリスを除いた4人の兄弟の物語だ。物語の進行上クリスは描かれていなかった。
 作品については見てもらうしかないが、デビッドを失った後の3人の絡みは素晴らしい。
 全員アイアン・クローを使うが、裸足のファイター・ケビンはホーク・クロー、元円盤投げの選手だったケリーはタイガー・クロー、マイクはパンサー・クローと名付けられた。
 ケリーは事故により足を切断したのちも義足を付けてファイトするのだが、そのシーンもあって感動させられる。
 抗争を繰り広げるライバル達も実際に似ていて往時の記憶が甦る。ブルーザー・ブロディ、ハーリー・レイス、リック・フレアーなどそっくりな俳優をよく見つけたものだと感心した。そこまでやるなら兄弟たちと戦った日本人レスラー、ザ・グレート・カブキも出せばよかったのに。

 エンディングについて、最後に自殺したケリーが先に逝った兄弟達とあの世で再開するシーンがあるが、あれは余計なシーンだった。
 むしろ、ケビンの息子で日本のノアで活躍したロスとマーシャルの兄弟を実写してほしかったな。

テリー!テリー!テリー!

アーロン・ロドリゲス・アレジャノの叙勲

追憶のメキシカン・プロレス ルチャ・リブレ

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なかなかいいじゃないか

2024 APR 14 18:18:00 pm by 西 牟呂雄

 岸田総理、スピーチには唸らされた。よほどいいライターを使ったのだろうが、最終チェックは自身でやったはずだ。強い意志を感じた。そもそも外交はツボを押さえていて、優れたスタッフの能力と本人のセンスを感じる。安倍政権で外務大臣を長く務めた効果ではないだろうか。
 ポチだ何だと落としめる輩もいるが、このタイミングでGDP2%を確保できたのは国益にかなう。この際、財源を確保してしまえば自主独立を標榜する筆者のような右ッパネも納得感はある。
 何よりも中国を名指ししたことがいい。宏池会出宏身なので危惧していたがまことに結構。中国は怒るだろうが、イチャモンを言ってくるとくらいで丁度いい。
 問題は内政でLGBT法案のゴリ押しにはいささか鼻白んだが、あんなもん無視できる微罪だ。
 一方パー券のピンハネ。大げさに騒いだのがA新聞で、世間はそれに乗せられたにすぎないことに気が付かんのかねェ。ただの『記載もれ(わざとだけど)』を『裏金』と翻訳したのもそうだし微罪を脱税としたのもそう。要するにA新聞の安部派憎しによる世論操作にマスコミが踊らされた構図だ。まっ、やる方もやる方だがね。
 それにしても金額がミミッチイ。飲食もしただろうが、問題はそれにたかった奴がいるはずで、それは地方議員(県議・市議)と分かっている。そいつらは口を噤んでいる。どいつもこいつも小物感満載だ。
 高市早苗だったら許せるが、小石河なんかに出てこられたらたまらない。茂木もいやだ。ガンバレ岸田総理。

 小池知事。詰みですね。本当に卒業なんかしていないのはミエミエ。何よりも記者の質問に『ファクトがありますから』と交わしたが、その時にニタ~っと笑ったのにお気づきか。この人は以前から痛い所を突かれるとあの笑いをする。
 そもそも都民ファーストもほったらかしにして国政復帰もないもんだ。都知事としてやった事といえばオリンピックと築地移転の足を引っ張っただけで、なにやら横文字の熟語を言いふらしただけ。
 親分の二階も潰れたのでもはや行くところもない。
 しかし不思議なことにこの胡散臭さを都民はどうして見抜けなかったのか。故石原慎太郎の『厚化粧の年増』発言が反感を招くのは当然だが、やってきたことを見ればわかりそうなものだが。

 植田総裁。お見事の一言に尽きる。『遅すぎる』『いや、まだ早すぎる』とかまびすしいが、両論が出てくるところがタイミングの絶妙さを物語っている。
 この人、学者センセイにしては度胸がいい。財務省やらリフレ派の影響を受けないで済むところがミソではないかな。
 この調子でジワジワやって頂きたい。気になるのは貿易収支で、単純な輸出入では赤字基調である。一般論で言えば企業業績がいいにもかかわらず赤字基調が続くのは円安のせいで、その割安感から海外投資家のマネーが株価を押し上げていることになる。一方で物価の高騰要因としてエネルギー価格の上昇は家計を圧迫してしまう。
 ここで極端なことをしてしまうとすべての歯車が逆回転することになって元も子もなくなる。そこんとこ、植田総裁よろしくぅ。

 日本ハムファイターズ。バカ・ボス率いる常敗軍団が出だしいい試合をしている。田宮というキャッチャーが特にいい。田中の抑えも効いている。そして何よりも清宮が二軍にいてくれる。頼むから今シーズンは上がってこないでくれ。
 しかも今年のいいところは粘りがあること。延長でサヨナラとか9回に追いつくといった何年も見ていないドラマがある。
 問題はレイエス・スチーブンソンといった外人の打撃が今一つなことと中継ぎのダメさ加減、そしてバカ・ボスの余計な采配。
 優勝しろとまでは言わないが、せめてC・Sには駒を進めてくれ。
 今日はオリックスに連敗したが・・・・。

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甦れ 日本ハムファイターズ

2024 APR 9 0:00:30 am by 西 牟呂雄

 何年も最下位に甘んじ、それでもB・B(バカ・ボス)は懲りずに選手より目立ち、ロクに補強もしないで中核選手に逃げられ、新球場に大金をつぎ込み、ファンの期待を裏切り続けたファイターズよ。ファンだけではない。あのレジェンド達、張本・大下・山本(八)・大杉・土橋・尾崎。ちょっとだけ江夏・名手古谷・稲葉・岩本・そして新庄。直近はダルビッシュに大谷を輩出した歴史にこれ以上泥を塗るのは許されない。
 幸い今年は外人の補強もやっており、山崎がオリックスからFAで来てくれている。伊藤・加藤・バーヘイゲン・北山・鈴木・山崎あたりでローテーションがガッチリ組めれば今までのようなことはあるまい。バカ・ボスが間違えなければAクラスの投手陣である。
 おまけに幸いなことにセンスゼロのデブ、清宮が足を捻挫してくれてキャンプにも来られなかった。ことほど左様にプロとは言えない意識の選手をなぜトレードしないのか理解できない。
 実は秘かにCS放送でキャンプをじっくりと見て期待した選手がもう一人いる。ズバリ、マルティネスこそ今年のキー・マンではないのか、と。何しろファイターズの3大ネック・ポジションは下手揃いのキャッチャーとデブが守るファースト、並びに頼りにならない抑えなのだが、マリチネスはファーストもキャッチャー両方できる。出ていてくれるだけでどちらかの大穴は蓋が閉まるのだ。更に田宮という若手キャッチャーが育っているのも心強い。抑えは田中に期待である。

 初戦はロッテ。エース伊藤が好投し、レイエスがさっそく一発放り込んで楽勝。ファーストはマルチネス。マーフィー・金村の中継ぎもいい。っと思ったら9回の田中が1点献上してヒヤリとさせられたが、バカ・ボスが余計なことをしなくて助かった。
 2戦目はミスター・スポック加藤。相変わらずコントロールがいい。6回3失点。打線はなぜかダメで今年も益田のヤギが出てきてこれは負け。あれっアゴ髭がない。
 そして第3戦。ノー・ノー佐々木に必死に喰らいついた1点ビハインドの9回表。益田からレイエス四球・田宮三塁打・水野安打で2点もぎ取って逆転してやった。田宮の三塁打はロッテの外野の交錯というマヌケのおかげではあるが、長いこと見ることのなかった最終回の逆転勝ち、これが今年のファイターズなのだ。ワハハ。
 楽天戦ではファイターズをお払い箱になったポンセに対し、期待の山崎。見事なピッチングだが思わぬ伏兵の村林に一発撃たれ、7回息詰まる攻防の末もう1点献上して終わった。その裏は更にヒート・アップして1点取ると、2アウト満塁で物凄い表情の酒井のフォークで野村が倒れてしまった、フーッ。いい試合だったけれど負け。
 だが翌日、北山があわやノーノーかのピッチングに万波のH・Rで切り返した。
 なかなかいいじゃないか。ただ、B・Bは何だって毎日打順をいじるのだ。特に1・2番は固定しなければ選手のモチベーションにも悪い。

 でもって西武。去年の最下位争いカードである。
 初戦には驚くべきことが起こる。エース伊藤が2点先行されてもう終わったかと思いきや、7回で追いつく。そのまま延長にもつれた12回についにサヨナラ勝ちにこぎつけた。オイオイオイオイ、マジかよ。
 2戦目は加藤が突如4回2アウトから2発食らってKOされた。こういうこともアリかな、それでも最終回に2点返す意地を見せた。やっぱり去年とは違うぞ。
 ところが3戦目にバカ・ボスがマヌケぶりを発揮してくれた。上原は初回から連続四球で3点、4回にも2点で試合が作れず。8回には生田目と山本というふやけた継投で6点も取られる。ピッチャーのコンディションくらい見極めろ。監督力の問題だよ、これは。8回のチャンスにも意味不明な代打攻勢を繰り出して潰してしまった。挙句の果てに疫病神の杉浦まで出すと、二塁打に四球と最悪ぶりをさらけ出す。
 これで星は五分になった。
 そして今年の本気度を測る絶好のカードとなる。
 きょうから宿敵ホークスと九州シリーズを戦う。熊本の一戦目はいいとして、二戦目は我がフランチャイズ、日本一ヤジがきたないことで知られる修羅の街、北九州球場の決戦だ。

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