大名行列と僕
2024 NOV 18 17:17:51 pm by 西 牟呂雄
喜寿庵のあるところの中心部は、江戸初期は藩が置かれていたために藩主の屋形が構えられていた。その後は天領で韮山代官の管轄となり、陣屋と改められそれなりの行政府として機能していた。その場所は今は小学校と裁判所である。
藩主が改易になった際、参勤交代の必要が無くなったために道具一式を地元に残していったため、秋祭りの際に大名行列を真似たのが始まりと伝わる『時代まつり』を伝承している。
また、これも以前に書きましたが将軍家献上の宇治茶を夏の間保存するお茶蔵があったため、お茶壷道中も再現した。
ところが、今年は台風や雨に祟られて本来別々にやっていたイベントが一緒になって行われるこに。
某日、イベントを見に街に出てみた、ヨッコラショッと。残念なことに小雨模様である。地元の学校や商店、団体のブースが並び即売会も行われて近隣の人が大勢来ている。ステージも設営されて子供達のダンスなんかもやっていた。
僕はこういう手作り感が大好きで、自然にニコニコしてしまうほどだ。あっちを見たりこっちを見たり、小学生向けの工作教室の前に立ってジッと見入ったり。だが、そのうち別の感情がこみ上げてくるのも分かっている。それは後述するとして、ドン・ドドンと太鼓の音が聞こえてきた。まずはお茶壷道中の一行だ。
時間を置いて今度は反対側から大名行列だ。若殿様のお国入りである。『したにー、したに』と体を左右に揺らしながら先払いが角を曲がって来た。毛槍が続く。この毛槍組は先払いとは別の『ヨイヤマッカセー』と掛け声をかける。そして時々鮮やかに毛槍を放り投げて別の持ち手と代わる。続いて小さい子供たちの弓組、鉄砲組が来る。お嬢さんが剥製を持った鷹匠まで。いいぞいいぞ!
さあ、若殿様が馬に乗っての登場、馬がデカい!後から聞いた話だがこの馬、もとはばんえい競馬で走っていたそうです。使い物にならなくなって今はこう言った催しに出てくるそうだけど、サラブレッドのような細くて長い脚ではなく、極太の短足。パカポコではなくゴトゴトと歩く。
若殿様は正に『馬上豊かな美少年』がぴったりの武者振りで思わず見とれた。
長い行列は総勢120人。お姫様はあの姿のまま全工程を歩きだから結構きついだろうに。
そして見入っているうちに前述の別の感情が湧き上がって来た。見ているのは楽しい。歩いて付いていくのだが、僕は一人なのだ。
祭りの喧騒はやはり演者のものだし、見物する側も家族だったり仲間と見ているが僕は一人。大勢の中で沸き立つように孤独感が押し寄せて来る。この感じ、なぜか昔から僕につきまとっていて、以前に単身赴任していた小倉の祇園太鼓の時にもフッと襲い掛かって来た。
寂しい訳じゃない。あの時は『天の声』のせいにしたが、今はおぼろげながら言語化できるような気になった。自由と孤独の狭間にいる不安なのだ。祭りの狂騒に入りたいが演者にはなれない。その代わり一気に立去ることも自由なのである。
僕は人込みをかき分けて先に行ってしまった行列を走るように抜いて行った。
すると、あの若殿様が馬を降りて休憩していた。いやなかなかの凛々しいたたずまいに感心してパチリ。
ん?どこかで見たような。
あっ、この方昨年の信玄公祭りの際に山本勘助役をやっていた女優さんじゃないか。話してみるとやはりそうで、冨永愛さんの信玄と一緒にパレードしていた。映画やテレビにも出ていた白須慶子さんだった。ふーん。どうりでキマっている訳だ。
そして、我に還ると先ほどの『不安』を抱えたまま喜寿庵に走って帰った。ふーっ。
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慟哭のリア 俳優座
2024 NOV 10 0:00:58 am by 西 牟呂雄
言わずと知れたシェークスピアの名作『リア王』の舞台を見てきました。
それが一捻りした脚本で、舞台を明治の筑豊炭鉱に置き換えて、女主人と3人の息子の物語に仕立てました。この手は以前にもあって、黒澤明が戦国時代の話に焼き直した映画がありましたが、さて筑豊を舞台にするとどうなるのか興味の湧くところです。
筆者は北九州に赴任したことがあり、住んだことはありませんが筑豊と呼ばれる田川・飯塚といった旧産炭地にはよく出かけていました。一言で言って激ヤバのエリアであることを肌で感じたものです(人はいいのですがね)。そんな雰囲気を脚本に込められるものかどうか、楽しみに観劇しました。
リア王の筋立ては周知のストーリーで、それを台本・演出の東憲司さんがいかなる味付けをするか。無論悲劇なのだが、例えばどこに『笑い』を入れるのか、どこから急展開させるのか、が見物です。
ところで、リアを演ずるのは岩崎加根子さん御年92才!劇団俳優座養成所の第1期生の舞台歴70年という大ベテラン。そういえば俳優座劇場が今年創立70年ですから、劇場と共に歩まれたことになります。劇場は老朽化に伴い来年閉鎖されますから、将にフィナーレを飾るにふさわしい。
主人公は亡き夫の後を継ぎ荒々しい環境で炭鉱を経営した女性。片脚に障害のある長男、放蕩息子で粗暴な次男、東京で被れたマルクス・ボーイの三男、というお膳立てには唸らされました。
さて幕が開くと、なるほど重厚なテーマだけあって硬派な演出、息をつかせぬ展開で、笑いも挟まずセンチメンタルな泣きも入らず、ものすごいテンポで一気呵成にフィナーレまで観客を引っ張っていきました。岩崎加根子さんは背筋も伸びて声も通る。凄い貫録で炭鉱の女主人が滲み出る熱演です。
そして脚本は元々の本筋を一度バラして組み立てなおすように展開していきます。両眼を失うグロスター伯爵は忠実な下僕である与平に、グロスター伯の私生児エドマンドは何と女主人の亭主が妾に産ませた善治として狂言回しとなり、尚且つ3人の息子を反目させる。
息子達は年の若い順に死んでいき、善治も最期は死ぬ。その死に囲まれた女主人の慟哭。この『慟哭』がクゼ者で、大声を上げて泣き喚くことはせず、岩崎さんの表情で、うーむ。お見事!
ところで、僕は前述の勤務した経緯からあのあたりの炭鉱弁はネイティヴで使えますが、役者さん達は見事にこなしました。単なる九州弁でないところがミソで、同じ福岡でもタモリや武田鉄矢が喋る博多弁とビミョーに違うのです。遠賀川をはさんで西と東ですね。でもって、東側の言葉の方が荒い、キ・タ・ナ・イのですな。おまけに落盤事故のエピソードがあるなど臨場感満載。感心してパンフレットを読むと演出の東憲司さんは福岡県出身とのこと、ははあ成程ねぇ。
読者諸兄諸姉に観劇を勧めたいところですが昨日が千穐楽、又の機会になるのは残念。善治役の渡辺聡さんという男優さん、上手いですよ。この人イチオシです。
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トランプ大統領のトリセツ
2024 NOV 6 21:21:00 pm by 西 牟呂雄
あの、ややもすると下品な罵り合いのような演説合戦の末大統領が決まった。
しかし、暗殺未遂あり、候補者交代あり、投票箱放火あり、しまいには暴動対策ありの選挙とはとても民主主義の卸元である先進国のものとも思えない。そりゃこっちの選挙も候補者を見ればエラそうなことは言えないが、さすがに暴動はなかった。我が国の百年前がこんな具合だ。
そして再びトランプ大統領があっけなく決まった。どうする、どうする。
だが、ハリスよりも良かったと筆者は思う。検事出身の彼女は非常に能力は高いが、白黒はっきりつけたがるらしく、外交に難があると睨んでいた。目下の二つの戦争や対中国で上手な妥協点は見つけられないだろう。元々バイデンが人気対策で女性のマイノリティー、しかも大変な美人であるがゆえに副大統領にしていたのが、自身のあまりのボケぶりに寄ってたかって降ろされた結果のタナボタ候補に過ぎなかった。
それでトランプである。問題はわが方の石破総理とのケミストリーだ。側近にも適切なアドバイザーがいないようだから、私が振り付けを考えた。
アノ手はオベンチャラに弱いのだ。まず初めは(初対面だから)こう切り出す。
『私は今まで総裁選に4回挑戦して負けています。5回目でやっとこうしてここにいられます。あなたは最初の挑戦で大統領となり、一度敗れはしたもののカムバックされた。一度敗れてカムバックするのは132年ぶりと聞きました。その秘訣は何だったのですか』
トランプは上機嫌になって自慢話をするだろう。
ところで、石破総理はクリスチャンで、しかも通っていた協会は長老派と呼ばれるカルヴァン主義の系列である。そしてトランプの大票田こそ、その長老派原理主義なのだ。この人々は全て神の思し召しだと解釈する。そこでキメの一言。
『私はあなたと同じ長老派の信仰です。あなたはあの忌まわしい銃撃にも負けなかった。あなたの親しかった私も尊敬する(ここは嘘。本当は犬猿の仲)安倍総理は無念にも凶弾に倒れた。あなたにはかすっただけだ。あなたは神に選ばれたと確信している』
これでイチコロ。
トランプは安全保障関連は恐ろしく不勉強だということをジョン・ボルトンが暴露している。石破総理がこの点を例の調子でネチネチ説明し始めたら最初からブチ壊しに決まっている。逆にもっと金を出せとか基地を負担しろと要望するだろう。そんなものは全てズバッと飲んでもいい(そうでもしなけりゃ防衛予算なんか上げられない)。そして最後にこう言う。
『あなたの言うことはもっともだ。すべてを叶えることはできないが、やれることはやる。ただ一つだけ聞いて欲しい』
その内容は、地位協定でも戦闘機開発でも核シェアリングでもいい。ただしアジア版NATOだの自衛隊駐在といったバカみたいな話は封印(誰か体を張って止めてくれ)。
トランプは戦争はやらない。これは本当らしい。ドンパチはやらない代わりにディールをする、脅す。記憶力は散漫だからたくさん要求したって覚えてもいないが、バカではない。毎回ひとつづつに絞るのだ。1回にひとつづつ、拉致問題・北の国・尖閣・関税とやってどれか通れば儲けもの。こっちもひとつづつ実行する。そして気付いた時には日本の思うがままになる。
でもそのころ総理は変わってたりして。ジャンジャン!
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台湾旅情(国家なるもの)
2024 NOV 5 0:00:37 am by 西 牟呂雄
故宮博物館には何度も行ったが、いつも全部見ることはしない。前回は国宝の青磁のみを見た。
一日かけても全館周ることなどできないのである。展示の前を通り過ぎりだけならできなくはないが、一つ一つの物語につきあっていてはとてもじゃないが無理である。
今回目を奪われたのはこの碧玉屏風。高さ180cmくらいのブルーサファイアに透かし彫りを施した屏風である。
それだけでも気が遠くなる程の逸品だがそれでは済まされない。これはしばらくの間、日本の皇室にあったのだ。
汪兆銘は様々な苦悩の末に蒋介石とたもとを分かち、南京政府を樹立した後に訪日した。その時にこの屏風を持参して昭和天皇に献上したのである。そして戦後に皇室が中華民国に返還したため、我々はここで見られることとなった。美しい屏風を通じて、汪兆銘・昭和天皇と歴史上の巨星の名前を通じ現代史を透かして見ることができる。勿論、その細やかな細部にも驚嘆すべき技が彫り込まれてもいる。
それにしても、頂いた物を『返す』とは戦後賠償の一環だったのだろうか。大英博物館だろうがルーブルだろうが、政体が変わったところで貰ったにせよかっぱらった(この方が多いだろう)にせよ返還したなど聞いたことがない。本来、正倉院にでも保管しておくのが筋かとも思うのだが、この『返還』の経緯は気になる。陛下御自身の判断か、あるいは日本国の良心なのか。
と、こういった具合に故事来歴まで辿っていてはとても1日では無理なのがお分かりいただけただろう。
お次は清朝後期の「雕象牙透花人物套球」。これは細かい象牙細工がつながっているのだが、キモは真ん中の球だ。よく見てほしい。外側の球の中にマトリョーシカのように球があり、その数21個。そして加工後に張り合わせたのではなく1個の球にまず穴を空けそこからL字型のノミを入れて内側から彫り込み細工した物、従って21個は全て回転する仕組みになっている。最深部の球の時は耳かきの様なノミで長い時間をかけて作ったそうだ。
こういう物は皇帝が命じて作ったのか名人が腕によりをかけて作って売りつけたのか、およそ常人の求めの及ぶとことではない。
もう一つ。これは個人的に最も気に入った美しい壺だ。写真は光の関係で色合いが違ってしまったようだが実物はもっと黄色い。
やはり清代の作品だが、この妖しげな光沢はどうであろう。前に立って見ていると引き込まれるなどといった表現では収まらない。
ここまでくれば『贅沢』とか『浪費』というような下から目線の感情はケチくさくて湧いても来ない。
因みに黄色は皇帝の色だそうで、皇帝の外衣である龍袍(ロンパオ)は黄色の生地に龍の文様が刺繍されている。
現在の価値で言えば何千億円もするような嗜好品を作らせるということは、もう国家の意思の範疇と言える。
我が国でもバブルなどと浮かれている時にはこれぐらいの凄まじい『贅沢』な『浪費』をしたら大変な文化遺産となったことだろう。
というのも、故宮の後に話のタネに見に行った蒋介石を顕彰する中正紀念堂(記念堂ではない)に露骨な国家の意思を感じたからだ

1975年に蒋介石が死去した後、5年の歳月をかけて建設された巨大なモニュメントで、面積1万5千平米、高さは70m。蒋介石の享年に合わせた89段の階段を登ったフロアに巨大な蒋介石の銅像が大陸に向って座している。
当時の台湾はまだ貧しく(大陸はもっとだが)民主化もされていなかった時代に、故宮の文物を愛でた国家そのものとも言えるような皇帝の真似でもしたつもりか。そういえば左右の国家戯劇院と国家音楽庁を合わせて眺めてみると紫禁城を連想させる。ついでに銅像のデカさは北の国の指導者の立像の空虚さも感じさせた。これだけのものを作って国威発揚を表現しなくともよかろうに、などという感想はやはり国家の意思とは無縁の庶民のものなのか。
夕暮れが近づくと階段の下にフェンスが置かれて人だかりがして来た。儀仗隊による国旗貢納の時間だ。足を踏み出す時に一瞬動きを止める独特の足取りで左右から進んできた。
儀仗隊の交代というものをアメリカ・ロシア・バチカン・インドで見たことがあるが、それぞれに威厳のあるものであり、この台湾のそれも見劣りはしない。
一概には言えないが、国家のなりわいは悪にもなりうるが故にしばしば軋轢をおこすのであるが、紡ぎ出した文化は後世に残る。故宮の文物は遥か後にまで人々に愛されるだろうが、巨大銅像は滑稽にすら見える。いや、建造当時のこの国の状況を鑑みれば、むしろいじらしいと思えるのだ。
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台湾旅情(センチメンタル・ジャーニー)
2024 NOV 2 11:11:41 am by 西 牟呂雄
また台湾・松山空港に降り立った。風が熱い。
随分と苦労をかけた懐かしい友、しばらく会っていない親戚のおじさん、そんな人に会うような気持で大好きな台湾にやってきた。仕事といえば仕事なんだが、マッそこはヤボ用ってやつで。
ところですっかり死語となった感のある故安倍総理が提唱した『自由と繁栄のカーヴ』をご記憶か。僕はその頃、毎月のように台湾・フィリピン・マレーシア・インドネシアを飛び回り、その後中国に工場を稼働させてベトナムにも足を延ばしていた。その間にまず米軍がフィリピンの基地を閉鎖し、大陸は台湾沖に大陸からミサイルを打った(もっともそのミサイルは空砲だったのだが)。
その経験から『自由と繁栄のカーヴ』は日本の産業の海外展開の最前線だという実感があった。まぁその分国内は失われた時間が経過したのだが。
だが、その後国際関係は比べ物にならないほど変わってしまった。大陸は露骨に食指を伸ばし、ロシアは戦争を始めて日本との関係が悪化し、南北の半島は敵対した。半島は政権が変われば反日をやるだろうからほっといていいが、台湾有事はほってはおけない。すなわち安全保障上の概念においても『自由と繁栄のカーヴ』が可視化された。日本ー台湾ーフィリピンーマレーシアーインドネシアのラインである。
岸田総理は最後にいい仕事をして,護衛艦に台湾海峡を通過させた。台湾有事に日本は黙っているわけじゃないことを示し(いや、戦争するわけじゃないですよ)、元々親日の台湾をグッと引き寄せたのだ。僕が足しげく通っていた頃の台湾の印象は、一言で言えば『いじらしい』に尽きる。李登輝という巧みな指導者の元、毅然と大陸に対峙しつつ民主化のプロセスを進めていた。
先日、中国海軍がぐるりと台湾を囲むような海域で演習をしたばかりだが、街の雰囲気は落ち着いていた。と言うよりはむしろ活気を感じた。下世話な話で恐縮だが、若い女性がキレイだ。以前に比べてファッションが垢抜けたのか、お化粧が上手になったのか。みんな足が長く見えるようなプロポーションを強調するいで立ちで、暑いせいもあるだろうが露出度も大きい。実に健康的で溌溂とした印象。
ヤボ用(お客さん並びに提携先)の相手も、20年前は『日本の技術を教えてもらう』『日本から買った方が安心する』という感じが前面に出ていたが、今は『もう同じことぐらいはできる』『日本だけに頼らなくとも自分たちでできる』と(露骨に口に出しては言わないが)変わって来た印象だ。
事実、TSMCはファウンドリーという独自の事業モデルを進化させ日本に逆上陸した。TSMCは半導体上工程だが、下工程の組み立てラインもコスト競争力では世界一である。
街はきれいになって、昔見かけたスラムなどどこにもスラムて常宿にしていたリージェント・ホテルの前にあったスラム場所を整理していた時、忽然と鳥居が出現してびっくりした。台湾総督としてこの地で亡くなった明石元二郎陸軍大将台湾総督の墓だと知った。
単なる印象でしかないものの、勢いが伝わってくる実感があり、一人当たりGDPは日本より上かもしれない。
今回は今までほとんどしたことのない観光もやってみた。
まずはレトロ・タイペイの商店街。観光スポットらしく人でごった返している。いきなりこのエリアの守り神的な神様だか仏様があったのでお参り。
おそらくツアー・コースに入っているのだろう。団体の日本人が大勢いて、ほとんどの店で日本語が通じた。自分のためにカラスミを買う。
他にも食材は沢山あって、ニンニクやら果物が山のように並んでいる。驚いたのは『北海道産』とわざわざ表示してある昆布、これは台湾の人が買うのだろう。
熱帯魚のような魚を売っていたが、あれは不味いのじゃないかな。
また、土産物屋ではキンキラの光物とか訳の分からない雑貨を並べていて、一体誰が買うのかと思っていたら日本人観光ツアーで来た若い女性がカエルのおもちゃを買った。あんなもん旅の思い出になるのだろうか。
現地エージェントに頼んで台北近郊のシーフェン(十分)に電車で行く。
台北の混雑を抜けると、途端にのどかな田舎になる。元々平地は少ないので、都心からいきなり山梨か千葉の外房あたりに移動する感じだ。
途中の乗り換え駅では驚くべき標識を見た。
禁止事項が列挙されているが、右の一番上は何だ。
わざわざ禁止しているという事はする奴がいるのか。
まさか日本人じゃないだろうな。
それとも観光客ではなく、地元では普通のことなのか、理解に苦しむ。
さて、単線の電車をおりるとシーフェンの街である。やはり山岳地帯なので線路沿いにへばりついた様な商店街があり、そこでランタン(天燈)を飛ばして遊んだ。お土産屋さんからランタンを購入し、その4面に墨で願い事を書く。
そうして持ち上げていると店の人が下にぶら下げた燃料(良く分からなかったけど)に着火して、フワリと舞い上がる代物だ。
僕は一人なので他の日本人のお客さんに混ぜてもらった。皆さん諺とかこの地で見つけた標語のような漢文を書いたりしている。隣の人は『仲良きことは良き哉』などと格調高かったが、自分の番が来たら反射的に『金』と書いてしまった。ウッ・・・・情けない。
そして単線の線路に持って行って(道が狭くて飛ばせない)火を付けてもらうと。ランタンは少し上がったところで横風に流されて遠くの谷間の方に漂って行き見えなくなった。夜だったらさぞきれいだろう。やれやれ、やっぱりカネには縁が無いのか。
別のランタンは強風に煽られて民家の二階で燃えていたが、このあたりの人は慣れているのか騒ぎにはならなかった。
(この項続く)
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狂言 『樋の酒』
2024 OCT 26 9:09:28 am by 西 牟呂雄
『樋の酒』とかいて『ひのさけ』と読む。
留守を預かる太郎冠者(万作さん)と次郎冠者(萬斎さん)がこっそり酒をのんでしまうお話です。狂言は大衆芸能だから、酔っぱらってバカをやる物がたくさんあって身につまされるますね。棒縛(ぼうしばり)とか脱殻(ぬけから)ですね。
さて、すっかり酔っぱらって謡うは舞うはでしまいには『ハッハッハッハ』と笑い転げているところに主人が帰ってきます。もちろん怒り狂って叱りつけるも『お許されませお許されませ』と逃げ回り、舞台からきえていきます。
御年93才の万作さん、立ち上がるところ、舞うところはいまだに矍鑠とされていて見事なもの。さすがに日頃の修練の賜物でありましょう。しかしながらどうにも鍛えようもないものがあって、私が言うのもなんですがそれは『声』、すなわち喉なんですなぁ。萬斎さんがまことに通る発声なので尚更目立つ。
ところで狂言の鳴きについて今回も面白い話がありました。
『靭猿』では子役が着ぐるみで猿を演じますよ。猿は『キャー・キャー』と鳴くそうです、成程ね。
カラスとスズメが並んで留まっているのをいるのを見た主が太郎冠者に言いました。
『あの2羽の鳥は親子であろう』
すると太郎冠者は、
『違いまする。片方はカラスと申し、片方はスズメと申します』
『そんなはずはない。あのさえずりを聞いてみよ』
「コーカー・コーカー」「チチッ・チチ」
『それ、親が「子か・子か」と尋ねれば「父・父」と応じておるではないか』
他に、犬は『ビョウ・ビョウ』
猫は『ネウ・ネウ』
そこで僕も狂言語を作ってみた。
ライオン『げーう』
ゴジラ『えあーん』
ウルトラマン『どわっけ』
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ハーバーの秋祭り
2024 OCT 18 1:01:20 am by 西 牟呂雄
雨模様、時に酷い降りになった。
あんまり夏が熱いので秋にやることになったカーニバル。フラ・ダンスや出店を出して、近所の子供達も招待する。児童養護施設にいるワケアリの子だ。敗戦の混乱期に引揚孤児の受け入れを始めた施設なのだが、時代が変わってDVやら虐待やらの問題がある家庭の子が多い。引率の先生達は優しそうな若い先生だった。
本当は船に乗せて体験乗船のはずがこの雨でダメになってしまった。
小雨は時々強くなり雷も鳴る。おかげで最初のバンド演奏は散々だった。
僕は子供用のスーパーボール・金魚掬いの屋台で子供達に一回百円でポイ(掬うやつ)を配った。小学校の低学年から5年生までのようで、ある程度躾けられている様子。年上がチビの面倒を見ていた。子供たちはあらかじめ100円券を5枚程持たせてもらっていて、ほかに焼きそばとかお菓子の屋台で買っては食べたりしている。中には全部僕のところで『もっとやる』と使ってしまう子もいた。
オッサン達はもっぱら生ビールやカクテルをガブ飲みしてデキ上がる。
中には調子に乗って和をみだし、こっぴどく先生に叱られている子もいる。ここが僕の甘い所だろうが、あんなに怒っちゃかわいそうじゃないか、などと思うのだが先生にもプロとしての矜持があるのだろうな。僕は子供の頃は落ち着きが無く、集団生活にはなかなか馴染めなくて苦労したからこの子の気持ちはわかるような気がして見ていられなかった。この子はどうなっていくのだろう。
僕の屋台はもうけも何もないから用意したものが無くなるまで売り尽くし。終いにはオマケに次ぐオマケをはずんで子供もハッピー僕もハッピー。
僕が子供相手にやっているところが撮られた写真が後日回って来たが、ヨレた格好とサングラスがあまりにハマって本物のテキヤにしか見えなかったので封印した。

暫くしてようやく小降りになった頃、ハワイアン・バンドが音を出してフラ・ダンスが始まった。
オネーさん達の優雅な動きに見とれていたが、皆さんユラユラと踊る時は中腰ではないが少し膝を折っている。これは日本舞踊でも『腰が座る』と言って動くときに頭や肩が上下しない所作と同じだ。言ってみれば誠に色っぽい動作となる。そして表情はニッコリ笑っている。後で振り付けを教えてもらって一緒に踊ってみたが、ずっとニコニコするのはなかなか大変で疲れた。
スッカリ酔い痺れて寝てしまった。
翌日、エンジン音がしてやけに揺れる。時計を見たら10時を回っている、出港したんだ!ヤバッ。
ノコノコとキャビンから這い出してみれば、昨日演奏していたバンドの方とフラのオネーさんが一斉にこっちを見た。オーハズカシ。
『ほら、セールを上げるよ』
と声をかけてきたスキッパーの視線が痛い。
昨日とはうって変わって晴天だ。昨日の子達、乗せてやりたかったな。
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C・Sで決戦だ がんばれファイターズ!
2024 OCT 11 17:17:18 pm by 西 牟呂雄
待ちに待った。何年も待った。この数年、地を這うように耐えてきた。我が日本ハムファイターズがついにC・Sに登場する。ここまで来たら何が何でも宿敵ホークスに一太刀浴びせて長年の鬱憤をはらしたいところだ。
あしたからファースト・ステージでロッテに2勝を上げなければならぬ。まあ3試合目までやるとしたら、ここでは伊藤と山崎は使えない。この二人、意外と取りこぼしが多いのでもっとプレッシャーのかかるホークス戦までは出さない。上原・金村・北山にサブマリン鈴木を組み合わせて使えばよい。セット・アッパー杉浦は絶対に使ってはいかん。こいつはセカンド・ステージで一試合くらいはどうにもならない負け試合があるはずだからその時の処理要員にする。
ロッテは佐々木が来るだろう。本調子で三振の山ができてしまったらその時はその時。バントで揺さぶってタイミングを外し食らいつく。ノー・ノーだけは勘弁してくれ。
そして先手必勝。というのもファイターズはロッテの中継ぎ・ストッパーからはあまり得点していないのだ。佐々木は別にしても、とにかく先に得点しないとヒジョーにまずい。スクイズ上等!
問題は清宮をどうするか。確かに今年の後半になって目覚ましい活躍を見せた。だが(影の)オーナーである私の目はごまかせない。あの守備は何だ。バカ・ボスはミョーにこいつがお気に入りらしく、ファースト・サード・外野の守備までやらせているが、ファインプレーなんぞ見たことがない。おまけに走塁ミスまでやらかして、ゲーム・センスの無さは天下一品だ。いっそ外野にレイエスを使って指名打者の方がまだいい。或いはC・Sの間はスタメンでは使わず、見せ場の代打起用でもいい。こいつが活躍するのは流れに乗っている時で、ここ一番のチャンスにはからきしダメだ。こいつがいるとチームが暗くなる。
それで順調に二つ勝ったとして、いよいよ宿命の対決が待っている。
セカンド・ステージは6試合でホークスにはアドバンテージがある。柳田も近藤も出て来る。おまけに全試合博多のアウェイだ。互角に戦うには相当の秘策を練らなければ。とにかく1試合目と3試合目は何が何でも、一人一殺でも勝ちに行かなければならない。ここで伊藤と山崎を持って行く。
しかし、このエースの二人は時々突然ポカをして連打を浴びることがあるので、これが秘策だが初めから加藤を準備しておいて躊躇なく投入するのだ。加えて9回を田中一人に任せないで柳川・宮西と3人が一人一殺で臨む。この2試合に限ってリードができたタイミングには清宮を使えばいい。
柳田・近藤に打たれるのは仕方ない。ターゲットは山川なのだ。このデブを封じ込めるには多少汚い手も使わざるを得ない。山川は5番に入るだろうから歩かせてしまえ。そして散々走らせて潰す。あるいは・・・オット筆が滑るといかん。
もっと困るのは周東だ。攻略は絶対の企業秘密だ。と言ってもあれ程の選手(実はファンなのでやりにくい)だから一筋縄ではいかない。まっ見ていて欲しい。
ここまでやれば5戦まで行ける。そしてC・Sの間、頼むから打順をコロコロ変えないでくれ。あれでは選手が自分で考えなくなってしまう。あれこそがバカ・ボスの『何も考えていない』証拠だ。敵はあの和田をワン・ポイントで使う余裕があるチームだ。。
ん?日本シリーズ?そんなもんどうだっていい。ホークスと第5戦まで戦えれば本望よ。
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如来(にょらい)考
2024 OCT 6 21:21:15 pm by 西 牟呂雄
ウチは浄土真宗で、菩提寺は現在の場所に来たのは遥か後だが鎌倉時代の創建と伝わる。住職は代々『大江』さんと言って鎌倉幕府高官の大江広元の末裔である。
本堂に鎮座するは阿弥陀如来像で、仏事のお経を聞いている時などにしげしげと見上げているが、なかなかありがたい。阿弥陀様は西方浄土の一尊、如来はサンスクリットのタターガタの漢訳で、この上もなく尊いという意味の呼称である。
この『如来』という文字をジッと見つめていて心に浮かんだことがある。漢訳は当て字なんだろうが、読み下してみると『来るが如し』。
形而上の教えはあくまで概念だから現実には起こりえない。だから信用できない、となってしまえば宗教は成り立たない。理論構造を実証できないがゆえに先に進めない、となると現代人の大半はとてもじゃないけど受け入れられなくなる。
そうはいっても形而上としての心の支えが全くなければ人間には耐えられないことが多すぎる。例えば誰にも必ず訪れる死。いかなる合理的な知性でも簡単に腹落ちする解なぞない。宗教を否定した共産党独裁国家でも宗教が根絶やしになることはなかった。
しかし生き延びるためには各宗派は凄まじいエネルギーを内部の改革に費やしている。
キリスト教は信仰を維持するために、まるで生物が細胞分裂やウィルスから回復するように宗派同士で血を流しあい洗練されてきたかに見える。
イスラムでは今日ですらシーア派VSスンニ派、他宗教への攻撃と激しい対立はなくならない。ISの戦闘は記憶に新しい。
ところが日本では多くの仏教宗派を生み出したが、宗門同士での相手の潰し合いのような対立は少なく、明らかに宗教戦争めいたものは物部VS蘇我の丁未の乱と島原の乱くらいだろうか。日本仏教の武装闘争である一向一揆や石山合戦はむしろ権力者と対峙したもので、それはそれで歴史上の自立作用かとも思われるが宗派対立ではない。つまり貴族の仏教(天台・真言・南都仏教)が武士の仏教(禅宗)になり庶民の仏教(浄土・浄土真宗)になるほど仏教が浸透し、その庶民が権力に対峙するほど豊かになった社会的構造変化だろう。しかも最後まで戦った相手は無神論者の信長であった。
仏教が日本的に変化したところで、宗教戦争に至らなかったのは論争の際にご本尊を『如来 来る如し』としたために、まあそういうことにしておかないと先に進まない、ゴトクということで話を続けると、とやったためではなかろうか。仮説というか思い付きだが。
当て字の『如来』に意味を込めたかどうか知らないが、そういうことにしてしまったとしたら日本人はうまいことやった。ナンチャッテ、博識の方、ご教示願えますか。ぜんぜん関係ないが『極道』も本来『道を極める』という意味だが今日の口語では全く違った使われ方だ。
私の主催する『滋養教』もこれから『滋養如来』としようか。アッ、でも神道系だったよな。
まじめなお坊様、思い付きですので怒らないでください。
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見えてきたディープ・ステートの正体
2024 SEP 28 17:17:48 pm by 西 牟呂雄
これはある国における分断の真相に迫るレポートである。
その国は豊かで民主的で常に世界の最先端を行く技術をも持つ。更に他の追随を許さない強大な軍事力も持っている。しかしながら大変若い多民族国家だ。生み出される多様な文化はそのまま世界に伝播して大きな影響を与え続けている。
一方でこの国はいかにも拙速かつ独善的であり、しばしば洗練されていないむき出しの力の外交で世界を混乱に招く。重層的な異文化を理解しようともせずに、自分たちのデモクラシーを押し付けたがる単純さがある。
そのくせ自国内にも複雑な分断と乖離を内包していて、人種・格差・宗教と対立のネタは枚挙に暇がない。そしてしばしば銃撃事件だのテロだの犯罪に見舞われている。この国はその成り立ちから矛盾の塊なのだ。
切り口を政治的に分析すると、陰謀論的なダーク・サイドと一見単純なカウ・ボーイが常に緊張関係を孕んでいる。
折しも太政大臣の選挙がある。
軍産複合体と巨大官僚機構に押された針巣氏は、脳梅毒の症状が顕著になった梅田太政大臣の後任として名乗りを上げた。実は対抗馬の都乱府氏の陣営が銃撃事件をゴルゴ13に依頼し、見事に耳だけをかすめるという抜群の演出が大当たりしたせいで梅田では到底勝てないため、焦った軍産複合体を中心とした勢力が候補者を代えたのだった。勿論フェイク銃撃の犯人にはダミーを仕立てて殺させた。
この作戦は見事に当たり、針巣の支持は都乱府に肉薄してきた。そして両者が直接対峙する形での公開プロレスでは、もちろん引き分けのシナリオではあるものの、針巣の必殺技アイアン・コブラ・ヘッド(どんな技か不明)を数発喰らって都乱府の受け身の下手さが露呈してしまった。
焦った都乱府側は、夢よもう一度とばかりに暗殺未遂を仕掛けたが、ゴルゴ13は今回のギャラに20億ドルを要望したので契約は成立せず、素人を使い未遂にもならないで失敗した。
ついでながら、同盟国である大和国の企業である一本製鉄がこの国の優越製鉄を買収しようとしている。双方ウィンーウィンの買収内容だが、組合員の票欲しさに両候補とも反対のフリをして見せた。どうせ後で理屈をつけて賛成するのはミエミエで、最近のその国の政治判断の幼稚さを物語っている。
この国のディープ・ステートは明らかにリベラル・グローバリストの仮面を被って身を潜めているつもりだが、他方で力の行使にはあまり躊躇しない。従ってネオコンとの親和性も高い。ネオコンはネオコンで党派には関係なく使いやすい太政大臣ならば分け隔てなくスリ寄る。例えばこの国の利害のための大義名分が立てば戦争に至る緊張感を煽ることでディープ・ステートのご機嫌を取るのはやぶさかでない。
これに対抗するために都乱府陣営ではことさらに移民問題・貿易不均衡を言い立てる。特に中花国との貿易戦争を厭わない。結果は妥協するにせよ、当面は強硬極まりない姿勢で臨むだろう。それにしても最近の発言は度を越してきた。
更にディープ・ステート狩りのプログラムを用意して、上院の承認を必要としない政治任用の高官(約4千人)をデータベースに登録して指名する構えである。
さて、お互い先が短くなった大和国の現木志田総理は梅田太政大臣と最期の傷の嘗めあいなのか、サミットごっこに興じていた。
『お互いいいこともやったんだが最後は足をすくわれたな』
『全くだ。そっちは針巣といういい後継者がいたからよかったけど、オレの周りは裏切り者だらけだ』
『だけど勝てるかどうかははっきりしていない。いい勝負ではあるが』
『万が一都乱府が勝ったら相手をしなきゃならなかったからオレもトンズラして正解だった』
『あの公開プロレスではアイアン・コブラ・ヘッドが決まったからな。あせった奴はますます出鱈目を言い散らして自滅するかもしれん。この前も「移民の好物は犬ソーセージと猫のニャーニャー焼きだぞ」とやったからな』
『こっちも大変だよ。モゴモゴ喋りのヒキガエルが後任だぜ』
『どっちにしろやっかいな不沈や醜金平と渡り合わなくてよくなるからホッとはしたが』
『世界はどうなるんだ。ドンパチが終わる気配もない』
『知ったこっちゃない。勝手にしろ、だ。この国だってあんなメチャクチャなバカに投票する国民なんかどうでもいい』
『おいおい、まさか大和国もどうでもいい、なんて人前で口走しらないでくれよ』
『ん?オレ何か言ったか』
『・・・・』
太政大臣投票まであとひと月。
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