Sonar Members Club No.36

Since July 2013

欲しかったオモチャ

2015 APR 5 9:09:35 am by 西 牟呂雄

 オモチャ全般に言えることだが、空想空間的広がりを楽しむ物ではないだろうか。子供は無条件にいじりまわしてしまいに壊してしまうのだが、この年になって昔夢想したオモチャの夢が広がって来た。ロボット技術の発達した現在ではもっと面白い物が出てくるのは時間の問題かと。
 懐かしい漫画に一世を風靡した『鉄人28号』や『ジャイアント・ロボ』といった巨大なロボットが戦うストーリーは、その後『マジンガーZ』や『バイオレンスジャック・ハイパーグラップル編』と進化し『ガンダム』に結実する。現在では『進撃の巨人』だが、それに近い物で遊べる日が来るだろうか。現還暦クラスはゴジラ・ガメラに鍛えられてウルトラ・マンを見ているから巨大な怪獣・ロボットを見る目は肥えている(別に大きくなくてもピグモンやカネゴンもいた)。

 逆に小さくして空間の方から俯瞰的に楽しむ方法もある。盆栽やジオラマ、オママゴト、着せ替え人形、ミニカーだな。これはオヤジになってからも物凄く金を掛けてドロ沼にはまる人もいる。幸いにして僕はそういう趣味を持たないが、凝りだせばキリがない。正確に精巧に極めれば今だって高いオモチャだ。

 3Dプリンターの技術の発達により外形が自分そっくりのアンドロイドもできるかもしれない。ミッション・インポッシブルの変装マスクみたいにだ。自分の幼児期・少年期・青年期のアンドロイドも作れるかも。だがこれのオリジナルは天馬博士が愛児トビオを失った悲しみのあまり、そっくりのロボット『アトム』を作り出すというマンガで予言されている。僕は昔の自分がその頃欲しかったオモチャをこれらの偽装『自分』に存分に与えて遊んでいるところを見たい衝動に駆られる。
  
 幼児期は自分で操作することはできない。大人の縮尺での生活できるミニ・ハウス(1/2縮尺)に住んでみたかった。これ実際に建てたら恐らくオモチャで済む金額ではできない。子供は大人になったつもりが楽しいからそのミニ・ハウスの中で住んでいるつもりになって遊ぶのだ。新聞を読む真似をして仕事に行く素振りをする。『忙しいな。景気が悪い。』等と言ってみる。そうしている自分を倍の大きさになった大人の僕が見ているのはきっと面白いだろう。
 
 少年期の僕にやらせてやりたいのは、模型の連合艦隊とバルチック艦隊で仮想日本海海戦をやらせてやりたい。無論少年の自分に三笠をラジコン操作する東郷長官をやらせて、僕はロシアのロジェストウインスキィ中将になって戦ってみたい。いずれにせよ50mプールくらいで戦うことになるからそれぞれの艦船のラジコン操縦者を集めて一大海戦を再現する。
 味をしめたらミッドウエーをもう一度検証しなければ。あれは負けるはずがなかったのだ。
 
 青年期の僕には美女型アンドロイドを5人侍らせてみるのはどうだろう。アフリカ系・インド系・ロシア系・ラテン系・東洋系と取り揃えて朝から晩までチヤホヤしてもらえるように・・・・。ここまで書いてきて、そんなモノを見ている今の僕が何が楽しいのかアホらしくなってやめた。
 
 今欲しいのは連獅子の被り物か。あの赤毛を被って毛振りの真似事をしてみたい、ちょっと難しいか。それならば『誠』を染め抜いたダンダラ染めの羽織を纏って新撰組の武装をし、御用改めゴッコをしてみたい、ガンダムを操縦してみたい、・・・・結局元に戻ってしまった。

 最高のおもちゃは芸事と武器かも。時節柄断っておきますが、テロ反対・侵略反対の平和主義者です。オモチャの話です。

古い記憶

狼少年ケン

車というオモチャ


「ソナー・メンバーズ・クラブのHPは ソナー・メンバーズ・クラブ
をクリックして下さい。」

Categories:遠い光景

▲TOPへ戻る

厳選動画のご紹介

SMCはこれからの人達を応援します。
様々な才能を動画にアップするNEXTYLEと提携して紹介しています。

ライフLife Documentary_banner
加地卓
金巻芳俊