地域住民説明会で思ったこと
2017 AUG 2 6:06:50 am by 西 牟呂雄
住んでいる近くに立派なお屋敷があって、近隣ではそれなりの地域の名所だったが、居住者の都合でマンションが建設されることになり「近隣居住者の皆様への説明会」というのに行ってきました。
大手不動産会社・設計事務所・窓口デベロッパーの担当者が挨拶をし、丁寧に説明をしてくれたのですが、質疑応答で雰囲気が一変しました。
一番前に座った私よりも少し上と思しきジイ様が口火を切ります。そのジジイはやる気満々で、要するに目の前に自分の所より大きなマンションが建てられるのが気に入らない。特に自分の面した部屋にルーフ・バルコニーがあるのが気に入らない。口を極めてイチャモンを言うのですな。
「売主ができるだけ緑を残したい、と仰ったそうだが、この計画のどこに反映されているのか」
さっき説明してたじゃないか。紅葉と松を残す設計にしたって。
「こっちに向かってバルコニーがあったら私が洗濯物を干すときは挨拶から始めなきゃならないでしょう」
誰もお前なんかと挨拶なんかしたかネーヨ。
「女性の方なんか下着は干せないじゃないか」
お前の下着を見るのもイヤな人はどーすんだ。
「施主は来てないのか」
最初に挨拶してただろ。覚えてないのか。
「北側にバルコニーを作るなんて常識でありえないでしょう」
テメーが引っ越してきた時は土地の売主は見降ろされてさぞイヤだったろう。
「この住環境が気に入って住んでるんですよ」
そこは賃貸だろー。引っ越し代でもせしめる魂胆か。
いちいちカンに触る発言が相次いでいたたまれず途中で席を立ちました。
たかが住宅街の一角でこの騒ぎなのだから、大規模開発ではさぞ凄い事になるのか想像に難くないです。
話が大げさになると手に負えないので重大な問題なんかとは切り離して考えてください。
ここでは売主が土地を手放して、買った側が法に則ってそこを開発します。デヴェロッパーの人は”地元条例”を参考に手続きを進めている説明会ですよ。いかなる事情かしらないが売る側はそれなりの事情があって、近隣住民の知った事ではない。文句を言う前に売却せざるを得なくなった元地主の無念を僕は思っていました。
それがあたかも弱者の英雄にでもなったかのようなジジイの物言いに非常に強い違和感を持ったのです。
そもそも全員の希望が100%かなえられる事などあり得ないのに、自分の都合をクドクド(本当におなじ事ばかり何回も言い立てた)抜かしているの。もう少し品良くやれないのかと不愉快な気持ちになりました。ところがそのジジイがつべこべしゃべるとオバサンだって黙っていません。次から次からまるで何も言わないで帰ると損でもするかのように、ほとんど同じ内容を何人もが喋ります。
そして暫く聞いていて、この光景は既視感があるなと思ったものです。
それは国会質問です。
〇池問題とか加〇学園の話を”追求”する場面ですが、同じ事を聞き同じ答弁を引き出し(同じことを聞くから当たり前だ)新聞には『ノラリクラリと交わした』との記事が出ます。最初から分かっているから見る方は(少なくとも僕は)初めから結論が分かってしまって面白くもなんとも無い。新聞記事なんか読む気にもなれませんね。
加〇学園は元事務次官というトリック・スターが出て野党が嬉しそうにしてますが、もう出ガラシですね。文書(ってメールでしょうが)が出てオシマイ。
そしてそれを解説する新聞報道も論説もファクトなし。近い将来ファクトだけ打ち込むと人工知能が自動的に書いてくれるようになるでしょう、特にA新聞なんかは。
国会議事堂と議員会館の間を昼間通ったことがある人なら分かりますが、いつでもプラカードや拡声器を持ったオジサンやオバサンが大勢いて(2組も3組もの集団が順番待ちをするくらい)共謀罪でも原発でも基地でも公務員の給与から何から何まで反対の人が毎日毎日シュプレヒコールをやっています。
ほとんどがオッサン・オバハンだけどかあの人達はあれが仕事なのでしょうか。それでシールズは若い人だったから目立ったのかもしれません。
僕の見たところでは、デヴェロッパーの若いオニーチャンは乱暴な口もきかず丁寧に答えようとしていました。そうするとオッサンは鬼の首でも取ったかのように益々エラソーに言うのです。
テメーは現役の時にどんなに偉かったのか干されていじけたのか知らないが、もう少し礼儀ってもんがあるだろう、と思いましたね。品性下劣だ。
そして、この光景が今日では常態化して違和感を持つ方が(すなわち私の方が)非常識だとすると、私などこういう所にはもう住めないのでしょうか。我が家の目の前にドカッとした高層マンションが建つとすればイチャモンを言うより引越しを考えるかもしれません、無理か。
嘗てのこういう光景は理不尽に対する弱者の団結という構図で、労働組合とか農協のように一定のバランサーの役割があったのでしょう。しかし私の目の前の光景はそれが逆転して見えるのです。
実際に見たことはありませんがモンスター・ペアレントとかクレーマーとかもっと凄いんでしょうが。
そうだ、いっそのこと一定のルールの儀式にしてしまえ。そして双方おごそかに読み上げて人工知能に妥協点を決めてもらうというのはどうでしょうか。
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