Sonar Members Club No.36

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武蔵野市民文化会館の『魔笛』

2022 NOV 9 0:00:41 am by 西 牟呂雄

 例によっての破壊価格+友の会割引で、本日ハンガリー国立歌劇場のオペラ『魔笛』を観てきた。この”観てきた”という表現に異を唱える方々も多かろうが、私程度の聞き手の認識はオペラ=西洋歌舞伎といった所なのでお許しを。
 生『魔笛』は30年ぶりだろう。当該SMC板上で既に無類の聞き巧者である東 大兄の綿密な考証が投稿されているので、今更私が付け加えることは無い。西洋歌舞伎なる所以は筋書きはどうでもいい程度のオハナシを美しい音楽で飾るのを『観る』ところが醍醐味だからである。

開演前にコッソリ

 さて、そのステージは素晴らしかった。
 しかも最前列だったので、オーケストラのメンバーがヒマな時に何をしているかよく見えた。
 6日に東京文化会館でやっているので、今日はどうやらパミーナ・夜の女王・パパゲーナ・パパゲーノはセカンドの人だったようだが、美しいモーツァルト節に酔い痴れた。夜の女王のアリアもいい。
 そして休憩の時に外で一服したら、皆既月食がドス赤い色!モーツァルトと皆既月食だったとは・・・。
 因みに終わった時にはきれいな満月となっていた。

 ところで、ご案内の通り魔笛はモーツァルトの没年に発表された。この天才の死因はこれまた諸説あって面白いが、ともかくこの名作を残してから急激におかしくなって死に至る。
 まるでサーカスの見世物のようにオヤジに引きずり回されてヨーロッパ中を回った少年時代から、常に金に困った日常、性的放埓、怪しげな病気、フリーメイソン、ひょっとしてハシッシ。この天才にして頭が狂う要素満載の生涯だった。
 フト思ったのだが、カネの為に依頼された魔笛の、夜の女王の国とザラストロの国で善悪が逆転するというストーリーに曲を付けていく過程で、狂言回しのパパゲーノの姿が自分に被り、ニヤニヤしながらか不貞腐れたかは分からないが、あのやたらと明るい鳥刺しの歌やパ・パ・パ・パのメロディーが浮かんだのではないのかな。いや、シロートの感想ですのでスルーして下さい。

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Categories:古典

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