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数え年古希 ゲレンデに立つ

2023 JAN 11 7:07:23 am by 西 牟呂雄

 今は滅多に耳にしない数え年。満年齢とは違い、お母さんのお腹にいる頃から年齢を数え出し生まれた時点で1歳、その後は誕生日に関係なく正月が来ると一つ年齢が上がる。お江戸の昔はこの数え方だったので、本来は厄年とか還暦もこの数え方でやる。
 するとだ、私は昨年の暮れに68だから目下数え年で古希ということになる。かの大詩人・社甫が「人生七十古來稀(こらいまれなり)と詠っためでたい年齢で、還暦は赤い物で祝うが古希は紫である。我が人生もここまで来たか。
 そして後何回できるのか、今年もスノボを履いてゲレンデに立った。
 無論、足腰は衰えている。緩斜面で直滑降を滑ると、雪面上の細かい凹凸が伝わってくるのだが、数年前まで気にもならなかった振動を下半身が吸収できない。従って上半身が大げさにブレる。さすがに転倒はしないがヒヤリとすることが多くなった。何しろ古稀だ、一発大コケでもすれば骨折ぐらいはありえる。そして人々からは『あのバカまだそんなことやって骨折?』という心無い声が寄せられるだろう。
 そもそも十数年愛用してきた固いボードがビンディングの劣化によって使えなくなり、これでスノボも引退に追い込まれかけた。さてニュー・ボードを買って償却できるだろうか、今年が最後じゃないのか、の葛藤の末レンタルでやっている。そしてレンタルするときに書き込む年齢を見てオッサンは目を丸くした。間違いなく最高齢ボーダーだろう。

 若いボーダー達のファッションとは一味違う、実はボーダー・ファッションを買い揃えるでもなく、ついに今年はフリースで代用する場違い感満載古稀ボーダーの雄姿である。
 無理は禁物、とばかりに緩斜面ばかりを滑り、ロング・クアッド・リフトを3回もやれば一服しなければ持たない。昔面白がってやっていたプロペラ・ターンなどもっての外。実際1本滑ってみればまるで大腿部の筋肉を全て絞り出したような感覚。シーズ初めはいつもそうだが、感覚が戻るまでは無駄な動きが多く、汗まみれになって息が切れる。
 これじゃ誰も付き合ってくれないよな、とフト思った。そうだ、友達になったレイモンド君(推定3歳)にスキーを教えてあの子と一緒に来れば丁度いい。
 そして僕が追い付けないくらいレイモンド君が上達した頃に引退するといい。

温まってご機嫌

 レイモンド君とはついこの前の年末に、例によってヒョッコリ先生の陰謀で半日付き合うことになり、色々考えて一緒に日帰り温泉に行った。喜寿庵周辺には温泉が2カ所ある。この辺は富士山に近いから1,500mもボーリングすれば温泉はいくらでも出るのだ。 
 レイモンド君は幼児なので熱いお湯はダメで、ぬる湯の源泉に長いこと入って遊んでいたらのぼせてしまい、風呂上りのロビーでアイスクリームを食べた。少し喋るようになって『ツメタイネ』などというから面白い。
 と、ここまで書いてきて待てよ、となった。オレは以前同じことを書いた気がして、念のため以前のブログを恐る恐るチェックした。すると去年こう書いているではないか。
『そうだ!最近友達になったレイモンド君(推定2才)でも連れてこよう。スクールに入れてあげて遠くから熱いコーヒーを飲みながら見ているのもいいかもしれない。いや、ビールかな・・・。』
 ヤバい!。同じことを書いている。肉体の衰えはスノボで推し量ることができるが、頭の衰えはわからない。アルツハルマゲドン接近中。

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