202X年の怪 (エピローグ)
2014 SEP 29 19:19:35 pm by 西 牟呂雄
「おい、村中。いつでもできると大口を叩いた割りにその時はちっとも来ないじゃないか。結局俺達は退役してしまった。」
「そう言うな、南。時はいつか来る。平和な証拠だ。そういう時にこそ我々同志で結束し引き締めていなければそもそもの意味が無い。」
「だが大室よ、田母神閣下も引退されたし、参謀役の後継者もいない。」
「そんなこと言ったって石原先生も佐々先生ももう完全にボケて使いもんにならん。第五次安部内閣は磐石で上手くいってるんだから。」
「大体村中、お前が前回の時2.26だの切腹だの物騒なことを口走って安部総理に嫌われたのがケチのつけはじめだろう。」
「今上陛下への上奏の随行も叶わなかったな。」
「ところで南よ。例の極秘計画は進んでいるのか。」
「勿論だ。愛子内親王殿下にふさわしい、旧伏見宮系の血を引くお方に内諾を取っている。後は今上陛下、皇太子殿下、そして何より内親王殿下ご本人の了解を得るだけだ。」
「バカ!それが一番大事なんだろう。そっちの工作は進んでいるのか。」
「それがどうにもこうにもガードが固くて・・・・。学習院ルートは頓挫したし、雅子様ルートもはかばかしくない。妹さん達の御一家にさんざん工作したんだが。」
「しょうがないな。何とかしろよ。大室のほうはどうだ。」
「例の光格天皇の御落胤の血筋のお方は確保して、通称『筑波仮御所』に匿われている。こちらのいいところはお顔立ちが先帝陛下にそっくりなことだ。もう一つの南朝正統のお方も『大和仮御所』におわすのだが、こちらは困ったことに素行がね。皇統の安寧は頭が痛い。」
「やっぱり民間暮らしを百年単位でやってしまうと帝王学の方は厳しいか。」
「フーム。我々の工作が実を結ぶようなことは無い方がいいのだが。親王殿下お一人ではお気の毒だ。」
「そろそろ後継者を育成しなければ、オレ達も年だ。この秘密結社も資金が続かなければ終わるぞ。」
「後を託すのは身内が一番いいのだが、オレは娘しかいないしお前等の息子は全く興味がない。」
「ウチでちょっとサワリを話したが相手にされずバカにされた。やっぱりあの後選挙なんかに持ち込まずに力押しすればと悔やまれる。皇居を確保できていたんだからな。」
「その代り陛下の怒りを買って死刑だったろうがね。」
「それでもやっておきたかった・・・・なぁ。」
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