South Bound Train (サウス・バウンド・トレイン) クロスビー&ナッシュ
2015 MAR 6 22:22:58 pm by 西 牟呂雄

微笑ましい映画『小さな恋のメロディー』で流れた『Teach your children』や『青い目のジュディ』で知られるクロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング。僕らの世代にはおなじみのアコースティック・グループだった。しかしあれだけの個性ではまとまってやってはいられないだろう、パッと解散してしまった。その中でデビット・クロスビーとグラハム・ナッシュは気が合っていたらしく二人ユニットでアルバムを出している。
デビッド・クロスビーはバーズのオリジナル・メンバーで、曲中のサビのテナー・ハーモニーをやっている人。風貌は元ヒッピーの明るいオヤジという感じで、今ではハゲてデブになってるだろう。
グラハム・ナッシュは英国人でこちらはまた懐かしいホリーズ。英国は後にハード、パンク、ヘヴィに進化するが、ヒッピー・ムーヴメントの頃はこういう輩もいたのだ。
僕はどういう訳か、この二人で出した『サウス・バウンド・トレイン』が好きでいまも口ずさむ。メロディーと相俟ってが歌詞が泣けるんですな。
この歌のサウスはディキシー、アメリカ南部(南北戦争で負けた方)と解釈している。この語感がピッタリくる日本語はふるさと。東京に上京して酷い目に会うモチーフは、南部のアンチャンがニューヨークで挫折する『真夜中のカウボーイ』的世界とシンクロする。それでかわいらしいお嬢さんとイイ感じになって振られればそれなりの小説一丁上がり。ちまたにそういう私小説が多いのは、最初から根性据えて女を食いもんにしようとしてその通りやった奴は、その経験を小説になど書きゃしないからだ、いや恥ずかしくて書けない。ついでに言えば同じように小説にしにくいのはバンカラもの。
このディキシーに対する北部のことをヤンキーと言うのだが日本では別の意味になった(チンピラに)。
余計な寄り道だったが、この歌を八代亜紀が日本語で歌ったらどういう歌詞になるか。いつものオチョクリじゃなくて真面目にやってみた。クリックして聞きながら読んでみてください。
Liberty, laughing and shaking your head
自由! 笑って 首を 振れ
Can you carry the torch that’ll bring home the dead?
亡き人 を 故郷(クニ)へ 連れてけよ
To the land of their fathers whose lives you have led
かつて たどった 父祖の地 へ
To the station at the edge of the town
街はずれの駅 へ 送る
On the southbound train going down
ふるさと への 汽車に
Equality, quietly facing the fist
平等! 最初に 気が付いて
Are you angry and tired that your point has been missed?
怒った ことを 忘れてないか
Will you go in the backroom and study the list
昔の リスト 見てみろよ
Of the gamblers using the phone
博打ウチ が 綴ったアレ
On the southbound train going down
ふるさと への 汽車よ
Fraternity, failing to fight back the tears
仲間! 泣くのを こらえろよ
Does it take an eternity breaking all the fears?
永遠に 怯えて 暮らすのかい
And what will the passenger do when he hears
過ぎ去る者が 聞いて どう思う
That he’s already paid for the crown
亡きひと は 割りに 合ったんだと
On the southbound train going down
ふるさと への 汽車で
お聞きになって分かるかもしれないが、これにモロに吉田拓郎&ムッシュかまやつ が歌った『シンシア(南さおりに捧げる歌)』が被る。やったに違いない。拓郎は『春だったね』はボブ・デイランのパクリだったのを認めている、散々言い訳した後で「まっ真似しましたね。」と言っていた。まっ気付いてましたけどね。
「ソナー・メンバーズ・クラブのHPは ソナー・メンバーズ・クラブ
をクリックして下さい。」

中島 龍之
3/9/2015 | Permalink
クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング、懐かしいですね。私も映画見ましたが、ビージーズの「Melody Fair」より「Teach Your Children」のほうが印象に残ってます。ホリーズの「Bus Stop」のシングル盤を買っていたので、グラハム・ナッシュはこんなバンドやってたのだと思ったものです。クロスビー&ナッシュの曲は初めて聴きますが、吉田拓郎に確かに被りますね。「春だったね。」がボブ・ディランのパクリとは初めて知りました。どの曲のパクリだったのでしょう。影響受けるのは当然ですが。
西 牟呂雄
1/20/2023 | Permalink
ザ・バーズのころから好きだったデヴィッド・クロスビーが亡くなってしまった。悲しい!
奥さんが声明を出している。
『長い闘病生活の末、とても悲しいことに、私たちの愛するデヴィッド(クロズ)・クロスビーが亡くなりました。彼は、妻でありソウルメイトのジャンと息子のジャンゴに愛情をもって囲まれていました。彼はもうこの世にいませんが、彼の人間性と優しい魂は、これからも私たちを導き、鼓舞してくれることでしょう。彼のレガシーは、彼の伝説的な音楽を通して生き続けるでしょう。デヴィッドを知るすべての人々と彼が触れた人々に平和、愛、そして調和を。私たちは彼を心から惜しみます。今、私たちは深い悲しみに包まれ、その喪失感に対処するために、謹んでプライバシーをお守りくださいますようお願い申し上げます。愛と祈りに感謝します』
西 牟呂雄
1/22/2023 | Permalink
この人は変則チューニング(ドロップDとかオープンGが知られる)の名手で、オリジナルのチューニングが50種類くらいあるとか。
さるツウに教えてもらったが、ライヴではチューニング毎に5本くらいのギターを並べてとっかえひっかえして演奏したのだそうだ。
『青春の光と影』で知られるジョニ・ミッチェルはクロスビーに教わったチューニングを8種類くらい駆使して数々の名曲を生み出した。
西 牟呂雄
1/25/2023 | Permalink
ツウの友人が追加情報をくれたのでここに開示しておきます。
『下記の二つのライブ盤をお聞きください。
①Its` all coming back to me (LIVE) 1995年発売 1993年12月Whisky a go goでのLive
7曲目からAlmost cut my hair、Deja Vu、Long time gone、 Wooden shipsと続く後半が素晴らしい。
②Live at capitol theatre with Lighthouse band 2022年発売 最後のライブ盤。
ラストの2曲がDeja VuとWoodstockのアコースティックバージョン。ハーモニーがとても綺麗です。
このDeja Vuは変則チューニングの粋を極めたような曲です。』