訃報 ダスティー・ローデス アメリカン・ドリーム
2015 JUN 20 11:11:58 am by 西 牟呂雄
脳天にパンチを浴びると逆にグッと立ち上がってくる。
相手をコーナーに追い詰めてヒップ・ダンス。130kgの巨体で暴れ廻りクネクネ踊る。
入場のコスチュームは派手というよりもグロ、ピンクの水玉ガウンと同じデザインの帽子だ。
アメリカ人はこういうのが大好きで大人気のスーパースターだった。決め台詞は『オレは配管工の息子から成り上がったんだ。』別に配管工が悪いと思えないが、なぜか観客は沸きに沸く。このキンキラ・クネクネぶりが当時の日本では今一つ人気が出なかった理由かもしれない。
かの天才レスラー、故ディック・マードックと組んだタッグチーム、その名も『テキサス・アウトローズ(後のジ・アウトローズ)』で大暴れして頭角を現すと、メキメキ実力・人気が出てスーパースターとなった。ディック・マードックはキレのいい天才的なレスラーで無骨な感じなのだが、どうも日本ではこういう人の方が好まれる。ブレーン・バスターの効き目なんか他のレスラーと全く違うのがよくわかった。
ローデスはウェスト・テキサス大学出身だがこの大学、名門なのに不思議なほどプロレスラーが出ている。それもドリー・テリーのファンクス、同期にブルーザー・ブロディ、ボビー・ダンカン、3年下がスタン・ハンセン、更に(ミリオン・ダラー・マン)テッド・デビアスと続く。プロレス学科でもあったのかと思う程だ。場所がテキサスのアマリロというファンク一家のフランチャイズにあるからだろうか。若き日の鶴田もアマリロで修行していた。
そのダスティ・ローデスが69才で死んでしまった。葬儀にはドリー・ファンクJr、ジェリー・ブリスコ、パット・パターソンといったビッグ・スターが駆けつけた。
右の写真はそのローデスと二人の息子で、二人ともやはりプロレスラーのゴールダストとスターダスト。どうです、このオヤジも凌ぐエグさは。よほどオイシイ商売なのか閉鎖的業界なのか。親子兄弟のレスラーというのは日本の世襲議員並の比率で、メキシコなんかは何人もいる兄弟に従兄弟まで全部というケースもある。
ところでアメリカのプロレスはゲテモノ化を進めれば進めるほどウケる。アメリカ人の中にはより単純な方を好むゾーンがあって、それならそれと徹底してやるのがいいようだ。
WWEはWCWやECWといったメジャー団体を買収して急成長し、全米のマット界をビッグ・ビジネスに育て上げたビンス・マクマホンの経営手腕はMBA課程の会社分析のテキストにもなっているそうだ。たかがプロレスなんだけど本当かな・・・。
どうでもいいが、スティーブ・オースチンはガラガラ蛇といわれたヒールだったくせに何とアクション・スターになりスティーヴン・セザールと共演した。ザ・ロックも主役で映画に出ている。やはりプロレスは奥が深い。
先日はビル・ロビンソンの訃報を聞いた。
是非リック・フレアーやスタン・ハンセン、ハルク・ホーガンといった連中に長生きしてもらい、伝説を甦らせてもらいたいものだ。
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Categories:プロレス