秋盛り 昭和は遠くなりにけり
2015 OCT 5 6:06:55 am by 西 牟呂雄
風寒し 人笑顔なく 耐えがたし
実りの秋の 日は短くて
秋になって台風が幾つか過ぎた後、ときに日が落ちると喜寿庵あたりは物凄く寒い風が吹く。季節の変わり目は汗ばむかと思えば、意表をついた冷たい風に顔が強張る。堤防決壊被害に遭われた方は心細かろうに。
さて、喜寿庵の庭に落ち葉がイヤと言うほど落ちて来る、風が無くとも落ちる。それも容赦なくといった感じ。大半を畑に捨て残りで焚火をすると白い煙が上がっていった。その行方を仰ぎ見ればまだ一杯木の葉が付いていて、これが全部落ちるのかとため息が出る。12月までですね。
一人でやっている庭木の剪定も、実は一年中やっているのだ。プロでもない僕がチョキチョキやっているのだから能率が悪く、一向に丸くならない。
もう紅葉も始まって楓は朱のように色を変えた。芝生はもう伸びないが雑草はいくらでも元気なので何とかムシっては目土を入れている。
『〇〇の秋』という言い方に違和感がある。秋じゃなきゃできないことがそんなにあるはずがない。読書だスポーツだ食欲だ、に運動会か。
もう少し寒くなってセーターを着るようになると、子供の頃『あっ、物事には終わりがあるんだな。』と思うような癖があったような。本当の記憶か後から刷り込まれた思い込みか自信がないのだが。
日が落ちて 漆黒の闇 なお深し
夜長の秋に 虫の音騒ぐ
9月の日照が少なく、更に大雨でとんでもない目に合った方々が大勢いらっしゃる。早朝にマグニチュード5の直下型地震。桜島どころか阿蘇山まで噴火する。御嶽山はいつだったか、そして本命富士山はいつだ。ヤバイよヤバイ!
富士山の怒りを買ったらネイチャー・ファームと喜寿庵はひとたまりもない。墓所も溶岩に埋まってしまうぞ。
そのネイチャー・ファームでは台風の雨に流されたか、大根が全滅した。あれ程気をつけて5粒くらいづつ穴を掘って撒いたにもかかわらず。水もやったし肥料もやった。
諸説あって『深く埋め過ぎた説』や『肥料を大袈裟にやり過ぎた説』が囁かれている。それを裏付けるように余った種をバラ蒔いて捨てたあたりで自生した謎の野生の大根は5株程育っているのだ。こうなったらこいつらには水もやらず、雑草もほったらかしにしてどこまで育つか見守ってみようか。
更に驚いたことに、先日は庭を猿の一家が横切った!母猿の背中にしがみついている子猿もいる5~6匹の大家族でノタノタ歩いて行った。餌付けされているわけでもないのに我が物顔で歩かれると面白くない。武器を片手に後を追う。すると比較的若い一頭が度胸がいいらしく止まってこっちを見るではないか。しばし睨み合っておもむろに『お前等どっから来てるんだ。ここはおれの家だぞ。』と言ったところ、理解したかどうか崖の下に飛び降りていった。
この事実は巷間言われている「人間が野生の生活圏を侵食している」なる説は全く説得力がない。このエリアはここの100年人口は減り続け、町中は空き家だらけ。喜寿庵の近くの旅館は廃業した。開発なんか全然されていないのに勝手に桂川渓谷を越えて来たのだと考えている。冬場でエサがないならともかくまだ秋口だ。猿の図々しさが進化してしまったとしか思えない。
嗚呼、今年も秋来る。猿まで来たけど。
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Categories:和の心 喜寿庵