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十五代目の蹉跌(今月のテーマ 列伝)

2016 FEB 18 4:04:37 am by 西 牟呂雄

 徳川将軍を記述していて気が付いたことがある。武家政権というのは十五代やると制度疲労が限界に達するようだ。
 鎌倉幕府は源氏がすぐにコケてしまうが、皇族から将軍を連れてきては北条家が世襲で執権を継ぐ。これが十六代だ。しかし十五代北条貞顕の時には新田義貞が挙兵しているのでガタは来ている。
 続く室町幕府はこれまた十五代足利義昭が織田信長に放り出されてオシマイ。この義昭のダメさ加減は散々ネタにされ小説になったりドラマになったりしているからご案内の通り。

 戦後の自由民主党総裁の十五代目は宮沢喜一で、この時に選挙で負けて始めて野党に転落。その後自民党が単独で政権を取ることはなくなり、常に公明党その他と連立するようになった。どうも節目というか縁起が悪いのか。

 アメリカ合衆国十五代大統領はジェームズ・ブキャナンという大して実績の無い人だが、この人の在任期間中(それも最後の最後)に南部諸州が連邦を離脱してアメリカ連合になってしまった。そして次にかのリンカーン大統領になった途端に南北戦争が始まった。

 フランス・ブルボン王朝の第四代国王はあのルイ15世だ。15世ですぞ!ポンパドゥール夫人に入れあげ、戦争で負まくり新大陸の全ての権益を失い(ケベック、ルイジアナ、西インド諸島)ケチをつけ、孫夫婦(ルイ16世とマリー・アントアネット)が断頭台の露となった。
 15代は苦労する。

 そういうオマエの15代前はどうだったのかと言われると、これが父方も母方も実にどうってことのない輩だったようで、そういう意味では僕の代でオジャンになるようなものは持ち合わせてもいない。15代といえば450年くらい前だろうか。おそらく父方も母方も武田勢にケチョンケチョンにやられて追い回されたりペコペコしていた頃のはずだ(特に母方は信玄の初陣でやられる)。幸運なことに根絶やしにならなかったからワタシがいる訳だ。その時点で既に負け組ということだから気楽なもんだ。
 
 畏れ多いことであるが天皇家第十五代は応神天皇。三韓征伐の神功皇后が帰って来た時に九州でお生まれになった。仁徳天皇陵についで二番目に大きい誉田御廟山古墳が御陵とされている。応神天皇は没後十代を経て突然光り輝く3歳の童子となって現れ八幡大神として祀られる、八幡様だ。
 八幡総本社は大分の宇佐神宮で、ここは例の弓削道鏡が危うく天皇になってしまうところをギリギリの所でダメ出しをしてくれた霊験あらたかな神様。道鏡を皇位に就かせるか否かを和気清麻呂がノコノコ聞きに行くと身の丈9mというウルトラマンのような僧形の神様が現れてこれを一蹴してくれた。畏れ多いことである。

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