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解釈という自由 『しん雨月物語』

2026 JUN 14 22:22:31 pm by 西 牟呂雄

 仲良しの早野ゆかりさんが台本を書き下ろして演出も出がけた舞台を観に行ってきました。
 おととしに同様の趣向の『雨月物語』をやったそうですがそちらは見逃したので、さて早野さん今度はどんな手で来るのか。雨月物語は怪談オムニバスですから何やらおどろおどろしい演出かな、早野さん美人ですけどメイクでおっそろしい化け方かな、と期待しました。

 するとですな、いきなりシャンソンで始まるではないですか、これにはドギモを抜かれました(早野さんはプロのシャンソニエールでもある)。そして何と読み芝居です。出演はわずか4人で、時に目まぐるしく役を廻して演じます。これは演じる方にはキビシイよ。ですが皆さん達者なもので表情を変え声色を変え、姿勢まで瞬時に入り込んでました。オマケに時々笑いまで取る。これは早野さん、稽古のときには鬼だったんだろうな、と役者さんに同情しました。
 『血帷子(ちかたびら)』は雨月物語ではなく『春雨物語』からですが、早野さん、悪女をやると上手いから。そして原作に背乗りしたような創作で、こんなのアリかと驚かされました。
 『あり』なんです。小説の映画化で作者の意図についてしばしば問題になりますが、原作を脚本に書き下す作業は一部の台詞以外はどう作りこんでも構わないのです。特に古典に関しては、もはや著作権も何もないのでどう解釈しようが演出家の勝手。

慟哭のリア 俳優座

 もシェークスピアを大胆に変えていましたが、これを日本の古典でやって見せるとは、早野さんのおかげで目から鱗の気付きです。僕のこのアホ・ブログにもこれは使える。
 そして更に思うのは、一捻りした演出を観客は味わいつつ、自分独自の楽しみを発見できるでしょうね。例えば僕だったらあの台詞は変えるとか、このお芝居でも途中入る雨のメドレーは僕なら英語の歌にしたでしょうね。
 そうそう『慟哭のリア』でイチオシした渡辺聡さんが出ていて今回は席から良く見えたらこの人、表情の創り方うまいんですねぇこれが。他にテアトル・エコーの杉村理加さん、俳優座の加藤頼さん(加藤剛さんの息子、顔良く似ています)、ピアノ(シンセかな)井口真由子さん。

Categories:古典

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