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百済王・高麗王・新羅三郎 (今月のテーマ 列伝)

2016 APR 18 0:00:43 am by 西 牟呂雄

 全部人の名前です、半島南下論者が泣いて喜びそうな。
 百済王はご期待の百済の亡命王族ですが、「くだらのおおきみ」と詠みます。旧百済からの渡来人は大勢いたので”言葉”としてのクダラはポピュラーな響きだったでしょう。現代で言えば名前の付けるのは「テリー伊藤」とか「ジェット・ニシムロ」のようなしゃれた感じかと想像します(ジェット・ニシムロはさておき)。
 
 高麗王は”こまおう”でも”こまのおおきみ”でもありません。「こまの こにきし」と読みます。
 高麗若光という人物が、唐・新羅連合軍に敗れた後に日本へ組織的に逃げて来て”コニキシ”の姓(カバネ)を与えられ武蔵国高麗郡に入植します。埼玉県日高市の高麗神社の宮司は若光の子孫を称しており、現在60代目の名家です。この高麗神社は格式が高そうな立派な造りになっていて江戸期の住居跡もあり、何度か行きました。高麗王というお酒もあるんですな。こちらも由緒正しい半島出身。
 又、何度か韓国人ビジネスマンとこの近くのゴルフ場に行った時にお参りに誘うと大変喜ばれました。中にはもう一度観光に行った人も。半島全体に高麗王朝があったので、その流れが来たものだと思っているらしく『ここはコリョじゃない。コ・グ・リョの人達だ(即ち”北”の方の子孫)』と言うと益々受けました。
 三鷹の連雀町に住んでいた時、近所に墓地があり「高麗」という墓石が沢山ありました。このお墓はきっと高麗氏一族の系統かと想像します。殆どが暗渠になっていますが調布には入間川も流れていて読み方も埼玉の”いるまがわ”と同じ。
 三鷹近辺から埼玉西部へのルートは古くからあったと想像できます。犯罪マニア(猟奇・変質・怨恨等の殺人ではない)の間では「三億円強奪事件」の現金輸送ルートとしても知られています。事件当時このエリアには米軍基地がまだあって、そこを抜けたとされる仮説ですが。

 新羅三郎とは本名源義光。源氏の棟梁源義家の弟で、”しらぎ”ではなく”しんら”と音読みします。この源氏の嫡流兄弟はそれぞれ八幡太郎(義家)・加茂次郎(義綱)・新羅三郎(義光)と元服した神社の名前を頂いて名乗ったので半島とは関係ありませんね。新羅神社は現在の三井寺のことです。
 余談ですがこのうち次男坊は一族の内乱を煽動した咎で佐渡に流されるのです。そして息子六人が、長男・次男投身自殺、三男戦死、四男焼身自殺、五男切腹、六男自害と一斉に死に絶える凄まじさで家系は絶えます。
 そして三郎義光は兄義家を助けて後三年の役などで活躍し、その家系からは佐竹・武田といった戦国武将が。中に一系統、戦に負けてばかりいて止めの一撃に武田信玄の初陣で追っ払われた家がありますが、三回忌を迎える死んだおふくろ様の実家であります。

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