桜三態
2018 APR 4 23:23:29 pm by 西 牟呂雄
東京の桜が終わり、不思議なものでこの時期になるとなぜか少しホッとする。
今年はことのほか桜が早咲きだったのは冬が寒かったからだそうだ。
ニュースが花見客のゴッタがえしぶりを伝えていて、私の地元でも凄い人が宴会をやっていたり見物に歩いたり(井の頭公園)。見に行った私もその一人に違いないのだが、このような見事な桜を誰も歩いていない中でじっくりと鑑賞したい欲求にかられる。ベンチで寝転んでみたが人の声が大き過ぎて気が散って仕方ない。
外人観光客の多さにもビックリさせられた。
この桜を撮った時に二回も道を聞かれた。
最初は英語の白人夫婦だったので良かったが、次は東洋系の女性二人に「スミマセン」と声をかけられたのだが全然英語も日本語もダメ。身振りと中国語の観光案内のようなパンフレットで、どうやら銀座に行きたいらしいとわかった。
『ニー、チィ、ギンザ』
と咄嗟にいってみると「テュエ、テュエ」と満面の笑顔になる。地下鉄の乗り場を教えてやった。よくここまで来れたなぁ。何だってよりにもよって私に聞くんだ。
しかし別れてから良く考えると、私は『あなた、銀座、いく』と言ったのではないか、あれは疑問形なのだろうか。中国語の基礎をやったことも無いのに余計な恥を晒したのかもしれないと不安になった。
散歩がてら見た夜桜は酒が回ったのかもっとうるさかった。
この桜の下にもまたウジャウジャと人がいたが、どうも人は大勢が固まっている所に集中する傾向があるようで、蜜に蟻が群がるような習性を連想させる。
桜が咲きはじめると毎年一日くらい、冷たい雨が降るが今年はそれが雪だった。
こういった霞が漂うような姿も美しいが、以前にも書いたように山の中に綿帽子のようにそっと咲いていたり、スクッと一本立っているような桜の方がしみじみと味わえる。
散り始めた東京から喜寿庵へ夜、車を走らせると、フロント・ウィンドウに霙(ミゾレ)のように桜が散り広がった。
やれやれ、桜を惜しみつつ喧騒から逃れて菩提寺の枝垂桜でも見よう。
この季節に母が逝って四年になる。
散らずには いられぬだろう
さくらばな 我も吹かれて
舞ってみたくも
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Categories:春夏秋冬不思議譚