独立時計師? 和時計? 菊野昌宏さん
2019 FEB 11 22:22:29 pm by 西 牟呂雄
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今月乗っている菊野さんという方の肩書は「独立時計師」。そういう職業を知りませんでした。企業に属さず一人でオリジナルを作る人の国際団体で、どうやら世界で30人くらい。オーダーメイドで個別にお客さんと打ち合わせながら、時間をかけて作るのだそうです、それも一人で。そういう職人集団が国をまたいであるとは聞いただけでワクワクしました。
腕時計は私もしていますが、この方の作る時計は全て部品から手作りなのです。それも多くの歯車を組み合わせて動かす「和時計」にヒントを得た、ウルトラ・アナログ技術です。
鉄砲伝来の頃に西洋の時計がもたらされましたが、例によってゼンマイー歯車式の機構を直ぐに理解した日本人は国産の時計を作れるようになりました。そして江戸期には1日24時間を刻むのではなく、昼と夜を六等分した不定時法を採用した技術で、季節ごとに時間の長さが違っているユニークな時計を完成させるに至りました。当時は太陰暦だから15日毎に調整したらしい。
考えようによっては自分一人用のクラシック時計を腕に巻けることになるのでしょう。詳しくは動画をクリックしてみて下さい。
私はこういう巧の技が好きで、菊野さんにはがんばってこの道を極めて頂きたいと思います。
ただし、ビジネスとして見た場合、絶対に大量生産はできない、或いはメンテナンスにも手間が掛かり過ぎて、結局流通するに至らないことが多い。余程ブランド価値が上がらないと単価が上がらずビッグ・マーケットにならない。ちなみに最高級モデルは年に1本しか作れません。
一方で「知る人ぞ知る」モノを趣味の世界に囲い込んで秘かに楽しむ喜びというのもありです。
どちらの方法で行くのかは菊野さんがいずれ選ぶのでしょう。
ただこの美しい腕時計を見ると、安易なカタログ商売に陥ることなく益々腕を上げて一個一億円位の時計を目指していかれることを望んで止みません。
どうですか。オリジナルデザイン一つ欲しくなりませんか。
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