AI時代に無くなるモノ
2019 OCT 7 6:06:30 am by 西 牟呂雄
将来のAIに取って代わられる職業は、単純であまり判断が必要のない作業だと言われているが、それどころではない。
知的作業と思われる仕事の方が、人が判断するから時間がかかるような作業に手間がかからなくなって必要なくなると考えるに至った。例えば。
1.裁判官
予てから思っていたのだが、裁判沙汰にあんなに時間がかかるのは双方の主張があんなに隔たっているにも係らず、あらゆる法令にいかに沿っているか反しているかを読み込み、かつ判例を調べて完璧を期そうとするからなんだろう。
AIがあらゆるデータにアクセスし、判例を参照して学習を続ければ現在の長い審議は1秒以内に短縮されるだろう。更に、その後の再犯とか受刑後の記録も関数化して判断に組み込めば量刑はチョチョイのチョイ。
ただその場合には困ることも出てくる。例えば自衛隊は違憲だ、に対してAIはすぐに『その通り』と判決を下してしまいかねない。
2.スポーツの審判
カメラやビデオで判断できるから簡単にソフトができるだろうに。野球のストライク・ボールの判定や相撲の勝敗はAIでやれないものか。あやしい判定にチャレンジしてビデオ判定しているではないか。顔認証まで簡単にできる今の技術ではたやすい。フィギアや体操の採点も意思の入らないAI向きと言えよう。
本当にアウトかセーフかわからない同時の場合はセーフ、同体の場合は取り直しにするんでしょうな。
3.詐欺師
例えば固定電話やスマホにインストールしておけば相手が詐欺かどうかをAIが判断してくれて音声が切り替わる。特に「オレオレ系」は音声認識をしてくれる。
「お申し越しの件は適切な勧誘とは考えにくいです。これより通話を打ち切りますが、引続きお電話頂くのはご遠慮下さい」
とかいう女性の声がして切れる。もう一度かかってくれば自動的に所轄警察の生活安全課に転送される。
しかし詐欺師がそれでいなくなるとも思えない。
4.株式市場
そもそも売りが出ても買いが立たなければ市場は成り立たない。AIが上場されている企業の株価を一斉にかつ合理的に判断したら、全ての評価が一致してしまい株の売買が成立しないのではないだろうか。
投資家の『ある意思』で戦略的に株式を取得するケースくらいしかマーケットが存在しなくなれば市場は消滅する。IPOとかM&Aだけが残る。
5.・・・・
前から思っていたが、経済評論家の未来予測は殆んど当たらない。当たるのはほとんどマグレと言ってもいい。それはその人好みのデータにのみ注目し、自分好みの方向に持って行くからじゃないのか。
政治評論に至っては子供のモメごとの解説みたいなもので、挙句の果ては言葉尻を捕らえては本質から飛躍する。
新聞だって事実を網羅するだけならAIでも良さそうなうえに、書き手の好みの『角度』がついて、余計な扇動めいたフェイクになりかけている。
しかしそうなると政治家はもっといらなくなるかもしれないな。
それどころじゃない。
企業の管理職、経理部、営業マン、コンサルタント、余計な仕事を作り出しているようなのは全部いらない。
いや、いっそのこと仕事そのものが消滅してしまう。
結論として、人間は仕事をする必要が無くなって、ただ遊んで暮らせばいいようになったりして。その時遊ぶことができないようではもはや人間ではないのか。
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