Sonar Members Club No.36

Since July 2013

去年失ったモノ

2020 JAN 13 4:04:33 am by 西 牟呂雄

 年が明けた。
 この年になると毎年毎年何かを失っていって、最後の時には何も残らない、と考えるようになり、それは素晴らしいことなのかな、等と思い始めている。
 その時にある言葉と出会った。
『失ったものを数えるな』
 これはギランバレー症候群と戦いながらパラリンピックを目指す、久保大樹さんをNEXTYLEの仲間が動画アップした際に教えてもらった言葉である、参った。
 そこでクヨクヨ失ったと嘆くより、失ってこそ輝きを増すような見方をしてみようと振り返ってみた。念のため、昨年あった深刻な自然災害や経済問題・国際問題は除く。

日本ハム ファイターズのCS進出
 出だしはまずまずだったのだが、他球団に比べて著しく手抜きの補強と、交流戦後の栗山監督のマヌケ采配によって一時は最下位にまでなってしまった。
 そうなると私のフォースも全然通じず、シーズンは終わった。更に来季への戦略的補強も大して聞こえてこない。年末の極秘オーナー会議では中島オーナーから高らかにホークスのリーグ優勝宣言がでる有様である。
 だが待てよ。昨シーズンは清宮と上沢を怪我で欠いていたではないか。そして来季には吉田輝星も仕上がってくるはずだ。台湾大王も2年目の期待は高まる。
 要するに中田を引っ込めてセットアッパーとストッパーを固定すればいいのではないのか。去年はショート・スターターなどという妙な戦術にこだわって金子と加藤の使い方を間違えたのだ。
 どうせリーグ優勝はホークスに決まっているから、ロッテと西武をマークして2位を狙えばいい。栗山監督によーく言っておこう。

喜寿庵の裏木戸
 固い栗の門柱に竹を巡らせた裏木戸が、門柱が腐ってきて台風で倒壊しかけた。その風でハナミズキの庭木も倒れる。
 あの裏木戸はもっぱら普段の出入り口だから感慨深いものがあったが、思い切ってコンクリート製の門に変えた(中は空洞)。そして『令和門』と名付け竣工式に御祓いの祈りを捧げた(私一人で)。
 すると関係者から『せっかくの景観が台無しだ』『風情も何も無い』と悪評サクサクであった。
 しかし砂利を敷いて、ついでに除草剤をタンマリふりかけると何と、あれほど苦痛だった雑草取りの必要がなくなった。

プジョー407
 すでにブログで明らかにしてあるが、愛車を手放した(廃車にした)。美しいエムブレムを見るたびに思わずニンマリとする車だったが実に足回りが悪かった。
 バカ高い車検。釘踏みによる珍しいパンク。△△△△違反2回。〇〇無視1回。以前の車の時の◎◎◎◎違反、といった不幸の連鎖による◇◇停止のため府中行。
 そして挙句の果てに白煙を上げながら私の元を去って行った、アーメン。
 しかし、そこにペガサスのように舞い降りてきたのが『石畳の鉄の馬』ことシトロエンC5だ。
 何とこの車、いくら飛ばしても絶対に捕まらない。おまけに夜中の信号も赤になるとちゃんと止まる。ひょっとして既にAIが搭載されているのではないだろうか。

大腸の一部
 大腸を10~15cm、数年寄生していた癌とともに切った。癌は確かに死に至る内臓の機能不全と壊死を呼ぶ。従って切除手術は仕方の無いことである。
 しかしながら『在る』ものが『無くなる』ことによるダメージは、特に消化器の末端の大腸ではその後の生活に様々な支障をきたす。単に腸が短くなるのではない。その他の内臓が心地よく配置されていた空間の位置関係が、ビミョーにずれるのである。恐らく指を詰めたヤーサンのグリップが全く違うようなものだろう。
 お医者様は『そのうち大腸の方も慣れてくるんですよ』等と余裕だが、切った大腸がまた伸びてくるわけがない。詰めた指が生えてこないのと一緒だ。
 すると私は大腸の一部の代わりに、命と不自由な体を手に入れたことになる。

意識
 これは上記手術の2日後に起きた。せん妄というヤツである。記憶は全く無い。恐ろしいことに体に入っていたチューヴと点滴針を引き抜き、血が飛び散った。床が血だらけになったシーンだけが写真のように記憶の片隅に残っている。
 せん妄、検索すると恐ろしいことが書いてある。「時間・場所・人に対する認識が低下。支離滅裂な言葉を発して・・。壁の絵が動き出すなどの幻覚や、点滴が蛇にみえるなどの錯覚・妄想が現れる」
「アルツハイマー病など脳疾患の存在もせん妄の発症に関わる」
 要するにボケ・モウロクの一種だ。
 私はそのボケ・モウロクはもっと楽しい桃源郷に遊ぶ心地かと思っていたが、あんなに面白くも何とも無いものならやはりなりたくない。だがなったのだ。

「ソナー・メンバーズ・クラブのHPは ソナー・メンバーズ・クラブ
をクリックして下さい。」

Categories:潮目が変わった

▲TOPへ戻る

厳選動画のご紹介

SMCはこれからの人達を応援します。
様々な才能を動画にアップするNEXTYLEと提携して紹介しています。

ライフLife Documentary_banner
加地卓
金巻芳俊