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喜寿庵十景

2020 FEB 28 6:06:09 am by 西 牟呂雄

 週末を過ごしている喜寿庵で、昨年はジャガイモ1年分、ナス、ピーマン少々、ニンニク5株、ダイコン10本の収穫を得た。こう書くと働きに行っているように思われるが、それなりに風光明媚で味わい深い景勝も多少ある。喜寿庵の周辺に絞って紹介したい衝動に駆られたので残しておくことにした。俗化していないので小人数、できれば一人か二人でドライヴにはお勧めだ。車で10分で行ける温泉もあるし、一泊するならお勧めは

お宿 ぽっぽや 

がある。
もっとも私邸であるから勝手には入れないので悪しからず。

芭蕉も見た

1.名勝『田原の滝』
 街外れにある名瀑。
 侵食による滝の後退が進んでしまうので、護岸工事で二段の滝となった。
 天和二(1682)年に火事で焼きだされたため、松尾芭蕉は翌天和三(1683)年にこの街に暫く滞在している。その頃この滝を見て
 勢ひあり 氷消えては 瀧津魚
 と詠んでいる。
 その頃は段の無い、今よりも荒々しい滝だったらしい。

まるでドーム

2.菩提寺の枝垂桜ドーム
 ここでこの桜の下に座って毎年一服するのを楽しみにしている。
 この地は寒さが緩むのが遅く、4月の頭が見ごろなのだ。
 そして亡きおふくろ様の命日がドンピタで、来るたびにわざとこの時期を選んであの世に旅立ったのではないかとの疑いが拭えない。西行法師を気取ったのじゃないか、と。芝居ッ気の多い人だったから。
 願はくは花の下にて春死なん  とね。

ガマ石

 

             
                                                
3.謎のガマ石
 むかしむかし、桂川の淵に大きなガマがすんでいました。
 そのガマはもう何千年も生きているらしいのでずいぶんと知恵がありました。
 桂川で大水が出たときは、崖をよじ登って来て村人に食べ物をねだるのです。よこさないとその年に生まれた赤ん坊を食べちゃうぞとおどすので、村人は困っていました。
 困った村人はみんなでお祭りしている滋養神社の滋養様に『何とかして下さい』とお願いすると、滋養様は言います。
『そんな悪いガマは石にしてしまうから、みんなで奉りなさい』
 そしてガマは石になり、村人はその石を大切にしながら平和に今でも暮らしています(ガマではなく亀という説もあり)。全部ウソです

表門

4.開かずの表門
 喜寿庵の表門。
 しかし、面しているのは私道であり並行して電車の線路がありここを通って入ってくる人はいない。
 どうも家相に凝ってこしらえたらしいが、車窓の風景にしかならない意味不明の造り。
 植木屋さんはホイホイ出入りしているが、家の者が最後に通ったのは五代目が海軍から帰ってきた時だったという伝説になっている。

曽祖父の碑

5.曽祖父の碑
 発明家だった曽祖父を讃えるつもりで昭和初期にその息子(私の祖父)が建てた石造りの記念碑。
 身長176の私の目線から撮影してこの高さなので結構でかい。
 不思議なことに全く私にも私の親父にも似ていない。
 一度この像を見たロシア人が「レーニンに似ている」と言い出して驚いた、確かに似ている。
 見えにくくなっているが、昔の特許番号が彫ってあり、凄い若い番号なのがわかる。

6.飛び地の馬頭観音
 以前にもブログに書いたが、いつからウチの地所なのか、なぜこんな所に私有地があるのか誰も分からない謎の飛び地。その境目に石碑が立っているのは知っていたが、改めて見ると何と「馬頭観音」の文字が。
 飛び地の登記簿には農地であるとされていて、確かに嘗ては畑だったような形跡があり、誰かが何かをしていたことは確かだが、後背地は鬱蒼とした森林で、ただでさえ不気味な場所だ。
 「馬頭観音」は観音菩薩の変化身で、馬頭人身の逆ケンタウロスだ。ただ仏像では人面であることが多く、その代わり三面だったり腕が4本とか8本だったり、いずれにせよ恐い。
 祟られないように行く度にこっそり手を合わせることにしている。
 因みに今の地権者は私だ。相続していた伯父が面倒になって押し付けてきたのだ。

桜の頃山頂から

7.勝山城址からの富士
 かつての城址で、標高570mのお城山の頂上からの富士山。この山は喜寿庵から約15分で登れる。桜が咲く頃が最もきれいだ。
 諸説あるが、戦国時代にはじめは武田と敵対した後に臣従した小山田の築いた山城があった。確かに山頂は平に整地され、山道には石垣を積んだり空堀と思われる遺構も散見される。そして江戸期に一時秋元藩だった後廃城となるが、宇治から献上されるお茶が越夏のため茶壷蔵に保管されていた。
 お茶壺道中は大名行列と同格で、世が世であれば土下座しなければならない。
 ここには子供の頃から何回も登っていて、長じては息子と二人でテントを張って泊まったりした。

8.桂川渓谷の洞穴
 喜寿庵から崖下の桂川まで降りると吊橋の向こう岸に見える洞窟。
 かなり侵食されている所に穴が四つ見えるが、一部は中で繋がっている。
 体の小さかった子供の頃にみんなで探検に行った事があるのだが、それでも奥まで行けなかった。おまけに蝙蝠が岩肌にたくさんついていて、恐かった。
 僕等は「あれは古代人の住居跡だ」とか「武田の落ち武者の隠れ家だったらしい」といったヨタを飛ばしたものだが、去年の台風時には水面下になったくらいだから、あそこの層だけもろい地層なんだろう。
 今度行こうと毎夏思うが果たせていない。

9.『今会いに行きます』のロケ地
 映画とは別にTBSのドラマで使われた駅が右に、左側にある家は作中では本郷医院という病院の設定でロケが行われた。
 更に喜寿庵の目の前の踏み切りでも撮影され、成宮寛貴がリハーサルしていたのを見た。ミムラとかいう女優さんもいたらしい。
 ところでこの駅舎は乃木坂46「今、話したい誰かがいる」のプロモーション・ビデオや『埋もれる』というWOWOWドラマにも登場する、ちょっとしたスポットである。

表玄関前

10.雪の玄関前
 年に1~2度ほど雪が積もるが、その時は出入り口を確保するのに苦労させられる。コツは振り初めに箒で掃くこと。だが豪雪の場合はそうはいかない。
 特に家の前は大型の除雪車で積み上げられてしまうと車は出せなくなる。一度お正月に閉じ込められて2日程遭難していたことがあった。
 向かって右側に表門から入れる玄関があるが、表門と同じで普段は使っていない。なかなかの風情の一枚と思って入れた。

 十景で止めたが、ここまで書いてきて街中・近隣には(既にブログに書いているのも含め)まだ紹介したいお祭りやイベントがあることに気が付いた。改めて紹介してみたい。

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Categories:和の心 喜寿庵

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