大河ドラマで織田信長を演じた人達 (麒麟がくる 編)
2020 MAR 8 20:20:17 pm by 西 牟呂雄

今年の大河ドラマは明智光秀とは興味深い。さてさて本能寺をどう描くのやら、脚本の力量が問われよう。そして今回の信長はいかに。モックンの斎藤道三が見事なので期待が高まった。あの土岐頼純を毒殺するところなんか上手い。
そして第7回放送でついに染谷将太の信長が姿を現した。
一般に信長像はイメージとして趙合理主義者で皆殺しも厭わない恐ろしい男と描かれる。
しかも最近の研究では信長という個性は『サイコパス』という精神疾患の領域であると言う説もあって、いわゆる天才という訳ではない、天下布武も明確なビジョンがあったわけではない、とも言われる。そしてそのサイコパスは大脳の扁桃体という部位に欠陥があって、恐怖感や痛みをあまり感じない、他人との共感が無く独りよがり、人のせいにしたがる、といった特徴を持つらしい。それだけではない、症状が進むと(検索する限りでは)こんなことまで書いてある。
・良心が異常に欠如している
・他者に冷淡で共感しない
・慢性的に平然と嘘をつく
・行動に対する責任が全く取れない
・罪悪感が皆無
・自尊心が過大で自己中心的
・口が達者で表面は魅力的
信長自身は頭のいいプレゼン能力の高い人間だったと思うが、一般的にはサイコパスのIQは若干低く『自分がなにかしたい』という意識はない。ただ有名になりたいとか、今日で言えばゲームをクリアしたい、といった感覚で行動していると想定されているそうだ。
そのサイコパス信長の若い頃、『うつけ殿』と呼ばれて自由奔放にやっている時をどう描くのか。上記サイコパス説を採るとしても、その傾向が顕著に出るのは父親の信秀が死んでからではなかろうか。それまでは結構明るく暮らしていたのでは、と仮設を立てて興味津々で見入った。
沖の方から粗末な船が近づいてくる。小さな和船だ。
出た、染谷信長!
多少丸っこいところが気になると言えば気になるが、型破りっぷりは見事。というより池端駿作の脚本が、大漁をぶつ切りにしてそれを売る、というおよそ武士のやることとは思えないところに唸った。
そして信長と海。この結びつきには恐れ入った。目から鱗であるが、後の南蛮趣味や貿易に対する姿勢、と信長は海へのアプローチがあった。桶狭間の印象が強すぎるのか、池端先生の目の付け所は凄い!
今回の大河ドラマは光秀が主人公なので、これから正徳寺での斎藤道三との出会いの後は暫くは出てこないだろう(桶狭間くらいは顔を出すかも知れないが)。サイコパスになる前の信長が見られるかもしれない、更にサイコパスになってからの光秀との出会い、楽しみだ。
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Categories:信長

西牟呂 憲
3/23/2020 | Permalink
ずいぶん丸っこい信長だとも思ったが、気分の変わりやすいうつけぶりはなかなかよくできている脚本だ。
後の狂気の伏線がちりばめられていて面白い。
だけど明智との出会いは早すぎるのでは。後で旧知の間柄ということにするのか。
マッ、テレビだからいいや。
西牟呂 憲
4/5/2020 | Permalink
今週の信長
脚本の意図が見えて来た。「うつけ」時代は両親の愛情に飢えた若者として描き、光秀とも面が割れていることとする、再会して肝胆相照らす主従となるが、信長の狂気が二人を引き裂く。これだろう。
なかなか面白い見立てだ。しかし今日の泣きはまずかった。あれは入れなくて良い。
まぁ、いくら孤独でも冗談くらいは言うのだろうが、泣きでは後の狂気と整合しなくなるのではないか。
これからが見ものである。
西牟呂 憲
4/21/2020 | Permalink
今週の信長
ようやく脚本の意図が見えて来た。
この信長は時代別に表情を変えていくのだ。
おそらくはこうだ。
若く弱小勢力の頃(けっこう明るいところや茶目っ気もある)
↓
桶狭間(戦に邁進する)
↓
美濃攻略(藤吉郎登場、人使いが荒くなる)⇒ 光秀放浪 越前に行く
↓
上京(将軍をかつぐ このあたりから狂う) ⇒ 光秀再会 信長の変貌にとまどう
↓
叡山焼き討ち(完全にサイコパスになる) ⇒ 光秀絶望する
↓
本能寺
どうだろうか。
西牟呂 憲
6/7/2020 | Permalink
今週の信長は大変よろしくない!
桶狭間という見せ場を台無しにしてしまった。
いや、筋立ては面白い、面白いんですよ。だけど例の『幸若舞』は帰蝶と話しながらやってはいかん。あれは近習さえも遠ざけて決死の覚悟を胸に秘め一人てやるもの。
せっかくの積み重ねが台無しになった感がある。このあたりから『非情さ』『酷薄さ』が出て来なくては本能寺に繋がらないではないか!
マッ、撮影も止まってるし今後に期待するしかない。頼みますよ!
西牟呂 憲
10/19/2020 | Permalink
見立て通り、上京して狂い出した。
将軍が何だ、三好が何だ、朝倉も武田も踏み潰せ!
秀吉も家康も出て来い、お市の方は井本綾花か。
服部半蔵の岡村はどこに行った。
そして正親町天皇の玉三郎が見たい。
西牟呂 憲
12/3/2020 | Permalink
正親町天皇「信長は褒めてほしそうだった」
望月東庵「・・・・・・」
正親町天皇「・・・・褒めてやった」
望月東庵「・・・・・・」
このシーン、怖かった。
そして脚本の意図が見えてきた。
狂気と秩序、権力と権威、世俗と高貴、破壊と伝統、これらをことごとく対比させていく所存だろう。本能寺まであと一息だ。
西牟呂 憲
12/6/2020 | Permalink
正親町天皇「おりをみて(明智を)連れてまいるがよい」
今週の天皇は一段と怖かった。さすがに玉三郎はうまい!
さては、全ては天皇の掌の上、本能寺も朝廷黒幕説でいくのか・・・。
西牟呂 憲
1/24/2021 | Permalink
あと二回となって、さすがに脚本が慌ただしくなった。
僕としては正親町天皇黒幕で押し切ってほしかった。備後まで光秀が行ったり家康が訪ねて来るのはチョット余計な補助線を入れ込み過ぎた。
ですが、玉三郎の貫禄と染谷信長の狂気は上手い。
あとはもう本能寺だからもういいや、1年間楽しめました。