ZERO1にプロレス根性を見た
2020 JUN 12 0:00:30 am by 西 牟呂雄
3月1日の後楽園ホールの試合をCSで流していたので見た。巷でそろそろコロナがヤバくなった頃の試合だ。これ以降プロレスは興行不能になったので、今頃になってもまだ見ることができたのだ。
久しぶりのZERO1(以下Z-1)である。実は全日本で結成されていたブードゥー・マーダーズのファンで、TARU(本名:多留)という選手にずっと注目していた。
ブードゥー・マーダーズのメンバーの変遷とZ-1移籍の経緯は複雑なので割愛するが、Z-1ももう直ぐ20年という歴史を積み重ね、なかなか頑張っている。客もそこそこの入りだった。
そしてTARUがクリス・ヴァイス・横山・RAICHOを従えてリングに上がってきた。対するは日高・菅原・久保田兄弟の8人タッグだ。
大将格のTARUがリングに姿を現しド派手なコスチュームの前を広げると、オォ!なにやら牛乳瓶のような形状のものを裏に仕込んでいるではないか、それもたくさん。
試合が始まると、これはもうザ・プロレスでラフありテクニックありトペ・スイシーダの大技ありの迫力で誠に結構。そしてリング外での攻防の最中にブードゥーの攻撃がレフリーを巻き込んでしまい、しばらくレフリー不在のメチャクチャな展開となった(まっレフリーがいても同じなのだが)。
そこへGMの三又又三(みつまた・またぞう)がサブ・レフリーとして急遽リングに駆け上がって来た。さあ、ここからだ。ついにTARUが持ち込んでいた謎のビンを振り回すと何と白煙が立ち込める。中身は正体不明の(多分ただの粉)パウダーだった。
すると何ということだ!レフリー三叉までが一緒になってパウダー攻撃を仕掛け、もうもうと煙るリングでTARUが日高にデスバレー・ボムを決め勝負がついた。
試合後、三叉は御覧のコスチュームで現れ、自分のイカサマ・レフリー振りを棚に上げて堂々とブードゥー入りを宣言する始末。
ここで多くのインテリ諸兄諸姉は繭をひそめるだろう。全くの八百長だ、と。
だが我々のようなスレた観賞者は思う。天晴れなアナーキーさだ。ただの潰し合いはプロレスとは言わない。バーリトゥードやアルティメットがどうしてもエンターテイメントに成りきれないのはそのアナーキーさを演出できないから。
ここで改めて言いたい。
プロレスとは異能者が肉体の限界を見せる芸である!
そうであるならそれなりの芸風と作法があり、それが選手の個性を際立たせる。我々が求めるのはそこで繰り出されるアナーキーさの味だったのである。
プロレス万歳
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