ニュー・アブノーマルな日々
2020 JUN 25 10:10:55 am by 西 牟呂雄

しばらく振りの都は少しづつ活気を取り戻そうと佇んでいるようだった。報道は盛り場がどうしたこうしたという映像を流しているが、お店は死活問題だろう。そして景気はそれどころじゃないことはみんな知ってる。こんな時は何をやっても早急な回復なんか絶対にない。当面消滅した消費は戻らない。
政府ができるのは個人に行き渡るように金をバラまいて暫くジッとしていてもらうしか無い。そうやってサバイヴしてもらうのが精一杯で、そういう意味では補正予算を組んだ内容は割りによくできていると思った。
考えても見てほしい。世界中でメチャクチャになった。
本当に明日をも知れない人たちを助けてやれ、並みの連中は暮らしぶりをシフトダウンして我慢を重ね、我慢の果てに何とかなった日に飲みまくれ。
それで僕が何をするかといえば、まあ仕事をするべく社会復帰したが今一つ手ごたえはない。
緊急事態宣言中は罹らないことが世のため人のためと考えたのだが、このニュー・ノーマルの環境下では総退却後の反転攻勢が見えてこない。そもそも敵は見えない。
我々保守派はもっぱら他国を批判したがるが、足元の国難に対して有効なスローガンを打ち出せていない。何か発言しようとすると『欲しがりません 勝つまでは』風になってしまい、これでは今日の世論を引き付けられない。3.11の時にあれだけの行動が取れたクレバーな国民だからそういった言葉は必要ない。しかしテキトーな英語じゃねぇ、ウィズ・コロナ?
するとやはり足元を見据えて、底力を蓄えるべく雌伏。時を待ち気概を養う。そして・・・。
山から上京してみたものの手探りが続く。通勤の地下鉄はそこそこ込み合ってきたが大したことにはなっていない。マスク装着率100%。喫煙所が混んでいて三密というより集・近・閉(しゅうきんぺい)。結局週の半分はまた山に戻ってしまった。
僕は常に何かの生産活動に少しは触れていたいという意識が強い。そこでささやかなネイチャー・ファームの面倒をみている。テレ・ワークの傍らチョットだけ手を加えられるのが実に効率がいい。こういうのは半農半テレと言うのだろうか。
ところで先般ヒョッコリ先生のペットだと判明したピッコロ君とマリリンちゃんが異常に農作業に興味を示している。
本当は国籍不明の子供だった気がするがまぁいいや。どうやって入って来るのか分からないのだが、今日も僕が土寄せをしたり水をやっているところに現れた。
『やあ、ピッコロ君おはよう』
と声をかけると嬉しそうに寄ってくる。一目で分かるアイリッシュセッターだ。そしてその後からマリリンちゃんが物凄いスピードで駆けて来た。そもそも放し飼いは禁止されているのだが、ヒョコリ先生が散歩の途中で面倒になって『ここで遊んで来なさい』と放つのだろうか。しばらく手伝っているのか遊んでいるのか、いつの間にか帰って行く。ピッコロ君は猟犬だから見ているだけだが、マリリンちゃんは僕が土寄せをしているとその横で猛烈な勢いで土を掘ってしまう。そしてそこに鼻先を突っ込んで匂いを嗅いではまた掘り進む。
写真から検索すると、この子はサルーキーという犬種のようだ。そして、最古の血筋だのエジプト王家のペットだのと大層なことが書いてあり、やんごとない犬なのか。しかし砂漠の犬だけあって掘るのは速くて上手い。
僕が今年の目玉であるスーパーにんに君を収穫している横で、見よう見まねで野性化したジャガイモを掘ってしまい、できそこないが採れた。
にんに君が立派に見えるが、一緒に写っているのは親指大のミニ・ポテトである。
ともあれ今年の初収穫だ。
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