Sonar Members Club No.36

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久しぶりの萬斎さん

2021 NOV 1 8:08:03 am by 西 牟呂雄

 緊急事態が解かれてたらボツボツとイベントが復活してきた。
 ということで野村万作・萬斎 父子がやる狂言 「貰聟(もらいむこ)」。
 これはですな、身につまされるお話でして。酔っ払ったオッサンが口論の末にカミサンをおっぽり出したはいいけれど、酔いが醒めてみると・・・といったイヤハヤ困った話であります。

 この出だしの萬斎さんの酔っ払いぶりはお見事!ただしあんなに酔っぱらっても家にたどり着くとは見上げたものだ、と思った。僕は道端で寝たことがあります。一番凄い時は顔面を打って血まみれになった時点で息子に連絡し、電柱の住所を言って一度死んだ。この続きは大変面白いのだが、あまりの顛末に別の機会に譲ります。
 で、狂言の方はターバンを巻いているようなのが女房役で、結末はネタバレになるのでここには記さないでおきますね。

恐い!

 さて、続いてお能が舞われますが出し物は『葵上(あおいのうえ)』。
 源氏物語から取られた物語で、光源氏に捨てられた六条御息所が生霊になって正妻である葵上に取り憑くという恐ろしい話。
 能舞台にオレンジ色の小袖が敷かれて、それが取り付かれた葵上という設定なのがミソです。舞うのは観世流の観世喜正さんですぞ。
 そして、生霊が成仏するときに行者が唱える十三佛眞言(じゅうさんぶつしんごん)のおどろおどろしい響き。これ、思い当たる人は暗記でもして修羅場に備えるといいですよ。

 のうまくさんまんだばさらだ
 せんだまかろしやな
 そわたやうんたらうんたらたかんまん

 恐ろしや恐ろしや・・・。

 オリンピックの切羽詰まりようは見ていて気の毒になるくらいだった。萬斎さんの辞任の裏に何があったのか。7人の演出チームの意思疎通が十分でなかった、とのみ語ったが何かの力が働いたと思えて仕方がない。次々に暴かれる過去のマズい事象をチクッて歩いたのは誰なんだ。オリンピックを成功させたくない何者かがいたに決まっている。その闇とは。
 無論責任は事務局に全てあるというものの、電通がついていながら何故抑えられなかったのか不思議でならない。
 開会式は良かったと言えば良かったのだが、イマイチ感が残った。萬斎さんの演出見たかったなぁ。

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Categories:古典

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