怪奇 水生ヘドロ人間
2024 JUL 28 12:12:30 pm by 西 牟呂雄
日本橋から上流に向かって常盤橋と言う名前の橋が二本架っている、日銀の直ぐ横だ。近い方は車も通れる道路橋だが更に上流には石造りで歩行者専用の旧常盤橋があって、あまり知られていないが渋沢栄一の銅像がたもとに立っている。
この日は雨模様で上を高速道路が通っているため雨宿りのホームレスが映ったのは御愛嬌。
お江戸御府内から奥州街道へ抜ける木戸門があったため、ご覧の石垣が残された。
美しいアーチの姿は江戸情緒と言うより帝都感満載で、元の職場が近かったこともあり昔からここが好きで今でも時々散歩する。
子供の頃、即ち高速道路ができる前などは悪臭を放つドブ川だったが今では水質も改善され、濁ってはいるが小魚がいて実際に魚が釣れるドキュメンタリーを見たことがある。
それが、この日何気なく川面を見ていると不思議なモノが漂っていた。
川底から細かい泡がブクブクと湧き上がって来てそれとともに黒いシミのような塊が浮かび上がってゆっくりと流れて行く。因みに日本橋あたりの川面は東京湾と同じ高さなので満潮の時はジワジワと上流に流れる。すると、泡の発生源が何なのか分からないが、水中で何かが息を吐きながら移動しているように見えて不気味なのだ。
昔、宇宙から飛来した物質がヘドロの中で生命体となり、て巨大化した怪獣ヘドラとなってゴジラと闘うという映画があった。さながら水中からヘドラが歩いて上がって来るような光景を想像して気持ち悪くなった。
尤もこの河川は浅いところでは水深1.2m程度しかないため、大怪獣が水中移動などできるはずもない。
問題はこのブクブクは何かということなんだが、川底に溜まったヘドロの中の有機物が分解した際に出る気体ではないだろうか。だがそうであればヤバい。想像できる範囲で思いつくのはまずメタンガス (CH₄)、次に硫化水素 (H₂S)、それから二酸化炭素 (CO₂)とアンモニア (NH₃)といったところで、地球や体に悪いものばかりである。
だが、地球で最初に出現した生物は硫化水素をを利用して炭水化物を合成するバクテリアで、このバクテリアが生み出した有機物が起点となった生態系が進化してきた。
おそらくそのバクテリアのエネルギー効率は恐ろしく低いためその後の進化はなかったのだろうが、現在のバイオ技術で高能率の合成が可能になる生態系は生み出せるのではないだろうか。硫化水素を吸収する水中人間とか。
ところが、面白いもので色々夢中になって検索するとアクア説という仮説があった。500万年以上前にヒトが類人猿と別れた頃、人類は水生だったというトンデモな話だ。すると悪い発想が湧いてきて、強烈な硫化水素を合成することによってエネルギーを蓄えられるアクア・サピエンスなる亜人類に進化したらそれはどんな姿なのか想像したくなった。
水生だから足は必要ない。硫化水素を吸い込むだけだから口もいらない。知的作業をするなら手は必要だろう。脳もそれなりの大きさになる。
想像するに、形状はエビ型かオオサンショウウオ型になるのではないか。
そう思って色々検索してもどうもしっくりくる画像がなかったので自分で書いてみた。
こういう生物が日本橋の川底を、硫化水素を吸いながら泳いでいるとしたら、なかなか面白いのではないか。
しかしこの姿、どっかで見たような。そう思って検索したらあった。
これ、享和元年(1801年)に水戸藩東浜で捕獲されたとされる河童の絵としてWikiに載っていた。なんだ、お江戸の時代にも僕と同じようなことを考えた輩がいたのか。人間の想像力と発想は変わらんものだな。
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ケタ外れの資産と自由
2024 MAY 26 8:08:42 am by 西 牟呂雄
今日のコンピューターの進化と通信技術の爆発的革新によってビジネス・チャンスが生まれるのであろうが、その果実を十分に味わえるのは一部の限られた天才達、GAFAの創業者や昨今のイーロン・マスク、サム・アルトマン、正体不明のサトシ・ナカモトといった人々だ。こういった天才の頭脳構造は計り知れない。
つらつら思うのだが、彼等は数学の問題を『解く』のではなく、問題を『造る』ような思考をするのではないか。そうなると無限に思考は進化し続け、おかげで我々は便利に暮らせ、彼等は益々富栄える。天才もここまで来るとかなり危なくて、彼らの子供達には自閉症が多いことが知られている。
特にマスクは次々とターゲットを変え、ものすごい能力と集中力でもって成し遂げていく。そのために超多額の投資を厭わず、周囲と軋轢を起こし、極限とも思われるリスクを取り続ける。最終的には人類の火星植民を考えていると言うから驚きである。怖いのは本当にそうなりそうな気がしてくるからだが。
同じような天才、ピーター・ティールは不死の研究に投資するだけでなく、将来の技術により蘇生を期待し遺体を冷凍保存する計画だそうだ。
そして、彼等のような超天才+超富豪が等しく求めるのは何か、というとこれが『自由』なのだ。ただ、単純に好き勝手に暮らすというような我々の考える自由ではない。
既に彼らの事業領域は国境を越えてしまい、国家というものは彼等の仕事をむしろ拘束しがちな機構である。したがって無政府主義のアナキストになるかというとむしろその逆を目指す。マスクやティールがそうであるように、一般的なポリ・コレとかフェミニズム系の言説には激しく反発する。ツイッターを買収して凍結されていたドランプ元大統領のアカウントを復活させた。更に自身がCEOを辞任すべきかどうかツイッター上で投票まで行って辞任している。
一方で、自分のプライバシーには非常に敏感で、それが守られなければ完全なる自由は得られないと考えている。もっと極論すれば政府の干渉からプライバシーを守るためなら民主主義など無用の長物に違いない。そもそも極端に高い知能の彼等から見れば、バカにしか見えない連中の投票行動なんぞはアテにならないと考えるはずだ。
どうもビル・ゲイツとかスティーヴ・ジョブズといった当初のIT長者といわれた人々と、マスク・アルトマン等の次世代とではこのあたりの考えは違う。彼等は伝統を愛するなどという気質はサラサラなく、既存の右翼・左翼といった分類などに当てはまらない。
こういった天才たちの末裔に至っては一般人とは共存できなくなるのだろう。
かれらが夢中になるようなプロジェクトも、例えば火星に移住するとか遺体を保存して将来蘇生するというのにも莫大なコストがかかり、彼ら以外にその恩恵を享受できるような者はいない。
そうなると、ただでさえ大富豪なのだから、核戦争に備えた広大なシェルターやら例えば南極に快適な住空間を造り、その中でいかなる制約も受けずに自由に暮らし始め、仮想通貨で外界からモノを調達し、ハッキング技術によりいかなる攻撃も阻止し、人工の食事をし、仮想空間で遊びながら、好き放題研究開発に明け暮れる。これは楽しみというか怖いもの見たさというか、そのような生活をしているところに見学に行きたくなるような興味が湧く。だが一緒に住めるはずもない。
ところでアメリカ以外の国はどうであろう。彼らに匹敵するような天才がいるに違いないが、今どこで何をしているのだろうか。アジアには孫正義や盟友のテリー・ゴウやジャック・マーもいいセンをいっていた。ただ、孫正義は借入金が大きすぎるし、テリー・ゴウは政治に興味を持ちすぎ、ジャック・マーは共産党に潰されそうだ。まぁ彼らは日本人ではないが。
ホリエモンがそうなりそうな芽はあったのだが、ちょっと乱暴すぎて叩かれた。筆者はアレはもったいないと思うのだ。今はロケットに関わっているようだが、再びチャレンジ復活するところを見たい。
どうも日本国内に留まっていてはいくら天才でもとほうもない資産を築くような方向にはいかない。更に言えば、やたらとIQの高い人間のいる確率が同じだとしても、日本の暮らしが居心地が良くて、そこまで孤独に自由を求めるという感覚は生まれない.むしろ侘び・寂びの方に行くのではないかな。
規格外の天才児である大谷翔平がメジャーで成功しているのを見ても、ズーッと日本にいたらあそこまでブレイクしなかった。
天才が一生かかっても使いきれない資産を築き上げ。自由を求める気分を醸成するインセンティヴは風土と密接な関係があるに違いない。筆者自身はアンチ・グローバルであるから少しも困らないし、外国に住みたいとも思わない。大谷の活躍を見ているだけで充分である。
無論、そうでない人がアメリカに移住するのは構わない。それこそ自由なのである。
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なかなかいいじゃないか
2024 APR 14 18:18:00 pm by 西 牟呂雄
岸田総理、スピーチには唸らされた。よほどいいライターを使ったのだろうが、最終チェックは自身でやったはずだ。強い意志を感じた。そもそも外交はツボを押さえていて、優れたスタッフの能力と本人のセンスを感じる。安倍政権で外務大臣を長く務めた効果ではないだろうか。
ポチだ何だと落としめる輩もいるが、このタイミングでGDP2%を確保できたのは国益にかなう。この際、財源を確保してしまえば自主独立を標榜する筆者のような右ッパネも納得感はある。
何よりも中国を名指ししたことがいい。宏池会出宏身なので危惧していたがまことに結構。中国は怒るだろうが、イチャモンを言ってくるとくらいで丁度いい。
問題は内政でLGBT法案のゴリ押しにはいささか鼻白んだが、あんなもん無視できる微罪だ。
一方パー券のピンハネ。大げさに騒いだのがA新聞で、世間はそれに乗せられたにすぎないことに気が付かんのかねェ。ただの『記載もれ(わざとだけど)』を『裏金』と翻訳したのもそうだし微罪を脱税としたのもそう。要するにA新聞の安部派憎しによる世論操作にマスコミが踊らされた構図だ。まっ、やる方もやる方だがね。
それにしても金額がミミッチイ。飲食もしただろうが、問題はそれにたかった奴がいるはずで、それは地方議員(県議・市議)と分かっている。そいつらは口を噤んでいる。どいつもこいつも小物感満載だ。
高市早苗だったら許せるが、小石河なんかに出てこられたらたまらない。茂木もいやだ。ガンバレ岸田総理。
小池知事。詰みですね。本当に卒業なんかしていないのはミエミエ。何よりも記者の質問に『ファクトがありますから』と交わしたが、その時にニタ~っと笑ったのにお気づきか。この人は以前から痛い所を突かれるとあの笑いをする。
そもそも都民ファーストもほったらかしにして国政復帰もないもんだ。都知事としてやった事といえばオリンピックと築地移転の足を引っ張っただけで、なにやら横文字の熟語を言いふらしただけ。
親分の二階も潰れたのでもはや行くところもない。
しかし不思議なことにこの胡散臭さを都民はどうして見抜けなかったのか。故石原慎太郎の『厚化粧の年増』発言が反感を招くのは当然だが、やってきたことを見ればわかりそうなものだが。
植田総裁。お見事の一言に尽きる。『遅すぎる』『いや、まだ早すぎる』とかまびすしいが、両論が出てくるところがタイミングの絶妙さを物語っている。
この人、学者センセイにしては度胸がいい。財務省やらリフレ派の影響を受けないで済むところがミソではないかな。
この調子でジワジワやって頂きたい。気になるのは貿易収支で、単純な輸出入では赤字基調である。一般論で言えば企業業績がいいにもかかわらず赤字基調が続くのは円安のせいで、その割安感から海外投資家のマネーが株価を押し上げていることになる。一方で物価の高騰要因としてエネルギー価格の上昇は家計を圧迫してしまう。
ここで極端なことをしてしまうとすべての歯車が逆回転することになって元も子もなくなる。そこんとこ、植田総裁よろしくぅ。
日本ハムファイターズ。バカ・ボス率いる常敗軍団が出だしいい試合をしている。田宮というキャッチャーが特にいい。田中の抑えも効いている。そして何よりも清宮が二軍にいてくれる。頼むから今シーズンは上がってこないでくれ。
しかも今年のいいところは粘りがあること。延長でサヨナラとか9回に追いつくといった何年も見ていないドラマがある。
問題はレイエス・スチーブンソンといった外人の打撃が今一つなことと中継ぎのダメさ加減、そしてバカ・ボスの余計な采配。
優勝しろとまでは言わないが、せめてC・Sには駒を進めてくれ。
今日はオリックスに連敗したが・・・・。
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ハグがどうした
2024 FEB 17 10:10:03 am by 西 牟呂雄
情けない!
『ハグしたら普通覚えてるでしょう』
『昭和の男はそういう習慣はありません』
『協定にサインしたでしょう』
『したかもしれないが覚えていません』
これね、学級会のレベルじゃないの。「ナントカちゃんの肩に手をのせました」「おぼえてないもん」
あのね、政治家は票のためなら握手でもハグでもなんでもするの。相手がまずかったら今後やめりゃいいだけの話。ましてやナントカ協会はもう息の根が止まるんだから昔の話はもういらねえ。それにこの大臣は解散請求をしたご本人だよ。バカどもが。
それを大真面目で聞く方も聞く方だ。ほかにもっと大事なことがあるだろう。国会で質問する内容とは思えない。聞いてて恥ずかしくないのかね。えっ?恥ずかしくない?帰って質問してる自分の姿みてごらん。
情けない!
パー券売って上がりをチョロまかしたのがどうした。ワイロ性なし、せいぜい脱税?それにしてはミミっち過ぎる。一切合切含めて億単位になるけど年割りすればゴミ。
書籍代?支援者がどうでもいい本を書いて寄越すと100冊でも200冊でも買い上げてテキトーに配る。それがどうした。まさかそれを選挙期間でもないのに買収にあたるとでもいうのか。
使途不明?あんな程度で騒ぐような額じゃないだろ。中にはこっそり焼肉食ってたりして。いいじゃないの、カワイイくらいだ。
改めて言うけど税金使ったわけじゃないでしょ。ワイロ配ったわけじゃないでしょ。脱税にしてもこんな額じゃ国税だってバカバカしくてやる気はないよ。検察が勢い込んだけど中身みてもう鉾を収めたじゃないの。
そもそも野党だってやってることは同じ(共産党以外は)なんだからあんまり調子に乗ってるとブーメラン必至。
私は良い税制・財政・外交・防衛・福祉をやってくれる政治家だったらこの程度のことは不問にしますね。
ついでに言えば官房長官が辞め際に数千万円引き出したと騒ぐが、毎月1億以上引き出しているのだから別に驚く話じゃない。通常ローテーションの一角でしかない。
情けない!
派閥なんか無くなるわけない。だからさ、事務所借りて事務局置くから金がかかる。集まってメシ食うから金がかかる。この時代に議員も考えろよ。ラインをつないで秘密結社になっちまえばわかりゃしないしカネもかからん。
好き嫌い・保守派リベラル・親米反米・財政緊縮リフレ派。同じ党員・議員でも大集団ともなれば全員が同じことを考えるはずもない。意見集約的に人の集団ができるのはあたりまえ。解散なんて大げさなことを言ってみても結果は同じだ。
そもそも解散騒ぎのきっかけがドーデもいい記載漏れなんだから、何も本当に解散してみせなくても構わない。こんなこと真に受ける奴はいない。
昔は親分が金を配る集団だったが、さすがに政党助成金がつく今はそれができない。ただの仲間を押し上げて総裁に担ぐための互助会みたいなもんだからあんなセコいパー券売りをやってるに過ぎない。
小泉元総理は『改革できなければワタシが自民党をぶっ潰す』と言って総裁になったが、誰よりも派閥政治家だったではないか。
変な『委員会』も『改革』もいらない。政治家のモラルがちゃんとしたレベルだったらいいだけのこと。次から当選しても毎年モラル・チェック・テストでもやってダメだったらその議席ごと抹消して、そんなバカを当選させた選挙区には国会議員がいなくなるというのはどうだ。議員も減るし、少しは真面目に投票するだろう。
情けない!
お正月の大地震でたくさんの人がひどい目に合い、避難者は今なお寒さの中で大変な思いをされている。孤立した集落には我が自衛隊が駆けつけて救助と復興に必死に取り組んでいる。
一方で国防の訓練を怠るわけにいかない。その一環として習志野の空挺部隊の初降下について『地震が起きたにもかかわらずそんなことをしてていいのか』という論調が見られた。バカじゃないか。
災害救助と降下訓練とどっちが大事かって?決まってるだろう、両方なんだよ。どっちもやらなきゃいけないの!自衛隊が普段、災害のないときはブラブラしてるとでも思ってるのか。冗談じゃない、厳しい訓練を受けている。そして災害救助には、地域性、専門性、機動性を考慮した最適な部隊を展開しつつ、今も領海侵犯をしている某国に対処している。シロートがつまんないイチャモンを思いつくな!子供が誤解するだろう。
情けない!
そこまで言うならお前は何をやってるのかって?よし、秘密の計画を少し披露しよう。このスパイ天国といわれるわが国で、唯一民間の工作員抽出組織を立ち上げたのだ。
災害非常時及び政治混乱時に世の中を煽り治安を危うくさせる海外勢力を見つけ、監視し、その工作を妨害する。
名付けてスパイ・メカニカル・センター、通称S・M・C、このブログのことだったりして。
おっと、頭に血が上ってうっかり筆が滑った。こりゃご法度の政治ネタかな?
LGBT法案は噴飯モノだったが、それ以外政策の失敗はいまのところない。岸田総理よ、是非頑張って低支持率の在任新記録を樹立してくれ!
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哲学者と政治家 右派からの検証
2023 SEP 14 10:10:37 am by 西 牟呂雄
安部元総理が凶弾に倒れて1年過ぎた。
保守系月刊誌を中心とした保守論壇は特集を組み、元総理を懐かしんでおり、左派は相変わらず日本をダメにした、という論陣を張っている。
あれだけ長期政権が維持できたということに一定の評価がなされるのは当たり前であり、その間鬱屈した思いだった人々の恨み節も有りだろう。だが国会論戦(論戦と言っていいかどうか)を見ていればお花畑左派の情けなさは多くの国民の失望を招き、元総理在任中の選挙は全て負けたことが国民の健全な良識が信頼に足るものの証明だろう。その昔デモに一度や二度参加したようなオールド・リベラルが、安倍が日本をメチャクチャにしたと嘆くのは滑稽を通り越している。
私自身右派であるから、元総理の功績を高く評価する者であるが、最近の右派はもっぱらLGBT法案を嘆き、日米韓に舵を切った現政権の攻撃に徹しているが、どうであろう。保守派の矜持として元総理の右派からの批判を検証することは必要で、なぜなら保守は常に鍛え続けなければ必ず堕落するからなのだ。
まぁ、私のようなアウトローは保守派といっても、地べたを這いずるような暮らしの中で御上(おかみ)の勘違いは無視することが可能だ。例えばLGBT法案など法律にしなければならないのかね、程度の感覚でいたため法案成立にかけられたエネルギーを冷笑する立ち位置。韓国の尹大統領個人に期待はするものの、どうせまた反日の政治家が台頭するだろうから信用はしない。アメリカについてはその悪意を認識しているが、消去法で他に頼れるところはない。なにしろ負けてしまったのだから。そもそも挑発に乗って真珠湾をやったのが大間違いではあるものの、仮にやらなかったら日米関係はどうなっていたかと言えば、どう想像をたくましくしても目下の状況と大して変わらないだろう。お若い方々はバブル以前をご存じないだろうが、繊維・鉄鋼・自動車・半導体と次々に難癖をつけられて、挙句の果てにバブルの崩壊に追い込まれた経緯を踏まえればよく分かる。1990年に私はヒラ社員だったが、つくづく我々はアングロサクソンには二度負けた、と思った。
話は戻って、公平を期するために普段保守派と言われる連中の安倍批判を探ってみたところ、ある新書を見つけた。
哲学者を称する適菜収、ニーチェの研究者らしい。一読、あまりの見識の低さに呆れた。こんなのがマスコミに雑文を書き散らしているのはいいとしても世間に相手にされないのではないか。調べてみると『B層』というゾーンをバカ呼ばわりした著作で売れた学者だとか。
ものすごく勉強熱心な人らしく、極めて緻密に検証していることは窺える。しかしこのテの秀才にありがちだがくどいのだ。おそらく理論の組み立てを全て書き込まないといられない、私なら保守派の定義は『早急な変化に対応して、後に昔は良かった、などと思いたくない気質』だけで済むが、大昔のフランス革命に遡って考証を加え定義する。悪くはないが違和感は感じる。よほど努力をする体質で、ろくに勉強もしない輩は全てバカに見えるので、バカ呼ばわりを多発して文章の品を下げる。『箸の正しい持ち方』は得意の持ちネタのようで、随分がんばって習得したのだろうが、別のところで書いてもいるのはそれこそバカの一つ覚え。ひょっとするとコンプレックスの塊なのか、ちょっと褒められると舞い上がる。自殺した西部暹に褒められたのが余程うれしかったのかわざわざ記している。そういえば西部邁もやたらと話の長い人だったが、適菜もそうなんだろう。一般的に話がバカ長い人は頭が悪そうにみえますがねぇ。
そもそも元総理の勉学の奮わなさはかねて知られている。私は同学年なので成蹊小学校の同級生に知り合いがいるが、大したことはなかったと証言した。家庭教師をしていた平沢勝栄はそれをバラして出世が送れたのだから本物で、適菜からすれば上から目線になるだろう。
だが政治家は思想家とは違う。
思想家同士がいくら議論しても現実にはラチがあかない。『日本は核武装してアメリカのくびきから独立する』と『被爆国の日本が核武装などとんでもない』の両者がいくら議論しても合意にいたることは絶対にない。そこを何とかするのが政治であって、交渉とは一言でいえば妥協の技術なのだ。海外案件の契約をやってみればすぐわかる話だが、双方知恵を絞って何とか着地点を見つけるなどということは、自称でも他称でも哲学者にできるはずもなく、また口をはさむべきではない。文学者であり続けた石原慎太郎が大派閥の頭にはなれなかった所以である。
元総理とプーチンの交渉過程を適菜は揶揄するが、何もしないでツッパって200年すれば領土が返るか、そんなことはありえないので散々交渉のテーブルに引き込んだ。あの時点で一月にトランプ・プーチン両大統領と面会できた首脳は元総理ただ一人であった。
大陸・北の国・現戦争当事国という核武装した危険な国家に取り囲まれている我が国の安全のために同盟していることをポチだの何のとオチョクルのもいかがなものか。このご時世にあの憲法でいいと言えるのか。安保法制は時代の流れなのにその成立過程にイチャモンをつける。それでは護憲を訴える左派なのかオマエは、と言われると『そもそも左翼とは』とトリモチのようなクドい説明をする始末。
確かに元総理はお坊ちゃん育ちであり、時々キレては物議を醸していた。思い余って『一切』とか『必ず』という言葉をはさんでしまう。私なぞはやや危ないところはあるが、好ましい部分だと思った。
一方で政治は流動的で、相手もあり身内の都合でその通りにならないことも多い。実社会とはそういうもので、従ってトップに立つということの難しさは頭が良けりゃ務まるものではないのである。
それを、ガリ勉根性丸出しで実に丁寧に発言を俯瞰してはウソつき呼ばわりするのは片手落ちというものではないのか。モリ・カケの問題について、特にモリの方は相手の悪質さと佐川局長の見苦しさはそうだが元総理は本当に知らなかったのだからガタガタ言われる筋合いではない。
ついでに言えば、カケ関連で前県知事の加戸証言『安倍総理にあらぬ濡れ衣がかけられているので、なんとか晴らすことができるお役に立てるからと思ったからでございます』を意図的に報道しなかった偏向マスコミを棚に上げておいて、言論弾圧をしたという話にどうしてなるのか。適菜は好き放題書いてもお咎めなしにもかかわらず、である。
あれ、元総理の右派からの批判を検証しようとしていたのに変な本を読んでバカなブログになってしまった。適菜収はニーチェの研究をしていなさい、お箸の持ち方はわかったから。
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三島由紀夫の幻影 Ⅳ
2023 APR 1 0:00:16 am by 西 牟呂雄
山中湖畔に三島由紀夫文学館はある。故三島由紀夫の遺品を三島家から譲り受けて、町興しの一環として1999年に開館した。直筆原稿や創作ノートが展示してあり、なかなか見ごたえがあるのだが、観光スポットとしてはイマイチらしくすいている。
遺品の数が膨大なため展示にはテーマを設けていて、今年は『海』だそうだ。
はて、と腑に落ちなかったが、言われてみれば海の描写は確かに多くかつ見事だ。遺作の表題はは『豊穣の海』であり、『春の雪』『奔馬』『暁の寺』『天人五衰』ではそれぞれ海を印象深く描いている。
しばらく読み返していなかったのですっかり忘れていたが、『潮騒』『午後の曳航』『金閣寺』といったベスト・セラーの一群でも海を書き込んでいた。目から鱗の思いで、自分の浅読みを恥じ入るばかりである。
そしてその海はあくまで明るく輝いている印象だ。筆者は三島が泳ぎは不得手だったという仮説を見立てているので、海に身を晒すことはなかったと考えている。そこへいくと我々ヨット乗りは波と潮の恐ろしさを体感的に熟知しているので、あそこまで美しい表現はできないだろう。
むしろ、三島の内なる暗黒部分、それは思想的あるいは性的な意味も含め、を海の情景に反射させたのではないか。外側を明るく塗りつぶして、中心のダークさを無意識に際立たせたともとれる。太陽の黒点が鮮やかなように。
特に『天人五衰』執筆時は例の事件を決意し、すなわち死を覚悟している。頭の中はその葛藤で一杯の時期に、駿河湾を書いているのは象徴的にみえる。
ところで、文学館の中庭には三島邸にあったものを模したアポロ像が立っている。
これは実はいわくつきの像で、クリックして拡大して頂くとうっすらと見えるのだが、一見して割れた腹筋の所に横にクラックが入っている。初めは無かったのだが何年かしてヒビが浮き出たらしい。
ご案内の通り三島は割腹自殺をし、同志森田必勝の介錯を受けて絶命した。
しかるに三島が憑依したのでは、と以前から言われていたようだ。
そして私が恐る恐る近づいて見上げたところ。
何と首筋にもクラックが!
三島先生!成仏してください!ナムアミダブツ・ナムアミダブツ・・・・
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令和五年 滋養神社お告げ
2023 JAN 1 0:00:59 am by 西 牟呂雄
新年にあたりめでたくもありがたくも滋養様よりの本年の喜びとともにみなみな心して備えるべき十の教え賜ったためここにこれを伝えかしこみかしこみもーすーなーりー。
中国のコロナ、体制を揺るがす
隠しに隠し、抑えに押さえつけてきた大陸のコロナはついに大爆発。年末から当局は発表を止めてしまったが、1月の1日当たりの新規感染者は1千万人、死者は月間2千万人に達した模様。
毛沢東の大躍進運動、並びに紅衛兵旋風の時の死者数を上回るのは確実で、民衆の暴動が多発する。
共産党内の権力闘争が激しくなり、江沢民派・胡錦涛派が猛烈に巻き返し、習近平の太子党は粛清され、ついに中国は分裂の方向に動き出す。
北朝鮮の核実験失敗
失敗した、というのは傍証で、実際どうだったのかは分からない。衛星により核実験場と思われる場所で多数の爆発があったことは確認できたのだが、地震波は観測されず、発表もない。
国籍不明の潜水艦からミサイルが発射されていた、そしてそれは破壊的なバンカー・バスターだったのでは、という噂なのだが実態は誰にもわからない。
経済困窮ならびにコロナの蔓延から体制の維持が難しくなっているらしく、しきりに日本に秋波を送って来る。
弱腰の林外務大臣がスリ寄られかけるが、猛然と待ったをかけたのは高市早苗。
プーチンついに失脚か
プーチンがすっかり公の場に現れなくなった。ところが戦争が終わる気配もない。
ロシアの姿勢が強硬になり始める。
プーチン重病説、クーデター説、テロ説が飛び交うが、謎の大統領代行が姿を現した。その名もニシムロノフ。名前からして怪しい。なかなか姿を現さなかったが、ついにテレビに出て『こうなったらプロレスで決着を着けよう。かかってくる奴はいるのか』と謎の発言をする。
彼こそがマタイ伝で予告された偽キリストではないかとうわさが飛ぶ。
ウクライナに平和が訪れる
上記3つの要因はロシアを弱らせ、中国を惑わし、戦争終結の機運が盛り上がる。中国は台湾や尖閣に関わっていられなくなり、ロシアもまた混乱の中、厭戦気分が漂う。
突然、ウクライナにおける最前線の攻撃が止む。兵士の戦闘放棄が原因と噂される。
そこで仲介に乗り出したのが、目下何の役職もないトランプ前大統領。なぜか戦闘が中断され不思議な和平が保たれる。
アメリカの陰謀が明らかになる
岸田政権は全くブレずに防衛費の増額に必死だ。それはバイデン大統領からNATO並にGDP2%を出さないと知らんぞ、と脅されているからで、そのためにバイデンは中国を使って挑発を繰り返させているという極秘情報があるらしい。
すなわち、ロシアをウクライナに釘付けにして疲弊させながら、裏で中国に甘いことを囁き日本の武装強化を促す、という超裏技だとか。
日本ハムファイターズ快進撃
WBCで優勝の原動力となったダルビッシュがシーズン途中からNBPに復帰し、驚異の10連勝を上げる。
なぜかその勢いのままシーズン3位でC・Sに出場し、ロッテに快勝。更に千賀のいなくなったホークスを粉砕して優勝を決める。
日本シリーズでもセ・リーグ覇者の広島に4連勝して日本一を勝ち取る。
安部元総理暗殺の黒幕が噂される
実は事件当時から囁かれていたのだが、犯人の手製銃は空砲で、2発目の銃撃音の時に密かにスナイパーが数百メートルの距離から撃ったという噂があった。事実散弾銃だったと言われるものの元総理に当たったとされる2発のうちの1弾は発見されていない。
即ち宗教トラブルをカバー・ストーリーにしたある勢力の暗殺で、その闇の勢力とは世界を陰で操る国際的な秘密結社だとか。その結社は日本の力を徐々にそぎ落とし、アメリカの財布代わりに使い、主敵中国の盾にしようと目論んでいる云々。
そしてその秘密は桜の季節あたりから名前だけは分かってくる。SMCというらしい・・・。
岸田体制揺らぐ
あまりの支持率の低さに、自民党非主流派が蠢きだす。だが、なぜか大きなうねりにはならない。それは名乗りを上げると見られるタマが悪すぎるから。
嫌われ者河野太郎、でしゃばり小泉進次郎、不貞腐れ石破、更には小池百合子まで。
茂木は派内もまとめられずにダメ。
タマは悪いが不人気に歯止めがかからず、一部が自民党を割るという動きも出る。気味の悪いことにその後ろで糸を引いでいるのは二階・青木・森といったオールド・ゾンビばかりなのだ。
妙な踊りがはやる
8月の盆踊りのシーズンで、ジャズの名曲『テイク・ファイヴ』が流れ出し、全国的に同じ振り付けの踊りが大流行する。かの郡上八幡でも河内でも、従来の伝統的な踊りを凌駕する。
多少のバージョンがあるようだが、腕をセリ上げながら三歩進んで2拍ステップバックするスタイルで、初めは何も歌がなかったが、しまいには踊り手が『ナム・アミ・ダ・ブー・ツー』と唱えだした。
盆踊りのシーズンが終わって秋になってからも、クラブやラグビーWCの際にも老若男女が入り乱れて踊り狂い、まるで幕末の『ええじゃないか』のような現象が続く。
背後に『滋養教』なる胡散臭い新興宗教がある、教祖は『オール・アト・ワンス・アッパー・マン』というらしい。警察が調査を始める。
愛子内親王殿下婚約
青年皇族となられた内親王殿下は旧宮家の男子と婚約の儀相整い新たな宮家を創設することとなった。
その際に、男子が誕生にあたっては皇位継承権第一位のクラウン・プリンスとなられる旨、皇室典範が改正される。
一方、ニューヨークの〇室夫妻は、やっとこさ試験に通ってみたもののいいお客さんに恵まれず(腕が悪いそうで)生活が苦しくなる。そこへあのゴーツク・ババアが渡米してきてマズい展開となる。
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そろそろあの宗教について言ってもいいかな
2022 DEC 12 6:06:00 am by 西 牟呂雄
世界〇〇協会について、およそどうでもいい質問が国会で応酬されている。国会で議論するような話か?モリ・カケ・サクラと同じ低レベルの嫌がらせにしか見えない。自民党の候補者が『政策協定』を結んだとか問題視されるが、中身はこんなものらしい。
『・憲法を改正し、安全保障体制を強化する・家庭教育支援法及び青少年健全育成基本法の国会での制定に取り組む・『LGBT』問題、同性婚合法化に関しては慎重に扱う・アジアと日本の平和と繁栄を目指す「日韓トンネル」の実現を推進する・国内外の共産主義勢力、文化共産主義勢力の攻勢を阻止する』
人によっては断固反対する内容もあろうが、自民党の候補者ならどうってことのないではないか。別に信者を優遇しろ、とも献金しろとも書いてない。1票でも欲しい候補者なら〇産主義者でをもなければ平気でサインするだろう。無論、当選後にズルズル引きずり込まれて言いなりになられても困るが、いくらなんでもあんなカルトに引っかかるなんて尋常な精神じゃない者が自民党から立候補するとは思えない。
カルト化するムチャクチャな新興宗教とは人に付け込む3つの要素を持っている。➀ 極端な教義 ➁ 見破りにくい奇跡 ➂ 度が過ぎた献金 の3つだ。常識人から見たらバカみたいなことに没入する人というのは常にパーセントのオーダーで存在するから、よほどの迷惑(サリンをまくとか)でなければ放りっぱなしで構わない。本人はハッピーなのだ。信者二世の救済が問題ではあるが、それも創〇学会の二世や〇産党員、ヤ〇〇シ会、天〇教の二世はどうなのかとなったら手が付けられない。胡散臭さに気が付いた二世が逃げ出せるセーフティー・ネットを構築することなど国会で大騒ぎしなくともできるだろう。このテのヤバさ加減は本人だろうが二世だろうが、周りが抜けさせようとして苦労するから被害者の会だの弁護士がジタバタする。本人が幸せ一杯なんだから回りはシカトすりゃ問題ない。
例えば岸和田。ここはだんじり祭りで有名な気の荒い土地柄だ。ここにオ〇ムが支部を作ろうとしたところ、遠慮はいらないとばかりに住民が寄ってたかった蹴りを入れたら撤退し、事件にもならなかった。インタヴューを受けた若い(ガラの悪い)アンチャンは『みんなケリに行ったでぇ』と笑った。
今回はハマって家庭を崩壊させたバカ母の息子が輪をかけたバカで、たまたまビデオに登場した元総理にテロを仕掛けるという異常さが際立っていたため問題が大きくなった。あのテロリスト息子は十分に監視しなければ出てきて必ずまた何かやる。いくら相手が要人でも一人しか殺していないのだから何十年かでまた出てきてしまう、そういった心配の方が問題だ。その前に、身の回りにそれなりの親戚(弁護士と仄聞する)辺りが救いの手を差し伸べるなり、或いはシェルター的に救い上げるセーフティーネットが機能することが望ましい、あの息子は母親か教団に向かってやってりゃ今頃ヒーロだったろうに。
二世の被害者のお嬢さんが涙ながらに法案についてコメントする姿は痛々しい。ただそのコメントに『政府の責任で云々』の一言に僕は違和感がある。アンタの親の責任の方が重いんじゃないの。
被害者の祖父の時代、この日本でも革命が起きてもおかしくないような騒然とした時代、巷に『アンポ・ハンタイ』のジュプレヒコールが轟き国会に突入されかけた時代、反共をかざす新興宗教が頼もしく見えたこともあったろう。その緊迫感を今日共有できる人はもういない。その付き合いからお世辞をチョット言っただけなのに野党やマスゴミときたら・・・。
ところでオ〇ムの信者だった男性が、教団が解散したあとどうなったかを追ったドキュメンタリーを見たことがあるが、超国家主義団体員になっていた。本人たちは怒るだろうが、その風貌や振舞いは凄まじく暴力団の方がかわいいくらいだ。見ていて何とも言えない気分に陥った。要するに強烈なカリスマ性とか父性愛と言ったものを求めているのだろう。新興宗教から民族主義団体への転向は本人の中では一貫しており、シアワセ感は満載だ。
どうしても宗教にすがっていたい人はワタシが信仰する滋養教に入信しなさい。
滋養様は年に一度お告げを下さるだけで献金など必要ない。そのお告げを私がブログに書くからタダで読める。そしてそのお告げは一般的にはほとんど当たらないが、ワタシ及び信者の脳内では100%的中するという奇跡を起こす。その審神者(さにわ)であるワタシは常に奇想天外なことを思いつくカリスマである。ドーダ!
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三島由紀夫の幻影 Ⅲ
2022 AUG 13 8:08:47 am by 西 牟呂雄
17才で書いた「花ざかりの森」を国語教師の清水文雄に送り、清水が文芸雑誌『文藝文化』誌上に連載させたのが三島の実質的な文壇デヴューであることは広く知られている。それまでは学習院の校友誌である『輔仁会雑誌』に作品を発表したりしていた。
『文藝文化』は蓮田善明、池田勉、栗山理一といった人々により運営されていた日本浪曼派系の雑誌で、その中心人物である蓮田善明が三島を激賞するとともに、三島に多大な影響を与えた。
以前から気になっていたが、この蓮田の人生を検索して筆者は強い衝撃を受けた。
蓮田は昭和13年、成城高等学校の教授に転任するが、以前からの同人誌仲間である、上記清水文雄が学習院中等科に転任したための後任で、それによって清水と三島の縁ができた。そしてその年に召集を受けて中支戦線に出征して負傷する。その後、昭和18年に再び召集を受け、陸軍中尉として南方戦線へ行く。この間に三島の作品と出会ったことになり、同人等の送別会には三島も出席した。
ジャワ・スラバヤ等を転戦し、敗戦の時にはシンガポールにいた。聯隊本部は対岸のジョホール・バルの王宮に置かれていた。筆者が知る限り、このエリアは当初の英軍の降伏以降、抗日ゲリラは別として組織だった大規模戦闘はあまりなく、インパール・ガダルカナル・南方島嶼部あたりで展開された米海兵隊との死闘とは様相が違う。大陸での日本軍もぞうだが、各部隊に『負けた』という実感が乏しい。現地住民においても敗走する日本軍というものを見ていないため露骨な反日感情も少ない。インドネシアは世界一の親日国である。蓮田の所属した熊本歩兵連隊も個別戦闘においては不敗だった。
その勢いのまま8月15日の『終戦の詔』を聞いた。本土・大陸での各精鋭部隊が徹底抗戦を叫んで激高した例は多く、かの熊本歩兵聯隊でも青年将校等は極秘に決起部隊が編成され、蓮田は大隊長と擬せられた。その不穏な空気の中、連隊長中条豊馬大佐は8月18日に軍旗告別式を行うが、その訓示が極めてまずかった。
その場にいた者の証言によれば、敗戦の責任を天皇に帰し、皇軍の前途を誹謗し、日本精神の壊滅を説く、あまりにも節操のない豹変と変節ぶりに蓮田は激高する。
8月19日に閑院宮春仁王から聖旨を伝達され昭南神社にて軍旗の奉焼する際、蓮田は中条大佐を射殺し自身もこめかみに銃口を当てて引き金を引いた。享年41歳であった。
遺体は現地で荼毘に付されたが、その死はかつての文学仲間に知らされ、敗戦翌年に偲ぶ会が催され、三島もこれに出席している。その死に様と天皇観が三島に影響を与えないはずがない。ただし、三島の文学作品へいかなる投影がなされたのか、それを検証する術を目下の筆者は持っていない。いずれ考察することもあろう。
三島の死の前年である昭和44年には、蓮田の25回忌が行われ、そこで三島は「私の唯一の心のよりどころは蓮田さんであって、いまは何ら迷うところもためらうこともない」「私も蓮田さんのあのころの年齢に達した」と挨拶したとある。三島の年齢は昭和の年号と同じ、すなわち44歳で蓮田の没年を越えていたのである。
蓮田の死、並びに三島の死は状況からみればテロの延長に過ぎず、ここで全うできなければ犯罪者として扱われる危ない綱渡りの延長線上にあるとも言われかねない。だがそこに至る気迫、覚悟たるや凄まじい。この気迫・覚悟といったものは時空を超えて伝播しないのだろうか。
熊本の慈恵病院は日本で初めて設けられた「こうのとりのゆりかご」という「赤ちゃんポスト」で知られ、筆者もその運営の志を高く評価する。当時の病院理事長として開設を決断した産婦人科医、蓮田太二先生こそ蓮田善明の次男に当たる方だったこと、最近知った。蓮田の遺伝子のなせる業ということか。
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戦争の終わり方 Ⅱ
2022 JUL 16 22:22:00 pm by 西 牟呂雄
中国史の専門家によれば、今日の習近平が言う漢民族があの広大な大陸を統治した王朝と言うのは、民族の名前になった『漢』『明』『宋』だけで、唐でも元でも清でも北方の遊牧民がガーッと首都を蹂躙して打ち立てたものだとか。
中東でもヨーロッパでも、古代の侵略というものは相手の男を皆殺しにするのがその終結で、民族淘汰的な側面のある残酷なものだった。それが国境という概念が確立するにしたがって、首都制圧・敵王族の殺害・国家体制の変更、といった手順を踏むようになってきた。
近現代の我が国が被った敗戦という事態は、まさにこのパターンで、天皇制が残ったのは奇跡的なことだと言える。それだけ当時の日本人が毅然と『国体護持』を訴え、国民の中に敬う心が根付いていた証とも評価できる。
今回のロシアによるウクライナ侵攻もまた、この手を狙っていたに違いない。当初のキーウ直撃の心理的な効果は大きかったものの、失敗している。実は我が国の敗戦以後、この必勝パターンは大国間では成り立たないのだ。
筆者はその解を核だと考えている。すなわち保有5大国同士は互いに打ち合えば両国民とも全滅することになる。小国は言うに及ばず、G7からG20も含め、いずれかの保有国との同盟もしくは安全保障による共同防衛関係にあるため、20世紀型の(それも日本・ドイツの敗戦が最後の)国家間決戦はありえないはずだった。
ロシアはそこをわきまえず、或いはスキを突いたつもりで侵攻して失敗。その結果核をちらつかせてまで威嚇しているが、そうはさせないと反対勢力の結束がかえって強くなってしまっている。
この事態に、国連など何の役にも立たない、との声が上がる。常任理事国すなわち核保有公認国家5か国という大国の一角が小国に理不尽にも侵略をしたことに打つ手が無いので無用論が取りざたされている訳だ。筆者は国連について、大戦後の平和構築に貢献していると一定の評価をしており、それでは無くせとはならない立ち位置にいる。そもそも国連憲章並びに国際法(慣習法)で他国への侵略を禁止し、それに違反した場合は➀勧告し➁経済制裁をかけ➂武力制裁を取るのがオブリゲーションという、集団安全保障措置になっている。
現在はその集団安全保障措置の➁の段階にいることになるが、国際社会の狡猾さはその建前をとっくに乗り越えて様々な詭弁を弄して止まない。アメリカはゴリ押しするときは多国籍軍・有志連合軍の体裁を取り、ロシアは今回の侵攻を特殊作戦と言い換え戦争ではないと言い張っている.そのせいで契約条項のフォース・マジュールによる損失請求ができない。
更にその『建前』のハードルは続きがあり、この国連集団安全保障措置が取られない場合に限って個別的自衛の権利行使が認められる。それも国家の自衛権は国際法の定めに従い、必要性・均衡性・即時性の原則を満たさなければならない。即ち、敵の侵害手段に釣り合った手段での反撃ということで、1個師団には1個師団を、核には核を・・・。
これらの運用を定めた先人達の平和への思いが滲み出ているが、一体誰がそのことを瞬時に判断し対応できるというのか。本件に関してのもう一歩の踏み込みはもはや筆者の理解を超えてしまうので、プロの見解が欲しい。
もう一つ。ロシアに勝たせるわけにはいかない、とアメリカ中心に西側が結束して対峙している構図になっているが、ロシアが孤立しているわけでは決してない。はっきりと非難し制裁を科したのはG7とオーストラリア・ニュージーランド・韓国ぐらいの話で、インド・中国を含むユーラシアの大半と中近東のイスラム圏、アフリカといった国々は非難にも加わらなければ制裁もしていない。インド・中国といった2大人口大国を含んでいるために、総人口という荒っぽい見方をすればロシア陣営の方が多いかもしれない。
フランスの歴史人口学の泰斗であるエマニュエル・トッドの分析で明らかになったが、これらの地域は父権性が強い外婚制共同体家族 (息子はすべて親元に残り、親は子に対し権威的であり、兄弟は平等)システムの国々である。かつての共産主義国家、中東においてはイスラム過激派を内包する土壌があるということになる。
そしてトッドの考察は、今回の戦争は2014年以前からアメリカのウクライナへのしつこい介入でクリミア問題を引き起こし、頼まれもしないのに米・英そろってウクライナ軍を鍛えて煽り続けた結果ではないかと(断定はしないものの)示唆している。トッドの仮説に従えば、家族形態の最も原始的なものはアングロ=サクソンの完全核家族システムであり、歴史的には次第に父権的なシステムに発展した。その両システムの激突とも言えなくはなく、将に第三次世界大戦の入り口いるという見立ても成り立ち得る。多少解説すると、トッド理論によれば前大戦は核家族システムVS直系家族システムという構図となる。
しかるにこの戦争で得をするのは誰か、と推理小説的に俯瞰すればアメリカと言わざるを得ない。ブッシュ時代は共和党をカヴァーにつかっていたネオ・コンは今や民主党に鞍替えし、当面の主敵である中国に戦争を仕掛ける訳にもいかないからロシアを引きずり込み疲弊させ、中国に面倒を見させて長期戦に持ち込む。及び腰だった独・仏のケツを叩いて緊張感を煽る。NATOを拡大してロシアの緊張感をヨーロッパに向けさせる。コロナ禍により中国を基軸としたサプライチェーンが寸断されたのを立て直す。いいことづくめではないか。するとウクライナで戦っている人々に申し訳ないが、アメリカとしてはロシアでの厭戦気分が蔓延するまでズーッと戦いが続くことが望ましいということになり、外交的な解決は当面ないのだ。
実は、あまり表にでていない話だがあのドンバス・エリアは2014年のドンパチが始まってから当初のウクライナ軍の動きがかなり荒っぽく、その後配置されたアゾフ大隊(あの製鉄所に立てこもった部隊)はもっとひどかったため、地元住民からは蛇蝎のごとく嫌われていた。クリミアに関してはそもそもウクライナ人など殆どいない地域で、ロシアからウクライナに帰属を変えたいとはサラサラ思っていない。元々は強制的に移住させられてしまったがタタール人の地域だった。
するとどちらが力押しで占領してもつらつら述べてきた国連中心の国際秩序が保たれることはなく、シリア化パレスチナ化したテロの温床になる可能性すらある。
そして我が国はどうか。近隣の問題として台湾があり、ウクライナの手詰まり感からバイデンは珍しくはっきりと介入を口にした。対岸の火事どころではない。この問題に早くから警鐘を鳴らしてきた安倍元総理は凶弾に倒れた。筆者としては一瀉千里に世論が傾くことは良しとはしないが、憲法改正・防衛費増額は国際秩序の維持のためにも必要だと考える所以である。
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