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車というオモチャ

2014 NOV 3 19:19:49 pm by 西 牟呂雄

 今の若い方は車をあまり運転しないと言われている。時代が変わったのだろうな。僕達の感覚では車は時代の先端を走っているように見えた。車種で言えばスカGとかRX7、セリカXX(ダブル・エックス)の時代くらいまでだった感じか。僕は母親の趣味でオペルとかワーゲンがハンドル握りの始めだった。車道楽の友達の中にはカマロとかトランザムといったアメ車を(親が)持っているのがいて、乗ってくると先を争って借りては2~3日乗り回して遊んだものだった。その頃の仲間とはこの年になって会っても『今、何乗ってる。』が挨拶代わりだ。ヒマに任せてダブル・クラッチやヒール・アンド・トゥの練習をさんざんやって誰が一番上手いか競った(バカ)。そういえばマニュアルだったな。
 
 その後、先ほどのXX(ダブル・エックス)を手放した頃からコロッと趣味が変わって、セドリック二台とクラウンを乗り潰した。その間に実は三ヶ月だけベンツが挟まっている。
 そのベンツはヘッド・ライトが縦目になっている型式の古いやつで、一目惚れして手に入れた。ところがいつもいつもトラブル続きで、変な異音はするし終いにはファンベルトが切れたり。車検が購入価格並みの見積もりで腰が抜けるほどビックリして売った。随分自慢して表参道を10往復くらいしたんだが。一時は売れるかと環八の中古屋に片っ端から『もう乗り飽きたから100万なら手放そうかと思うんだ。』と売り込んだがディーラーは不愉快そうに『レストアするんですか。』等と言うばかりだった。

 近年のハイライトはシトロエンだった。油圧サスペンションの乗り心地は格別で、気に入っていたのだが、この車も故障が多い。特にヨーロッパの寒冷地仕様だから夏場がひどかった。そしてシトロエン業界は東京でも狭くて専業は二軒しかなかった。そしてその内の一軒のディーラーが車と一緒に引継ぎされた。あまりの修理費にグチをこぼすと、そのアンちゃんは『これぐらいじゃ一流のシトロエン乗りとは言えません。むしろ壊れたら喜ばなくちゃいけない。』等とほざくのだ。この車は最期サス・オイルが漏れるようになり往生した。修理屋の部品取りにでもと引き取ってもらったが、その時もカモがいなくなると思ったか『いい出物があるんですよ~。ニシムロさんなら50万でいいですよ。』とヘラヘラしてみせたが、さすがにビビって止めた。

 その次はグロリアだったが、これはターボチャージャーでムチャクチャ速かった。走り屋じゃないからそんなに飛ばさないが、時効だから白状すると大手町から名古屋南の東海まで2時間45分で行ったことがある。その場所は新幹線で行っても名鉄の乗り換えが時間を食うためドア・トゥ・ドアで3時間かかっていたから『新幹線より速い男』を自称した(バカ)。東京からずっと渋滞がなかったのでスイスイ行けたが浜松を過ぎたあたりで、このペースだと3時間を切ると気が付いて頭に血が登り、アクセルを踏んづけたら前述の記録が出たのだ。スタートも凄くて、試してみたがスタートから時速100kmまで3秒くらいだった。

 そして今乗っているアウディにした。乗り心地はシトロエンより落ちるのだが車重1.5トンの安定感は素晴らしく出足もいい。しかしさすがにこの重量だとガスは食う、ハイオクですぞ今時。この円安は本当に堪える。ただあのボディの強さは万が一の時でも助かる確率は高い。重いだけあって高速の安定性は抜群でとても気に入っている。

 現役で車で遊べるのは後10年あるかないか。すると車検のたびに乗り換えても後三台ぐらいか。乗ってみたいのはジャガーなんだが、どなたか譲ってくれる方はいませんか。言い値で引き取りますよ。その後は車高の高いピックアップトラックに乗って、最後はかわいらしい軽自動車がいい。その頃は軽のデザインももっと垢抜けして斬新なモノが出ているのじゃないだろうか。

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Categories:遠い光景

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