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国境を考える Ⅱ

2015 MAR 8 11:11:04 am by 西牟呂 憲

 国境に思いを巡らせていると、死ぬまでに行って見たいなぁと思う所がある。国境線は様々な歴史的背景があり、時に大国の思惑でメチャクチャなことにもなるのは、先般の特集『第一次世界大戦を考える』で中村兄が詳述していた。そう遠くもないところに38度線もある。  
 

カリーニングラード

 カリーニングラード(旧ケーニヒスベルグ)をご存知か。現在ではポーランドとリトアニアに鋏まれた200平方キロ程度の地域だが、ロシアの飛び地なのである。元々はドイツ騎士団が入植した港湾都市だった。ハンザ同盟所属の貿易都市としてスタートし、様々な紆余曲折を経た後プロイセン王国発祥の地となり、ドイツ帝国の一角としてケーニヒスベルク大学を中心に文化都市として発展した。『純粋理性批判』のイマヌエル・カントや数学者オイラーはここの出身なのだ。
 それが例の第一次世界大戦でドイツがコケてしまい、ドイツの飛び地になっていた。その後はご案内の通りの二次大戦でソ連のフロントとなり、更にソ連がパァになった時点でバルト3国が独立すると今度はロシアのまま取り残される。ドイツ系住民はスターリン得意の強制移動によりとっくにいない。おかげで引き取り手の無いお荷物になり、本国への移動もままならぬまま一時は無法地帯のような犯罪の温床だったそうだ。そんなことってあるのか。
 今は多少は良くなったと言われる。それはプーチンの前妻がここの出身だったからだ。そのおかげか、それなりの金を投入したそうだが、このかつての文化の都がゴミ扱いとは情けない。
 一度行って、そこの無粋な国境線を見てみたいものだ。都市部は戦争で破壊されつくして昔の面影は無いのだそうだ。

 飛び地といえば、英国は島国ではあるが大陸のジブラルタルがそうだ。残念ながらここも行ったことがない。ヨーロッパ側が英領ジブラルタルでアフリカ側はモロッコなのだが面白いことにスペイン領セウタの軍港が未だにある。この辺はハンニバルの昔からイスラムの侵攻やら大航海時代の経緯やらの長い歴史で複雑になっている。効率は恐ろしく悪いだろう。

だからといって、取替えっこしよう、とはならないのが国際関係の厳しいところなのだ。しかしつい最近クリミアやウクライナでいとも簡単に国境が変わるのを見れば緊張を解くことはできない。
 このこと、平和の国日本でありつづけるためにも十分認識しておかねばなるまい。
 ところでヨーロッパ経験の豊富なSMCの諸兄はカリーニングラードやジブラルタル、セウタに行かれた方はおられるか。是非その印象をお知らせいただきたい。

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Categories:国境

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