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桶狭間 訪問記

2015 NOV 2 17:17:57 pm by 西牟呂 憲

 ひょんな思い付きから桶狭間を見てみたくなり行ってみた。
 といっても正確にどこだか良く分からないのだ。現在の名古屋市緑区のあたりのエリアのようなので、名古屋から車で地図を頼りにチョロっと出かける。

 永禄3年(1560年)今川義元は尾張を目指して西進。5月19日(太陽暦6月12日)明け方の3時頃、今川軍の先鋒松平元康が丸根砦、鷲津砦に攻撃を開始すると、その知らせを聞いて信長は幸若舞「敦盛」を舞う。史上有名なノブナガが『信長』になったシーンである。そして午前4時には小姓衆を連れて出陣、8時には熱田神社に到着し戦勝祈願を行った。
 10時頃には、信長軍の丸根砦・鷲津砦は陥落、配色濃厚となる。しかし今川本隊が沓掛城を出発し西に進んだのを察知して信長も2000を率いて東南への進軍を開始した。
 正午過ぎ、天の采配か偶然か、視界を妨げるほどの雹が降る。これに紛れて兵を進めていると再び奇跡が起きたか、雨が止む。直後の14時頃、今川本隊の奇襲に突入し刀槍をふるう乱戦を制する。

高根山から有松

高根山から有松

 ざっとこんな経緯だ。現地に行ってみると、名古屋駅近辺はご承知のごとくのっぺりとした濃尾平野。桶狭間と言うのだからそれなりの狭隘な所があるのかと地名を検索しながら行くと、名前こそ『~山』と呼びならわしている所もせいぜい『丘』がいいところ。名鉄の有松駅のあたりが最も窪んでいるようだったがその辺りは宅地化しており、桶狭間の地名はその周りに点在している。国の伝統工芸品にも指定されている有松・鳴海絞り(ありまつ・なるみしぼり)という絞り染めの有名な所だ。

1953年の田楽坪

1953年の田楽坪

 田楽坪と言われたエリアが実際に信長軍が突っ込んで今川義元を討ち取った辺りとされ、古戦場公園があった。実際にそこに立ってみても四方の見通しは利いていて、こんなところで奇襲を受けるのかと思った。2000人が突撃してくるのに余程ボヤボヤしていなければ不意打ちを喰らうのは想像し難い。1953年に偶然「駿公墓碣」と彫られた石碑や「桶狭間古戦場」と記された標石が付近の川底から発見されたので、義元終焉の地はどうやらこの辺りのようだ、としたらしい。
 

駿公墓碣

駿公墓碣

 しかしあまり『気』のようなものを感じない。日本史が変わった場所にも関わらず。
 信長軍が通ったと思われる国道一号線・東海道を挟んで反対側になる姥子山とか尾崎山といった地名を辿ってみると妙な池があり、ここだけの話義元公の亡霊が出るというヨタ話があるらしい(出所不明)。

 因みに信長は1534年生まれだが英国の女王エリザベス一世と一つ違いのほぼ同じ年代である。信長が天下布武を高らかに掲げた時点の日本は当時の鉄砲保有数世界一と推定されるが、方や英国も宿敵スペインの無敵艦隊を破り、海洋覇権国家の道を歩みだした頃に当たる。
 英国海軍と言ってもサー・ドレークは半分海賊のようなものだし、信長考案の大安宅船だったら戦闘能力は上ではなかったかと秘かに妄想する。
 当時は倭寇が玄界灘や南シナ海で暴れまわっていたし、陸上の会戦でも当時世界最大の規模で激突した碧蹄館の戦いに於いて明の名将李如松を日本軍が打ち破っている。
 アルマダの海戦はイングランドが勝ったのだが、日本海海戦のように1日で済んだようなものではない。無敵艦隊アルマダ・インピンシブルは200隻、対するイングランド艦隊130隻と多数の艦船が丸一か月以上英国を一周する形で戦われ、イングランドの勝利と言えば勝利だが無敵艦隊も約半数は帰国している。結局スペインの止めを刺すには至っていない。15年近く後、痛み分けのようにロンドン条約が結ばれる。

桶狭間のドングリ

 私は信長の天才を疑う者ではないが、現地を見た限りではかなりギリギリの作戦だった。しかしこの戦いは避けては通れず、例の雹雨が降る中でやっと腹が据わり突撃したのではないだろうか。その後奇襲戦法は二度とやっていない。むしろ『あれはフロック』と以後戒めたところに軍事的才能を感じる。
 桶狭間と思しき場所で戯れに拾ったドングリの写真だが、手慰みに捨てずに転がしている。視界が利かないほど雹が降りしきる中で『この今にしか勝機がない』と奮い立った気分を想いながら。

黄金の首 (紅蓮の炎)  

映画 『花戦さ』


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本能寺の変 以後

Categories:信長, 旅に出る

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