Sonar Members Club No.36

Since July 2013

ブログスペースを借りました 初めまして

2017 FEB 11 10:10:58 am by 西 牟呂雄

 私は西室さんの許しを得て匿名でブログ・スペースを借りて書き込んでいます。
 SMCの会員に入ることを勧められたのですが、実名・顔出しが原則だと聞いて遠慮しました。というのも私のことに気が付いた人が出て来ると困ったことになりかねないので、SMCに迷惑がかかるリスクを避けたのです。
 理由はすべて私の奇妙な精神疾患のせいなのです。
 今では『性同一性障害』とか『多重人格』が病理的に研究されるようになりましたが、以前は社会的に排除されていました。しかも私の疾患はもっとひどいのです。なかなか人に言えなくて苦しんでいたのですが、偶然このブログを読みました。

2030年 認知症で自由になる

 私は驚き、そしてこれを書いた西室さんに連絡をとりました。実は私の疾患とは動物、それも犬とか猫になりきってしまうのです。
 別に裸になって四つん這いでウロつくことではありませんが、二足歩行ができなくなってしまいます。そして通常の高さの視線に耐えられず、地べたの高さになりたがります。最も楽なのは寝転がる事ですが、屋内では落ち着かないのです。表情はなくなり、更に困ったことに喋れなくなるのです。口に出せるのは擬音だけで「みゃあ」とか「きゃん」となってしまいます。発作が収まるまでジッとしていなければなりません。誰かに話しかけられたりすると大変な事になるので人の目に付くところにはいられません。一度私が具合が悪くなったのではと気を使ってくれた若い女性に変態か痴漢にまちがえられました。以前覗き目的で側溝に潜り込んだ人が逮捕されたこともありましたね。
 意識は人間のままです。発作の間の記憶も残ります。人の話し声も分かりますし色んなことを考えることも普段通りです。試しに簡単な二桁の暗算をしてみましたが大丈夫でした。
 ただやたらと五感が冴えて来ます。特に研ぎ澄まされるのは私に敵意を持っているか愛情を持って接するのかのカンです。人間はまず愛情を持って接してくれません。うずくまって薄気味悪い男に愛情を持つ人はいません。すると私に寄って来るのは犬と猫ばかりなのです。そして犬はほとんどが繋がれていますから、せっかく興味を持ってくれてもリードを持っている人が怪訝そうに引っ張っていってしまう。したがって公園のベンチや多摩川の河川敷に寝そべっている私の側でジッと私を見たり隣で昼寝をしたりするのは猫ばかりです。猫はよほど人間に慣れていないとある距離を持って近づきません。飼い猫はこちらが動かないでいると少し寄って来てこちらを見たりします。中には30分以上目を合わせているのもいて、そうしていると孤独な自分が癒されたような機がしてきます。

 この症状をメールで西室さんに訴えたところ『一種の運動障害シンドロームじゃないか』といい、医者に行く事を勧められました。
 絶対にイヤです。
 以前一度精神科医に飛び込みで行ったところ、医者の私をバカにしたような態度と、何か新しい病名がつけられるか、あるいはどんな薬を処方できるかといったことにしか興味のないような不真面目な態度に我慢できませんでした。
 人前には出られない私の窮状を見かねて、西室さんは富士山の麓にある山荘にいても構わないと言ってくれたのです。好きなだけ猫でも犬でもなっていればいい、ただしご家族が一緒の時はマズい、と言うありがたい話でした。
 ですから必死に別の避難場所を確保しました。一日中寝そべっていて誰からも不審に思われない場所、なかなかありません。一番手っ取り早いのはキャンプ場です。何もしないでテントの中にいればいいのですから。私は車の運転ができないのでバスを使って移動できる所を見つけました。もう一つ、夜に絶対人が来ないのはお寺です。これで何とかなると思い西室さんのいうダーチャ(山荘のことのようです)に引っ越しました。
 以前は猿が現れた事もある、とのことですが最近は見かけないそうです。そして猫が時々来るとも言っていました。
 もう一つ。私の見聞きしていることを正直にブログに書くように勧められました。この障害が何か精神的な疾患であれば書くことで治療になるかもしれないそうです。更にこのブログを読んで親切なお医者様が何かの処方をしてくれるかもしれない、とも。

 ここまで書いたら物凄く疲れました。もう止めますが、今後とも宜しくお願いします。
 

2030年 認知症で自由になる

ブログスペースを借りました Ⅱ  

ブログ・スペースを借りました Ⅳ


「ソナー・メンバーズ・クラブのHPは ソナー・メンバーズ・クラブ
をクリックして下さい。」

Categories:アルツハルマゲドン

▲TOPへ戻る

厳選動画のご紹介

SMCはこれからの人達を応援します。
様々な才能を動画にアップするNEXTYLEと提携して紹介しています。

ライフLife Documentary_banner
加地卓
金巻芳俊