宝生会館にて
2018 MAR 9 0:00:37 am by 西 牟呂雄
お誘い頂き宝生会館の船弁慶を観にいきました。自身宝生流の「謡」をやる方が面白い企画だと声を掛けて下さったのです。
プログラムを見ると、鼎談に雅楽があり船弁慶の後にお仕舞までの盛りだくさんで驚いた。
そうそう、公演は「夜能」と題が付いていて、やのう、と読みます。
初めに白百合女子大学准教授の司会で邦楽奏者と能楽師が鼎談で分かりやすい解説をしてくれました。
「鼓のリズムに身を任せるように。あのリズムの基本は心拍数と同じです」
「これでお終い、というオシマイは語源が『お仕舞(おしまい)』です。今で言うアンコールのことで、能が終わった後に地謡の一部を舞ったからです」
知らなかった。
ありがたい事に雅楽も解説付きでやってくれたましたが、実は誘ってくれた方と行きがけに蕎麦屋に行き、日本酒をカポカポ飲んで来たのでこの時間に眠気が集中して襲い掛かって来て・・・。ビールで公演中にトイレに行きたくなるのを避けるための熱燗でしたが、やはりというか飲み過ぎまして。
ウトッとしかかるのを堪えて篳篥(ひちりき)、笙(しょう)、箏(そうー13弦の琴)、琵琶、を聞きます。
こうしてみると弦楽器も管楽器も打楽器も一式揃っていてるので、愚考するにもう少し弦楽器の音色が柔らかければ和音を形成するオーケストラになったのではないでしょか。
13弦の箏と琵琶を聞くと、音色という意味ではイマイチの感があり、奏者の先生の解説も『琵琶はパーカッションなんです』でした。
すると声をかけてくださった方が『鴨長明は琵琶の名人だったそうだが、あの程度の旋律に上手い下手があるのかな』と呟かれた。きっと下手が奏でるともっと穢い音がするのでしょう。
さてお待ちかねの『船弁慶』、僕は四年前に一度観ています。
この能は子方のやりてがいなくて上演回数が少ないのです。
この時は船頭役に野村萬斎さんが出ました、凄いオーラなんですね、これ。
ただ静御前の出方とか子方の台詞回しが微妙に違う。
気になって調べるとその時のシテは喜多流の人がやっていました。これは今回の宝生流との違いなのでしょうか。詳しい人、是非ご教授頂きたい。
そして最期にお仕舞があってメデタシメデタシ。
丁度酔いも醒めました。
これ、鑑賞の作法としては邪道でしょうねぇ。面白かった。
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