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梅春(うめはる)どき

2018 MAR 12 0:00:42 am by 西 牟呂雄

 喜寿庵の庭には芝生を張っていて、春先に新芽が青くなる前に枯れた芝生を焼きます。奈良の若草山の山焼きのようなものです。
 山焼きの場合、多湿の我が国ではこれをやらないと森林になってしまうので若草山などでは景観を維持するために大規模に焼くそうです。
 雑草の種や害虫の駆除に効果があるとされていますが、雑草はいくらでも生えて来るのでこれは嘘ですね。
 風下に向かってサーッと焦げて行く様は幾何学的な模様が広がっていくようで面白い。

焦げ目の模様 クリックして下さい

 写真ではオレンジ色の炎が良く見えませんが、風の吹く時は火がほとばしるようで注意していないと庭木に燃え移ることも。
 僕の二代前の爺様がつつじをまる焼けにして危うく火事になりかけた、と伝わっています。去年秋吉台で恒例の山焼きでは焼死者も出ました。竹箒・水・を用意し、スキーウェアに身を固め、あまりアチコチに燃え広がらないように注意しながら少しづつ一日がかりで焼きました。
 来週には目土を蒔いてならします。こうして春がやって来ます。

梅がチラホラ クリックして下さい

 年を取ると一年が早くなる、アッと言う間だ、とはよく聞きます。ところが去年は身内のトラブルが多発した挙句、冬がことの外寒く感じられて恐ろしく長い一年でした。
 あのドカ雪に見舞われた福井県の方々は、さぞ春が恋しい事でしょう。
 東京の梅は満開です。
 喜寿庵の梅もチラホラとほころんでいます。
 もう支えがなければ倒れてしまうと植木屋さんが言うほどの古木で、あとどれくらい保つのでしょう。せめて僕の生きている間は、と祈らざるを得ません。
 今月中には伸びすぎた欅やヒマラヤ杉を伐採します。

 クレーンを入れての大工事ですので庭が元通りになるのか、はたまた新しくなるのか。
 ですが、いる人間が代替わりしていくように庭も相応に変化していくのも自然なことなのでしょう。僕の代が後何年続きますかね・・・。

 老木の 花あわあわと 色付いて
        我もたたずむ  枯れてくれるな

さよなら

 表を掃いていたところに外人観光客の一行が通りかかりました。
「セーラだよー!」
 と手を振る人がいます。えっ。
 旧知のオーストラリア女性ではないですか。
 北富士総合大学で英語講師のアルバイトをしていたオバチャンです。
 しばらく見かけなかったので帰国したと思ってました。
 聞けばインバウンドの恩恵にあずかりたい街がセーラの手を借りて観光客を呼ぶことを企画したようです。
 懐かしくてガッチリとハグ。
 庭を案内してあげると大喜び、手を振って帰って行きました。
(写真が小さい)

 毎月遊びにきている学生も今月4人が卒業します。
 おめでとう、今晩はそのお祝いです。
 うーん、長い一年だった。また来てくれるかなぁ。

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Categories:和の心 喜寿庵

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