Sonar Members Club No.36

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狂言 蝸牛(かぎゅう) 

2018 OCT 14 21:21:05 pm by 西 牟呂雄

 『かぎゅう』という演目ですが、『かたつむり』と読めましたか。内耳にある器官のラセン状器官を蝸牛管(かぎゅうかん)と言いますがカタツムリの殻に似ているからですな。
 野村万作・万斎親子競演の狂言を堪能してきました。
 かたつむりを知らない太郎冠者が山伏をかたつむりかと思ってドタバタするという話です。
 太郎冠者は万作さんが、山伏を万斎さんが演じます。万作さん、狂言に3人いる人間国宝の一人です。
 万斎さんは東京オリンピックの開・閉会式の演出を統括するので物凄く忙しいそうです。伝統的な日本の『美』を現代的にアレンジし、壮大なスペクタクルを見せてくれると思うと二年後が今から楽しみですね。
 しかしこの方はやっぱり華があります。山伏を”かたつむり”だと信じ込んだ太郎冠者が主から怒られて、再び山伏の元にやってくると、これをおちょくり倒して謳い出します。

山伏姿

雨も 風も 吹かぬに
出ざ 釜 打ち割ろう

 太郎冠者がつられて唱和すると

でんでん む~しむし でんでん む~しむし

 と踊って見せます。角も出します。ホラ貝も見せて”かたつむり”だと説明します。この可笑しさは文字化不能ですので動画がありますから検索して下さい。いやもう達者な事達者な事。
 ところでこの『でんでん』は『出ん出ん』です。昔から殻に篭ったかたつむりに子供が『出て来い出て来い』とやって遊んだのでしょうね。
 『出ざ 釜 打ち割ろう』これはどんな意味が込められているのかわかりません。どなたかご教示いただけませんでしょうか。

 えー、続いてのお能は「恋重荷(こいのおもに)」というお話です。
 解説によれば美しい姫に懸想してストーカーになったオッサンがパワハラで死んでしまい、亡霊になって出てくるというのですがねぇ・・・。
 途中で爆睡してしまいまして、すみません。太鼓と鼓を聞いている内に。

宝生会館にて

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Categories:古典

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