テリー!テリー!テリー!
2023 AUG 26 11:11:01 am by 西 牟呂雄
会場を埋め尽くすファンの大合唱とともに血まみれのテリーが拳を振るう。左利きのテリー・ファンクが繰り出すナックル・ストレートに酔いしれたものだ。
名曲『スピニング・トーホールド』の軽快なメロディーに乗ってそろいのジャンパーを着たファンク兄弟が入場するだけで観客は大喜び。ここでもテリー・テリー・テリー!リングの中から応えると大歓声が沸き起こる。どんな相手にも怯まない闘志、ダメージを食っても起き上がるガッツ、僕が最もプロレスにのめり込んでいた頃のスーパー・スターだった。そのテリーが死んじゃった・・・。
この人は日本に於いて絶大なベビー・フェイスだったが、実はアメリカでは地区によってヒールのキャラで Most Hated の上位にいつもいた。そして僕なんかはその魅力に取りつかれたのだった。
少し専門的になるが、日本でのベビー・フェイス・キャラを立たせるにはやや無理があり、例えば相手のラフを受けるパターンは限られていた。大体コーナーボストに振られるとひっくり返って足がロープに絡まる。
それが、ヒゲを伸ばして黒いバンダナを巻きロング・タイツでハード・コアのデス・マッチを戦うときなど、実に鮮やかな切れ味だった。ECWに参加した際には『チェーン・ソー・チャーリー』なるクレイジーなキャラで出てきて大暴れした。
この頃はギミックなのか感情を抑えることができないで暴走・流血の試合ばかりしていたが、一説によると膝が悪くその痛みを抑えるためにオピオイド系の鎮痛剤を多用していて精神的にもアブなかったとも。
そういう文脈で語る場合は、日本のプロレス・マスコミが命名したテキサス・ブロンコという呼び名は似合わなかった。もっと荒々しいカウボーイキャラの方が良かった。そうですね『レッド・ネック・サイコ』とか『ホワイト・ヘル・ボーイ』とか・・・。
ファンク兄弟の代名詞のように言われるスピニング・トウ・ホールドだが、初来日のころは目を見張ったものの次第に研究されて決め技にはならなくなった。僕としてはむしろローリング・クレイドル・ホールドの方がプロレス的に好みだった。
晩年は認知症やパーキンソン病を悪化させて施設にいた。
テリーよ、安らかに眠れ ー合掌ー
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Categories:プロレス
西 牟呂雄
8/28/2023 | Permalink
追悼番組でもなかろうに。
本日、BSテレ東の映画、オーバー・ザ・トップをやっていた。
スタローン主演の父と子のロード・ムービーなのだが、スタローンは義父の大金持ちと対立しながらラスベガスのアーム・レスリングに向かう。
するとその義父のボディー・ガードにヒゲのテリー・ファンクがいるではないか!。スタローンに投げられてガラスを突き破るシーンだったが、以前に見たときは気が付かなかった。
カッコいいなー。