日本の分断
2021 MAR 8 0:00:26 am by 西 牟呂雄
コロナ禍の元、はや1年が過ぎようやくワクチン接種が始まった。この1年というものほとんど山荘で暮らし、それでもヨットにも乗りスノボもやった。やらなかったのは飲み歩くことだけで、家飲みのコストが上がっても純粋にビール・焼酎だけでは大したことにはならないのが分かった。これでは個人消費が上がらないと実感した。
一方では企業業績は回復しつつある。消費を抑えて所得があまり落ちなかった結構な人々は車の買い替えに走ったらしい。さらにジャブジャブの金融政策で株価は3万円に達した。ただ、株を買い越しているのは外人のようで、企業業績を反映していない、すなわちバブルなのだな。
ここまではいいとして、さて長きに渡った厄災の後にパラダイムシフトが起きるかも知れないと警鐘を鳴らしてきたが、その姿が透けて見えてきた。
いくつかの条件が不透明ではあるものの、消費の急回復が見込まれそうで、それも余程の外的要因がマイナスに働かなければ比較的長続きしそうである。更に脱炭素というグリーンエコノミーが新たな投資を呼び、様々なイノベーションも含めて大きな成長要因となるだろう。
少し時間を戻して、昨年は日米の指導者が変わった。アメリカではバイデン大統領が誕生し、日本は菅政権がスタートした。しかしいずれも前政権の影を引きずっていると筆者は見ている。菅総理ははっきりと安倍政治を引き継ぐと公言して後継となった。その長期安部政治への支持率は辞任を表明した時点で共同通信の調査では30%台から20ポイントも跳ね上がった。トランプは敗れはしたが7100万票も獲得しアメリカの分断を一層明らかにした。7100万票はオバマ大統領の獲得票数よりも多いのだ。
即ち、日本の場合は大方の民意はスムースに後継を選び、アメリカは改めて分断が浮彫になったと言える。いや、むしろアメリカの分断がトランプを生み出したのだ。ティー・パーティー運動やサラ・ペイリン副大統領候補の動きがあったではないか。おまけに民主党にバーニー・サンダースという対立候補がいた。
日本はその時期にソフト右傾化を巧みに舵取りした安倍政権により安定していた。例えば悲願とまで表明した憲法改正には抑制的だった。
大変面白い社会分析アンケートでボーター・サーベイという手法があり、読んで字のごとく投票行動に対する調査だ。国際政治学者の三浦瑠璃氏の著作で知った。設問に答えることで縦軸に社会的な保守ーリベラル、横軸に経済保守ーリベラルの4象限に分ける手法で、第一象限から反時計回りに保守・ポピュリズム・リベラル・リバタリアンと分析している。
アメリカ人の投票行動をこの手法で分析すると保守とリベラルの二つの塊が出現し、それが共和党と民主党の支持者にピタリと重なる。ところが同じ調査を日本でやると投票者は全象限にバラけてしまって偏らない。
著者が日本の政治家を採点してみたところ、第一象限=安倍晋三、第二象限=原口一博、第三象限=枝野幸雄・山口那津男・山本太郎・志位和夫、第四象限=橋下徹、ド真ん中に石破茂、となっている。因みに簡易テストを自分でやってみたところ第一象限の遥か上の方に行ってしまい統計的に管理外になってしまった。即ち私の意見は永遠に反映されないという事だ。
ところで、自公連立というのは保守層にリベラルが従属する理想的な形であることがハッキリする、この構造を倒すには立憲・国民・共産の連立がなければ選挙で勝てない。安倍政権が安全運転に徹して改憲を大きな争点にしなかったため、連立政権はあらゆる層からの票を掘り起こして勝ち続けた。給付金を公明党に合わせて一律十万円に切り替えたのが典型的なケースだ。
三浦氏はさらに分析を進め、日本人の本音と建前構造にまで掘り下げていくのだが、詳しくは著書の方を見ていただこう。
実は日本に関する調査はコロナ禍の前に行われている。2020年の1年間でどれ程国民が痛めつけられて意識が変わったのかどうか。或いは全体にバラけていたものがどこかの象限に移動したのか。
この調査には年代が付記されていて年代の分布が分かる。するとリベラルのゾーンは何故か年齢構成は高い。団塊世代が中心かとも見える。おそらくこの年代は全共闘運動にも重なっていて、いまさら保守とはいかない。コロナ禍の打撃は比較的少ない。
一方の保守が意外と若い世代の支持が高いが、人数そのものが高齢者に比べて少ないので投票行動についてはいわゆる無党派層となっている。ここは学生も含まれていて、実質コロナの影響をもっとも被っている年代である。貧困の問題も深刻なケース(若いシングル・マザー、コロナ失業者、アルバイト学生等)も多く、流動する可能性が高い。
ただしその場合でもいきなり保守⇒りベラルへの移動はないのではないか。昨今の不祥事(森失言・総務省接待)への野党の追及姿勢があまりにも礼を失したありさまに、かえって野党の支持率が下がったことを考えるとリベラル系の政治家への支持にはなり得ない。三浦氏の分析では菅総理は保守ゾーンではなくリバタリアンに位置しており、ど真ん中の位置にいるのは石破茂なのだ。保守からの流動はせいぜいそのレベルまでだろう。
今のところ日本には移民による人種問題はない。すると上記仮説からもわが国には分断は起こり得ないという結論になる、いまのところは、だ。
おそらく二つの理由による。一つはあれだけ持て囃された『新自由主義』であるが、調和を好む日本に本質的になじまず、その恩恵による富裕層という者が『層』として形成されなかったこと。一時ヒルズ族と呼ばれたIT長者がいいところまで行ったが、社会的に認知される前に統廃合されてしまった。もう一つは中産階級全体が20年以上も続いたデフレにより地盤沈下したため、多くの場合格差が拡大していると認識していない、と見ている。
筆者は政治家ではないのだが、せっかく格差・分断に覚醒していないのなら、なるべくそのままの状況を維持する政策が望ましいと思う。そのためには少し前に大流行したトマ・ピケティが主張したように、累進性の高い税率で分配する仕組みに持っていかざるを得ない。その場合の線引きは・・・。
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半藤一利さん
2021 MAR 1 0:00:51 am by 西 牟呂雄
僕はこの人の書いたものに先導されて昭和史に凝った。大変に綿密な取材と考証で当時の世相を学んだのである。海軍関係は特に造詣が深く、ご自身も海軍贔屓を公言していた。身内に海軍関係者が多かった身としては耳障りのいい語り口だった。
向島の生まれで、戦中に長岡に疎開、戦後は銀座に本社のあった文芸春秋社に長く勤める。好きな人物が勝海舟・夏目漱石・山本五十六・司馬遼太郎だろうか。海舟(向島)・五十六(長岡)あたりに地縁を感じて面白い。
勝海舟という偉人は毀誉褒貶の激しい人で、ゴリゴリの佐幕派からは嫌われることも多く、確かにしゃべりすぎるところが無きにしも非ず。頭も切れて腹も座っているのだが会ってみたとしたら案外鼻持ちならないところがあったような。西郷や龍馬のような田舎者を煙に巻いたと言ったら言い過ぎなんだろうが、いや、偉人ですよ大変な。
余談であるが、維新後に福沢諭吉が勝海舟を『痩せ我慢の説』で攻撃したせいか、慶應義塾出身者が勝を軽んじる風潮があり、某塾長と半藤氏が大ゲンカしたことがある。
ついでにあれだけのインテリにして惜しいのは、先の大戦に対する評価。日本の自衛という所には全く光を当ててくれなかった。陸軍悪玉説に傾きすぎて、中国の国内事情の複雑さ(性悪さ)を甘く見ている。まぁ実際に大空襲に会った方なので、筆者の及びもつかない思考遍歴を重ねられてのことであろう。氏の業績を尊敬して止むことはない。
『歴史探偵忘れ残りの記』を読了した。
氏は昭和5年の生まれ、下町の悪ガキを自称されている。書きっぷりの端切れのよさが神田生まれの筆者にはなじみがいい。著書の中に『わが銀座おぼろげ史』という章があり、文芸春秋社が銀座にあった時代の描写が秀逸である。
その書き出しを読んでニヤリとさせられた。子供の頃はせいぜい浅草止まりで戦前に銀座に行ったのは小学校3年生の時だったという。
ところで下町というと一般的には義理人情のはびこる落語の八ッつあん熊さんの世界という印象かもしれないが、実は縄張り意識がものすごく強い。ほとんどが職人だった昔は、住んでいる所と働く所と遊ぶ所が同じため、ヨソ者が入ってくるのを警戒するのだ。マンション暮らしの勤め人ばかりである今は違うだろうが、大人から子供までそういう気質だから筆者のチビの頃は喧嘩が絶えなかった。その縄張りはおおざっぱにいうと区立中学校の学区くらいの規模だ。そして他所のことをクソミソに悪く言う。
神田あたりの連中の意識はせいぜい銀座までが守備範囲で墨田川の向こう側なんかは狸が出るような所だという感覚だ。『粋な深川いなせな神田、人が悪いは飯田橋』という言い方があった。
その認識から言えば『だから大川(墨田川の言い方)の川向こうはいやだぜ。ザギンに来たこともねえカッペばかりだ』ということになる(現在の住人の方ごめんなさい。いまではそんなこと思ってもいません)。すると半藤さんならこう言うだろう。『神田なんざ花街もねえような野暮な所じゃねえか。祭りが無きゃただのヤッチャバ(市場のこと)だろ』
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マクシミリアン・ロベスピエールの最期
2021 FEB 21 11:11:41 am by 西 牟呂雄
かのフランス革命のヒーロー。ジャコバンの総帥となり多くの政敵を断頭台に送った公安委員長。テルミドールの反動によって処刑された。秀才で極々まじめな理想主義者だったと思う。どうして分かってくれないのか、とかつての盟友を次々に処刑した心境はいかばかりか。
あまり柔軟性のない人の言うことを聞かない人だと思うと、筆者としては付き合いたくないタイプかもしれない。だが近しい人には愛情を注ぎ冗談も飛ばしたと言われている。とにかく抜群の秀才だったらしい。
フランス革命は複雑な経緯をたどり、国王を殺しナポレオンの登場を招くのだが、このブログは世界史の授業ではないから割愛する。
ロベスピエールの最期をたどっていくと、革命の終焉に見られる倦怠・退廃といったものがヒシヒシと伝わってきて大変に興味深い。このテの革命騒ぎは必ず大騒ぎの後に権力闘争が始まり独裁に至る。筆者の知る限りではアメリカ独立戦争と天皇制が続いた明治維新が例外ではないか。ただしアメリカは黒人奴隷制度と先住民の虐殺を内包しており、日本においても後に軍部の独走があるにはあった。
この点、目下のコロナ禍をひとつの革命と見立ててみると・・・。仮に中国の発表が真実だとすれば(違うとは思うが)独裁体制の方が効率的に体制立て直しに成功し、民主主義はいったん後退、その後に徐々に回復するにつれ復活するといった経緯をたどるのではないか。
さて、ロベスピエール率いる公安委員会はテロの語源となったテルール(恐怖政治の意)を1年も続けているうちに深刻な内部分裂をきたしていた。そしてここが問題なのだが、くたびれ果てたロベスピエールは約一ケ月もの間姿を現さなかった。その間に反対派の工作が進んでしまったのだ。
7月26日(革命歴テルミドール9日)に国民公会に出席したロベスピエールに対し猛烈なヤジが飛び、大混乱の中ロベスピエール一派のプロスクリプティオが全会一致で採決された。
このプロスクリプティオとは何故か古代ローマの共和制で2回執行された、司法の手続きを経ずに追放・死刑執行ができる制度で、この革命の混乱のさなかに誰が持ち出してきたのかよくわからない。ドサクサに紛れて知恵のあるものがあたかも自然法のように呪文を唱えたのか。こうなるとまるで学生運動のノリだ。それもそのはずでロベスピエールが36歳、死の天使サン・ジェスト26歳、パリの国民衛兵司令官アンリオが29歳という青年の革命である。
更にこのコップの中の嵐に対して一部のパリ市民は訳が分からず国民衛兵200人と市民3500人がロベスピエールと共にパリ市庁舎に立てこもり、反対派はチェイルリー宮に陣取り一触即発の状態だった(この時点でアンリオ司令官は泥酔していた)。
だが、ロベスピエールはこの先頭に立って武装蜂起を促すでもなくグズグズするばかりで頗る振るわない。とうとう国民衛兵は夜になると帰ってしまうのだ。側近はロベスピエールに武装蜂起の議定書へサインさせようと迫ったところ、ロベスピエールは考え込んでしまう。やっと筆を執ってR・Oと書き始めたそこへ国民公会が派遣した憲兵隊が雪崩れ込んできた。
一般的な史実ではここでロベスピエールが拳銃を引き抜いて自殺しようとし、失敗して左の顎の下を打ち抜いた、とされている。
実はこれに別の説があって、踏み込んできた憲兵のメルダがいきなり発砲したと後に語っているのである。この議定書は今でもパリの革命博物館に複製があり、ロベスピエールの血痕が点々と付いている。見た人によるとそのR・Oは誠に小さいサインで、気力も何も感じられない字という。一方でロベスピエールの所持した拳銃も残っており、発射した痕跡はないとされる。
こうなると幕末の龍馬暗殺のように本当のところは良く分からない。メルダは後にフランス陸軍の准将になるが、出世してから発砲したことを話している点、少し怪しい。
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しかしながらその時点では死んではいない。後日ギロチンにかけられたジャコバン一派の処刑図があるが、拡大してみるとギロチン台の向って左側に処刑待ちの男が何人も立っていて、その中に顎をハンカチで抑えている情けない姿で描写されているのがロベスピエールだ。理想を掲げた秀才が、内部闘争の議論に明け暮れ消耗し、あまりに凄惨な処刑をやりすぎて神経が焼き切れたのかビビったのか。拳銃を持っていたならば踏み込んできた憲兵の何人かを道連れにでもする気迫がなければ革命を成就することはできないだろう。夜になったからといって国民衛兵が帰宅してしまうとは革命遂行中とも思えないユルさである。
ロベスピエールがその後の歴史を知っていれば、陰湿な議論に明け暮れずにもっと早い段階で迷わず武力によって反対派を抑え込んだだろう。世界史のハイライトとして学ばされたフランス革命そのものやロベスピエールに対し、筆者が好感を寄せられない所以である。結果としてナポレオンの独裁を招いて終わり、革命の歴史そのものをたどってしまった。
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森失言は悪いに決まっているが
2021 FEB 12 0:00:39 am by 西 牟呂雄
そりゃ、あれは悪いですよ。ああいう立場の人が言っていいことじゃないので、十分反省してもらって今後立派に勤め上げてほしい。
だけど辞めなきゃならないほどとも思わないな。謝って撤回してるんだから『お爺ちゃんいい加減にしなよ』くらいで済む話。八十翁が口を滑らせただけでしょ。世界がどう言ってるかは関係ない(筆者はアンチ・グローバリストなんで外国がどうこう言ってくると反射的に開き直る癖がある)。時間の感覚が無いのではないか、と思うほどいつまでも自分の意見を主張したり、アーでもないコーでもないと同じ自慢話が長いのはオッサンも多いよ。
おそらく直近に、時間が迫っているのに特定の女性がまくしたてて往生した経験がトラウマになってあのマヌケな発言になったと推察する。普段イエスマンに取り囲まれている典型的な老害である。だが、繰り返すが辞めなきゃならないほどの話か。
森センセイは元々文教族でスポーツ関係では世界中の要人とパイプが太い。更にコスト切りのプロで、今回も知事の引っ掻き回しや延期にかかる予算の膨れ上がりに辣腕を奮っていることはクロウトの間では知る人ぞ知る。
それに、もし本当に今年実施されるとすれば、もうあまり時間がないところに新しい頭を据えたら現場がどんなに大変か、組織を運営した者なら容易に想像がつく。辞任を言い立てるのはある種の意思(オリンピックを成功させたくない、といった)が働いているのか、ほかにネタがないからマスコミが飛びついたのか、と勘繰らざるを得ない。
例えばあの森氏の逆ギレ発言を引き出した記者の下品な質問である。あのエラソーな物言い、煽り方、お前は何様でどこかの工作員か、と聞きたくなる煽りだった。あんなのを見ると(無論マヌケな失言はマズいが)森氏よ十分反省してガンバレと声をかけたい。
同じく、ガースーへの無礼極まりない質問をした野党参議院女性議員にも同じ下衆の志の低さを感じた。ここが名前の売り時とでも思ったか、必ずしも雄弁ではない総理に『国民に伝わらないんですよ』とまくし立てる。あれで共感を得る国民はいるのかも知れないが、それは違うのではないか。こんな質問で時間を費やすとあのマズイ森失言もありになってしまうではないか、女性議員さん。ここもやはり筆者としては、がんばれガースーと言わざるを得ない。
ただ、その無礼な質問に対し目を据えて『失礼ではないか』とドスを効かせたガースーは迫力あった。近いうちにその議員周辺のスキャンダルが出る予感がする。あんまり調子にのるなよ、の警告だろう。
そもそも組織委員長はボランタリーに勤めているのであって、政府ともJOCとも別建ての団体なのだ。国会で取り上げるような話かね。ミャンマー情勢とかワクチン搬送とか景気対策をやってくれよ。
だいたいそういう役職に就いてくれるのは功成り名遂げてヒマな名誉欲だけが旺盛な人しかいない、あれ会議だらけで忙しいんですよ。辞めさせたところで後のなり手がいない。それなりの重みの人はなかなか探せないし今更受ける人なんかいない。どこかの皇族がいいかもしれないが適任なのは高円宮妃殿下久子様くらいだろう。海の王子?まさか。
そうこうしている内に炎上騒ぎになって、朝から晩までワイド・ショーがこの話に明け暮れているそうじゃないか。そうなると寄ってたかって非難声明を出さないと、お前もそうか、の魔女狩りに巻き込まれる。一番辞めたがってるのは本人じゃないのかね。野党の女性議員の白装束は薄気味悪いし、とうとう某知事は嬉しさ丸出しで会議を欠席するパフォーマンス。ポピュリストは気楽でいいよね。
改めて、森失言はダメですよ、ダメ!だが筆者は、あんなお爺ちゃんはそういう頭だからしょうがない、としか思わない。だけどこうガンガンやられているともはや手遅れというか勝負あったね。バスに乗り遅れるなの大合唱。しばらく選挙は打てないだろう。
そして当然の事であるが辞任。後任は川淵三郎、この人は選手村の村長だから何とかはなるだろう。世の中はそんなもんですか、オレは群れるのが嫌いなだけのスネた年寄りなのだな・・・。
実はこの森という人は座談の名手で、話せば大変面白いオッサンだ。さる縁で偶然話を聞いたことがあってファンになった。総理も同じように辞任したが、その経緯は抱腹絶倒モノの語り口だった。
プーチンとの交流も巧みであったし、李登輝の訪日ビザ問題でも気骨を示した。ラグビー・ワールドカップの招致にも手腕を発揮。
こういう所、誰も評価しないので念のため。もう少し脇を締めてくださいよ、遅いけど。
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冬季夜間落水救助訓練
2021 FEB 6 0:00:08 am by 西 牟呂雄
2021年である。緊急事態宣言も延長され、どんな年になるのか全く分からない。みんな同じだ。
すっかりルーティーンが狂ってしまったが、いつまでも嘆いてばかりはいられない。とにかく海の安全だけでも確保しようとハーバーに集まった。ここではソーシャル・ディスタンスはスカスカだし岬の突端だから風はいつも吹いている。ハーバーはとても静かに新年を迎えていた。我流安全祈願祭をやり海の神に酒を捧げ、自分の胃にも注ぎ込んみ、船内をアルコール(酒ではない。本当のアルコール)で拭いて清めた。
海面に小さなさざ波が立っている。浮き桟橋からよく目をこらして見るとボラがキラキラと日の光を反射していた。すると水鳥がスイスイと寄ってきてスッと潜ったと思ったらボラを咥えて浮いてきて、そのまま丸呑みした。のどかである。
さて、今年はどうしようか。スキッパーはオリンピックがあればヨット競技のボランティアをやるためオリンピック中は航海できないし、その他レースもできるかどうか。去年は伊豆の島からできるだけ来るなのお達しがあった。目下の状況が収まってくれなければ今年も嫌がられるはずだ。保田・真鶴・熱海・伊東あたりどうなんだろう。
クルーは全員前期高齢者になったが、船はこれだけ手を入れているからあと10年もつのでそれまでがんばろうか。
ほかの船も新年顔合わせで来ていて、ヨシッ、バーベキューでもやろうか、となった.直ぐに買い出し班と設営班(簡易コンロだが)が動いて料理班が野菜を切り、かんぱーい。それぞれの船から飲み残したウイスキイや焼酎・日本酒が出てきて酒池肉林になる。僕はやかんで温めた熱燗を飲んだ。
するとですな、酔いがまわるんですなこれが・・・。
キャビンで目が覚めた。寒い。トイレに行っておくか。皆寝たみたいだな、ヨッコラショ、と桟橋に飛び降りようと・・・した。
ダダン!ジャボーン!アーッ(僕の声)
34フィートのクルーザーでは海面からデッキまで届かない。おまけに厚着をして靴をはいたままでは泳げたもんじゃない。浮き桟橋に掴まろうとしていたら靴が脱げた。
ところでこの時期の海水温は15℃くらいで、落ちてしばらくは”寒い”とはあまり感じなくて、いい気持ちとは言い難いが凍え死ぬとも思えなかった。
デッキで倒れた時の音と直後の水音で寝ていたクルーが起きてきた。
「おーい、意識あるか」
「あります。水も飲んでません」
「ぎゃはは。ほら掴まれ」
二人掛かりで引き上げてくれた。途端に物凄く寒くなった。
「早く脱いで脱いで、着替え持ってるの?」
「オレシャワー・ルームの電気付けて来る」
「あっ着替えならあります」
「急がないと風邪ひくよ。このご時世に熱なんか出したら非国民扱いだから」
みんなが親切にしてくれるが、その表情は明らかにニタニタ笑っていた。そしてパンツ一丁になった僕はあまりの寒さに震え乍らグルーミング棟にヒョコヒョコ(はだしで)歩いて行き、熱いシャワーを浴びて寝た。
翌日、ボケーッと起きてコーヒーを飲んでいると桟橋が騒がしい。
「夕べは大変でしたね」
「いやー、まさか落ちると思ってなかったから驚いたよ」
「本人どうしてます」
「のんきに寝てるよ。危なかったよ、ポートサイドだから上がれなくてね」
どうも、昨日の落水のことを話している。何で知ってるんだ。人がいなくなったのでこっそりとキャビンから出ていくとクルーはニヤニヤしている。夕べのドジを平謝りに詫びて、先程の会話について恐る恐る訪ねた。何でもう知っているのか、と。
「あれだけの騒ぎだからほかの船もみんな見てたよ」
「・・・・」
酔っぱらっての落水など、ヨット乗りとしてはあるまじきミス!そこで僕は提題の『冬季夜間落水救助訓練』だったことにしてくれ、と頼み込んだ。すると・・・。
「今更遅いよ。あの騒ぎに気付いた××××(遠くに停泊していた船)のクルーがパンツ一丁でウロウロしてるところを動画で撮ってハーバー中に配信したんだよ」
何たる。動画を見せられた。消去してくれ、と泣いて頼んだが無視され永遠に残ってしまった。
この話は続きがある。今年93歳になる僕のオヤジは大学ヨット部OBで、この顛末を聞いてこう吐き捨てた。
「お前もうヨットか酒のどっちかやめろ。この恥さらし」
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マー君が帰って来る 大変だぁ!
2021 JAN 30 10:10:58 am by 西 牟呂雄
メジャーでの活躍を喜ばしく見守っていたら何ということだ、マー君が日本に帰って来るとは。それは日本球界のためには素晴らしいことであり、またあの投球をナマで見られるのは楽しみでもある。
だが我が日本ハムファイターズはどうしてくれる。相手は24勝無敗のスーパースターだぞ。
情けなくも今期5位に終わった成績は、53勝62敗である。そのうち楽天とは10勝11敗といい勝負をしていた。マー君が4試合先発してくるとして、1回くらいはマグレ勝ちするかもしれないが、そうなると50勝65敗5引き分けとなり、これはもう最下位だろう、冗談じゃない。栗山マジックなんか通用しない。
こうしてはいられない、と監督に至急テレパシーを送り秘策を練ることにした。
だが監督からは何のレスポンスもない。来季は「非情に徹する」と言ってはみたもののできることは清宮を二軍に落とすことぐらいなのだろう。
そこで筆者がシュミレートしてみたのだが、まともにやったら絶対に勝てないことが分かった。中田がシーズン30本ホームランを打つとすると対戦相手1チームに各6本打つ。それを、よそのチームは4本にして楽天にだけ14本打つことにする、更に田中の先発する試合に集中させても4点もぎとるのがやっと。だが田中からそれ以上の得点は望めない上に、ファイターズのガタガタなピッチャーが何点取られるかわかったもんじゃない。田中には1勝するのがやっとである。しかもそんなことが本当に起こったら他のチームで負けが混んでドベに拍車がかかること間違いなし。
どうすりゃいいのか、迷惑な奴が帰ってきたもんだ。
しかしまだまだ秘策はある。
まず年棒20億円を払ってダルビッシュに帰ってきてもらうことだ。ついでにエンゼルスをお払い箱になりそうな大谷も連れてきてもらい、こちらはバッターに専念させる。大谷は去年働いてないから少しは安いだろう。
そして田中の先発には斎藤佑樹をぶつけて甲子園の決勝戦を思い出させ、イヤな気持ちにさせる。
それでもダメならハニー・トラップでも何でもやり、バッターは故野村監督の被り物でささやきうんざりさせる・・・。
ここで気が付いた。そうまでやっても57勝57敗6引き分けの5割にしかならない。ホークスの背中は限りなく遠いのだった。
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前期高齢者 緊急事態宣言下のゲレンデに立つ
2021 JAN 25 0:00:12 am by 西 牟呂雄
密を避ける。喋らない。接触しない。マスク。サングラス。コサック帽。完全武装でスックとゲレンデに降り立った我が雄姿は、日露戦争時の日本騎兵とも見紛う凛々しさだった。
首都は戒厳令下だが、一足早く喜寿庵に脱出していたのでこうしてスノボを楽しむことができた。
去年、前期高齢者デビューしたものの、コロナの波状攻撃により結果として1年間というもの雌伏せざるを得なかった。そして今年も未だに厳しい状態が続いているものの、このままで終わらせてなるものか。
しかしながら非常事態である。絶対にコロナに罹ってはいけない、みんなに迷惑がかかる。次に転倒してはならない、この年では骨折しかねない。するとバカにされる。最後に疲れてはいけない、去年しみじみ味わったが抜けないのだ。たまらずマッサージを受けたくらいだ。
非常事態宣言が出されたこともあるし、ゲレンデはガラガラかと思いきやこれが結構な人出だった。もっとも考えてみればスキーヤーもボーダーもそもそも防護服みたいなウェアであるしゲレンデはオープン・スペースなのでリスクは小さい。
しかし驚いたのはそれだけではない。リフト券売り場、ゲレンデの端っこでは新たに観光に来たはずもないアジア系の言語が飛び交っていて、こいつらはマスクなんかしていない。帰国できずにそのまま居続けているのか、いずれにせよのんきなもんだ。それも2~3人というレベルじゃない。
誠に不謹慎とは思うがオリンピックの聖火リレーの際に、どこから湧いて出たかと肝を潰した某国の赤い国旗がウジャウジャしていたのを思い出した。コロナの本家のくせにデカい面すんな、な~んてことは言いませんよ、ヘイトになっちゃいますからね。
で、一応シーズン初めなのでけがしないようにチョロッと滑ったが、やっぱり脚力は衰えていると言わざるを得ない。メイン・クアッドの長い中級ゲレンデを4本でワン・セットにしていたが、情けないことに2本で息が切れた。
14か月前に癌の手術を受けたが、その後何故か体重は5kg近く増えた。人からは『コロナ太りですか』と聞かれるが、普段から何もしていないから関係ない。飲み会が無くなって酒の量が減ったかと言えばそうでもない、家でガブ飲みしてむしろ切れ目がなくなった。要するに圧倒的な運動不足なのだ。よーし、今シーズンは元に戻すまで鍛えるぞ!
(1月11日時点の決意です)
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今更何だ!
2021 JAN 15 0:00:21 am by 西 牟呂雄
『マスクで感染を防げるというエビデンスはない』
なるほどそうかも知れない。それでは何故マスクをすることが推奨されるのか。不思議だと思いませんか。
それが最近分かった(推定だけど)。
このところの感染拡大は人が人とマスクを外してメシを食いながら大声で会話することがマズいのだと喧伝されている。相手が症状が軽い感染者だから広がるのだと。そういうキャリアが任意の人に移りにくくする効果はある、従って『あなたも陽性かもしれない。マスクを着用して感染が広がるのを控えてください』と言えばいいのだ。大体これ以上医療崩壊が進んだら結果は『命の選択』をせざるを得なくなる、重症患者で高齢者より若い人を優先するような。私は前期高齢者である。
ではなぜそう言わないのか。
そんなことを言ったら感染者と発表している、東京で言えば一日千人を超える人数の何倍もの陽性がいるのが大っぴらになるから。するとバカがパニックを起こして何をするか分からない。野党が恐ろしく下らない追及を始めるとか、都知事が「国の管理が云々」などと後出しジャンケンみたいなことを言い出して政治問題になる。
そもそも国がやるべき対策はワクチン開発とか水際の入国管理を強化すること、後は食えなくなりそうな人へのカネのバラまきくらいしない。これ、役所の事務手続きの手間を考えれば前にやった10万円一律のようにやるしかなかろう。どこぞの知事のように『国が緊急事態宣言を出してくれ』と責任転嫁するくらいならその前に『歌舞伎町を封鎖する』とでも言って本当にやっておけば喝采した。
筆者の見立ては風俗店とキャバクラ・ホストクラブがクラスターの2大温床で、最近の家族感染はこっそり行った者が経路不明と称して広めているに決まっている。誰もはっきり言わないが。
大晦日に1000人を超えた。その晩の北東に上がったのがこの真っ赤な月だ。
勝負の三週間をやってこれだ(といっても他国に比べればはるかに少ないが)。政府がどうしたも何もなかろう。第一波の時のモデルを忘れたのか、接触を減らしまくるしかなかろうに。それも言われてやるのではだめで、自分で考えていい具合に接触を減らす。後は極端に言えば自己責任とか運が悪かったといった範疇でしか無かろう。
そしてついに緊急事態宣言に至った。すると1都3県は施行の前に飲食店の時間短縮を発表する。横取りして自分の功績に見せようというのがミエミエで実にやり方があざとい。4人でやらなきゃできないのかよ。
宣言が出された日には2000人越え。
この日の野党のコメントがまた一段とひどかった。「国会答弁に総理が出てこないのは政府の緊張感が感じられない」だと。総理はお前の下らない質問に答えてるヒマなんかないんだよ。
ワクチンが行き渡り集団免疫ができるまでは元に戻らない。それがいつになるのかは分からない。そしてそのことを覚悟しなければオリンピックなんかできない。筆者はオリンピックに限って言えば実行可能だが、今の根性では難しいという考えだ。すなわち、陰性の選手しか参加させない、観客も検査する、又は無観客でやるくらいの対策を徹底させる。それでもオリンピックの価値・選手の誇り・開催国の威信は保たれ、経済効果も少なくはない。非難轟轟だろうがそれでもやる覚悟はあるのか。
また、今後も変異し続けるウィルスに開発中のワクチンが効果をもつものかの検証は未知の領域とも聞く。
緊急事態は首都圏だけでなく栃木県と中京地区、関西地区、福岡県にまで広がった。
やれ「Go To」を止めるの続けるの、営業時間を伸ばすの縮めるの、遅すぎるの早すぎるの、今更何だ。マスコミが反対意見ばかり煽るのはいかがなもの、それどころか政権内部でも足の引っ張り合いの兆しがあるのは亡国の黄色信号点滅に見える。あちら立てればこちらが立たず。ガタガタ言ってないで断固自分のことは自分で守れ。そもそもお上に頼まれてやることじゃない!覚悟を持って長期戦に備えよ!
ついでに言っとくけどそこらをウロウロして足を引っ張る輩、中国みたいになりたいのか?少しは医療関係者の迷惑考えろ!
ところで、その覚悟が出来ないワーク・スタイルそのものは近い将来滅びていくのではないか。春先の緊急事態宣言時に比べてはるかに緩んでいる現状を見ると何年かかるのか。
それだけではない。AIを駆使したデジタル化に乗り遅れ、テレ・ワーク、リモートにソフトランディングできなければ生産者ですらまともに生きていけなくなるかもしれない。誤解を恐れずにあえて言えば年金生活者の子供世代、即ち団塊ジュニアがニートや引きこもりだった場合は、絶対に中産階級には戻れず政策の手を借りなければホームレスだ。
一方そういった「覚悟」をした場合のライフ・スタイルはどうなるかというと、意外と非合理的なものになると思われる。お手軽で安易で容易なものではないものが人々、特にオジサン・オバサンに定着する。筆者自身が好むところだとも言える。オジサン道とでも言おうか。そういえば既にこういうことを書いている。
要するに直ぐ出来てしまうモノとかコトではない、なるべく手間ヒマかかることを少しづつやる。楽しみは後に取っておくようなスタイルになっていくのではないか。無論すべての人には当てはまらない。
しかしこのスタイルのいい所は、上記団塊ジュニアの一部にもなじみやすいことである。若い方々は知らないだろうが、嘗てはヒッピーと称して何もしないでヘラヘラしているのがいた。このグループは最終的にはヤマギシ会に行ったり帰農したりして社会に溶け込んでいった。もともと引きこもりなんだからコロナが収束するまでジっとしていてくれればいい。みんなで慎ましく暮らすわけだ、便利な暮らしから効率の悪さを楽しむというシフトだ。
しかしねぇ、若い人には無理だろうな。
アッ、ネットとかでガツガツ稼ぎたい人はどうぞ。そういう人はオジサン道とは遠い人ですから、ご自由に。
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令和三年 滋養神社お告げ
2021 JAN 7 0:00:17 am by 西 牟呂雄
昨年のお告げでコロナ禍を全く予言できなかった。今年は遠慮しようかとまで思った。しかし元日の厳かな日の出に向かって祈りを捧げていると聞こえて来るではないか、更に見えて来るではないか。それこそ我が滋養神が私に訴え広めよと告げる令和3年の未来。以下伝えずにはいられない。
1.日本オリジナルのコロナ対策
テレビの前に現れたのはあの小保方氏である。コロナの対処法を開発したというベンチャー企業『STAP』の社長として復活したのだ。コロナに罹った患者の細胞にストレスを与え抗体を人工的に作り出すことに成功した、と発表したのだった。しかしこの方式だと各人ごとに対処せざるを得ず、そのための装置は量産する目処は立たない。しかも患者本人にしか効かないため国民全体に抗体を与えるのに何年もかかる。一人一回百万円という高額のため政府が実施するのか全く分からないと言うオチでした。
2.英国TPP加入
EUを離脱した英国は積極的に日本に接近する。実は香港でメンツを潰された腹いせに原子力空母クィーン・エリザベスを極東に回航させ中国に圧力をかける狙いもあった。EUとは喧嘩別れになって経済的にお先真っ暗の現状を打破するため、何が何でもTPP入りしようと日本に貸しを作る国策でもある。水面下では核
搭載の原子力潜水艦バンガードが極秘に来る計画があるとか。その際の母港が函館と佐世保ではないかと噂に上がっている。
3.衆議院解散
諸説あったものの、菅総理はオリンピック前の都議会議員選挙の時期に衆議院を解散する。公明党は嫌がったが、菅政権はスキャンダルのある自民党の議員の立候補を取り下げ、公明党の候補を与党統一候補とするエサで何とか説得した。
結果は与党の大勝利。おまけに都議会選挙も都民ファーストが惨敗して小池知事は与党を失う。自民党は単独過半数を獲得し、ほかに維新の会も躍進。憲法改正の世論が盛り上がる。
一体公明党はどうするのか、学会内でも議論が起こり騒然とする中で〇田〇作の訃報が伝えられる。
4.東京オリンピック・パラリンピック大成功
規模を縮小したとはいえ、満を持した開催に世界は称賛の嵐だ。
特に世界が目を見張ったのは、無観客で行われた開・閉会式の厳かさ且つ鮮やかな演出。開会式ではブルー・インパルスの描く五輪の下で大相撲の力士100人による四股踏みから横綱土俵入り。閉会式は歌舞伎役者100人の連獅子による毛振りが大反響となった。
日本は連日メダル・ラッシュ。水泳・陸上・体操・柔道・空手・バレーボール・ゴルフと大活躍。オリンピック・バンザーイ!
5.朝鮮半島新体制
全く国民の支持を失った文大統領はもはや統治能力を失った。例によって逮捕されるのは時間の問題(何の罪か知らないが)。北は北でコロナによる千万単位の死者を出し、国家の体裁も何も、軍の反乱の兆しが見えだした。
一方で年初から、かのキム・ハンソルによる『統一朝鮮』というビデオメッセージがネットで流されていた。若きキム・ハンソルは「朝鮮人民である私は38度線を越えて同胞と握手する」と言い切った。どうやら韓国国内で撮影されたようなのだが詳細は不明。
ついに38度線が崩壊するのか、だがそれは今年ではなさそうだ。
6.某内親王殿下結婚
日本中がいぶかしがる中、某内親王殿下は婚姻届けを出してアメリカに旅立った。結婚式も何も無しにである。この大胆な行動に世論は概ね『公務をほったらかして何だ』と非難の嵐。お相手はすっかり悪者にされて日本に帰れなくなる。するとさらにマズいことにお相手の母親も渡米して同居を始める。途端に周りに怪しげなタカリ目当ての取り巻きが集まってきて、たまらず元内親王殿下は帰国してしまう。さて、どうなるのか。
7.バイデン大統領暗殺未遂
いまだに『実はトランプが勝ったのだ』という一派がいる。実はオバマ大統領が誕生した後も、随分長い間『オバマはアメリカ生まれではない』という都市伝説を言い立てて無効を主張した『バーサーズ』というグループがあった。今度は『選挙は無効だ』と主張しているプラウド・ボーイズで、連中は武装している。
秋口、ついにバイデン大統領の演説中に一発の銃弾が空を切り裂いた。西海岸と南部でBLMとプラウド・ボーイズが銃撃戦を繰り広げる。
8、矢沢永吉 二日連続武道館コンサート
ミスター武道館。スーパー・スターYAZAWAが新機軸を打ち出す。さる大物とのジョイント・コンサートを打つ、という発表があった。武道館で2晩連続やるというのだが、ジョイントの相手は極秘ということでだれも分からない。関係者の口も固い。
9.石破新党発足
派閥会長を退いたのはいかにもあざとい。誰が見てもサバイブするには竹下派に潜り込むことしかないのに、この御仁は肝心の所でいつも間違える。
実は国民民主の前原とは『鉄っちゃん』仲間で気脈を通じていたのだ。衆議院選挙後、頃合いを見て派閥ごと国民民主党に合流しようとしたが、ついてきたのは一人だけというお寒い話。これで総理のメは完全になくなった。
水面下で小沢一郎が暗躍したらしいが、もはや誰も相手にしなかったらしい。
10.北方領土2島返還
ロシア全体ではコロナの被害は日本の10倍だった。しかしあまり気が付いていない人が多いが人口は日本と大して変わらないのだ。日本1億2千万人、ロシア1億4千万人である。極秘情報であるが、医療体制の十分でない歯舞・色丹で爆発的に感染が広まり人口が激減していた。もはや無用の無人島となった両島を、国後・択捉2島への巨額投資を条件に日本に返還するとプーチンが言い出した。色丹島からの国後・択捉への自由往来というエサが付いた。
ところがその直後、プーチン大統領は変異型コロナに罹ってしまい意識不明に陥る。
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林森北路(リンシンペィルー)に消えたジョニー
2021 JAN 1 0:00:38 am by 西 牟呂雄
早速キャシーに名刺を頼りにアポを取らせて訪ねて行く、台北郊外のウークー地区の雑居ビルだった。
受付で名乗ると何故か男の秘書らしい者がエレベーターで降りてきて階上の立派な応接に通された。しかし案内してくれた男は浅黒い小柄な、明らかに中華系ではない精悍な男だった。そしてエレベーターを降りたところにもカウンターがあり、そこにも同僚と思われる同じような男が鋭い目付きで立っていた。応接室に行く途中で執務フロアが見えたのだがおよそ台湾人には見えない男達ばかりなのでちょっと違和感を感じた。
応接に通されお茶が運ばれ、しばらく待っているとドアが開いた。
「オーゥ、懐かしい。何年ぶりだよ。訪ねてくれてシェーシェー。シン・クゥ・ラ(ご苦労様)いきなりの連絡でびっくりしたよ。よくここがわかったね」
あのジョニー古入の顔だった。
「いや~、噂を聞いて飛んできましたよ。お元気ですか」
「マーマー・フーフー(馬馬虎虎、まあまあだ、くらいの意味)」
懐かしい会話が弾んだ。
その後、勤めていた会社から外資系にヘッド・ハンティングされ、数年をアメリカ・で暮らしたそうだ。更に勃興する東南アジアで仕事をしたらしいが、マニラ・シンガポールあたりでは結構ニアミスしていたことがわかって互いに驚いた。
しばらくしてこちらから切り出した。
「リン・シン・ペイ・ルーではだいぶ活躍されているみたいですが、あんまり目立つとあそこは結構ヤバいところですよ」
すると敢えてその話をスルーした。
「ところでこのコロナのご時世に一体どうやって入国したんだい。どうせまともにイミグレ通ったわけじゃないだろ」
「(ギクッ)エヘヘヘ、蛇の道はなんとやら。それでなにしてるんですか」
「せっかく来てくれたんだから教えてもいいが、そちらの御婦人は席を外してもらえないか」
「彼女は私のエージェントで秘密は守れますが」
「聞いてしまうとヤバくなるよ。いいのかい」
「あたしはそれじゃ外にいます」
二人になるとジョニー氏はこう切り出した。
「香港がえらいことになっているのは知ってるよな。国際金融センターのポジションを失いかねない。一番困るのは誰だと思う」
「マフィアとかアジアの金持ちですかね」
「ジェット君もまだまだだな。一番困るのは金融以外にすでに産業競争力のない英国だよ」
「へえ、そうなんですか」
「雨傘運動とか民主化活動がタダでできると思ってるのか。ちゃんとスポンサーはいるのさ」
ここでジョニー氏はさらに声を潜めた。
「僕はMI6の依頼を受けて動いている。香港はもうエージェントは置けないから台湾から情報を取る。それが仕事だ」
「MI6って!007を操っているようなアレですか」
「シッ、声がでかい。英国人ではもう情報が取れないからな。ガードマンがいただろ、この建物に」
「あの色の黒い連中ですか」
「あれらはMI6が手配しているロイヤル・グルカ・ライフルズ、すなわちグルカ兵のOB達だ」
「グルカ兵って何ですか」
「ネパールの山岳民族の傭兵だよ。イギリス陸軍が正式に編成している傭兵。強いぞ」
「本当の話なんですか」
「腰に付けている逆反りのナイフがその証拠だぜ」
「すごいですね」
「MI6は香港の情報を喉から手が出るほど欲しがっている。それも自分達の目の届かないところをな。先に条件を出しておくが年3千万円プラス必要経費全額で香港に行ってくれないか」
「なっ何をやるんですか」
「香港の不動産王、李嘉誠(リ・カーシン)の次男リチャード・リーにインタヴューしてほしい。そしてもう一人、マカオのカジノ王、スタンレー・ホーの娘で歌手のジョシー・ホーに近づけ」
「そんなんで3千万も貰えるんですか。まさか命がけなんて無理ッス」
「それは心配ない。インタヴューして共産党とうまくやっていけるだろう、という事をにじませた記事をここに送ってくれればいいだけだ。ジョシーは大変な美人だから大ファンだという触れ込みなら接触可能だろう。イザとなればMI6がなんとかしてやる。君は台湾にいたからミンナン語が喋れるだろ」
「カタコトの挨拶だけですよ」
「それがいいんだよ。ここに台湾のパスポートがある」
出されたパスポートは私の写真の入った物だった。名前は黄欽明、偽造パスポートだ。何でこんなものが用意されているんだろう。
「向こうではこれを使ってくれ。ジェット・ホァンになるんだ。香港の連中は日常広東語だけどインタヴューなんかは英語でやればいい。君はマンダリン(北京語)なんかダメだろうから英語にミンナン語が混じるくらいがちょうどいいんだ。間違っても日本語はダメだぜ。リチャードもジョシーも日本語ができるから」
「これ偽造パスポートですよね」
「当り前じゃないか。君ここには密入国だろ入国の記録がないから正規ルートで出国できないじゃない」
「ですから一度日本に帰って」
「それではこの話はナシだね。3千万をフイにするとは大した余裕だねえ」
「イヤッ、やります。やりますよ」
「別に無理にとは言わないよ。せっかく訪ねてきてくれたから、タマタマいい話があったんでね。実は今週末に高雄(カオシュン)からマカオに出る船があるからそれに乗ってくれ。そこから香港発フリーだ。3千万は日本の口座に振り込むから必要経費はこのアメックスのカードを使ってくれ。黄欽明、ジェット・ホァン名義だ」
「あのー、一つ聞いていいですか」
「なんだい」
「こんなことしてて地元のスー・ハイ・パンは大丈夫なんですか」
「そっちの心配をしてるのか。MI6が付いてるんだよ。紅幇(ホンパン)も青幇(チンパン)も戦前から英国と繋がっている。もっとも現在は実態はないにも等しいがね。戦前はその両方に加えて日本軍も一部はアヘンの流通でしのぎを削っていたから。戦時中の中華系抗日ゲリラなんかみんな英国の手下だったよ」
「あんまり怖いこと言わないでくださいよ」
「君はスー・ハイ・パンと繋がってるつもりなんだろ」
「えっ!・・・まさか」
「ふっふっふ、まぁいいや。よし、話は決まった。飲みに行こう」
「はあ」
「さっきのお嬢さんもつれてリン・シン・ペイ・ルーにでも。あっ、それから李嘉誠(リ・カーシン)は広東語ではレイ・カーセンだからね」
エピローグ
「ジョニーさん、ウチのボス確かに船に乗せました」
「シェーシェー、キャシー。見事に引っ掛かってくれた」
「最初に相談された時はMI6からのオファーとは言わなかったじゃないですか。びっくりしました」
「ヒヒ、あれは全部嘘だよ」
「ウソッ、うそなんですか。だったらを提示したギャラは払わないんですか」
「払うさ。まぁ聞いてくれ。MI6が関心を寄せているのは本当だよ。ただしカネを出したりはしない」
「だけどあのグルカ兵はどうしたんですか」
「キャシーも騙されたか。あれはフィリピンから出稼ぎにきた奴らを集めただけでもういない」
「そんな手の込んだことしたんですか。で、本当のスポンサーは」
「香港の金融機能が失われるとしたらどこがそれに取って代わるか」
「常識的にはシンガポールでしょうね」
「それを阻止するとすれば」
「多少無理筋ですけど東京ですか」
「目下、菅政権は日本の福岡に持ってこようと猛烈なロビー活動をしている」
「福岡!」
「そう。そのために香港の金持ちの動向をぜひ探りたいわけだ」
「だけどウチのボスがオベンチャラ記事を書いたところで関係ないでしょう」
「インテリジェンスの世界は二重・三重底になってる。ジェットの記事はどうせ中国当局に検閲されている。問題はそういった日本向けのインチキ情報に当局やレイ・カーセン、ジョシー・ホーがどう反応するかだよ」
「それを知りたがっている機関とは・・・」
「教えてもいいが条件がある」
「危険度と報酬によりますね」
「必要経費別で年1千万円。私の事務所の後任になってジェット君からの情報を配信してほしい。実はジェット君にも指摘されたんだが台北のスー・ハイ・パンが少し動き出していて私もヤバいんだ」
「潜るんですね」
「ああ。ただし日本には帰らない。林森北路からは姿を消す。南のカオシュンに移動するかな」
「成るほど。うふふ、1年ならやります」
「その後は」
「さあ。それでボスはどうなります」
「そこまでは考えていない。ヤバけりゃあいつのことだから自力で何とかするだろう。どうする」
「受けます。それでどこのオファーで動いてるんですか」
「法務省直轄、公安調査庁だ」
「えっ、政府機関じゃないですか。ジョニーさん。あなた何者なんですか」
「すまない、喋り過ぎた。それじゃそろそろトンズラするので」
「待ってください。カオシュンでもファーレンでもどこにいっても私のネット・ワークには引っ掛かりますから」
「なにっ、どういう意味だ」
「初めに会ったときにあたしの人脈をチェックしたでしょう。その時にヒントは差し上げたじゃないですか」
「あなたが言ったのはSMCという得体のしれないシンクタンクのエージェントだってことだったけど。それがジェット君の組織だと分かったんでおびき寄せる段取りになったと記憶するが」
「それはそうです。でもその前にあたしをナンパしようとしたじゃないですか」
「まぁ、男のたしなみとしてね」
「その時に日本人のおじいさんが割って入って来て名刺を出しましたよね」
「あの、久しぶり、とか言って挨拶した人か。確かNPOホワイト・グループとかいう所の名刺だった」
「あれが私のバックなんです。ジョニーさんは戦後に台湾に上陸した国民党軍に日本人の軍事顧問団がいたのを知ってますか」
「そんなこと知らない」
「パイダンと呼ばれて1960年代まで活動しました。その後も組織は続いています」
「それがどうしたんだい」
「台湾の親日感情がどこからきていると思いますか」
「それは統治が適切だったのと戦後の反国民党意識からじゃないのか」
「違います。あたし達の地下工作と台湾への愛情の賜物なんです。その後台湾でも政権交代は起きましたが、日台を結ぶ工作は継続中ですから。特にジョニーさんがウチのボスをだまくらかして香港に送り込む話は私たちにとっても渡りに船の話でした」
「あたし達ってキミも関わっているのか」
「私はそのパイダンの幹部の娘です。ボスはそんなことも知らずに私をエージェントとして使っているつもりになっていたんですよ」
「パイダンは日本とも繋がっているのか。オレはそんな話は聞いてないぞ」
「あたりまえじゃないですか。そちらは法務省、こっちは元帝国陸軍ですから」
「すると外務省かそれとも防衛省か」
「陸幕第二部別班。旧中野学校の流れです。いいですか、国民党とスー・ハイ・パンはズブズブでした。そのルートも手の内です。ジョニーさんが台湾にいる限り、夜の街でやることは筒抜けなんです。テンムーに良く来ているあの美人はス・ファー・シュンでしょう」
「・・・・」
「ところで台湾から逃げればすぐわかりますからね。ギャラの方は一年間お忘れなく」
結局のところ、誰が誰を雇っているのかわからないまま情報戦が繰り広げられており、世の中にフェイク・ニュースが溢れかえり、人々は真実を知ることもなく怪しげな社会に組み込まれるのである。
おしまい
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