絶望の開幕か希望の光か 日本ハムファイターズ
2021 MAR 28 16:16:24 pm by 西 牟呂雄
戦力増強は思うに任せず、新人は2年たっても3年たっても育たない(清宮、オマエのことだ。あと吉田もだ)、エースはメジャー行き、これでどうしろと言うのか。おまけに4番は相変わらずのブレーキ中田、オープン戦でマー君から一発打ったのでピンときた。こいつこれでまた1年はメシが食えるとほくそ笑んだに違いない。何しろチャンスはブチ壊すくせに年棒の帳尻合わせは天才だ。
キャンプ中継からオープン戦と見るたびに胸クソが悪くなったが、さすがに栗山監督が清宮の2軍落ちを決断したというので気を取り直し、シーズンが始まった。
相手は要注意楽天。といっても今年はウチ以外全部要注意なのでどことやっても同じだが、初戦は涌井で来た。あのマー君は温存ならばせめてここで上沢に勝ちを付けてやりたいと全力で試合に臨んだ。ここで怯んだらシーズン終わりかも知れない、最初から崖っぷちなのだ。
そもそも弱くなったから別のチームに乗り換えるほど甘くはないのがファイターズ魂というもので、そんなことができるならとっくにホークス贔屓になっている。そこを耐えて忍んでこそ私の数十年の血と汗と涙なのである。
それが何だ、上沢はいきなり初回先頭打者の辰巳への初球にホームランという漫画のような出だし。5回まで投げられずに降板。エースがこれでは推して知るべし。
2戦目は高田ぁ!なめるんじゃねえ。当たり前のように勝ったぜ。ザマーみやがれ。
そして3戦目。すでにわが軍は苦しいローテーション。マー君はけがだそうだが不思議なことに楽天は岸も則本も温存してルーキー早川、全くノーマークだ。4回、ノーアウト満塁から野村・大田と連続三振を見ていやな予感がした。栗山監督はなぜこのタイミングでスクイズを仕掛けないのか。
するとその裏、楽天から来たばかりの池田がエラー絡みで4点もぎ取られる。だからスクイズでもやっておけと言ったんだ。お前ら守備は下手なんだから。一体キャンプで何をやっていたのだ!
抑えも心配だ(いや、全部心配なのだが)。期待している玉井は一発を浴びる始末で連敗してしまう。最後は松井に杉谷が三振を取られておしまい。
おいおいおい、こんな試合をあと140試合も見せられたらオレは絶対にうつ病になるだろう。栗山!少しはオレの言う通りにしろ、コノヤロウ。
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贋作ジェット・ストリーム エンヤートット編
2021 MAR 24 0:00:54 am by 西 牟呂雄
ーインストゥルメンタルのミスターロンリーが聞こえてくるー
お久しぶりです
世界中で収まらないコヴィッド19の嵐
永のご無沙汰も致し方ありません
皆様はいかがお過ごしでしょうか
やはりこんな時の旅立ちは不安がつきまとう
もちろん緊急の要件でしょうからなおさら
景気づけに一つ エンヤートットと掛け声を
何も日本の演歌や民謡だけではありません
ちゃんとアメリカのポップ・シーンにもあります
空と水平線の溶け合うところまで
漕ぎ出していきましょう
やあ、日本人
ブルースの本場に来て歌うのかい
なかなかいいぜ
まるでアメリカンだな
だけどうまいアメリカ人はゴロゴロしてる
わざわざナッシュビルまで来たんだ
日本の歌もやってくれよ
心臓がゴンゴンするような歌
日本にもあるんだろ
そいつが聞きてえ
それをやってくれたらバーボンおごるさ
若き日に はっぴえんど や ムーンライダースを従え
プロテスト・ソングを次々と発表した
岡林信康の曲です
ーエデンの東が流れて来るー
いかがでしたか
スティービー・ワンダーに岡林信康
珍しい楽器がありましたね
スティービーのバックで壺のような楽器を投げていました
岡林のバックには大きな鼓のような打楽器、チャングを使っています
スティービーの曲のコーラス
レコードではジャクソン5がやっていました
さて、元気に旅を終えられますでしょうか
また、空でお目にかかりましょう
パーサーはジェット・ニシムロでした
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忘れ得ぬことども
2021 MAR 16 0:00:52 am by 西 牟呂雄
大変人気のあるアメリカの作家、スチュアート・ダイベックに翻訳家の柴田元幸がインタヴューしているが、その中でダイベックが『日本の作家で興味のある人はいますか』という問いに対し、迷わず川端と谷崎を上げたので驚いた。曰く『僕が谷崎の英訳をすべて読んでいるのも、一つにはこのエロティシズムというテーマと取り組む、その取り組み方のせいだと思うんだ。彼は間違いなく、何か大事なものを捉えていると思う。多分僕はその点、彼を師と仰いでいるようなところがある気がする』
明治生まれの日本の作家を師と仰ぐとは恐れ入った.細雪のような繊細というか微妙な色気がアメリカ人にわかるのだろうか。
谷崎は日本橋蛎殻町の裕福な家に生まれた。ところが小学生の時に家運が傾き、高等小学校に進んで苦学することになり、一中に進学した際には同級生より3才ほど年を食っていた。その後あまりの秀才ぶりに1年から3年に飛び級して、そこでもトップを取った。
実は谷崎は戦後早い時期に英訳が出されていて、1958年から1964年までノーベル文学賞の候補に上がるほど評価も高かった。1942年生まれのダイベックがマセた少年だったら、むしろ新しい文学として読者となったこともあるだろう。シカゴの下町で少年時代を過ごし、大都市の風をたっぷり浴びている。江戸っ子の谷崎が紡ぎだす文章が(英訳にもよるだろうが)琴線に触れたこともあるのかもしれない。
谷崎が飛び級してトップを取った頃、常に殿(しんがり)を守って落第におびえていたのがフランス文学の泰斗で小林秀雄の師匠筋にあたる辰野隆(ゆたか)である。その後一高・東大と共に進み生涯交流が続いた。ともすればスキャンダラスに取られ兼ねない谷崎作品の良き理解者であり、また軽妙なエッセイの名手としても知られる。
二人の交流は洗練されたものだったようで、谷崎は辰野を引き合いに出した文章を残している。辰野が「歯並びは悪いがニキビ並びは見事だ」と毒舌を言った、一高の入試に石鹸の作り方という問題が出たが辰野はうどん粉を固めると回答した、幸田露伴を囲んだ際に酔った露伴先生が色紙を書いてくれたが、頼まれもしない辰野が出しゃばって差配をふるい自分にはどうでもよい色紙を割り当て、欲しかった物は辰野が持って行った、等々。辰野はこれに谷崎の記憶違い(或いは面白くするためにわざと辰野の名前を出した)であるといちいち文章で反論している。誠に都会っ子の面目躍如のやり取りである。
その二人が対談している。喜寿庵の本棚でボロボロに黄ばんだ本を捨てようとしたところ、辰野隆の対談集でタイトルが提題の「忘れえぬことども」に収録されていた。
戦後2~3年の頃に朝日新聞から出版された本で、当時の週刊朝日の対談を一冊にまとめたらしいが、奥付きもない。一体誰が買ったのだろう。蔵書は爺様が集めたものだがそっちはドイツ語屋だからおよそ守備範囲とは言えない。
亡母はフランス語に凝り実際に喋れたが、その修練の過程で辰野と面識があったそうだ。それだけではなく同じく仏文の権威である鈴木信太郎の授業も聴講していた。鈴木は辰野と共訳したシラノ・ド・ベルジュラックで名高いが、名調子のところになると互いに「ここは僕の訳だ」と言い合っていたのを聞いている。辰野の随筆に亡母と思しき女学生が出て来る下りがあったのだが出典は忘れてしまった。小生意気な女学生が気の利いたことをいうので「不良少女」とあだ名をつけた、といった内容だと記憶している。「『文芸評論家って人が書いたものにあれこれ言うのが職業ですから寄生虫みたいなものでしょう』と言ったら先生はボソッと『小林(秀雄のこと)に言っておこう』と仰った」と筆者は聞かされたことがある。
従って母が持っていた本がまぎれこんだものと思われる。
話がだいぶズレたが、その対談の内容が秀逸だ。といっても固い話は全然出てこない。のっけから猥談スレスレの話になり、同級生の悪口を懐かしがる、細雪のモデルをおちょくる、辰野が酒を飲んで酔っぱらってしまうと谷崎は泊っていけと勧める。しまいには歌舞伎役者の講釈と続く。しかし全く品が落ちないところが両者の教養の高さと江戸っ子の嗜みなのだろう。
僕はこれを読んで真っ先に今は亡き親友との会話を思い出した。
ところで他の対談もめっぽう面白い。
全て引用するのは不可能なので拾ってみると。
里見弴(辰野と1学期だけ小学校で一緒。白樺派の逸話)、野村胡堂(銭形平次の作者だが、東大同期なるも野村が学費滞納で退学する話)、今井登志喜(全編人の悪口。美濃部達吉は褒めている)、荒畑寒村(桂太郎暗殺未遂の秘話)、長谷川如是閑(英語の発音が下手だという雑談)、武林無想庵(パリの話)、大佛次郎(二人で京都を練り歩くだけ)、その他杉村春子、仁科芳雄、サトウ・ハチロー、いずれも殆どの場合辰野は飲んでいて抱腹絶倒の対談である。
どこかに復刻版があるかもしれないが見たことはない。興味のある方にはお見せすることはできるが、貸すのは憚られる。ボロボロの本は帰ってきたためしがないから。
本書と同時期に出た「忘れえぬ人々と谷崎潤一郎」は中公文庫で復刻しているが、谷崎に関しては凡そ似たような話が披露されているのでそちらを参照されたい。
しかしたまにこういう本を見つけるので、あまり一心不乱に断捨離するのもいかがなものか。
上記谷崎のコメントの中にある幸田露伴を囲んだ座談会での出来事について、その座談会がいかなるものだったか気になっていたが、最近分かった。1935年の経済往来という雑誌の企画で谷崎・辰野・露伴の他には和辻哲郎・末弘巌太郎(民法学者・東大教授)・徳田秋声といった一流所が集まっている。ところが露伴先生は途中から明らかに酔っ払い、文芸談義もあるにはあるがほとんどが釣りだの歌舞伎だのの江戸趣味の話ばかり。偶然手に取った中公文庫『和辻哲郎座談』の中で見つけた。興味のある方はどうぞ。
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日本の分断
2021 MAR 8 0:00:26 am by 西 牟呂雄
コロナ禍の元、はや1年が過ぎようやくワクチン接種が始まった。この1年というものほとんど山荘で暮らし、それでもヨットにも乗りスノボもやった。やらなかったのは飲み歩くことだけで、家飲みのコストが上がっても純粋にビール・焼酎だけでは大したことにはならないのが分かった。これでは個人消費が上がらないと実感した。
一方では企業業績は回復しつつある。消費を抑えて所得があまり落ちなかった結構な人々は車の買い替えに走ったらしい。さらにジャブジャブの金融政策で株価は3万円に達した。ただ、株を買い越しているのは外人のようで、企業業績を反映していない、すなわちバブルなのだな。
ここまではいいとして、さて長きに渡った厄災の後にパラダイムシフトが起きるかも知れないと警鐘を鳴らしてきたが、その姿が透けて見えてきた。
いくつかの条件が不透明ではあるものの、消費の急回復が見込まれそうで、それも余程の外的要因がマイナスに働かなければ比較的長続きしそうである。更に脱炭素というグリーンエコノミーが新たな投資を呼び、様々なイノベーションも含めて大きな成長要因となるだろう。
少し時間を戻して、昨年は日米の指導者が変わった。アメリカではバイデン大統領が誕生し、日本は菅政権がスタートした。しかしいずれも前政権の影を引きずっていると筆者は見ている。菅総理ははっきりと安倍政治を引き継ぐと公言して後継となった。その長期安部政治への支持率は辞任を表明した時点で共同通信の調査では30%台から20ポイントも跳ね上がった。トランプは敗れはしたが7100万票も獲得しアメリカの分断を一層明らかにした。7100万票はオバマ大統領の獲得票数よりも多いのだ。
即ち、日本の場合は大方の民意はスムースに後継を選び、アメリカは改めて分断が浮彫になったと言える。いや、むしろアメリカの分断がトランプを生み出したのだ。ティー・パーティー運動やサラ・ペイリン副大統領候補の動きがあったではないか。おまけに民主党にバーニー・サンダースという対立候補がいた。
日本はその時期にソフト右傾化を巧みに舵取りした安倍政権により安定していた。例えば悲願とまで表明した憲法改正には抑制的だった。
大変面白い社会分析アンケートでボーター・サーベイという手法があり、読んで字のごとく投票行動に対する調査だ。国際政治学者の三浦瑠璃氏の著作で知った。設問に答えることで縦軸に社会的な保守ーリベラル、横軸に経済保守ーリベラルの4象限に分ける手法で、第一象限から反時計回りに保守・ポピュリズム・リベラル・リバタリアンと分析している。
アメリカ人の投票行動をこの手法で分析すると保守とリベラルの二つの塊が出現し、それが共和党と民主党の支持者にピタリと重なる。ところが同じ調査を日本でやると投票者は全象限にバラけてしまって偏らない。
著者が日本の政治家を採点してみたところ、第一象限=安倍晋三、第二象限=原口一博、第三象限=枝野幸雄・山口那津男・山本太郎・志位和夫、第四象限=橋下徹、ド真ん中に石破茂、となっている。因みに簡易テストを自分でやってみたところ第一象限の遥か上の方に行ってしまい統計的に管理外になってしまった。即ち私の意見は永遠に反映されないという事だ。
ところで、自公連立というのは保守層にリベラルが従属する理想的な形であることがハッキリする、この構造を倒すには立憲・国民・共産の連立がなければ選挙で勝てない。安倍政権が安全運転に徹して改憲を大きな争点にしなかったため、連立政権はあらゆる層からの票を掘り起こして勝ち続けた。給付金を公明党に合わせて一律十万円に切り替えたのが典型的なケースだ。
三浦氏はさらに分析を進め、日本人の本音と建前構造にまで掘り下げていくのだが、詳しくは著書の方を見ていただこう。
実は日本に関する調査はコロナ禍の前に行われている。2020年の1年間でどれ程国民が痛めつけられて意識が変わったのかどうか。或いは全体にバラけていたものがどこかの象限に移動したのか。
この調査には年代が付記されていて年代の分布が分かる。するとリベラルのゾーンは何故か年齢構成は高い。団塊世代が中心かとも見える。おそらくこの年代は全共闘運動にも重なっていて、いまさら保守とはいかない。コロナ禍の打撃は比較的少ない。
一方の保守が意外と若い世代の支持が高いが、人数そのものが高齢者に比べて少ないので投票行動についてはいわゆる無党派層となっている。ここは学生も含まれていて、実質コロナの影響をもっとも被っている年代である。貧困の問題も深刻なケース(若いシングル・マザー、コロナ失業者、アルバイト学生等)も多く、流動する可能性が高い。
ただしその場合でもいきなり保守⇒りベラルへの移動はないのではないか。昨今の不祥事(森失言・総務省接待)への野党の追及姿勢があまりにも礼を失したありさまに、かえって野党の支持率が下がったことを考えるとリベラル系の政治家への支持にはなり得ない。三浦氏の分析では菅総理は保守ゾーンではなくリバタリアンに位置しており、ど真ん中の位置にいるのは石破茂なのだ。保守からの流動はせいぜいそのレベルまでだろう。
今のところ日本には移民による人種問題はない。すると上記仮説からもわが国には分断は起こり得ないという結論になる、いまのところは、だ。
おそらく二つの理由による。一つはあれだけ持て囃された『新自由主義』であるが、調和を好む日本に本質的になじまず、その恩恵による富裕層という者が『層』として形成されなかったこと。一時ヒルズ族と呼ばれたIT長者がいいところまで行ったが、社会的に認知される前に統廃合されてしまった。もう一つは中産階級全体が20年以上も続いたデフレにより地盤沈下したため、多くの場合格差が拡大していると認識していない、と見ている。
筆者は政治家ではないのだが、せっかく格差・分断に覚醒していないのなら、なるべくそのままの状況を維持する政策が望ましいと思う。そのためには少し前に大流行したトマ・ピケティが主張したように、累進性の高い税率で分配する仕組みに持っていかざるを得ない。その場合の線引きは・・・。
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半藤一利さん
2021 MAR 1 0:00:51 am by 西 牟呂雄
僕はこの人の書いたものに先導されて昭和史に凝った。大変に綿密な取材と考証で当時の世相を学んだのである。海軍関係は特に造詣が深く、ご自身も海軍贔屓を公言していた。身内に海軍関係者が多かった身としては耳障りのいい語り口だった。
向島の生まれで、戦中に長岡に疎開、戦後は銀座に本社のあった文芸春秋社に長く勤める。好きな人物が勝海舟・夏目漱石・山本五十六・司馬遼太郎だろうか。海舟(向島)・五十六(長岡)あたりに地縁を感じて面白い。
勝海舟という偉人は毀誉褒貶の激しい人で、ゴリゴリの佐幕派からは嫌われることも多く、確かにしゃべりすぎるところが無きにしも非ず。頭も切れて腹も座っているのだが会ってみたとしたら案外鼻持ちならないところがあったような。西郷や龍馬のような田舎者を煙に巻いたと言ったら言い過ぎなんだろうが、いや、偉人ですよ大変な。
余談であるが、維新後に福沢諭吉が勝海舟を『痩せ我慢の説』で攻撃したせいか、慶應義塾出身者が勝を軽んじる風潮があり、某塾長と半藤氏が大ゲンカしたことがある。
ついでにあれだけのインテリにして惜しいのは、先の大戦に対する評価。日本の自衛という所には全く光を当ててくれなかった。陸軍悪玉説に傾きすぎて、中国の国内事情の複雑さ(性悪さ)を甘く見ている。まぁ実際に大空襲に会った方なので、筆者の及びもつかない思考遍歴を重ねられてのことであろう。氏の業績を尊敬して止むことはない。
『歴史探偵忘れ残りの記』を読了した。
氏は昭和5年の生まれ、下町の悪ガキを自称されている。書きっぷりの端切れのよさが神田生まれの筆者にはなじみがいい。著書の中に『わが銀座おぼろげ史』という章があり、文芸春秋社が銀座にあった時代の描写が秀逸である。
その書き出しを読んでニヤリとさせられた。子供の頃はせいぜい浅草止まりで戦前に銀座に行ったのは小学校3年生の時だったという。
ところで下町というと一般的には義理人情のはびこる落語の八ッつあん熊さんの世界という印象かもしれないが、実は縄張り意識がものすごく強い。ほとんどが職人だった昔は、住んでいる所と働く所と遊ぶ所が同じため、ヨソ者が入ってくるのを警戒するのだ。マンション暮らしの勤め人ばかりである今は違うだろうが、大人から子供までそういう気質だから筆者のチビの頃は喧嘩が絶えなかった。その縄張りはおおざっぱにいうと区立中学校の学区くらいの規模だ。そして他所のことをクソミソに悪く言う。
神田あたりの連中の意識はせいぜい銀座までが守備範囲で墨田川の向こう側なんかは狸が出るような所だという感覚だ。『粋な深川いなせな神田、人が悪いは飯田橋』という言い方があった。
その認識から言えば『だから大川(墨田川の言い方)の川向こうはいやだぜ。ザギンに来たこともねえカッペばかりだ』ということになる(現在の住人の方ごめんなさい。いまではそんなこと思ってもいません)。すると半藤さんならこう言うだろう。『神田なんざ花街もねえような野暮な所じゃねえか。祭りが無きゃただのヤッチャバ(市場のこと)だろ』
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マクシミリアン・ロベスピエールの最期
2021 FEB 21 11:11:41 am by 西 牟呂雄
かのフランス革命のヒーロー。ジャコバンの総帥となり多くの政敵を断頭台に送った公安委員長。テルミドールの反動によって処刑された。秀才で極々まじめな理想主義者だったと思う。どうして分かってくれないのか、とかつての盟友を次々に処刑した心境はいかばかりか。
あまり柔軟性のない人の言うことを聞かない人だと思うと、筆者としては付き合いたくないタイプかもしれない。だが近しい人には愛情を注ぎ冗談も飛ばしたと言われている。とにかく抜群の秀才だったらしい。
フランス革命は複雑な経緯をたどり、国王を殺しナポレオンの登場を招くのだが、このブログは世界史の授業ではないから割愛する。
ロベスピエールの最期をたどっていくと、革命の終焉に見られる倦怠・退廃といったものがヒシヒシと伝わってきて大変に興味深い。このテの革命騒ぎは必ず大騒ぎの後に権力闘争が始まり独裁に至る。筆者の知る限りではアメリカ独立戦争と天皇制が続いた明治維新が例外ではないか。ただしアメリカは黒人奴隷制度と先住民の虐殺を内包しており、日本においても後に軍部の独走があるにはあった。
この点、目下のコロナ禍をひとつの革命と見立ててみると・・・。仮に中国の発表が真実だとすれば(違うとは思うが)独裁体制の方が効率的に体制立て直しに成功し、民主主義はいったん後退、その後に徐々に回復するにつれ復活するといった経緯をたどるのではないか。
さて、ロベスピエール率いる公安委員会はテロの語源となったテルール(恐怖政治の意)を1年も続けているうちに深刻な内部分裂をきたしていた。そしてここが問題なのだが、くたびれ果てたロベスピエールは約一ケ月もの間姿を現さなかった。その間に反対派の工作が進んでしまったのだ。
7月26日(革命歴テルミドール9日)に国民公会に出席したロベスピエールに対し猛烈なヤジが飛び、大混乱の中ロベスピエール一派のプロスクリプティオが全会一致で採決された。
このプロスクリプティオとは何故か古代ローマの共和制で2回執行された、司法の手続きを経ずに追放・死刑執行ができる制度で、この革命の混乱のさなかに誰が持ち出してきたのかよくわからない。ドサクサに紛れて知恵のあるものがあたかも自然法のように呪文を唱えたのか。こうなるとまるで学生運動のノリだ。それもそのはずでロベスピエールが36歳、死の天使サン・ジェスト26歳、パリの国民衛兵司令官アンリオが29歳という青年の革命である。
更にこのコップの中の嵐に対して一部のパリ市民は訳が分からず国民衛兵200人と市民3500人がロベスピエールと共にパリ市庁舎に立てこもり、反対派はチェイルリー宮に陣取り一触即発の状態だった(この時点でアンリオ司令官は泥酔していた)。
だが、ロベスピエールはこの先頭に立って武装蜂起を促すでもなくグズグズするばかりで頗る振るわない。とうとう国民衛兵は夜になると帰ってしまうのだ。側近はロベスピエールに武装蜂起の議定書へサインさせようと迫ったところ、ロベスピエールは考え込んでしまう。やっと筆を執ってR・Oと書き始めたそこへ国民公会が派遣した憲兵隊が雪崩れ込んできた。
一般的な史実ではここでロベスピエールが拳銃を引き抜いて自殺しようとし、失敗して左の顎の下を打ち抜いた、とされている。
実はこれに別の説があって、踏み込んできた憲兵のメルダがいきなり発砲したと後に語っているのである。この議定書は今でもパリの革命博物館に複製があり、ロベスピエールの血痕が点々と付いている。見た人によるとそのR・Oは誠に小さいサインで、気力も何も感じられない字という。一方でロベスピエールの所持した拳銃も残っており、発射した痕跡はないとされる。
こうなると幕末の龍馬暗殺のように本当のところは良く分からない。メルダは後にフランス陸軍の准将になるが、出世してから発砲したことを話している点、少し怪しい。
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しかしながらその時点では死んではいない。後日ギロチンにかけられたジャコバン一派の処刑図があるが、拡大してみるとギロチン台の向って左側に処刑待ちの男が何人も立っていて、その中に顎をハンカチで抑えている情けない姿で描写されているのがロベスピエールだ。理想を掲げた秀才が、内部闘争の議論に明け暮れ消耗し、あまりに凄惨な処刑をやりすぎて神経が焼き切れたのかビビったのか。拳銃を持っていたならば踏み込んできた憲兵の何人かを道連れにでもする気迫がなければ革命を成就することはできないだろう。夜になったからといって国民衛兵が帰宅してしまうとは革命遂行中とも思えないユルさである。
ロベスピエールがその後の歴史を知っていれば、陰湿な議論に明け暮れずにもっと早い段階で迷わず武力によって反対派を抑え込んだだろう。世界史のハイライトとして学ばされたフランス革命そのものやロベスピエールに対し、筆者が好感を寄せられない所以である。結果としてナポレオンの独裁を招いて終わり、革命の歴史そのものをたどってしまった。
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森失言は悪いに決まっているが
2021 FEB 12 0:00:39 am by 西 牟呂雄
そりゃ、あれは悪いですよ。ああいう立場の人が言っていいことじゃないので、十分反省してもらって今後立派に勤め上げてほしい。
だけど辞めなきゃならないほどとも思わないな。謝って撤回してるんだから『お爺ちゃんいい加減にしなよ』くらいで済む話。八十翁が口を滑らせただけでしょ。世界がどう言ってるかは関係ない(筆者はアンチ・グローバリストなんで外国がどうこう言ってくると反射的に開き直る癖がある)。時間の感覚が無いのではないか、と思うほどいつまでも自分の意見を主張したり、アーでもないコーでもないと同じ自慢話が長いのはオッサンも多いよ。
おそらく直近に、時間が迫っているのに特定の女性がまくしたてて往生した経験がトラウマになってあのマヌケな発言になったと推察する。普段イエスマンに取り囲まれている典型的な老害である。だが、繰り返すが辞めなきゃならないほどの話か。
森センセイは元々文教族でスポーツ関係では世界中の要人とパイプが太い。更にコスト切りのプロで、今回も知事の引っ掻き回しや延期にかかる予算の膨れ上がりに辣腕を奮っていることはクロウトの間では知る人ぞ知る。
それに、もし本当に今年実施されるとすれば、もうあまり時間がないところに新しい頭を据えたら現場がどんなに大変か、組織を運営した者なら容易に想像がつく。辞任を言い立てるのはある種の意思(オリンピックを成功させたくない、といった)が働いているのか、ほかにネタがないからマスコミが飛びついたのか、と勘繰らざるを得ない。
例えばあの森氏の逆ギレ発言を引き出した記者の下品な質問である。あのエラソーな物言い、煽り方、お前は何様でどこかの工作員か、と聞きたくなる煽りだった。あんなのを見ると(無論マヌケな失言はマズいが)森氏よ十分反省してガンバレと声をかけたい。
同じく、ガースーへの無礼極まりない質問をした野党参議院女性議員にも同じ下衆の志の低さを感じた。ここが名前の売り時とでも思ったか、必ずしも雄弁ではない総理に『国民に伝わらないんですよ』とまくし立てる。あれで共感を得る国民はいるのかも知れないが、それは違うのではないか。こんな質問で時間を費やすとあのマズイ森失言もありになってしまうではないか、女性議員さん。ここもやはり筆者としては、がんばれガースーと言わざるを得ない。
ただ、その無礼な質問に対し目を据えて『失礼ではないか』とドスを効かせたガースーは迫力あった。近いうちにその議員周辺のスキャンダルが出る予感がする。あんまり調子にのるなよ、の警告だろう。
そもそも組織委員長はボランタリーに勤めているのであって、政府ともJOCとも別建ての団体なのだ。国会で取り上げるような話かね。ミャンマー情勢とかワクチン搬送とか景気対策をやってくれよ。
だいたいそういう役職に就いてくれるのは功成り名遂げてヒマな名誉欲だけが旺盛な人しかいない、あれ会議だらけで忙しいんですよ。辞めさせたところで後のなり手がいない。それなりの重みの人はなかなか探せないし今更受ける人なんかいない。どこかの皇族がいいかもしれないが適任なのは高円宮妃殿下久子様くらいだろう。海の王子?まさか。
そうこうしている内に炎上騒ぎになって、朝から晩までワイド・ショーがこの話に明け暮れているそうじゃないか。そうなると寄ってたかって非難声明を出さないと、お前もそうか、の魔女狩りに巻き込まれる。一番辞めたがってるのは本人じゃないのかね。野党の女性議員の白装束は薄気味悪いし、とうとう某知事は嬉しさ丸出しで会議を欠席するパフォーマンス。ポピュリストは気楽でいいよね。
改めて、森失言はダメですよ、ダメ!だが筆者は、あんなお爺ちゃんはそういう頭だからしょうがない、としか思わない。だけどこうガンガンやられているともはや手遅れというか勝負あったね。バスに乗り遅れるなの大合唱。しばらく選挙は打てないだろう。
そして当然の事であるが辞任。後任は川淵三郎、この人は選手村の村長だから何とかはなるだろう。世の中はそんなもんですか、オレは群れるのが嫌いなだけのスネた年寄りなのだな・・・。
実はこの森という人は座談の名手で、話せば大変面白いオッサンだ。さる縁で偶然話を聞いたことがあってファンになった。総理も同じように辞任したが、その経緯は抱腹絶倒モノの語り口だった。
プーチンとの交流も巧みであったし、李登輝の訪日ビザ問題でも気骨を示した。ラグビー・ワールドカップの招致にも手腕を発揮。
こういう所、誰も評価しないので念のため。もう少し脇を締めてくださいよ、遅いけど。
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冬季夜間落水救助訓練
2021 FEB 6 0:00:08 am by 西 牟呂雄
2021年である。緊急事態宣言も延長され、どんな年になるのか全く分からない。みんな同じだ。
すっかりルーティーンが狂ってしまったが、いつまでも嘆いてばかりはいられない。とにかく海の安全だけでも確保しようとハーバーに集まった。ここではソーシャル・ディスタンスはスカスカだし岬の突端だから風はいつも吹いている。ハーバーはとても静かに新年を迎えていた。我流安全祈願祭をやり海の神に酒を捧げ、自分の胃にも注ぎ込んみ、船内をアルコール(酒ではない。本当のアルコール)で拭いて清めた。
海面に小さなさざ波が立っている。浮き桟橋からよく目をこらして見るとボラがキラキラと日の光を反射していた。すると水鳥がスイスイと寄ってきてスッと潜ったと思ったらボラを咥えて浮いてきて、そのまま丸呑みした。のどかである。
さて、今年はどうしようか。スキッパーはオリンピックがあればヨット競技のボランティアをやるためオリンピック中は航海できないし、その他レースもできるかどうか。去年は伊豆の島からできるだけ来るなのお達しがあった。目下の状況が収まってくれなければ今年も嫌がられるはずだ。保田・真鶴・熱海・伊東あたりどうなんだろう。
クルーは全員前期高齢者になったが、船はこれだけ手を入れているからあと10年もつのでそれまでがんばろうか。
ほかの船も新年顔合わせで来ていて、ヨシッ、バーベキューでもやろうか、となった.直ぐに買い出し班と設営班(簡易コンロだが)が動いて料理班が野菜を切り、かんぱーい。それぞれの船から飲み残したウイスキイや焼酎・日本酒が出てきて酒池肉林になる。僕はやかんで温めた熱燗を飲んだ。
するとですな、酔いがまわるんですなこれが・・・。
キャビンで目が覚めた。寒い。トイレに行っておくか。皆寝たみたいだな、ヨッコラショ、と桟橋に飛び降りようと・・・した。
ダダン!ジャボーン!アーッ(僕の声)
34フィートのクルーザーでは海面からデッキまで届かない。おまけに厚着をして靴をはいたままでは泳げたもんじゃない。浮き桟橋に掴まろうとしていたら靴が脱げた。
ところでこの時期の海水温は15℃くらいで、落ちてしばらくは”寒い”とはあまり感じなくて、いい気持ちとは言い難いが凍え死ぬとも思えなかった。
デッキで倒れた時の音と直後の水音で寝ていたクルーが起きてきた。
「おーい、意識あるか」
「あります。水も飲んでません」
「ぎゃはは。ほら掴まれ」
二人掛かりで引き上げてくれた。途端に物凄く寒くなった。
「早く脱いで脱いで、着替え持ってるの?」
「オレシャワー・ルームの電気付けて来る」
「あっ着替えならあります」
「急がないと風邪ひくよ。このご時世に熱なんか出したら非国民扱いだから」
みんなが親切にしてくれるが、その表情は明らかにニタニタ笑っていた。そしてパンツ一丁になった僕はあまりの寒さに震え乍らグルーミング棟にヒョコヒョコ(はだしで)歩いて行き、熱いシャワーを浴びて寝た。
翌日、ボケーッと起きてコーヒーを飲んでいると桟橋が騒がしい。
「夕べは大変でしたね」
「いやー、まさか落ちると思ってなかったから驚いたよ」
「本人どうしてます」
「のんきに寝てるよ。危なかったよ、ポートサイドだから上がれなくてね」
どうも、昨日の落水のことを話している。何で知ってるんだ。人がいなくなったのでこっそりとキャビンから出ていくとクルーはニヤニヤしている。夕べのドジを平謝りに詫びて、先程の会話について恐る恐る訪ねた。何でもう知っているのか、と。
「あれだけの騒ぎだからほかの船もみんな見てたよ」
「・・・・」
酔っぱらっての落水など、ヨット乗りとしてはあるまじきミス!そこで僕は提題の『冬季夜間落水救助訓練』だったことにしてくれ、と頼み込んだ。すると・・・。
「今更遅いよ。あの騒ぎに気付いた××××(遠くに停泊していた船)のクルーがパンツ一丁でウロウロしてるところを動画で撮ってハーバー中に配信したんだよ」
何たる。動画を見せられた。消去してくれ、と泣いて頼んだが無視され永遠に残ってしまった。
この話は続きがある。今年93歳になる僕のオヤジは大学ヨット部OBで、この顛末を聞いてこう吐き捨てた。
「お前もうヨットか酒のどっちかやめろ。この恥さらし」
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マー君が帰って来る 大変だぁ!
2021 JAN 30 10:10:58 am by 西 牟呂雄
メジャーでの活躍を喜ばしく見守っていたら何ということだ、マー君が日本に帰って来るとは。それは日本球界のためには素晴らしいことであり、またあの投球をナマで見られるのは楽しみでもある。
だが我が日本ハムファイターズはどうしてくれる。相手は24勝無敗のスーパースターだぞ。
情けなくも今期5位に終わった成績は、53勝62敗である。そのうち楽天とは10勝11敗といい勝負をしていた。マー君が4試合先発してくるとして、1回くらいはマグレ勝ちするかもしれないが、そうなると50勝65敗5引き分けとなり、これはもう最下位だろう、冗談じゃない。栗山マジックなんか通用しない。
こうしてはいられない、と監督に至急テレパシーを送り秘策を練ることにした。
だが監督からは何のレスポンスもない。来季は「非情に徹する」と言ってはみたもののできることは清宮を二軍に落とすことぐらいなのだろう。
そこで筆者がシュミレートしてみたのだが、まともにやったら絶対に勝てないことが分かった。中田がシーズン30本ホームランを打つとすると対戦相手1チームに各6本打つ。それを、よそのチームは4本にして楽天にだけ14本打つことにする、更に田中の先発する試合に集中させても4点もぎとるのがやっと。だが田中からそれ以上の得点は望めない上に、ファイターズのガタガタなピッチャーが何点取られるかわかったもんじゃない。田中には1勝するのがやっとである。しかもそんなことが本当に起こったら他のチームで負けが混んでドベに拍車がかかること間違いなし。
どうすりゃいいのか、迷惑な奴が帰ってきたもんだ。
しかしまだまだ秘策はある。
まず年棒20億円を払ってダルビッシュに帰ってきてもらうことだ。ついでにエンゼルスをお払い箱になりそうな大谷も連れてきてもらい、こちらはバッターに専念させる。大谷は去年働いてないから少しは安いだろう。
そして田中の先発には斎藤佑樹をぶつけて甲子園の決勝戦を思い出させ、イヤな気持ちにさせる。
それでもダメならハニー・トラップでも何でもやり、バッターは故野村監督の被り物でささやきうんざりさせる・・・。
ここで気が付いた。そうまでやっても57勝57敗6引き分けの5割にしかならない。ホークスの背中は限りなく遠いのだった。
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前期高齢者 緊急事態宣言下のゲレンデに立つ
2021 JAN 25 0:00:12 am by 西 牟呂雄
密を避ける。喋らない。接触しない。マスク。サングラス。コサック帽。完全武装でスックとゲレンデに降り立った我が雄姿は、日露戦争時の日本騎兵とも見紛う凛々しさだった。
首都は戒厳令下だが、一足早く喜寿庵に脱出していたのでこうしてスノボを楽しむことができた。
去年、前期高齢者デビューしたものの、コロナの波状攻撃により結果として1年間というもの雌伏せざるを得なかった。そして今年も未だに厳しい状態が続いているものの、このままで終わらせてなるものか。
しかしながら非常事態である。絶対にコロナに罹ってはいけない、みんなに迷惑がかかる。次に転倒してはならない、この年では骨折しかねない。するとバカにされる。最後に疲れてはいけない、去年しみじみ味わったが抜けないのだ。たまらずマッサージを受けたくらいだ。
非常事態宣言が出されたこともあるし、ゲレンデはガラガラかと思いきやこれが結構な人出だった。もっとも考えてみればスキーヤーもボーダーもそもそも防護服みたいなウェアであるしゲレンデはオープン・スペースなのでリスクは小さい。
しかし驚いたのはそれだけではない。リフト券売り場、ゲレンデの端っこでは新たに観光に来たはずもないアジア系の言語が飛び交っていて、こいつらはマスクなんかしていない。帰国できずにそのまま居続けているのか、いずれにせよのんきなもんだ。それも2~3人というレベルじゃない。
誠に不謹慎とは思うがオリンピックの聖火リレーの際に、どこから湧いて出たかと肝を潰した某国の赤い国旗がウジャウジャしていたのを思い出した。コロナの本家のくせにデカい面すんな、な~んてことは言いませんよ、ヘイトになっちゃいますからね。
で、一応シーズン初めなのでけがしないようにチョロッと滑ったが、やっぱり脚力は衰えていると言わざるを得ない。メイン・クアッドの長い中級ゲレンデを4本でワン・セットにしていたが、情けないことに2本で息が切れた。
14か月前に癌の手術を受けたが、その後何故か体重は5kg近く増えた。人からは『コロナ太りですか』と聞かれるが、普段から何もしていないから関係ない。飲み会が無くなって酒の量が減ったかと言えばそうでもない、家でガブ飲みしてむしろ切れ目がなくなった。要するに圧倒的な運動不足なのだ。よーし、今シーズンは元に戻すまで鍛えるぞ!
(1月11日時点の決意です)
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