Sonar Members Club No.36

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インド高原までやってきた

2014 MAR 28 4:04:30 am by 西牟呂 憲

疲れ果てたノラ

疲れ果てたノラ

 

 今週はインドにいます。インドのほぼ中央のIT産業が盛んなデカン高原の真ん中にです。着いてチェックイン、コーヒーを沸かそうとした途端にブレーカーが落ちて、暗黒の部屋で途方に暮れました。何やら悪い予感がします。翌日合流するはずのドイツ人の予定が狂い、一日余計に滞在する羽目になりました。そのドイツ人は一日遅れて来るので申し訳ないと詫びつつ、来たその日に又何処かへ飛ぶと言うのです。ドイツから日帰り、0泊3日でもするつもりでしょうか。
 ホテルのWi-Hiは部屋で何とか拾えましたが、頼りにしていたガラケーのIモードは何故かシンガポールまでは繋がりましたが、インドではダメ。ネットワークが多すぎて自動ローミングがダメだったようです。

そしてホテルで待ち合わせたインド人は待てど暮らせど現れない。今回は一人ですが、こういう時に誰かが一緒だとああでもないこうでもないと煩いだけで危機管理の役には立たないのが常です。こういう時は悠々としているに限る。電話が入り『渋滞がひどい。こんな渋滞はインドでも初めてだ。』と全く想定の範囲内の言い訳に思わず苦笑い、結局5時間後にホテルに来ることとして良しとしました。
 ホテルの周りを少し歩くと、怪しげな野犬が昼寝をしていたり走っていたりしてビビりますね。こいつら野生の犬なのだろうか。今は乾季ですからカラカラに乾燥していて、36度でも日陰に入ると快適です。その分風が吹くと土埃が舞ってしまう。恐ろしくヒマそうなオッチャン達が固まって笑っていたので覗くと、何と側溝にウジャウジャとドブネズミがいて、這い出してきた奴に石を投げて遊んでいるのです。2014032716070000

 

 ネズミはウロチョロしてゴミの山(本当に紙屑や残飯のゴミ)に逃げ込もうとしますが、オッチャン達は細い棒で突いたりして追い出しては小石を投げる。気が付くとインド人以外は私だけでみんながジロジロ見るのです。そして遠巻きに見ていたのにいつの間にか彼らの輪の最前線に押し出され、ギョッとして『OK、OK。』等と言いながら逃げ出しました。これ、志賀直哉の名作”城崎にて”の情景ですね。文豪の筆致は、石を投げられ必死に泳ぐネズミと、療養中で生きている自分(というインテリ)を対比した深い洞察を書き込んでいますが、私はといえばインドのドブネズミに生まれ変わるのだけは御免だ、という凡庸な感想を持っただけ、それくらい惨めな姿なのです。

 いささか憂鬱な思いでホテルに帰り窓から外を見ると、何かの建設予定地なのでしょう、目の前に掘り起こされ整地され、乾燥のせいでひび割れた野原で子供がクリケットの練習をしている。そしてその子供たちが帰ってしまうと、何と広っぱの真ん中で、たぶん親子と思われる犬が二匹どこからともなく現れ遊び出しました。彼らの感覚ではウチの庭といった趣で、腹を出して転げ回り、飛びついて逃げてみたり。親の方は飽きたのか、しばらくするとソッポを向くのですが子犬は鳥を追いかけては帰ってきてじゃれつき、転がり、キリがない。この鳥、黒い羽を広げると真ん中に白い染め抜きのような短い筋が、ちょうどゼロ戦の日の丸のように入っている、日本では見たことのない鳥でした。
 そのうち親の方がトコトコ歩いてよそに行くのを、子犬は途中まで追いかけたのに勝手に別の方向に走っていきます。バカ、そっちじゃない、しかし互いが見えないくらい離れてしまいました。ハラハラしていると子犬の方は広場の隅の盛土のヒビ割れに行き、そこに空いている穴に入ってしいました。
 そして暫くすると遠くの方から親犬がトコトコ走ってきて、やはりそこに行くのです。どうやら奴らはそこを棲家にしていて、広場が庭のようでした(ただイヌ科が穴居するものでしょうか)。さっきのは「もう遅いから早く家に行ってろ。」くらいの話の様で、心配して損しました。
 工事が始まるまでの短い間ですが、数千平米の庭を持つウチを独占しているのです。ネズミはいやだけど、あの子犬は楽しそうだなぁ、と思ってしまい・・・・ウッ情けない。

 遅れてきたインド人と打ち合わせし、話が弾みました。テレビのチャンネルが数百もあるのは(ホテルのCATV)広大なインドに数百の言語と数百の宗教があるからだそうです。自分は5年の修行(セミナー程度かも)の後ラマ教のお坊さんの資格を取った、長男は東京で暮らしていてオリンピックの時はタダで大勢が泊まりに行くこと・・・。さて、あす本当にドイツ人はくるのでしょうか。ルフトハンザのストライキと言っていたが実に怪しい。私はフライトのスケジュールを変更したところ、物凄い混みようで予定の二日後しか取れません。キャンセル待ちを掛けているのですが、音沙汰なし。ちゃんと帰れるのか少々慌て出しました。

つづく

インド人とドイツ人

インド高原協奏曲Ⅲ

インド高原 協奏曲 Ⅳ

小倉記 再会編


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Categories:インド

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