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ホンダのF1復帰は楽しみだ

2015 FEB 16 21:21:58 pm by 西 牟呂雄

 アイルトン・セナとアラン・プロストがワン・トゥー・フィニッシュを決めていたバブルの真っ最中から夢中で見ていたが、リーマン・ショックがとどめになってにホンダはF1から撤退してしまい、いつしか興味が薄れ年も取り暫くは観戦しなくなった。しかし今年は又楽しめそうだ。ホンダが久しぶりにマクラーレンと組んで参戦する。こうこなくっちゃ。F1カーのスペックが多少変わって、環境技術の先端応用という大義名分も絡んで出やすくなったのだろう。
 かつてホンダはウィリアムス、ロータス、ティレルにもエンジンを供給した人気ブランド。中島選手を初め日本人ドライバーも結構活躍した(僕は笑っていない中島選手はゴルゴ13に似ているな、と思ったが)。今回はアロンソとバトンという楽しみな二人で大いに活躍してもらいたい。
 工学的な最先端というものは優れて軍事関連がまず初めに牽引する。敵の2倍の性能が得られるなら、3倍のコストを掛けても勝利する、という原則があるからだ。従って上限もあるのだが、インセンテイヴとスピードは民間とはケタが違い実用化も早い。これらの技術は10年程度を経て陳腐化が進んだ頃、量産のプロセスも開発されてコストが下がり民間への転用もできるようになる。航空機なんかは特にそうだし、コンピューターも初めは暗号解読のための秘密計算機だった。F1は武器ではないが、先端技術を磨き続けるという意味は大いにある。副次的にはブランドの宣伝効果もバカにならない。ただし開発コスト・チーム維持に巨額な金がかかり、経営として判断の難しいところだったのは想像に難くない。
 いすれにせよチームを維持することやレースの開催も含めて実力がなければ無理。今年は某隣国でF1開催が中止になった。あの国の冬季オリンピックは大丈夫だろうか。
 
 ところで前から知りたかったのだがエンジンを供給するホンダの『総監督』というポジションの人がいる。あれはレースをやっている間何をしているのだろうか。それから一度ピット・クルーになってみたい。あのタイヤを替える係の手際の良さに感心するのだが、ああいう仕事は何か資格があるのだろうか。いかにもスペシャリストという見た目であこがれている。どなたか教えていただけないでしょうか。

 ソチ・オリンピックのボブスレーの選手たちが『マシンの性能が違いすぎる。勝負にならない。』とこぼしていた。競技の伝統や愛好者の数が違いすぎるので無理もない。相手のマシンはフェラーリやBMBが造っているのだ。氷のF1と言われる所以である。現在「下町ボブスレー」というプロジェクトで大田区の町工場がヴォランタリーにマシンを開発しているそうだが、いかんせん二人乗りまで。海のF1、アメリカズカップもスキッパーの腕よりも船のパフォーマンスが勝敗を分ける。所詮カネの問題と言ってしまえば身も蓋もないから、下町ボブスレーには大いに頑張って欲しいところだ。

 『景気』というのは気のものだから、贅沢な物が売れたり設備投資がしたくなってくると随分違う。人はケチのままで企業が貯めこむだけでは景気は上がらない。もっとも直近の各種数字では多少の実感が出てきたようで結構な事この上ないが、こういうことがもっとあれば効いてくる。第三の矢もガンガン放って、復興とお祭り騒ぎの両輪が我等の老後を盛り上げて頂きたいもんだ。

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