Sonar Members Club No.36

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リズム&ブルース という神話

2015 JUN 11 7:07:56 am by 西 牟呂雄

 最近聞いているのはいささかトウが経った感が否めないオールド・ソウル。yjimage[6]
 リズム&ブルース等と称され黒人が好んで歌った。体力がないととても最後まで乗り切れない激しいノリ。繰り返されるリフレーン、時々入る調子を合わせたステップ。ご存知ファンクの帝王ジェームス・ブラウンのライヴである。

 題名はSex Machineといささか品がないが、そもそも歌詞なんかほとんど意味が無く大半が『Get up, Get on up』だけ。つまるところショウ・ミュージックで、CDをじっくり聞いても面白くも何ともなかろう。10年近く前に亡くなったがこのライヴはその1年前、今の僕と同じくらいの年齢なのだ、このパワー恐るべし。確かこの人は父親がネイティヴ・アパッチでお母さんが黒人だったはず。それがミラクル・パワー・ステージを生み出したとはいえないが野生的であることは確かだ。
 生い立ちはご案内の通り苦労人であるが、売れてからもメチャクチャな暮らしぶり。一番凄いのは薬物中毒になってマシンガンを乱射し、警察とカーチェイスの末逮捕され実刑を食って3年程刑務所に入っている。
 しかしネットで見ていると、70年代のステージからは遥かに洗練されてきている。そのころはヤラセっぽくステージで倒れて見せたりしていたが、このステージではそんな演出は全く無い。大体昔は白人の観客は少なく、いかにも内輪のノリだった。後半のダンサーがやるスペイン語のラップなんかあれはアドリヴなんだろうか。ただミュージックとしては『水戸黄門』的な大いなるマンネリで、ファンとしてはそこは堪らない、いい意味で。
 ポツリ・ポツリと色んな映画にもチョイ役で出たりもしていた。

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 キングに対してクイーンはこの人に尽きる。スタートはアイク&ティナ・ターナーだったが、アイクの薬物中毒とDVで離婚してからもターナー姓を名乗っている。この人も既に80近い戦前の生まれで、現在は引退しているものの、 の映像は還暦過ぎくらいだったと思う。それでこのセクシーな動き、歌唱力。実はこのイントロから歌の始まりまでのMCとフリはいつも同じで、検索すれば同じメンバーで同じ踊りの画像がいくつもある。笑う所までも同じでこれまたマンネリの楽しみを堪能させてくれる。
 この系譜はヴィヨンセあたりが継いでいくのだろう。
 ティナはマッド・マックス・サンダードームにも出演して準主役を張っていたのもご記憶かと思う。こういう人は老けませんね。骨が丈夫というかガタイがしっかりしている。バックのプロポーション抜群のダンサーがティナの年になったら同じ事はできそうもない。

 両方聞いていてかねがね不思議に思うのだが、この手のノリをソウル・ミュージックと名付けたのはなぜなのかは今もって不明だ。黒人の魂の歌ということだったのか。確かに初期のゴスペルはそうだっただろうが『Get up, Get on up』や『Rowing on the River』が歌詞では魂も何もタダのノリ。僕が現役だった頃の当時のディスコなどでも掛かっていなかった。バンプとかハッスルの時代でしたからね。JBもティナはやはりショウ・ミュージックなのだ(でも好きなんですね)。
 
 最強の後継者マイケルも死んでしまったしなぁ。日本でこのアジが出せるのも忌野清志郎だけだった。個人的には和田アキ子に期待しているのだが。

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Categories:オールド・ロック

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