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五代目中村雀右衛門襲名披露 口上

2016 MAR 25 0:00:26 am by 西 牟呂雄

 京屋の芝雀さんが雀右衛門を襲名されたので見に行った。
「幾久しく、宜しくお願い申上げたてまする~~~」
 ズラリと裃をつけた大名跡が、それぞれ申し立てる口上はさすがに圧巻。口火を切るのは坂田藤十郎、控えが片岡仁左衛門に高麗屋幸四郎、両脇右奥が音羽屋菊五郎と左奥が播磨屋吉右衛門とは見応え十分だった。

 演目の一幕目は『双蝶々曲輪日記角力場(ふたつちょうちょうくるわにっきすもうば)』という大阪の勧進相撲が舞台だ。これちゃんと関西の言葉でやるのがいいですな。『若旦那』と言うのが『わ』から段々低くしていき『わかだな』という独特の呼びかけになる。実は初めて見た。
 そしてこの芝居は鷹揚なアホボンのと素人角力取りの二役を成駒屋・中村橋之助が早変わりで演ずるところが見所。yjimage[1]

 次がいよいよ雀右衛門がやる『金閣寺』の雪姫、時代は大阪の陣の頃の話だ。時姫・雪姫・八重垣姫の「三姫」は歌舞伎の姫役のうち至難とされる。
 このあでやかさはぜひ実際に舞台で見なければ伝わらない。
 色気・凄味という意味では玉三郎に方が妖艶だが、この気品はこの人の味だろう。

 女形は肉体的にも結構大変で、膝頭を合わせるように内股にして少し折ってチョコチョコと歩く。やってみると分かるが厳しい修行が必要なのだ。

鼠が齧って

 この芝居、他にも太刀をかざすと滝に(本水ではない)龍の姿が現れたり、雪姫が散り乱れる桜の花びらを爪先で鼠の絵に書くと本当の鼠が出て来て(雪舟の孫娘という設定)縛られている縄を食いちぎるとか、歌舞伎っぽいネタが満載。

 今回は西ー16という花道の出の直ぐ横の席だった。一番後ろの所だから座席と同じ高さに花道があって、横を役者が通っていく。いやもう衣装の華やかな事。

 まだ見られますよ。是非御覧有れ!

九月花形歌舞伎

九月大歌舞伎 千穐楽

猿之助四十八撰


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Categories:古典

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