10.21横浜文化体育館
2017 NOV 1 5:05:09 am by 西 牟呂雄
「ウオー!」
「ガオー!」
「ゴルアー!」
「オルアー!」
互いに胸をせり出して相手のチョップを受け、エルボーを叩き込む。これぞプロレスだ。
全日本プロレス25周年記念で世界タッグ王者、秋山準・大森隆男チームに大日本プロレスから関本大介・伊藤竜二コンビが挑戦した。
大日本プロレスはマイナーな団体だからご存じ無い読者も多いだろうが、これも四半世紀近く前に全日本から別れたグレート小鹿やケンドー・ナガサキが設立した団体である。横浜を中心としながら全国展開もしているのだが、その歴史は苦難の道であった。
僕はこのグレート小鹿のファンで、立ち上げ当時から注目していた。マイナー団体としての試行錯誤の後、独自のデス・マッチ路線を歩んだのだがその内容はひどい。プロレス用語でいう『ハード・コア』なのだが、要するに凶器持ち込み有りで金網ケージや脚立から飛び降りる、とメチャクチャな試合をしていた。『画鋲デスマッチ』『蛍光灯デスマッチ』など名前を聞くだけでそのすさまじさが伝わるだろう。
そうまでしなけりゃ客を呼べず、やったらやったでゲテモノ扱いされて一般のファンからドン引きされる。悪循環の中での興行を続ける様がいじらしく、秘かに応援していた(さすがにおおっぴらにできなかった)。先に大仁田が『涙のカリスマ』などと言われてブレイクしたのもニッチ・マーケットなだけに伸び代としては不利だった。
”黒天使”沼澤邪鬼とか双子のバラモン兄弟など名前だけでもエグい。
しかし試合が試合であるからケガ人続出。山川竜司は頭蓋骨骨折で長期戦線離脱したりした。
そこでプロレスの多角化とでもいうのか、女子プロレス部門やストロング部門を作る。このストロング部門というのは猪木が提唱したストロング・スタイルで試合をする。大袈裟な解説もあるが、要するに相手の技をぜんぶ受けることなのだ。関本大介はそのストロング部門でトップを張っていた。
まがいもの扱いをされていたから実力を見せつけるチャンスだ、とばかりに猛烈なファイトを展開したのが冒頭のシーンである。
パートナーの伊藤竜二はハード・コア専門。全身生傷だらけでいくつものみみずばれが残っており、入場の際は蛍光灯を何十本もテープで縛って持ち込んだ(さすがに使わなかったが)。
この人は茨城大学の工学部を中退して大日本プロレス入りした。やや不器用な所もあってハード・コア専門のデス・マッチ・ドラゴンになったが、この日は大技をいくつも決めた。
対する全日本、秋山は早くにメインを張ったが大森はポジションに恵まれなかった。あの体とマスクで若手時代から期待していたが、上に小橋や秋山がいたためもったいない使われ方をしていたためだ。いっそアメリカのWWEにスカウトされていればもっといいポジションに行けたと思う。
大森と関本のファイトは十分に僕のようなツウを楽しませ、唸らせてくれた。さすがにマッスル・モンスター関本だ。
結果はリスト・クラッチ式エクスプロイダーで・・・・、いや、そこはプロレスですから。がんばれ大日本プロレス!
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Categories:プロレス
西室 建
11/15/2017 | Permalink
日馬富士の暴行が問題になった。
私は相撲取りがバクチを打ったりケンカ(但し素人はダメ)をして何が悪いのだ、という考え。
酔っ払っての大暴れは業界内では昔からあった。
その限度を越えているかはわからないのでなんとも言えない。
タダでは済まないだろうからこの際プロレスに転向することを勧める。アメリカに行って弁髪の『モンゴリアン・ヨコヅナ・ハルマ』を名乗ったらどうか。
「モンゴル出身の横綱だったが、無礼な同僚を半殺しにしてアメリカにやってきた」
で売り出せば人気が出るだろう、なにしろ本当の話だから。