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こんなこと言っておいて・・・

2023 JUL 1 0:00:48 am by 西 牟呂雄

『発展は、精神的、道徳的な価値に基づいた文明の対話の中で行われなければならない。文明によって人間やその本質に対する理解は異なるものだ。そしてすべての文明が人間の至高の尊厳と精神的本質を認めている』
『伝統的な価値観は、すべて守らなければならない固定的なものではないが、新自由主義といった価値観とは異なり特定の社会の伝統、文化歴史の経験に由来して、いずれもユニークなものである』
『ジェンダーやゲイ・パレードといったファッションを国民・社会に導入するのは構わない。ただし他人に同じことを要求する権利はない』
 成程と唸らせる発言だ。
 翻って、最近SMCの投稿で検証されているように、敗戦以来ペシャンコにするシステムを構築してもゾンビのように
蘇ってくるジャパンという化け物を、繊維交渉・鉄鋼貿易・半導体輸出にいちいちイチャモンをつけ、グローバル・スタンダードをゴリ押しして護送船団方式を潰し、新自由主義を導入させたアメリカに対する警句としては秀逸な論考と思う。最近のLGBT法案の茶番もまたしかり。
 ところで冒頭の発言は誰のものか。驚くべきことに日本人の右翼ではない。昨年の10月にモスクワで開催された通称『ヴァルダイ会議』でのプーチン大統領の講演なのだ。
 ウクライナ戦争下で、ブラジル・アフガニスタン・中国・エジプト・フランス・ドイツ・インド・インドネシア・イラン・カザフスタン・ウズベクスタン・南ア・トルコ、さらには米国の民間人も参加した会議だった。
 それなりの論理的な話をすることのできる指導者が、何の大義も見いだせないムチャな戦争をしかけるという国際関係の不可解さに唖然とせざるを得ない。自分は戦争を始めておいてどうかと思われる発言だ。
 私はあの侵攻を支持するものではないことを強調しておかねばなるまい。ロシアからの帰国者の話を元に一般的なロシア人の感じているところをブログに書いたところ、まるで筆者が戦争支持者のような誤解を受けて攻撃を受けたからだ。バカバカしい。
 開戦から15ヶ月。双方の思惑通りに行かない最中にワグネル騒ぎという不確定要素が勃発した。これに関するインテリジェンスは筆者の手元にまだない。
 2014年、クリミアを占領した頃にロシアの事業パートナは『何でそんなことをするんだ』と怒っていたが『だけど支持率は高いし選挙では圧勝するではないか。どうしてロシア人はプーチンに投票するのか』と聞いた。帰って来た答えは『オレ達はソ連崩壊の時にドン底に落ちた。それをここまで戻してくれたのがプーチンだ。それにあの程度の悪い奴に投票しておかなければもっと、物凄く悪い奴が出てくるに違いない』と開き直られた。なるほどワグネル騒動を見てこういう輩のことを言っていたのかと妙に納得した。
 しかしながら、1年以上の戦闘が続くと、ズーッと戦争が続くことが居心地のいい輩が透けて見えてくる。まずはアメリカ。自国の兵士は血を流さなくて対立軸であるロシアの国力を消耗させることが可能になり、面倒な中国問題に集中できる。ブリンケンはチャイナで何を話したのか。侵攻以前のウクライナにおけるネオコン一派の露骨な活動が既に明るみになって来ている。
 そして中国。この事態にアメリカがどこまでコミットするのかじっくりと見極めているだろう。そして虎視眈々と日本を取り込むべく触手を伸ばしてくるはずだ。ターゲットはハニー・トラップにかかったとの噂もある林外務大臣。一方でロシアをサポートするフリをしつつ一帯一路の構築にいそしんで稼ぐ。
 ただし、訪露して習近平が高らかに謳った『制限のない友好』について、肌感覚としていささか疑ってかかっている。他に頼りになる相手がいないからさすがのプーチンもヘーコラしてみせたが、アッチラ大王やジンギスカンの恐ろしさをロシア人は忘れない。黒竜江沿いの国境線に中国人は2億人、ロシア人は800万人。竹槍で来られてもロシアは防衛できっこない。ロシアは自ら中国の軍門には下らないはずだ。

 さてさて、この悲劇を一刻も早く終わらせたいと思っていないのはどこの誰だ。筆者の考えでは単純な一国の悪意ではなかろう。何かグローバルなオーガニゼーションなのか。陰謀だー!!

プーチン・プッツン

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Categories:ロシア残照, 陰謀

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