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チャットGPTは楽し Ⅱ

2023 JUN 24 23:23:27 pm by 西 牟呂雄

 散々遊んでみると、このおもちゃを使う楽しみが増える。
 『もしも織田信長が本能寺で死ななかったら、どういう手で生き延びてその後の歴史はどうなったか』と聞くと、それなりのオハナシがズラズラと出てきていつもの出鱈目なブログ並の文章が出てくる。それに対して『明智光秀は実は直後に疾走して天海僧正に化けたとしたら生き残った織田信長は政権を維持できたでしょうか』と追加すると、これまたテキトーな文章が出てくる。更にどうこうとやり続けると『私は人工知能ですので云々』などとなる。面白いでしょう。
 それでハタと気付いたのだが、こういう手法を使って出来上がった文章はの著作権は誰のものだろうか。同じ発想をした別の人が同じことをしたらほぼ同じ文章になり、その人が発表して著作権を持ったとしても、私がその人の著作権について異議を申し立て、仮に裁判沙汰になったとする。そして『実はこの作品は』とバラして『ホレ見ろ、いまここでやっても同じ文章が出るじゃないか』とやったら、オロジナルでないことがバレて赤っ恥なのは勿論のこと、その人は裁判に負けてしまうのではなかろうか。
 実際、この手の人工知能の進化は物凄いスピードらしいから、新成分による合金の発明とか新薬の開発は誰がやっても同じ結果をもたらし、特許をとれないという事態になりはしないか。

 そう思ってこれまた打ち込んでみると意外なことがわかった。文章で言えば大規模言語モデル、画像では画像生成AIが、打ち込まれたプロンプトに対し次に来る最も適切な単語の最も頻度の高いものを予想する、画像ならばどのような絵が何色で書かれた頻度が高いかを選ぶ、ということのようだ。
 アメルカではAIによって打ち出された漫画を著作権として登録したところ登録されたが、間抜けにも作者が作成の過程を言いふらして炎上し、著作権局から取り消されることが起きた。また、大学の先生が著作権を持つプログラムがAIで生成されてしまうことを発見して問題となった。
 わが国では、となるとこれが拍子抜けなのだが、データ・マイニングの権利制限規定というのがあって、必要な範囲で他人の著作物を無断で利用できることになっていた。どうやら辞書を造るとか顔認証システムといった情報解析のためにコンピューターを使用することを考慮しての規定らしい。その勢いでAIに機械学習をさせるためならばネットだろうが書籍だろうが入力および複製しても著作権法上では問題にならない。
 でもって、上記のインチキ小説の場合、AIが自律的に作ったものには著作権は存在せず、作者のプロンプトが作者(この場合私)によって創造的に加工されたものに限り有り得る、となるらしい。実際にはそんな訴訟そのものがまだ無いのでわからない、ということか。

 いずれにせよ、チャットGPTなるものは今後なくてはならないモノになるに決まっているから、訴訟の大好きなアメリカでは大変なことになって弁護士は大儲け請け合い。日本はそんなバカなことにならないように使い方のスキルを磨きあげましょう。でも上記事情により、訴訟リスクは低いみたいだ。

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Categories:チャットGPT

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