真夏の油壺
2014 AUG 4 10:10:33 am by 西 牟呂雄
『油壺』というのは正確には湾の名前。ここにもう30年以上通っている。古くからのヨット愛好家が多い油壺ヨット・クラブのホーム・ポートで、どの季節でも美しい入り江だが、やはり真夏は格別だ。先日ここの納涼大会が行われて、オヤジ・バンドが出たりハワイアン・ダンスのお姉さんが踊った。
こういうときに舞台の方から『さあ、ご一緒にどうですか~。』等と声がかかっても、恥ずかしがってなかなか直ぐに上がる人はいないのだが、ここは違う。真っ黒に日焼けしたオヤジ共が我先にワーッと来てしまい、勝手なフリで踊り出して、フラのお姉さん達が引きつってしまった。一応笑顔を見せようとしていたが、恐怖感からかどうしても強張ってしまうのだ。念の為遠くからも見たが、やはり集団発狂した盆踊りにしか見えなかった。
出港を待つ 愛艇 『アル・カン・シェル』の雄姿
湾の入り口までいってアンカーを打ち、ゆらりゆらり波に漂いながら日光浴や海水浴をしていると、何故か強い酒が飲みたくなる。しかし、海をなめると大変なことになることは皆知っているからがまんがまん。油壺湾の出口は地形も潮のながれも複雑で、一杯やってウトウトしながら浮き輪につかまって漂うと、どこへ流されるか分からない。
確か麻生元総理の弟さんがヨット回航中に難破して亡くなったのもこの辺りじゃなかったか。
石原慎太郎先生の『コンテッサ』も長いこと係留されていた。初期のヨットものエッセイに油壺の描写があり、あまり昔と変わっていないのが分かる。
この湾の手前でよく勝手にテントを張ってキャンプしていたが、殆ど野生に近い放し飼いのニワトリと縄張り争いをしたことを思い出す。最近見ないがどうしたのだろう。
出撃準備の完了した油壺水軍の無敵艦隊
さて我慢に我慢を重ねて上がってくれば、ご覧の酒池肉林バーベキューが待っている。海の幸、山の幸、生ビール、ウィスキィ、バーボン、焼酎。この内の高級焼酎の原酒をヘベレケに酔っ払ってラッパ飲みしてしまい、大顰蹙を買って怒られてしまった。その後意識を失っていたのだが、誰も探そうともしなかったことが翌日分かり、わが身の不徳の致すところ大である、とむしろ自慢した。すなわち『あいつはどうせ死なない』と思われているからだ。
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Categories:ヨット
中島 龍之
8/8/2014 | Permalink
ヨットに酒、バーベキューとはいいですね。あの肉の塊は原始家族、ギャートルズの世界です。冬は、箱根の別荘で雪見酒、夏は油壷のヨットで焼酎ラッパのみ、西室さんらしいですね。
西室 建
8/8/2014 | Permalink
ギャートルズ、並びに懐かしい『原始家族フリンクストーン』ですね。覚えてますか?
喜寿庵は箱根じゃなくて山梨の富士山麓です。寒いんですよ、これが。
中島 龍之
8/8/2014 | Permalink
喜寿庵の場所、富士山麓=箱根の別荘という連想が私の頭にできていて失礼しました。秋の方がいいでしょうか。紅葉を眺めながらですね。
西室 建
8/8/2014 | Permalink
個人的には『若葉の頃』 First of May がきれいですね。秋も借景が見事です。冬は夕日ですねぇ。夏は蚊が多くて。一度おいで下さい。