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ストゥコ・バクニンスキー 東京滞在記Ⅱ(翻訳)

2015 MAR 19 23:23:04 pm by 西 牟呂雄

 さて、あさってにはダラスに戻ることになった。すると日本人チームはフェアウエル・パーティーとして何回も食事会を開いてくれた。それが不思議な事にいつも実験している仲間がやってくれるモノ、そのマネジャーが主催するモノ、ジェネラルマネジャーがしてくれるモノとそれぞれ分けてやる。一度にやればコストも安いのに不思議なことだ。
 印象では一番暖かかったのは、直接接していたボーイズがやってくれたのだ。イザカヤに行った。ジェネラルマネジャーはその人の秘書さんと3人で、ROPPONNGIの高そうな部屋でやってくれた。秘書さんは英語も上手くセクシーなレディ。当人は私の父くらいの年で昔のダラスを良く知っている。面白いジョークを聞いた。二ヶ国語を喋るのはバイ・リンガル、三ヶ国語を喋るのをトレ・リンガル。一つの言語しか喋れないのを何と言うかと聞くので、モノ・リンガルと答えたら違う『アメリカン!』大笑いだ。そして自分は中国語と韓国語ができるからクァルト・リンガルだと。
 最悪だったのはマネジャーがやってくれたもの。元々マネジャーには大して話をしてもいないのに。それどころか私とスタッフが相談してやろうとしたことを(追加実験)セイフティの問題とか自分達の技術開示になるとか予算がないとか、とにかく自分のミスにならないようにどうするかばかりを考えるてネガティヴなことばかり言っていた。私は日本語はサッパリだが、ミーティングから帰って来るスタッフが暗い顔で『ストゥ、悪いんだけどそれはできない。』と告げることが多かった。そのくせ本人から私に直接の説明は決してない。そもそもこの男は自分で理解できないと怒り出すところがあり、皆は苦労していた。しかも何か決断しなければならない時は時間がかかるのを躊躇せずに長い会議をしたり、大勢を引き連れてジェネラル・マネジャーに説明(自分ではやらない、スタッフにさせる)に行っていた。
 こいつは英語が全然できないらしく、食事には通訳代わりに関係ないセクションのマネジャーを二人連れてきた。彼らはアメリカ留学もしたそうで、聞き取れてはいたようだが英語を喋るのは5年振り言っていた。私の方も既に6週間も毎日チームの仲間とやりとりをして彼等の英語には慣れてきたので会話自体は滞りない。それで私のカウンターのマネジャー氏、やたら面白いことを言っているらしく大声で良く笑う。だがその内容は翻訳してもらっても良く分からない。恐らく下品な話をしていたのだろう、顔がバカみたいだった。私の方が良く思っていないせいだろう、普通の会話は問題ないがそう楽しくもない。しかしマネジャー氏はお構いなしに酔っ払い4人でカラオケにまで行き、自分でエンカを何曲も歌った。なかなか上手いのだが私には全てイーグルスのホテル・キャリフォルニアに聞こえてならなかった。他の二人はやたらと騒がしいアップ・テンポのJ-POPと言うのを歌う。面倒なのは『あなたも歌おう』と勧められることだ。いやではないが、私がやりたくなってからでいいではないか。次に、次に、とプッシュされるのはまるで拷問だ。このカラオケ・ボックスというのは会話をするところではなかったのだ。一応ビートルズを2曲歌った。
 しかしカラオケとは面白いものがあるものだ。誰が発明したのか知らないが、最近ではシングル・カラオケといって一人でやるボックスもあるらしく、歌の練習を大声でやるには誰にも迷惑にならなくて結構だ。それはいいのだが、私は地元のテキサスでカラオケがビジネスとして成り立つか考えて見た。
 結果はノーだ。一人で楽しむのだったら自宅のガレージか地下にマシンを置くし、集団で懇親するなら好きなジャンルの者だけが自前のバンドを組むかプロを呼ぶだろう。そう、カラオケがコミニュケートの手段になるのは、聞きたくもない歌でも黙ってしばし受け入れる日本だからではないのか。それにテキサスは移動は車だからあんなに酔っ払ったら家に帰れない。

 色々楽しかった。日本を大好きだ、TOKYOは楽しい。実は私はテキサスに帰ってから事業を起こそうとあるアイデイアを持っている。そのパートナー及びスポンサーは日本人と決めている。
 ただ一般の日本人は口が軽すぎる。私が付き合ったのは合計で14人。彼等は全員口が軽かったが、固い人も大勢いるだろうから心配していない。
 あのマネジャーは口が固そうだが・・・。

ストゥコ・バクニンスキー 東京滞在記(翻訳)


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