Sonar Members Club No.36

カテゴリー: 和の心 喜寿庵

富士の湧水 神秘と俗

2023 FEB 11 0:00:40 am by 西 牟呂雄

 富士山の湧水は柿田川が有名だが、山梨側にもあってその名も『忍野八海』と勇ましい。
 喜寿庵から車で30分くらい、いまや世界的な事業を展開しているファナック社がある河口湖と山中湖の間だ。古くから富士修験の富士登拝前に池で禊をする八海巡りの霊場として世界文化遺産である。
 『八』は仏教で貴ばれている数字なので、八大竜王をそれぞれ祀っている。更には北斗七星と北極星になぞらえたりと誠にありがたい由来だ。こんこんと砂を掻き揚げながら湧いてくる大量の澄み切った水を見ていると、地球が水を作り出しているような静かな感動を覚える。そしてその小さな泉の逞しさから、おそらく本物を見たこともない人々が『海』と呼んだことに可愛げすら覚える。そばに『湖(みずうみ)』があるのに、だ。

出口池

 八海のうち、上記伝承の北極星に当たる出口池が最もいい。一つだけ離れているため、駐車場から遠く人が少ない。富士修験の一番霊場として難陀竜王が祀られ、行者は富士登拝の際ここでみそぎを行なった。
 小さな社があったのでお参りしたのだが、その少し上に結界が見えた。

 石段を登ってみると正方形に結界が巡らされた中に、丸い土俵が落ち葉に埋まっていた。土俵は本当に俵を埋めてあるのだが、かなり古くなってほつれていた。先日関西を旅した最に相撲のルーツに触れてきたせいで、神事としての相撲に興味がある。僕の目にはここで相撲を奉納する地元の健児の姿が神々しく浮かんだ。

 そしてこの出口池の素晴らしいところは、底から砂を巻き上げて湧きだすのではなく、岩の奥の割れたあたりから流れてくるところだ。富士山頂あたりに降った雪が何千年かかけて再び地上に現れた瞬間である。民家の横の小さなスペースに停めると『300円』と書いた箱があったのでチャリンと入れた。

 ところが他の七つの『海』の方に行くと様子が一変する。七つは誠にささやか且つ清らかな、むしろ可愛らしい泉なのだが、近接しているために大駐車場があり土産物屋がありレストラン・喫茶店・スウィーツとおよそ『八海』と関係ない物で埋め尽くされ、どこかの温泉街のようだ。
 特に、水量が多いのでそこかしこを掘ると簡単にできる人工池がいくつもあって十海のようになってしまい、はなはだしきは入場料を取っている。観光資源を収入にするのはわからんでもないが、無粋な建物を作り散らしてアスファルトで固めてしまっては返ってせっかくの景観も台無し。
 行政の観光課あたりは何がしかの許認可ができるはずだから、業者の金儲け至上主義に迎合することなく対応してほしいところで、人工池の造成によって湧水が激減することも起きているとなると大問題である。これらの総合コーディネートには金もかかるし、何よりもセンスが求められるが、はっきり言って全く感じられない。私なら余計な池など掘らず、土のあぜ道の中に湧き出る泉を回遊するだけにし、ゴチャゴチャとした土産物屋・レストランはなるべく遠ざけただろう。
 こう書いていると益々腹立たしい。環境を破壊して何が観光立国だ。既に観光客の入国制限が無くなった途端にあのやかましい大陸語が飛び交ってしまっていた。そんな連中に踏み荒らされて名所もないだろうに。田舎の人は自然に恵まれ過ぎて、アスファルトで固めないと観光地になれないと思い込んでいる。
 この日、富士山は雲海に埋もれて姿を見せなかった。

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寒波来たる

2023 FEB 2 10:10:02 am by 西 牟呂雄

 10年に一度の寒波ときいて喜寿庵に飛んで行った。
 以前、大変な寒波の時には凍結防止のために台所と洗面所の蛇口はポタッ・・・・ポタッという感じで出していた。するとそれが全部氷ってしまい、つららが鍾乳石のような芸術品ができたことがある。その時がー15℃で今回の予想はー10℃。おまけに雪も少し降ったようなので慌てた。
 ところがついて見れば道路はもう渇き、芝生に淡雪が残っているだけで水も出た。だが寒い。庭で日がさしていると暖かく感じるが母屋に入るとゴッツく寒い、室温3℃である。
 とりあえず近所の温泉施設に行きヌクヌクし、床暖とストーブを総動員して酒を飲んで寝た。

 で、翌日見て回るとなんとこの寒波の中でも福寿草は咲いているではないか。
 黄色い花が二日酔いの目にチラチラした。
 10年に一度の寒波なのに日照時間のせいだろうか、ちゃんと1月の末には花を咲かせてしまう。花の方も『オイ、ちょっと話が違うんじゃないか』と驚いているんじゃないかな。

 あちこちで枝が折れたりしているのにつっかえ棒をしたりして裏門の梅の古木のところに行くと、ここにも見落としそうなかすかな花が散らばったように色づいていた。
 この梅はここに来た時から老木だったそうで、桂川の河原に自生していたのをヨイトマケで引き揚げて植えたと伝わる。もう幹もボロボロで3本の支柱がなければ倒れてしまう。それでもまだ必死に花を付けるのは可憐というか神々しいというか。

 その老木のたもとには椿があり、正月の頃には鮮やかに咲いていた椿はもう花を落としていた。ところが、良く見るとすっかり色褪せた一輪が残っている。これは・・・、10年に一度の寒さでドライ・フラワーになってしまったのか。触ってみるとガサガサしてポロッといってしまいそう。最後の最後まで命をつなごうとしている姿に敬意を。

 ここに一人で居れば孤独は確保される。誰も話しかけてこない。しみじみしようが夜空に嘆こうが自由だ。つくづく思うが自由とは孤独のことなのだ。そしてその二つが融合するのが究極のSDGsだと確信した。

ニンニ君

 と、ここまで書いてきて気が付いた。誰も話しかけて来ないのだが、話しかけはしたのである。これでは孤独の看板が泣く。その相手は誰か?この寒い冬を共に乗り越えようとしている同志だ。
 一度しおれかかったものの、霜よけに枯葉をかけてやったり土を寄せてやっている。
 そう、昨年11月に苗付けしたその名もニンニ君。『寒いけどもう少しだ。ガンバレ』などと口に出して励ましたのだ。
 完全なる孤独への修行はまだ道半ばなのである。

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PS 喜寿庵に雪が降ったのでニンニ君をレスキューに行った。

埋もれてた

喜寿庵の異変 Ⅳ

2022 OCT 1 0:00:27 am by 西 牟呂雄

 彼岸なら 寂しくもなし 一人酒

 お彼岸という事で喜寿庵に一人でいるのだが、雨ばかりでいささか参った。台風で小枝や木の葉が落ちて汚らしい。たまに日が差し込む間にセカセカと枝を掃き、落ち葉はファームに入れたり焚火にしたり。
 この写真のように芝生が陰に入るように太陽が傾くと、蒸し暑かったり汗ばんだりしても、やれやれ季節が廻ったな、となる。 
 と、このコントラストを撮った時に庭石をみてギョッとした。

 初めはついにヒビが入ったのかと思ったが、ごらんのとおりウネウネとキャタピラが這い回ったような不気味な幾何学模様が浮き上がっている。
 良く見ると細かいターンを繰り返しながら進んだようなのだが、一体何かは想像できない。
 昆虫?いや、もっと俊敏に動きそうだ。この感じはもっとスピードは遅い。
 この夏には大蛇が出たが、あのサイズにしてはカーブが小さい。
 台風や雨の時に新種のカタツムリとかナメクジが這って行ったのか。一頭がこんなにあちこちうろつくのか。大群だったらさぞ気持ち悪い光景だったろうに。 

 試しに爪で引っ搔いてみたが落ちない。
 待てよ、何にせよこのマークを付けたのが生物だとしたら、それはこのあたりにまだいるかもしれない。薄気味悪くなってその場を離れた。
 夜中にこの石に腰かけて星を見たいしていたが、そのなにがしかが夜行性かも知れないと思うと怖くてもうやめだ。
 どなたか心当たりのあるかたはご教示いただきだい。
 誰も御存じなければNHKの『ダーウィンが来た』にでも聞いてみようか。


 振り返ると、今度は未確認浮遊物体が浮いているではないか。
 遠近感が分からなかったので空に浮いているように見えたが、近寄ると欅の枝から下がっているのだった。一瞬、以前大発生したケムラーを思い出してゾッとしたが、これはただのミノムシだ。フーッ。

 そして、今年の収穫も最後だとファームに足を向ければなんじゃこれは。グリーン・ハートのブランドを(勝手に)付けていた自慢のピーマンに、真っ赤に変色したモノが混じってるではないか。

真ん中の赤

 まさか地球温暖化が突然変異を促進したのか、ただでさえ色弱の私の色覚がさらに悪化したのか。写メを送って確認したところやはり御覧の通りの赤ピーマンである。ピーマンをほったらかすと赤くなるなんて聞いたことがない。トウガラシじゃあるまいし。

 ともあれ、初秋を迎えてススキも背が伸びた。
 先日、オヤジの弟にあたる叔父が亡くなりしめやかに葬儀が行われた。90才、まあ大往生ではある。機械工学を専攻したエンジニアだったが、某社で長く社長を務めた。そしていつ身に着けたのかは知らないが英語・スペイン語に堪能で、一人で海外に出張していた。バスケの選手で大学・実業団で活躍したことになっている。もっとも当時は競技人口も少なかったし、日本のバスケのレベルも低かったからどの程度の活躍だったかはわからない(無論本人はレギュラーだったと言い張っていたが、これは後に実業団にはスポ薦で採用されたのではないかとの別の疑惑を呼んだ)。
 万事、エラソーな人で、我々甥・姪(子供達も含めると10人)はそのキャラを慕っていた。晩年、体調を崩した際に従兄弟の一人が『酒の席で叔父さんがふんぞり返ってないとどうもノリが悪くて困ります』と口を滑らすと、『何を言っとる、バカ者!』と一喝されていたことを思い出して、思わず淋しく笑った。
 オヤジは四人兄弟の長男だが、8才下の末の弟を5年前に亡くし、4才下の弟を送ったことになる。我が一族は、どうしようもない悲しみに対しては、開き直って笑い飛ばしてしまうような気質がある。生前、4人揃った時にはオヤジが『いいか、逝くのは年の順だぞ。お前達間違うなよ』といい、兄弟も『是非そうしよう』と応じていた。にもかかわらず逆になってしまい、さすがに笑い飛ばすどころではなくなった。もう一人いる叔母に頑張っていただくしか無かろう。
 この日はしたたかに酔った、一人で。

事故直後

 さらにとどめの一撃という感じで、渓谷に下っていく坂道で車がガードレールを突き破る転落事故が起きた。腰の骨を折る重傷で、ドクター・ヘリで運ばれたが、亡くなった。時刻は朝の10時。
  何時も通る落ちようのないカーブでの出来事だ。静かな渓谷に車が落ちる・・・。さすがにまぁ、温暖化による異変ではないだろうが、
 

車が落ちた後

 こんな静かな所で次々と起こる厄災。もしかして・・・。
 一人でいて、アルツハルマゲドンが進むのは恐いなぁ。

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喜寿庵の異変 Ⅲ

2022 AUG 20 9:09:33 am by 西 牟呂雄

 暑い。渓谷沿いの喜寿庵も暑い。
 長年愛でていた楓の銘木『滝山』も枯れた。とても寂しいがこれはもはや天変地異の前触れではないのか。

ここに立っていた

 すると、だ。この庭先に何と鹿が姿を現した。
 峻険な崖を登って来たのだろう。一瞬、何がいるのかわからず、スマホを手にすることもできなかった。
 以前、やはり桂川を超えて猿の一家が出没したことがあって、姿は可愛かったが近くによると野生の闘争心丸出しで、エア・ガンで武装した。鹿はどうか。

トコトコ歩いて

 どうも大型犬くらいの大きさだから小鹿なのだろう。
 こちらは室内にいたので、悠々と芝生の上を歩きだした。思わず立ち上がった所で人の気配に気が付いたらしい。
 ものすごいジャンプ力で、庭の奥の笹山を飛び越えてしまった。
 その先はネイチャー・ファームで、更に富士急行の線路だ。
 飛び出して後を追った。

軽くジャンプ

 しかしファームにも表門にももう姿はない。時間にして1分にも満たない白昼夢のような展開だった。
 後に近所の知り合いに確認したが、この鹿は前日に渓谷の対岸で目撃されていたようだが、この百年来鹿がこちら側に渡って崖を登った、などという話は聞いたことがないという。
 それにしてもすごい運動能力で、源平合戦の鵯越の逆落としは事実だったに違いないと思った。鹿が下りられるなら馬も下りられる、と言って本当に崖を駆け下った、と。
 余談であるが、最近の研究では鵯越を駆け下りたのは義経ではなく、多田行綱という源氏の武将だったらしい。
 それはともかく、あのバンビは無事に山に帰れたのだろうかと心配になった。
 もし、奈良公園の鹿のように街中をトコトコ歩いたりしたら、いくら田舎とは言え警察沙汰くらいにはなったろうに。
 そういえば、喜寿庵の謎の飛び地で草刈りをしていた時、通りがかったおっちゃんに『ここは鹿が出たらしいよ』と言われたことがあった。

千平米もある謎の飛び地」

 その時は、熊じゃなきゃいいや、と思っただけだが、庭先でピョンピョンされるといささか大自然の驚異といった恐怖感めいた驚きを感じる。
 で、話が変わるがこの厄介な土地は登記上は農地で申請してあるらしく、ほったらかしにすると『耕作放棄地』と見なされて役所から通知が来る。従って所定の手続きにより農業用への賃貸申し入れをするのだが、その際、所有者がちゃんと管理しているかどうかチェックされる。おかげで僕が一人でセッセと草刈りをしているのだが、これが途轍もなく面倒な作業なのだ。
 普段姿を見せない僕がやっていると、通りがかりのお百姓さんが『なんだこいつ』という感じで話しかけてくるようになった。
 中に一人、異様におせっかいなジジイがいて『この刈り方じゃだめだ』とか『この刃では笹が切れない』とかイチャモンをつけてくる。うるさいから適当に相槌を打っていると、だんだんエラソーな口をきき出した。要するにイナカのジジイでなんにでも口を突っ込んで威圧したいタイプなんだろう。見ているとたまに近くで農作業をしている人にも威張り散らしている様子が伺えた。
 そして(半分くらい何を言ってるかわからなかったが)昔ここでビニールハウス)をやったこともあるようなことを言い出した。おもしろくなってきたぞ。試しに一度『それがどうした』とガンをくれてやったら途端に口ごもってしまった。今度来たら『じゃあおっちゃんがやってみな』くらいのドスをきかせてみようか。楽しみだ。

 今年のジャガイモとダイコンが虫にやられて大不作だったことを書いたが、その後もファームの不調は続いている。ナスは大きくならないし、ピーマンは半分が枯れた。キュウリはそこそこなのだが、ニンジンに至っては何じゃこりゃ。とても収穫とも言えないレベルで実に情けない限りである。
 虫のせいかこのバカみたいな暑さのせいか。前稿の『異変』で大切にしていた楓の無残な姿を載せたが、喜寿庵全体で樹勢が弱まっているのではないか。
 とすればそこに寝起きしている私の体にいいわけがない。
 そもそも年明けのお参りで『半凶』を引いたことを思い出した!
 あの小鹿のバンビはその異変に警鐘を鳴らす神の使いだったら・・・。酒やめようかな。

喜寿庵の異変か

喜寿庵の異変 PART2

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喜寿庵の異変 PART2

2022 JUN 13 0:00:28 am by 西 牟呂雄

 
 
 富士山麓の喜寿庵に、ローテーションの花が咲く。
 庭のはじっこに群生しているカキツバタが鮮やかに色をつけると、その隣にはスターダスト・フラワーが日を浴びている。
 

 レギュラー陣が一斉にハーモニーを奏でる梅雨直前は、このあたりの田植えの時期にもあたる。
 このスターダスト・フラワーは、遠目にも奇麗だが小さな花びらが芝生に散るとまた可憐である。
 星形のクッキーが並んだようで、色合いもなにやらおいしそう。
 

 間違えて鳥がつつかないかと観察しているが、どうもそこはそうならない、自然は奥が深い。
 一方、チューリップや牡丹を終えた手作り花壇には異変が起こっていた。
 ここは雑草を抜くでもなく普段はほったらかしなので、どこから来たのかこんな奇怪な花が出現した。

 ツリガネソウの一種だろうが、花弁の中の点々が不気味。
 何やら食虫花にも見えなくはないが食べているかどうかは分からない。
 ところで以上のことは提題の「異変」といってもかわいいもんで、実は気候変動か祟りか大変な異変が起きている。
 昨年、ポーチの前にある鮮やかな楓の葉の色がやけに薄い色づきだったのでおかしいと思っていたら、今年は全く枯れたように発芽しなかった。この木はかれこれ80年はこの庭を彩っていて、代々大切にしていたのだが、遂に樹齢が来て枯れてしまうのかと気をもんでいた。僕は秘かにこの木に『滝山(たきやま)』と名前を付けていた。

 そして植木屋のオッチャンに相談したところ、最近こうなってしまう木があるとの話。
枝先に水が上がっていないとのことで、ご覧のように枝を落とされた哀れな姿に成り果てた。
 身を切られる、というほどではないものの、一抹の寂しさはある。
 よく見ると必死に生きようとはしているようで、幹のあたりから新芽が顔を覗かせている。
 この木が元の枝ぶりに戻れるのかどうかは分からないが、仮に戻るにしてもその姿を見ることができるのは近所にいる(推定二才の)わが友、レイモンド君ぐらいだろう。

在りし日の『滝山』

 更に、ネイチャー・ファームでもひどいことになっていて、ナスもピーマンも大きくならず、ジャガイモに至っては一部が枯れてしまうという天変地異が起きた。
 もっとも普段は何もしていないので原因は分からない。ひょっとしてテントウムシの大発生でもしたのかも知れない。それもこれも巷間言われている地球温暖化のせいだったらこわい。

無残なジャガイモ

 地球よ、狂わないでおくれ!

喜寿庵の異変か

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レイモンド君とつつじ

2022 MAY 21 9:09:06 am by 西 牟呂雄

 喜寿庵では連休中にツツジが咲く。外の生垣を眺めていたらレイモンド君がお母さんと歩いてきた。お母さんがいるのは当たり前だが、僕は初めてお目にかかった。あのいい加減翁のヒョッコリ先生じゃなくてよかった、またホラ話を聞かされるのはかなわん。

 レイモンド君は友達だから僕を見てニコニコ見上げた。『オハヨゴザマス』などと言う。言葉がハッキリしてきたなぁ。『はい、よく言えたね。お早うございます』と返した。するとお母さんが『いつもお世話になっております。父からもよろしくお伝えするよう言い付かっております』と丁寧にごあいさつ頂いた。するとこのお母さんは先生の娘さんか一度会った息子さんの奥さんだろう。
『いえいえ。先生はお元気ですか』
『お陰様で元気にしております。今は旅行に出てまして』
『ほう、どちらまで』
『それが・・・、いつも行き先を言わないで行ってしまいますのでどこにいるやら』
『あはは、フーテンの寅さんみたいですね』
 それを聞いたとたんにお母さんの表情が極端に険しくなったのを見逃さなかった。しまった、今すごくマズい冗談をいってしまったかもしれない。あの先生、本当に寅さんを地でいっているかもしれないし、それならご家族が迷惑を被っているに違いないから。あまりの気まずさに思わず出まかせを言った。
『そうか、じゃレイモンド君寂しいね。おじさんと一緒に遊ぼうか』
『アソブ』

 一瞬ウクライナで善戦しているアゾフ大隊のことを言い出したのかとギョッとしたが、遊ぶ、と言ったようだ。そして勝手知ったる喜寿庵の中にトットコ走って行こうとして、ツツジに向かって『クイワナーイ』とこっちを振り返るのだ。どうやらレイモンド語で、これはなあに、と聞いているらしい。
『これはね、ツ・ツ・ジ』
『つ・つ・じ』
『そう。よく言えたね』
『クイワ?』

 そうか、この子の識別能力では花の形が同じでも色が違うと別の物だと認識してしまうのだ。
『これもツ・ツ・ジ。オンナジツ・ツ・ジ』
『お・ん・な・じ・つ・つ・じ・』
 待てよ、これでは『オンナジツツジ』という名前でメモリーしてしまうかもしれない。
『あのね、白い色のツツジ。こっちは赤いツツジ。白と赤、わかる?』
『ヒロトカー』
 分かってるんかな。いやまずい、僕は色覚異常だから微妙に間違った言い方をする可能性もある

 そう思っていたら生垣の中に走って行こうとする。思わず抱き上げた。庭にはまだ他に30本くらいのツツジがあって、紫っぽいのやら珍しいのが咲いているところだ。するとお母さんは落ち着き払ってこういうではないか。
『あのー遊びたいみたいですけど、父からもこちらなら安心だと聞いております。よろしければ2時間ほど見ていただけますか』
『ア~ハイハイ』
『クイワ?』
『これはピンクのつつじ(でいいよな)』
『ピ・ン。ク・ノ・ツ・ツ・ジ』
 振り返った時にはもうお母さんの姿は見えなくなっていた。

 一瞬途方に暮れたが、前から温めていた計画が頭をよぎり、ツツジ地獄にはまる前にそそくざと実行に移す決意をした。レイモンド君に有無を言わせず車に乗せ、シート・ベルトで括りつけて出発、多少グズッたけど動き出したらおとなしくなり、高速で10分の所にある北富士ハイランド・リゾートに向った。そこに遊園地がある。
 着いた時には上機嫌になっていて、走る走る。

メリーゴーランドでドヤッ

 賑やかなミュージックとともに回転するメリー・ゴ-ランドの前で止まった。
 目を輝かせている。
 僕のユメもこれだった。
 この、何でも楽しいが訳が分からない時期にこそ、乗って面白い回転木馬。
 あと数年もすれば楽しくも無くなる乗り物で一緒に遊ぶ。
 動き出すとレイモンド君の目は真剣になった。緊張しているのかな。
 ローテーションが終わってもなかなか降りたがらないので一枚撮ってあげたが、ご覧の通りのドヤ顔は自信に満ちていた。
 それから二人で観覧車に乗ったりトーマスランドで遊ぶとアッツと言う間に1時間過ぎてしまった。
 もっと居たがるレイモンド君をだまくらかして帰ったのだが、二人で来る機会などそうありはしない。少年老い易いのだ。そして推定2才のレイモンド君の記憶には残らないのだろう。
 それはおとなにとっては寂しいことだが仕方ない。その代わりツツジは毎年咲いてくれるけれど。
 しかし、職質されたら誘拐未遂にされるのかな。

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定点観測の妙味

2022 MAY 1 9:09:20 am by 西 牟呂雄

 


 喜寿庵のネイチャー・ファームの畔に植えてある枝垂桜が4月の初めには蕾をつけた。
 3月一杯はほとんどこちらに籠っていたのだが、新年度になってさすがにテレ・ワークも飽きて山から下りようとした時に撮ってみた。
 やけに赤いというか、咲いた時の色に比べて毒のあるような強烈さを感じた。
 ところが途端にコロナが増えてしまい、ノコノコまたやってきてみると満開だった。
 蕾の時とは似ても似つかない、淡く気高い花を咲かせていた。

満開

 
 ソメイヨシノが連なって咲くのも見事だが、この桜はポツンと立っている。
 僕はこの桜が好きで、まるでペットを可愛がるような気持ちで眺めている。
 するとおかしなことに、犬や猫にそうするようにこの枝垂れにも名前を付けてやりたくなり、それも例えば『フォーリング・チェリー』とか『マリリン』とかいった軽薄な横文字ではなく、漢字一文字にすると何がいいかとあれこれ思い悩み、『玲』という文字を選んだ。玉の鳴る音をあらわし、玉のように美しいことを形容する文字である。
 そう名付けて眺めていると、涼やかな微風にたなびく姿はかすかに鈴の音がきこえるように揺れ、尚且つ輝くように奇麗なのだ。
 思うにこの見事な色合いになるために、冬の厳しい寒さの中を耐えて何とかあの煮詰めたような蕾を付けてこその満開なのだ。そういえば蕾の色はフト血の色を連想させなくもない。
 こういう変化を眺め続けるのも定点観測の醍醐味である。

ズラリ

 ネイチャー・ファームには、同じくこの半年寒風に晒され20cmもの積雪の中を(ほったらかしにされつつも)生き延びたスーパー・ニンニ君達が健気にも育っている。ニンニ君は同じところでの連作は、こまめに追肥してやらなければならないから僕のようなシロートには無理なので、ネイチャー・ファームの中を転々としているが、これも長い目で見れば定点観測だ。

 で、突然ここで自分という人間を定点観測てみたらということを思いついた。
 例えば長いことここに立っている桜の『玲』が、頻繁にやって来る僕のことをどう見ているのか。
 いかにも明るい都会の坊ちゃん、ジーッと蟻の行列を半日見ている少年、背中まで髪を伸ばしたバンド屋、遅まきながらのリーゼント・ボーイ、夕日が落ちるまでたたずむ詩人、負けてばかりいるギャンブラー、独り言をしゃべり続けるアル中、契約に思いを巡らせるビジネスマン、まったく腕の上がらないゴルファー、国籍不明のヨット・マン、じょうろで野菜に水やりする素人ジェントリー・ファーマー、古希にならんとするスノー・ボーダー、・・・止めた。

水仙と桃

 振り返ると水仙が花を開き桃の花が咲いた。この桃は源平と言って白とピングの花が一緒に咲くのだが今年は白ばかり。
 定点観測をしていると、自然も姿を変えていくのか。ましてや生身の人間においておや。

 我が身の変遷を振り返ってみて、一つ気が付いたことがある。この半世紀を通じて興味の趣くままに暮らし、それなりに精進したつもりではあった。しかし、風体は多少変われども、例えばIQが上がったとか品格が増したなどという事はない。だが、その間の様々なチャレンジが全部無駄だったかと言えばそう簡単には言い切れない。多少の役に立ち、多大な迷惑を振りまきはしたが、そこには存在していたことは確かで、その(中身は変わらないとしても)果実を味わうのはこれからに違いない。というどうにも爽やかでないオチになってしまった。

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真冬の富士と魔王天神社

2022 FEB 24 0:00:08 am by 西 牟呂雄

 性懲りもなくスノボに行く途中に富士山のヴュー・スポットがある。
 曇り空にうっすらと富士山を見るとなんか変。ぼやけた写メで見にくいだろうが、山頂がすっぽりと雲に覆われまるでお椀を被ったようだった。
 これは「富士山が笠をかぶれば雨が降る」と古くから言われている笠雲で、検索してみると事実冬場では70%ほどの確率だそうだ。
 この日は寒い曇天で、降れば雪。車はノーマル・タイヤだから下手すると遭難。這う這うの体で帰ったらやっぱり降った。富士山の言い伝えありがたや。

山中湖にて

 このところ山荘暮らしが長いので(テレ・ワークのせいで)、休日には富士五湖をひとつづつ一周するドライブを今年から始め、西湖・河口湖・山中湖と回った。どこからでも富士は見えて観光客もオフ・シーズンとコロナのおかげで少ない。
 こちらは山中湖からの富士だが、山裾から湧き上がっているような光景が珍しいので納めた。
 こんなに晴れているのにあの雲の下は風が舞っているのだろうか。

 先日、西村さんの初詣ブログに第六天魔王についてコメントしたが、第六天魔王とは別にサタンではない。仏教における天のうち、欲界の六欲天の最高位(下から第六位)にある他化自在天のことであり、日蓮などは修行者を堕落させる者と説いた。
 かの織田信長が叡山を焼いた後、正覚院豪盛等が武田信玄を頼ったため信玄から信長宛てに書状が届くが、「天台座主沙門(しゃもん) 信玄」とあったため、その返信に信長が「第六天魔王信長」と署名し叡山残党への恫喝の意味を込めたとされる。但しその書簡はいずれも現存せず、宣教師ルイス・フロイスの報告書にあるだけなので疑う声もある。だが世間でそう言われたり噂されていたのだろう。フロイスの書簡を見たことはないがアルファベットで『ダイローテンマオ』と読めるそうだ。

うわぁ

 一方、仏教の世界観を表す名称を持つ神仏習合の神社はその伝承はともかく多く、五湖の西湖の近くに魔王天神社はある。
 いつも行くスキー場の入り口だ。
 この日、また性懲りもなくスノボをやりに行って恐ろしい目に合った。ボードを抑えるビンディングは樹脂でできていて、固くシューズを固定しているが、3本目を滑ろうと締め始めたら『パリッ』と音がして、左足の甲の所が飛んでしまった。もう20年も使ったから来るべきものが来たのだ。仕方なく足首だけ固定して降りてきたがヤバいの何の。それにしても・・・。以前スキーでも似たような目に合ったことがある。

春夏秋冬不思議譚(ゲレンデに砕けたスキー靴)

 
 あまりのことに、お祓いがてら魔王天神社をのぞいてみた。山が神体というので長い階段があり、見上げてみるとこのおどろおどろしさはどうだ。
 そしてたまたま通りかかった人に聞くと地元での呼び名は「オダイローサマ」。まさにフロイスが聞いた通りの第六天魔王そのものだった。よいこらしょっと登ってみると何と石段は108段!

オダイロー様

 ヒイヒイいって上ると質素なお社があり、まさしく『魔王天神社』なのである。
 覗くと御神体はなく、奥は吹き抜けになってその先への階段があるだけだった。
 人っ子一人いない狭い境内で、おもむろに10円玉を放り込み、本日起こった不幸を払い年末から続く諸々の厄災を報告し、家内安全世界平和商売繁盛、祓い給え清め給えカシコミカシコミ申し上げ奉りました。

舞殿

 ふと見ると、参道の前にかわいらしい神楽殿があったから、ついでに大魔王踊りでも奉納しようかと思ったが『不審者を見た場合は村内放送の上通報します』などと書かれていたのでさすがにやめた。

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喜寿庵の日没

2022 JAN 16 0:00:53 am by 西 牟呂雄

 しばしばブログ・ネタにもしている喜寿庵は、祖父がひいおばあさんの喜寿を祝うために普請道楽で建てた山荘である。凝り性だった祖父は、家相に拘り表門を東に向けるために私道をしつらえたり、庭に大石をヨイトマケで引きずり上げたりと大変な入れ込みようだったらしい。
 この祖父はよくわからない人で、京都帝大に学んだ当時のインテリではあったが、奇行で有名であった。満州旅行で仕立てたジナ服や、やりもしない乗馬服で街を闊歩していた。伯父から聞いた話だが、一緒に歩いていて『暑い』といきなり川に飛び込んだり、一時弓に凝ったときは巻藁に幼い伯父を乗せて矢を打ち込んだりしたそうだ。
 更に喜寿庵を整理していて最近分かったことだが、理系の高校を出ながら京大は経済学部に入り、しかも中退していた。あくまで推測だが、左傾しかけてひい爺様に辞めさせられたのではないかと睨んでいる。

冬至の頃のショット

 そもそもなぜこの場所に建てたか、といえば桂川渓谷の借景だと伝わっている。写真は冬至の頃の日没で、ちょうど山の端が重なり合った谷間に落ちる光景に惚れ込んだと。
 確かに、夕日が山にかかってからほんの10分ほどはため息が出るほど美しい。様々な思い出が脳裏をよぎる瞬間だ。ただ不思議なもので、この光景を見ながら嬉しさがこみ上げてきたような記憶はない、忘れている。この先どうなってしまうだろう、と途方に暮れたことばかりが残っている。例えば癌を宣告された時とかだ。
 更に恥ずかしい話だが、この光景に向かって『チクショー、何が何でも成し遂げてやる』とか『今に見ていろよ』等と高揚したことも全くない。挫折は何度も味わっているが、そっちがダメならコッチにするか、的な気楽さで交わしてしまったように思う。

 話は変わるが、法然上人は西方に沈みゆく夕日を見ながら、阿弥陀如来のおわす極楽浄土を観想するという修行をした。日観想という。
 今更この年で人格が向上するとも思えないが、この山間に日が落ちている時期に2~3回やってみたが、何も見えてこなかった。思えば努力・我慢・反省とは無縁な人生を送って来たのだ、これではいかん。
 そこで今後5年の目標を作ることにした。年ごとに計画を立ててみた。
 ある目標を作ってみたが、ちょっと書くのはははかられる。ただ、それにアプローチする方法は、一人でやる、ゆっくりとやるということだ。形が見えてくるのは今から1年後かな。
 まず今年。酒を止める・・・、ダメだ。

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レイモンド君再び

2021 OCT 14 9:09:36 am by 西 牟呂雄

 赤トンボが増えたなー、という初秋の山荘で道路を掃いていた。何しろ物凄い落ち葉だから今からやっても12月には絨毯を敷いたようになってしまう。
 向こうから大小二つの人影がやって来る。そろそろかな、と思っていたヒョッコリ先生だ。すると小さい方はレイモンド君だろう。だいぶ歩くのが早くなってる。
『やあやあやあ、いい季節になったね』
『紅葉はまだですけど涼しくはなりましたね。レイモンド君上手に歩けてるじゃないですか』
『うん。まだ喋れないけど表情がはっきりしてね』
『ミャミャミャグイー』
 僕はすっかり友達になって仲良しだから、レイモンド君はヨチヨチと寄って来た。抱っこしてやろうとすると、いやがって門の中に入ろうとする。弱ったな。
『なんだ、レイモンド。お庭で遊びたいのか』
 オイオイ、オレのうちの庭だろう。この先生は勝手に入って来るけど。これは・・・。
『そうか。ちょうどいいや。キミ30分ほど見ててくれないか。そこまで行ってくるから』
『(そーら、おいでなすった。いつもの手だ)エート、ちょっと忙しいんで』
『ナニ、すぐ帰って来るよ。どうせ今だけだろ、忙しいの。普段はヒマそうじゃない』
『(勝手に決めんな)はァ、まぁ、ね』
『ホッコンホッコンヨー』
『あっ、コラコラ勝手に行っちゃだめだってば』
『じゃあよろしく』
 やられた。まっ、しょうがないか。久しぶりだし。
 前に喜寿庵に来た時は全くのオギャーだったから庭を覚えているはずはないが、トコトコと入って行ってしまった。ここは崖の上だから放し飼いにはできない。追いかけていくと芝生の真ん中に立っていた。

彼岸花

 そして庭の隅っこに咲いている彼岸花を見ていたと思うと、そっちに突進した。ヤバい、あの花はちょうどレイモンド君と高さが同じだ。『キャ~』とか言いながら花びらを掴んでしまった。『コラコラコラ、ダメー』と駆け寄ったが遅かった。一緒に遊んでいるつもりかケラケラ笑いながら引きちぎってる。口に入れるのはかろうじて止めさせた。
 暫く花びらで遊んでいたが、それに飽きるとネイチャー・ファームの方に行こうとする。あっちのピーマンとナスもまた等身大だからマズい。何しろこんな赤ちゃんに毛が生えた程度のチビでも、その機動力と破壊力は凄い。オトナが気が付かないところで想像もしないようなことをやりたがる、できもしないくせに。しょうがなくて少し離れた公園に連れて行った。

 そしてそこでもレイモンド君の探求心と行動力は怯まなかった。どうも動く物が好きらしく、車が通ると『キャー』と駆け寄り、ブランコにしがみつき、すべり台によじ登ろうとする、いずれもできないのだが。目を離すとトコトコ行ってしまうので、いつも傍にいないとヤバい。これではまるで犬の散歩だ。
 ところがしばらくすると、僕とレイモンド君の間では会話が成り立っていることに気が付いた。『はい、何か貰ったら、ありがとうございます、だよ』というとペコッと腰を折って『あーがあ~~』これが、ありがとうございます、のようなのだ。他にも、どっこいしょ、とか、ヤッター、と言っている(ような気がする)ではないか。
 待てよ、これはテレパシーじゃないのか。口には上手く出せないが、超能力で伝えているのではなかろうか。僕は凡人だたら、ひょっとしてレイモンド君はエスパーなのかもしれない。
 試しに、心の中で『レイモンド君。君はエスパーなのかい』と念じてみると、そうだよと返事をするではないか!
『ダー、ダー』
 これはロシア語の肯定だ!何で僕がロシア語を使うのを知ってるんだ。ん?

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