サムライ島口哲朗 世界を股にかける
2018 MAY 27 0:00:26 am by 西 牟呂雄
読者の皆さんはこのSMCホームページや各ブログの下の方にSMCが提携しているNEXTYLEの動画をご覧になっていますか。
現在アップされているサムライ・アーチスト(殺陣パフォーマー)の島口哲朗さんとお話することがありました。
身のこなしといい、語り口といい、イヤモウかっこいいのなんの。鍛え上げられた所作からはオーラが出ていました。
詳しくはNEXTYLEをクリックして頂くとしても、様々なメディアに登場されていますのでご存知の方も多いでしょう。
何と言ってもあの衝撃的な『キル・ビル』の殺陣振り付けでブレイク、ルーシー・リュウのボディ・ガード集団クレイジー88の一員で出演もされています。
私もあの映画が好きでして、布袋のバトル・ウィズアウト・オナー・オア・ヒューマニティーが流れる中、日本刀を携えた一行が現れるシーンを繰り返し見ましたね。
撮影の話ではクエンティン・タランティーノ監督の独特の個性についても面白く聞かせてもらいました。
島口さんは学生時代に殺陣のクラブに打ち込んだ後、何と澤瀉屋(おもだかや)の舞台で当時のスーパー歌舞伎に出演します。奇しくも私の大のご贔屓、市川右近さん(現・右團次)に弟子入りを勧められたそうです。
おそらくこの時点で『型』と『間』の呼吸を身に付けられたと思われます。そしてその後修練を重ねた後、殺陣パフォーマンスグループ『剱伎衆かむゐ』を率いて世界中で公演・道場の運営と忙しく飛び回っている最中です。
現在取り組んでおられるテーマが『会津』だそうですが、これは単なる戊辰戦争150周年である幕末趣味のお話かと思うと大違い。
所は変わってウクライナに公演に行かれた時。車で数時間かけてわざわざ辺鄙な村まで行きます。それはそこに例のチェルノヴイリの事故で難民化した村人がいて『サムライが見たい』という話を聞いたから。そして訪問したところ大歓迎を受けたのです。
そうです、会津は福島県。津波や避難勧告は受けなかったものの原発事故の影響は大きかった。島口さんはウクライナで出会った子供たちと会津の子供たちの交流に繋がれば、と夢を語ります。現地の言葉は喋れなくとも充分に伝わるものがあるのでしょう。
スペインで慶長遣欧使節団の子孫というハポンさんと語り、南米の日系人とドッキリ・カメラで交流し、アフリカにまで足を伸ばします。
日本の『型』というよりは精神、災害に遭っても助け合い秩序正しくあろうとする心は、人々から仰ぎ見られていた武士の自律的な所作にその源流がある、これが海外から多くのオファーが来る理由だろうと考えておられる様です。
実際、海外に行くと多くの人が日本に関心を寄せているのが分かると同時に、自分がいかに日本について深みのある知識を持ち合わせていないか思い知らされることがあります。
島口さんは今、会津の歴史を中心に大変熱心に勉強をされていて、頭が下がりました。
鋭い眼光で熱く語った後、とてもやさしそうに笑う表情が印象的で、今後もNEXTYLEでエピソードを撮るなどの協力を惜しみません。
できればこういうの撮ってみたいな。
サムライ 世界に羽ばたけ!
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山の大魔神
2017 JAN 2 19:19:55 pm by 西 牟呂雄
暮れから三日三晩飲み続けて朦朧としてます。
お正月の楽しみは箱根駅伝です。
大本命は青学、対抗は東海大という噂でした。
今年は伝統校の中央大学がシード落ちに加え予選会でも一つ及ばず涙を呑みました。予選会をCSで見た時は気の毒でしたね、仕方ありません。
服部選手(東洋)のスパートでトップのリレー、学生選抜がビリで泣きそうな顔(実は苦しい)で走る姿を応援して始まりました。
2区は長いのでエース対決といわれます。ところが青学のエース一色選手がスパートで失敗し鈴木選手(神奈川)に差をつけられてしまいました。東洋は8位に。
3区で秋山選手(青学)が越川選手(神奈川)を捉えてトップに躍り出ます。平選手(早稲田)が3位に来てました。ここで早稲田も前に出て2位に。小田原に向かいました。
4区での順位は青学・早稲田・東洋・帝京・創価・順天堂・神奈川・法政・駒澤・拓殖・中央学院・日体大・日大・東海・大東大・上武・山梨学院・明治・国学院・学連・国士舘となりました。
箱根を箱根たらしめているのは、やはりあの800mの高低差を駆け上がる5区です。ここで山の神・今井正人(順天堂)、二代目柏原竜二(東洋)や 山の魔人(僕の命名ですが) 神野大地(青学)に続くスーパースターは出てくるのか、と画面を見ていました。
青学は予想通り往路で首位、早稲田は途中2分程あった差を33秒まで追いついた好レースでそれなりに楽しめましたけれど。
やはり『山の神』『山の魔人』と言われるためにはトップを走るだけでは物足りません。できれば10位近くの順位で襷を受けて、あの厳しい上り坂でアレヨアレヨとごぼう抜き(今井選手は11人抜いた)してトップに立つのが相応しい。まあ、全体のレベルが高くなって昨年の青学のように初めから最後までトップでも立派ではありますが。
今回敢えて根性を見た気がしたのは中央学院大学の細谷選手でしょうか。表情が良かったのは順天堂の山田選手。駒澤の大塚選手も登りをがんばった。順位は2位⇒2位なので目立たなかったですが早稲田の安井選手も随分タイムを縮めてます。残念ながら『山の大魔神』は出ませんでした。
しかしあの上り坂を駆け上がるのは僕達からすれば気が遠くなるような難行苦行ですが、今回は親子二代で走る選手が二人紹介されました。両方ともお父さんが監督をやってる山梨学院の上田選手と大東大の奈良選手です。やはり特殊なDNAなのかな。
ところで、僕の姪が青学の陸上部で女子マネ(但し短距離)をやっていて観客の整理に黄色いジャンパーを着て当たっていたそうです。中継所の近くの交差点だったので目をこらして見たのですが分かりませんでした。『アノ娘がいると見にくいんだよね』などと言われる、とこぼしていました。
あしたの復路は早稲田が意地を見せそうな予感が・・。
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トランプ10番勝負
2016 NOV 16 21:21:35 pm by 西 牟呂雄
数々の苦境から トランプ五番勝負 を勝ち上がったドナルド・トランプ。ついにアメリカ大統領にまで登りつめた彼は、これからももう五つの危機を乗り越えなければならない。
少なくとも今後4年間に渡る10番勝負の後編を予測してみよう。
其の六 トランプ暗殺に勝つ
選挙期間を通じてあれほど罵詈雑言を浴びせたイスラム教徒の憎悪は凄まじく、特に壊滅の危機に瀕したISから次々に刺客が放たれた。しかし国家の威信をかけたアメリカも必死の防御体制を敷く。
ところが思わぬ落とし穴があって、白人宗教右派が反トランプの熱に侵されて頭に血が上るとこれも恐い。ヒスパニックだって面白くないだろうし黙っているだろうか。
しかしトランプは負けない。あの特殊な髪型はこの日に備えて影武者を立てるためだった。実際二回の自爆テロによる暗殺未遂の犠牲になったのは影武者で、その都度『オレは不死身だ』と病院から出てきてヒーローになる。
あの人工的な顔立ちのファーストレディーもロボットのマネキンだったことが後に判明する。
其の七 トランプ経済に勝つ
クリスマス前にとうとうイェレンが金利を上げた。ドル高が進みマネーは新興国からアメリカにUターン。
そこであれ程悪口を言っていたメキシコに融和的な姿勢を見せて、かえって経済的な植民地にして丸儲け。
アメリカは空前の好景気に沸く。すると太っ腹になったトランプは減税を実行して益々人気が上がる。
TPPは集結宣言を出すが、裏でシコシコ調整していつの間にか共和党の政策にスリ変えて批准する。これは上記メキシコの植民地化と同時に1年をかけて実行される。
其の八 トランプ外交に勝つ
大方の心配をよそに、会談した安部総理との相性はピッタリ。安全保障問題白紙のトランプに日米同盟の重要性を刷り込むことに成功して意気投合する。同盟はより強固なものになる。
その恩恵に預かる形で日露平和条約にも文句は言わなくなって北方領土問題が解決。
逆に中国・習近平と瀕死の韓国・朴大統領は会った途端に『北朝鮮をナントカしろ』とやってしまい最悪に。
中国は経済破綻の恐怖からアメリカにはあまり触れなくなり、反日をまた始めることに。ただ『航行の自由作戦』は継続されて中国も参る。そして一方の当時者でもあるドゥテルテ大統領はトランプにイチコロで親友になりアメリカの悪口を言わなくなる。
一方でロシアに対しては面倒になって制裁を解除してしまいプーチンは大喜びする。ついでにプーチンに会った時に『シリアなんかオレはどうでもいいんだ。面倒だから一緒にISを潰そうぜ』と二人で盛り上がって両国共同という前代未聞の絨毯爆撃を始める。さすがに国際的にも評判が悪く、直ぐ止めるがISは壊滅する。
其の九 トランプ醜聞に勝つ
大統領就任後、今までの行いから物凄い数の訴訟を抱える事になった。中でも多いのが「〇〇時代に弄ばれた」とする女性からの訴えである。
すると秘かに過去の大統領の数々のスキャンダルがハッキングを装って小出しに流され、巷では『民主党の大統領の方がひどい』という世論が形成される。ケネディの凄まじい女好きの機密文書からビル・ク〇ントンの新たな変態振りが次々と垂れ流されて手が付けられなってしまう。
いつの間にかトランプの醜聞はどこかにいってしまい涼しい顔に。
其の十 トランプ歴史に勝つ
四年後の東京オリンピックに一期目の実績を引っ下げてトランプがやって来る。
大舞台でトランプ・プーチン・安倍の三巨頭がガッチリと握手する。
『ドナルドにウラジミール。オリンピックにようこそ』
『スパシーバ、シンゾー。結局このオリンピックまで生き延びたのはオレ達だけになったな』
『サンキュー、シンゾー。一番の新参者のオレが一番の年寄りってことか。ワハハハ』
『ドナルド。その分もう4年やれよ。オレ達は間をはさんで2回づつやったんで』
『ダー・ダー。オレなんか2000年からやった』
『オレは2006年だったな、一回目が』
『オー・ノウ!一期で沢山だ。勘弁してくれ』
『だがオレ達の時代で中東も平和になったしチャイナも引っ込んだ』
『ハラショー。中東ではドナルドとうまくやった』
『すべてウラジミールのお蔭だ。おい、今度オレのカジノに来いよ。トランプ・カードのバカラを教えてやる』
『ウハハハ。ロシアにもギャンブルの伝統はあるぞ』
『まあ待て。きょうはオレの番だ。さあスシを食いに行くぞ』
皆さん、すべて冗談ですぞ
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死闘 ゴルフ・デスマッチ
2016 JUN 17 0:00:43 am by 西 牟呂雄
まあ、軽く聞き流して欲しいのだが。何しろ昨今賭博行為に対する社会的アレルギーが凄いんで、ほんの遊びレベルと思って頂きたい。
あるゴルフ敵(かたき)がいて、長年戦い続けて決着がついていない。
それが直近二日に渡ってスクラッチ勝負を繰り広げたのだ。
結果の報告の前に多少解説しておく。
1ホールごとに勝負するのは同じだがその際にベットは次のホールに自動加算される。代わるがわる勝ち負けが続くと持ち点は1・-2・4・-8・16・と続き、全部勝つと1・2・4・8・16・32・64・と言う具合に培数列になって2万5千六百オット、じゃなくて256ポイントの勝ち。これが基本なのだが途中で様々なルールが提案されて変化する。「このパットを外す方に〇〇」とかであることを覚えておいて欲しい。
1日目
梅雨の合間の青空で出だし。闘志を漲らせてオナーを取った僕は力いっぱいスライスした。林の中だ!奴はと言うと喜ばしいことに左にチョロしているではないか。よしっリカバリー等と邪な思いで振り回したのが木に当たって戻ってしまった・・。グリーン周りに来た時点でこのホールは捨てた。
次から本日の球筋を修正して持ち直し、イーブンが3ホール続く。ショートで敵が待望のOBを叩いてベットを戻した。
ここからが勝負だ。何しろトータルスコア等互いに問題にしない。カードには〇と×しか書いて無い。
因みにどちらも飛距離は大したことないのでパー・オンはまずしない。3打目でグリーンまであと70ヤードの所で並んだようになって奴が先に打つ、オーバーだ。いやが上にも慎重に打つと、振りがゆっくりすぎてこっちはショートだ。寄せをどうするか。僕は寄せの時に近めならばPWでパターを打つように転がし遠めはSWでフンワリ上げるが、微妙な距離で僕からはピンが遠目だ。ところが敵が先に打ったのがPWでトップした、ザマーミロ。ボールはカラーまで転がった。それを見た僕は余裕綽々でSWを打った。シャンクだ!結局はドローになってしまった。
午前は負け昼食となる。無論ビールどころではない。
因みにホーム・コースだから2サムで回らせてもらっているので、どんな下品なののしり合いも遠慮なくできる。
ここで僕は自作の心得のゴルフ経を秘かに唱えて心を静めた。『我に艱難辛苦を与え給え。敵に慢心を与え給え。』
午後の滑り出しはロングで比較的スムースにグリーンまで辿り着いた。ゴルフ経が効いたとニンマリしたら途端にもっと効いてしまってパットが乱れ艱難辛苦に陥る。
そんな具合で3ホールやって4ダウンした。残り6ホール、僕の心はチヂに乱れかけたが、とにかく終わりに連敗しなければこのルールは戻せる。落ち着け落ち着け。
13番ホールで会心のパットが入って取り戻し、14番もナイス・オン。8アップだ。
17番までドローが続き18番ロングを迎えた。
そしてラストで敵のOBが出た。大変不謹慎だが笑いを噛み殺しながらコンパクトにナイス・ショット。16アップで初日を終えた。金額にして・・・やめておく。
本日は喜寿庵で泊まりだからガンガン飲ませてしまおう。
ところでこのホーム・コースは所謂山岳コースで、クローズこそしないが冬場は凍ってしまってやる気がしない。また山も近いので雷がなると即プレー中止。一度皆が引き上げた後も平気でプレーしていて(僕の組と後の組にキャディさんが付いていなかったので何も言われなかった)近くの山に落ちたことがあった。全体が南に向いて打ち下ろし、山際を回って帰ってくるコースになっている。
バブルの頃は某銀行がオーナーで石を配したり木を植え替えたりしていたが、今は外資に面倒をみてもらっている。
さて決戦二日目、作戦通り敵はボーッとしているが、不覚にも僕もしっかり二日酔いになってしまった。朝メシ抜き。
敵は一番のロングで林の中に打ち込む。するとこちらはナイス・ショットが続いた。
二番も三番も奴は寄せを失敗したりバンカーに入れたりして悶えている。これで合計32アップだ。
すると今度はショートで互いに乗らなかったが、あいつのまぐれ当たりの寄せが入りかけてパーを取られ、今までの苦労が水の泡の64ダウンになった。
そこから交互に大叩きをしてしまい、このあたりから特別ルールが各種導入され結果はドローに近いことなる。あいにく曇り空からポツッポツッと雨が降り出していた。
そして地獄の午後ハーフに突入。ここからは倍付上等の青天井ルールになる。どうも現行ルールでは技量が同じ位下手なもので最終ホールだけで勝負になる。
ところが、である。折からの強風に加えて一天俄に真っ暗になってザーッと本降りになった。寒い。
「おまえ雨具持ってきた?」
「いや、ないよ。」
「そうか。寒いな。」
要するにちょうどいいからこれで切り上げたいのだが、どちらも意地があって自分から言い出しにくいのだ。
「元々オレは雨に強いんだよな。」
「オレだって雨の方がパットが決まりやすいんだ。」
「しかし冷えたな。お風呂はもう入れるし。」
「調子が上がってきたんだから勝てるところなんだが、惜しいな。」
互いの真意が透けて見えた結果、切り上げる事にして冷えた体をゆっくりと広い浴槽に浸けた。負けだ。
「それにしてもオマエの寄せはひどいな。何を使ったらああなるんだ。」
「フンッ、最近始めた7番の転がしだ。オマエにゃ10年早いがな。」
「どうせピッチングでトップするのに飽きたからだろう。」
憎まれ口を利きながら上がってみると、何と雨は上がっているではないか!
じゃあな、と言って別れ車で帰るフリをしながら僕は秘かに7番アイアインを持ってアプローチ練習場に行った。ヤツが最近始めたという転がしを練習しようとしたのだ。するとそこには一足早くピッチングを持った奴が来ていた。嗚呼・・・。
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トランプ 五番勝負
2016 JUN 5 15:15:55 pm by 西 牟呂雄
本当に大統領になるのだろうか。アメリカは反知性主義の塊にでもなって、もう冷静さはなくなってしまったのか。モンロー主義に戻って籠もるつもりか。それともアメリカは本当は怒り出したのだろうか。興味の尽きない選挙まで後半年。
数々の勝負に勝ってきた男、ドナルド・トランプとは何か。その勝負の軌跡を別の切り口から拾って遊ぼう。
一番勝負 トランプ 髪切りマッチに勝つ
実はトランプは大のプロレス好き。アトランティックシティのトランプ・プラザではWWEの祭典レッスルマニアが開催された。それどころか2007年、WWEオーナーで億万長者のビンス・マクマホン会長にビデオレターで宣戦布告をした。無論業界で言う”アングル”(やらせによる客寄せ)である。
「ファン感謝祭」では会場の天井から本物の百ドル札を降らせて突然トランプが登場。この百ドル札は確かに本物で皆持ち帰っていた。これに対しマクマホンが双方の髪の毛をかけての対決を申し入れるという実にふざけた企画なのだ。二人ともヅラ疑惑があったため髪切りマッチという筋書きだ。無論本人達は直接はやらず、指名したレスラーに戦わせた。
当然受け狙いの演出は万全で、場外ではトランプがマクマホンにアックスボンバーを打ちパンチを連発する。
結果はトランプ側のラシュリーがマクマホン側のウマガに勝利し、マクマホン会長はリング上バリカンで丸坊主に。今でもYOU・Tubeで見られるが面白いの何の。
今回連発している暴言はこのノリの延長線みたいで、本当に大統領になっていいのか疑問を持つ事請け合いだが、不思議な事に少しもそうならない。
因みにこの試合のレフェリーをやったのはアクション俳優として映画にも出る”ガラガラ蛇”オースチンで、帰り際にスタナーをトランプに喰らわせている。
二番勝負 トランプ バカラで勝つ
山梨の不動産業兼貸金業社の柏木昭男。彼はバカラのプロとして世界的に有名なプレイヤーである。オーストラリアで29億円を勝ったこともあった。
前述トランプ・プラザはカジノも併設しており、初めはそこでしこたま金を搾ってやろうとトランプ側が招聘した。これを受けてバブルの真最中の1988年、柏木氏はバカラのテーブルにやって来た。
1回の賭金が20万ドルというケタ違いのバクチなのだが、柏木氏はたったの2日で600万ドルも稼いでサッサと帰国した(税金はどうしたのだろう)。
3カ月後、再び柏木氏が姿を現す。2度目の勝負は一週間続き柏木氏は最終日に925万ドル勝っていた。ところがバクチは恐ろしい。それから10時間もの間柏木氏が負け続け、最後に1000万ドル負けて終了。負けが込んでいた時点でトランプ側が一千万ドルまでで勝負を終えようとオファーしていた。オッソロシイ。
尚、柏木氏はその後自宅で惨殺されたが犯人は迷宮入りである。負けを払わなかったからだと言われている。
三番勝負 トランプ破産に勝つ
さすがに失敗もある。イースタン航空のシャトル便路線を買収したがうまくいかなかった。巨額の債務によりカジノやホテルも倒産した。 1994年に飛行機事業から撤退。マンハッタンの物件も売却した。
ところが個人資産はガッチリ確保しており、その後マンハッタンに高級マンションを建設したりホテル・カジノをオープンして「アメリカの不動産王」に復活する。
そしてまた、サブプライム・ローン破綻やリーマンショックからもさすがに逃げられず、社債の利払い不能になったトランプ・エンターテイメント・リゾーツ社は2009年に連邦倒産法の適用を申請している。上記のWWEもバカラもこれらの危機の直前の話であることに注目したい。
にも拘らず相変わらずケタ違いの大金持ち振りは相変わらずで、その辺のカラクリは良くわからない。おそらくヤバい部分があるに違いない。
常に復活を繰り返しながら、不採算事業はすぐに手放している。
四番勝負 トランプ予備選に勝つ
過激な暴言で注目を浴び、主流派が割れて戸惑っているうちに勝利を手にした。ウォールストリート・ジャーナルやワシントン・ポストがケチョンケチョンに書いても気にもかけない。差別的な表現、下品な表現、非人道的表現、何でもござれ。それが予備選では連戦連勝した。以外と巧みな選挙戦術があったのかもしれない。
共和党主流派は一体どこで何をやっていたのか。その主流派の本命は誰だったのか。
筆者はジョブ・ブッシュだったと見立てていたのだが・・・。
トランプの戦術は『当面の敵』を言葉巧みに煽り立てて潰してしまう、というものだったと思われる。
ルビオはヒスパニック系だがネオコンみたいなところがある上にカトリック。ウォール街の献金も多い。クルーズはティーパーティーの流れを組んでいる共和党一の嫌われ者。ブッシュは兄貴も親父も戦争をやった。これらをうまく突いて引っ掻きまわし、主流派が慌てているうちに次々と他候補者を潰していった。確かにアメリカの選挙はネガテイヴ・キャンペーンありだから、サシの勝負に持ち込んであいての悪口を言い浴びせて葬ってしまったのは見事な戦術ではあった。
五番勝負 トランプはヒラリーに・・・
トランプは単なるバカではない。押し寄せる難民、財政の悪化に対してのアジア防衛費用の削減、アメリカの復権、といった言葉を並べてプア・ホワイトの票を固める。返す刀でクリントンのあることないことまくし立ててインテリの弁護士上がりをうんざりさせるだろう。その挑発にのって”ため息”をついたり”涙ぐんだり”したらもう負けだ。
おまけにヒラリーはもう女性であることは何の集票力にもならないし、固い保守層からは嫌われに嫌われている。、
だがこの半年のうちに変な事が怒らないとも限らない。イスラム過激派のテロ、北の国の暴走、中国の挑発、ヨーロッパの不安、これらはいずれもアメリカ回帰発言を繰り返すトランプに有利に働くだろう。
でっ、本当になったらどうする、どうする。
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死闘(ヴァーチャル)十番勝負 そのⅡ(6から10)
2015 FEB 13 21:21:56 pm by 西 牟呂雄
其の六 毛沢東 VS リンカーン
毛「初めて会った気がしない。凄いヒゲだな。」
リ「我々は共通したことをやっているのを知っているか。」
毛「何のことか。あなたの国の歴史は我が中国の二十分の一しかないはずであるが。」
リ「それではあなた二十人分の独裁者がいたのかね、おっと失礼。」
毛「ファハハ。少なく見積もっても百人じゃ足らんな。」
リ「共通しているのは互いに国を真っ二つに割って国の歴史上最大の犠牲者を出したことだが。」
毛「我が国はもっと増やすことも可能だろう。別にあれで最後とは限らない。」
リ「国中戦乱に陥れた時の人数と大躍進運動で飢え死にした分を入れてだぞ。ヒトケタ多いようだが何とも思わんのか。」
毛「考えたこともない。そうは言われるが、都市部の無差別殺戮は南北戦争で散々あなたもやったではないか。そもそも我々はアングロサクソンに人道的に扱われたとも思っていないが。」
リ「一つ教えよう。あなたの国名の『人民』は私の演説にもある『ピープル』の日本語訳、『共和』はわがリパブリックのやはり日本語訳だったのをご存じないか。」
毛「知ったことではない。元々そんな概念は我が国には無いし、これからもない。ついでにお教えするが『デモクラシー』などは我が国では成り立つはずもない。選挙みたいな甘っちょろい統治では中国は治められない。」
リ「どうもマルクス主義も分かっていないように見えるが。」
毛「奴隷を使っていたあなた方に言われたくもない。あなたが解放したといっても一部に過ぎない。あなたの国も矛盾に満ちている。我が矛盾論でいうところの目先の小さい矛盾に教条的に対応したに過ぎない。」
リ「時間の無駄のようだ。失礼する。」
☆弁護士出身で自信満々論争に臨んだリンカーンも毛沢東のあまりの訳のわかんなさにギブアップして毛沢東の勝ち。
其の七 バンパイア VS ゾンビ
動きの鈍いゾンビなどものの数ではないとばかりにバンパイアはゾンビの首に噛みつくが、ゾンビには血液が無いためバンパイアがやる気を無くす。更に噛み付いたことでヴァンパイアがゾンビ化してしまい、その由緒ある血統は絶滅する。
☆ゾンビの勝ち。
其の八 ルイ十四世 VS 二出川審判
ルイ「朕は国家なり。」
二出川「オレがルール・ブックだ。」
☆いくら何でもルイ十四世の勝ち。
其の九 聖徳太子 VS 張作霖
太子「日出処天子至書日没処天子無恙云々。」
張「オレは字が読めないんだよ。」
☆どちらも伝聞の域を超えないので引き分け。
其の十 鳩山由紀夫 VS 菅直人
鳩「今回の政府の対応には友愛のカケラもない。断じて許せません。」
菅「私はやっぱりイスラム国に独立した国家としての付き合いをすべきだと思います。」
鳩「そんなこと言ってもイスラム国なんてポツダム宣言にも書いてないし国連にも加盟してません。」
菅「ですから!私が特使で現地に行くと言ったんです。あなたはイランまで呼ばれもしないのに行ったでしょう。」
鳩「私は英語で修士論文を書いたんですよ。あなたは麻雀点数計算機の特許を持ってるだけでしょう。トラスト・ミーってオバマに言いました。」
菅「私だって役にも立たないのに福島までヘリで行きました!東電幹部も怒鳴りつけたんですよ。」
鳩「あれは役に立たないどころか現場の足を引っ張っただけでしょ。友愛すればよかったんですよ。」
菅「そんな!友愛なら尖閣で体当たりした漁船にさんざんしたじゃないですか。」
鳩「あの友愛はあなたじゃない。あなたいなかったでしょあの時。仙谷官房長官じゃないですか。」
菅「バカヤローッ、仙谷なんかナンボのもんじゃ。大体あんたは小沢にペコペコしやがって。」
鳩「あんただってヘーコラしてたじゃないか。」
菅「高校(小石川高校)の先輩だから頭あがんないんだろ。『どうか検察とお戦いください。』って敬語の使い方も変だ。」
鳩「育ちが良すぎて敬語は使われる側だった。比例の最下位で当選して偉そうにするな。」
菅「そっちは選挙に出ることもできなかったじゃないか。一度あんたの弟がオレの選挙区で出たけどアッサリ落してやった。」
鳩「あれはあんたの出しゃばり女房にしてやられた、と言っていた。」
菅「あんたのカミサンだっていいかげんなこと喋っちゃあ物議をかもしてるだろう。」
☆引き分けとしか言いようがない。よく共同代表でやれたもんだ。
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死闘(ヴァーチャル)十番勝負 そのⅡ(1から5)
2015 FEB 10 20:20:09 pm by 西 牟呂雄
其の一 天然理心流VS薬丸自顕流
この薬丸自顕流は同じ薩摩のお家流の示現流と混同されるが元々のルーツは違う。薬丸家の野太刀の方が古くからあったのだが、示現流創始者の達人東郷重位に薬丸兼陳が入門し高弟になったのでややこしい。型は示現流より更に少なく、立木を猛烈な勢いで撃つ。何しろ『地軸の底まで叩き切れ』とやるのだから凄い。西南戦争時の薩軍の切り込みを受けた官軍に、自分の刀の鍔が頭にめり込んでいた死体が多くあったそうだ。受け切れなかったのだ。
一方の天然理心流もスマートじゃないところはドッコイドッコイである。物凄く太い木刀を振り回す田舎剣法で、強いことは強い。例の新撰組が京都で毎日のように人を切り殺していた。
ただ、新撰組が暴れまわっていたころはスポンサーの会津と薩摩は対長州で同盟関係にあり、直接刀を交えることはない。具体的には薩摩藩出身の富山弥平衛が新撰組に入隊し伊東甲子太郎と共に離脱した。伊東は結局惨殺され、その遺体引き取りに現れた際に油小路で切り結んだケースだろうか。いくつかの小説に取り上げられているが、新撰組は初めから多数で囲んでズタズタに切る得意の戦法に出たのでどっちが強いか分からない。
それでは一対一の真剣勝負はどうだったろう。例えば天才沖田総司対人切り半次郎こと桐野利秋。司馬遼太郎の説では近藤勇は『一太刀目は辛くも外せ。』と言ったそうだ。
半次郎は『チェストー!』の気合と共に物凄い勢いで切り込んで来る。総司は飛燕の動きで後ろに跳んだ。勢いは凄いが、半次郎は並外れた達人であるからつんのめることにはならず、直ぐにトンボの構えに戻り『チェスッチェスッチェスッ』と三太刀!総司は今度は左に跳びしばし正眼に構えた。半次郎の息が上がるのを待っているのだが、魔人のような気迫をみなぎらせているばかりでビクともしない。どうやら総司は太刀を受けるつもりは無いらしい、一分程にらみ合った。
総司は銃を構えるような天然理心流の『突き』の構えに変えた。刀の刃が外側に向けられる独特の型だ。ただならぬ殺気を見て取った半次郎は必殺の打ち込みを掛けた。同時に総司の三段突きが出た。
☆半次郎が一瞬早く総司の太刀筋を見切り肉を切らせて骨を絶つが重傷。薬丸自顕流の勝ち。
其の二 大相撲VS極真カラテ
その昔K-1の選手がテレビで当時横綱だった貴乃花と一緒に出たとき。アナウンサーが『横綱、K-1と相撲はどっちが強いと思いますか。』というアホな質問に対し『いやー、K-1でしょう。』とテレビ的に答えていたが、顔は不敵に笑っていた。
異種格闘技の場合、ルールでいつもモメてバーリトゥードのような転がっての勝負になってしまうから面白くない(失礼)。そこでこの組み合わせではダウンしたら20カウントのノックアウト、クリンチOK(要するに組討あり)投げもあり、グローブなし、というルールでデスマッチをやったらどうなるか、を考えた。
ゴングが鳴った後、相撲は仕切りの体制で相手が出てくるのを見据えている。極真は間合いを取りながら力士の顔面に蹴りをぶち込むべく周りをステップする。が、力士も手を着けたまま向きを変える。一瞬の間合いを見てフェイントを掛けた後前蹴りが飛ぶが、力士は額でこれを受ける。頭をぶつける頭突きの稽古で鍛えているので首ががっしりして痛みもショックも少ないのだ。しかも仕切り状態だから頭が低い。そこで必殺のローキックを出したところ、丸太のような腕で払われる。次の瞬間、力士が怒涛の立ち上がりでぶちかましにきて双手突きで突進した。相撲の前へ向かうスピードは速い。極真はかろうじて横に回りやりすごした後、電光石火の回し蹴りをみぞおちに叩き込む。しかし全然効かない。もう一発の右回し蹴りが頭部に炸裂すると同時に張り手を喰らって極真ダウン。ところがカウントを聞く前に跳ね起きる。相撲は再び仕切りの構えに入った。
今度は間合いを取らずに相撲が突進する。顔面に正拳突きを受けるが力士は怯まずガシッと組み付き締め上げた、サバ折りだ。腹に乗せられた格好でもがき苦しむが、極真は両手で力士の耳を打った。中立一本拳だった。よろめく力士は二丁投げのように極真を叩きつけて再びダウンを取る。カウント15まで行ったが立ち上がる。力士はまたも仕切りの格好からカチ上げに当たろうとした刹那、必殺の飛び膝蹴りがマトモに入る。力士は顔面大出血し戦意喪失。
☆勝負は極真の勝ちだったが膝半月板損傷で選手生命は絶たれた。一方力士は次の場所の土俵に上がった。
其の三 USアーミーVSフランス外人部隊
アメリカ海兵隊は確かに精鋭部隊で鍛え抜かれている。南方で日本軍と死闘を繰り広げたのは主に彼等だ。海軍も史上(水上か?)最強と言っていいだろう(大日本帝国海軍を除いて、と言いたいが)。ところが陸軍となると具体的なイメージが涌かない。鮮やかに思い出されるのは西部劇の騎兵隊か。しかしカスター中佐の第七騎兵隊はスー族(人数が違いすぎるが)の斧・弓矢の接近戦に全滅したり、こう言っては何だが朝鮮戦争やヴェトナムでの陸戦は個別戦闘において芳しくない。イラクの時も圧倒的な火力で叩きに叩いた時点でイラク軍が戦意を喪失してギブアップ。アフガンでもタリバンを制圧することはできなかった。もっともアフガンの民の(多少人種によろうが)残虐性と戦闘意欲はつとに知られる。何しろソ連軍を事実上撃退し、その後も軍閥が割拠する形で自国民同士殺しあって今日に至っている。
レジョン・エトランゼ(外人部隊)はフランスの植民地防衛がその主務で、現在でもアブダビ・ギアナ・ジブティ・コモロ等に派遣されている。歴史は古く伝統的に猛烈に走らせる訓練をするが、その本義は『突撃』である。弾丸が雨霰と飛び来る中をバタバタ倒れつつも銃剣突撃を繰り返す。いつの戦闘か忘れたが、部隊の全滅を報告にきた伝令が全身に銃創を負っており、指揮官が『貴様は大丈夫か。』と聞くと『閣下、私は既に死んでいます。』と言って倒れたという伝説があったくらいだ。
砂漠で双方一個連隊が対峙して作戦行動に出た場合、次のような展開があるであろう。
互いに確認するや米軍から重迫撃砲が発射される。着弾地点に轟音と共に砂塵が次々に上がる。外人部隊は連隊ごと即座に後退して散開した。後方にも陣地を築いていたのだ。重迫撃砲は鳴りやまず長く連続して撃ってきていた。
外人部隊の指揮官は左右に一個小隊を展開させる手に出た。無論米軍もおなじことを考えるが、ここで外人部隊側の迫撃砲が一斉に撃ち出された。ただどうやら米軍の迂回を阻止するためか部隊両翼に着弾を集中させた。
そうしている内に1時間が経つと迂回小隊同士の交戦が始まったようだ。米軍の自動小銃と外人部隊の軽量突撃銃が火を吹いた。膠着した戦闘がまだまだ続く、日が暮れかかってきた。各迂回小隊の報告より右翼が手薄と見抜いた外人部隊指揮官(日本人)は1個大隊を幾つかに分けて右翼方面に展開させるとともに左翼の残存小隊に後進を命じた。
太陽が落ちかけた頃に、ついに外人部隊の肉弾突撃が始まった。右翼方面から米軍の後ろに回りこむような動きを見せつつ、第一線が突撃して直ぐ伏せると後ろから匍匐前進してきた後列が鬨の声を挙げて更に前進する。米軍はジワリと圧迫されだした。一方外人部隊の損傷も激しい。しかし彼我の距離が1キロぐらいになると侵攻のスピードが上がる。戦場において、いくら自動化されていても、歩兵が3分以上引き金を引き続けることは無理で、双方の打ち合いにも必ず波が生ずる。外人部隊の大隊長(サモア人)は一瞬のスキを見逃さなかった。バズーカを連続して撃ちこませると号令した。
「着剣!突-撃-!!」
驚くなかれ正面連隊もロケット砲を発射させて全軍が突進してきた。味方を撃つ可能性もあるが、玉石砕く捨身の戦法に出たのだ。無論バタバタ倒れるがじきに米軍が後退を始めた。
☆拠点制圧は外人部隊の突撃により勝ち。しかしその後後方より飛来したアパッチの猛烈な火力で全滅。
其の四 酒乱VSハラスメント
酒乱と言っても色んな種類があって泣き上戸なんかは放っておけばいいから、ここで登場してもらうのはネチネチ絡むカラミ酒だ。この手の酒乱には話の終わりがない。酔っ払いは飽きることもないから始末が悪い。
一方のナントカハラスメントもしつこさはいい勝負。思うにパワハラを露骨にやる人はセクハラもマタハラも何でもござれではないか。つまり嫌な奴だ。
この対戦の最も凄い組み合わせは部下の酒乱の女性がハラスメント・オヤジと親睦を兼ねて飲みに行く想定である。時間が過ぎて酒乱が進む。
「キミ、そんなに飲むからオトコに恵まれないんじゃないかね。」
「フフフ、上等よ。いつでも誰とでもが日常ですから。」
「エッ・・。何てコトを。子供生めなくなっても知らないぞ。」
「あたしの家系は多産系でいくらでもコイです。ホホホ。」
「しかしね。もういい年だろう。」
「サセ頃シ頃、時を構わず、ってご存知?」
「そういうことばかり言ってると今度の査定は考えざるを得ないな。」
「こうして飲んでることを知っている人はいないのよ。会社のロッカーに女性の下着が入っている、ってブラック・メールが投げこまれてから慌てて開けたら何が出てくるかしら。鍵なんかいくらでも・・。」
「そう言えばシリアに支店を出す決定がなされたが、独身・高齢・性別問わずと人事が言っていた。」
「望む所です。あんなところなら本当に勤務してるかどうか確かめようもないでしょうね。普段は会社の経費でパリにでもいようかしら。」
「ああ言えばこう言うって性格ブスとか言われるんじゃないかな。」
「あいにく顔のほうがブスです。ブスってらくですよ~。」
「・・・・もういいや。早く辞めたらどうかね。」
「あたしの方が若いし。アッ部長ももう4年ですね。次のポストないんですか。」
「うるさい!もう帰る。」
「テメー!帰れると思ってんのか。さっきからあたしの胸見てるけどなによ。」
「調子に乗るな!見るほどの胸か!」
☆酒乱の勝ち
其の五 中国人VSインド人
言い換えるとマレー地区で常に激突する華僑対印僑。どちらも機関銃のように喋り倒す所は良く似ているが、どうも住み分けているようには見える。逆に世界中にある中華街をインドの街中では見たことがない。まぁデカすぎて気が付かないだけか。一方の中国では稀にインド人ビジネス・マンはいるのだが、これまたどういうことかあまり群れていない。
インド人はしかめ面をしていきなり『値引きはどれ位できるんだ。』とやる。味も素っ気もなくニコリともしない。おまけにビジネスの前面に出てくるような奴はネチッこいし暗算がメチャクチャ早い。大体〇割の、といった交渉は通じない(通じるのは日本だけだったりして)。
方や華僑は『私に任せておけば全部OK。コミッションは最低でもこれだけ。』と図々しいこと夥しい。彼らの一期一会は『もう二度と会わないんだからむしれるだけふんだくる』という意味に違いない。
☆中国人がバイヤーの時は高いの何のと大騒ぎしてネゴろうとするが、同じくらい『あれもこれも値段が上がっていてどうしてもこの価格だ』と頑として譲らずに膠着状態に陥る。一旦は物別れになるが、翌日全く動じないインド人に痺れを切らした中国人が少し譲歩する。モノともせずに席を立とうとするインド人を見て歩み寄り、インド人の勝ち。
☆インド人がバイヤーだったら、もっと安く、どれ位安く、と畳み掛ける交渉をニタニタ聞いていた中国人がしょうがないですね、と引き下がる。ところが中国人の裏切り者が『本当はコレぐらいまでできるはずだ。私を通してくれれば』とこっそり連絡を入れ成約になる。元々は物凄いボッタクリ価格なので中国人の勝ち。
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山の魔神
2015 JAN 4 13:13:08 pm by 西 牟呂雄
「山の神」と言われていた東洋大学時代の柏原選手は強烈な印象が残っている。毎年毎年襷を受けると鬼神の快走で先行ランナーが何人いようがヒタヒタと追いつき、チラリと一瞥するとサッと抜いてしまう。後は無人の境地を行くが如く記録と共に芦ノ湖に現れる。スゲー選手だと感心した。
ところがやはり箱根駅伝は学生スポーツで、かの柏原選手も実業団入りした後はケガにも悩まされあのスーパースターの輝きには至らない。マラソンともなるとこれは更に難しい。あの角張った、その割にかわいげのある表情の彼にはもっと活躍してほしいものだ。
と、一日の実業団駅伝を見た後の箱根で更に凄い選手が出現した。青山学院の5区を走った神野選手である。華奢な体に少年のような表情のランナーがアッと言う間に箱根路を駆け上がってしまった。コースは少し距離が変わっているが天晴れ堂々の新記録だ。
名前も神野(かみの)だから、もう山の神どころではない。山の魔神とでもいうのだろうか。
この箱根駅伝もなかなかドラマチックな競技で駆け引きあり、アクシデントあり。今回も小田原でトップの襷を受けた駒沢の馬場選手が低体温症で芦ノ湖に来た頃フラフラになり、手をついたり歩いたり、大声援でやっとゴールできた。この時後ろから監督の指示が飛んでいたが『よーし、大丈夫だ。立ち上がって。行けるぞ。そーだ。ゆーっくり行け。』と言ったような。降りて表情とか見なくていいんだろうか。あのまま泡でも吹いて死んでしまったら何かの過失致死で罪に問われないのか。
駅伝は日本独特の競技だそうで、一説によると早飛脚の伝統があったため日本でのみ行われる。翻訳しようが無くて海外でもリレーでは通用せず『EKIDEN』。フォア・ザ・チームの精神とか襷をを繋ぐ名誉といった競技成績とはチョット関係ないような要素が要求されている。我々はそれを見て選手との一体感を感じているのかも知れない。競っている選手や大きく遅れた選手が中継所で次のランナーを見たりすると猛烈にスパートを掛けてほぼ例外なく倒れこんで歩けなくなる、そして観客はそれに大きく拍手する。話は変わるが帝国陸軍の用語に『最後の5分間』というのがあって、敵の攻撃に耐えに耐えて最後の5分に突貫突撃することを意味している。大陸の戦闘の初期には功を奏して連戦連勝だった頃に言われたそうだ。その『最後の5分』の語感はあの選手の倒れこみを連想させる(こういう話に不愉快になる人もいるだろうが)。ともあれ日本的な競技である、というオチです。来年ももう一度あの『山の大魔神』見たいものだ。
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オリンピックへの道 (死闘10番勝負 その1から5)
2013 NOV 17 15:15:26 pm by 西 牟呂雄
やはり、最も盛り上がるのは、宿敵同士が火花を散らす鍔迫り合いだろう。どの世界でも見応えのある勝負には胸が躍るが、必ず勝者と敗者に分かれる。手に汗握る攻防を制した者は賞賛に値するが、そこまで力を引き出した相手にも同様の拍手を送りたい。しかし、厳しい話ではあるが両者の間には決定的な差があり、また無ければそれ程までの名誉と誇りを賭ける勝負は生まれないだろう。それらの名場面は日々、色々なところで見ることができるが、オリンピックに絞っていくつかの死闘を拾ってみたい。
陸上男子100m カール・ルイスVSベン・ジョンソン
ロサンゼルスオリンピックに於いて、100m・200m・走り幅跳び・男子100m×4、の4冠に輝き、ミスター・オリンピックと言われたアメリカのカール・ルイスと、ジャマイカ生まれのカナダ移民ベン・ジョンソンの一騎打ち。オリンピック後も世界陸上等を次々に制覇し、スーパースターの名を欲しいままにしていたルイスに、前年に彗星の如く世界陸上100mでこれを退けて世界新記録を樹立したジョンソンが88年のソウル・オリンピックで挑んだ。
この決勝レースをテレビで見ていたが、この頃からゴール側から走り込んでくる選手をズームする映像が流されるように成る。ついに追いつかない、となった時点でのカール・ルイスの「あー、コンチクショウ!」となった表情が非常に印象深い。
この時の女子100mの金メダリスト、フローレンス・ジョイナーはゴール前に勝利を確信して笑いながらフィニッシュした映像が残されている。
ベン・ジョンソンは上半身からしてまるでプロレスラーのような筋肉のマッチョ・マンだった。そしてレース後に発覚するドーピングでメダル剥奪。その後復帰したが、もう一度陽性反応が出て永久追放となってしまった。しかし、一方のルイスの方も選考会の時点では興奮剤か何かの陽性反応が出ていた。怪しいものだ。彼等の死闘が汚されてしまい、何となく後味の悪さが残った。ただ、敗れ去った後、ルイスはジョンソンに握手を求めに駆け寄っている。顔には悔しさが丸出しではあったが。
柔道無差別級 ヘーシンクVS神永昭夫
言わずと知れた東京オリンピックの柔道無差別級決勝。東京からオリンピック種目になった柔道は「お家芸」の国民世論の元、ズラリと金メダルを並べた。そして「柔よく剛を制す」の柔の心の本家本元、無差別級の決勝に臨む神永昭夫のプレッシャーはいかばかりか。巨漢ヘーシンクの袈裟固めで敗れてしまったときは、筆者でさえも日本が負けたような気分を味わった。
実は直前に膝の靱帯を断裂していた。今日であれば合理的に公表されて然るべき事態もこの時代は違った。自ら口外することすら卑劣と解釈されたであろうし、神永はひとことも言わずに試合に臨んだのだ。
神永は当時某製鉄会社のサラリーマンとして勤めていたが、この人の凄いところは、負けて大騒ぎになった翌日も定時に出勤したらしい。やはり達人の域に近いのではないだろうか。筆者はその後、鉄鋼海洋事業部、N製鉄所等の幹部だった御本人を存じ上げているが、実に立派なお方だった。社会人野球の部長も(監督ではない)されて、敗色濃い試合でも抜群の存在感だったと聞いている。
一方ヘーシンクは指導者として母国で過ごしていればいいものを、ナニを感違いしたのか(恐らく契約金に目が眩んで)ジャイアント馬場が率いる全日本プロレスのリングに上がる。実は私の専門はプロレスであり、本気のガチンコの実力を見抜くのには自信がある。ヘーシンクは強さについては充分なのだが、プロレス・エンターテイメントの作法になじめず晩節を汚した。プロレスなめんなよ。
ホッケー インドVSパキスタン
戦前からインドではホッケーが盛んで、オリンピックには英領インドとして参加し、1928年のアムステルダム大会から3連続金メダルの強豪だった。このうち1932年ロサンゼルス大会は、ホッケー競技の参加国がインド・アメリカ・日本の3カ国しかなく、わが日本は堂々銀メダルに輝いている(参加国が全てメダリストという珍しい記録)。戦後も1946年からインド共和国として3大会連続で金。ところがその間1947年にはパキスタンがイスラム共和国として袂を分かってインドのライバルとなってしまった。インドの3連勝の最後1956年のメルボルンではパキスタンが銀メダルを取っている。即ち決勝で当たっているのだ。
以後80年代まで両国の死闘は続くことになる。古来より、国境を接する国同士が仲が良かったためしがなく(我国もアノ国との関係でよく思い当たる)宗教の対立まであるため武力闘争を何回も起こし、更には核の開発競争にまでエスカレートしている。今でも国境の町で、夕刻国旗を降ろしゲートを閉じる時の通称フラッグ・セレモニーなんぞは大変な盛り上がりである。毎日毎日やるのですぞ。
そして56年から64年の東京大会までは両国がズバ抜けて強く、3大会連続で決勝で当たる。60年ローマはパキスタン、64年東京はインドが雪辱、68年メキシコはまたパキスタン(この時インドは銅)が金を取っている。
両国の対決はオリンピックらしからぬ乱闘騒ぎまで起こしていた。その後もライバル関係は続くのだが、他のスポーツの振興もあり80年のインド、84年のパキスタンの金(共に相手はメダルに届かず)が最後となった。
棒高跳び ハンセンVSラインハルト
これは東京オリンピックで、筆者は最後のところだけテレビで見ている。これが死闘たる所以は延々昼過ぎから夜遅くまで試合が続いたところ。このオリンピックは10月に開催されたため日暮れが早い。それにしても(無論照明はつけられたが)月下の決戦で、確か競歩だったかトラックに選手が次々にゴールしていた中での場面を覚えている。
記録的には5mを越えた当たりだったと思うが、両者一歩も譲らない。棒高跳びの経験は無いが昨今のスター達を見る限り、かなりの瞬発力、集中力が求められるのではないか。アメリカはこの大会までのオリンピック全て金メダルの14連勝中でハンセンは医学生だったと記憶する。バーを上げてのジャンプ前にフィールドに横たわっていた姿が映像にあったが、あんなことで精神が集中するものか、と思った。そして2-3度ポールのしなり具合を確かめた後に一発でクリアした。
対するラインハルトはニコリともしないで黙々と挑んだが3回ともバーを落とした。国立競技場から「アーッ。」という歓声が上がった。このときラインハルトは駆け寄ってハンセンの勝利を称え、すぐに控え室に走っていった。僕は子供なりにゲルマンとはこういうものか、同じ白人でもアメリカとは違うな、と思った。記録によれば午後1時からはじまって9時間を越す正に死闘だった。
男子バレーボール 日本VSブルガリア
この頃から女子ばかりが人気だったバレーボールで男子も人気スポーツとなり、特にミュンヘ・ンオリンピックに向けてのアニメ放送とタイアップしてブームを呼んだ。実際には東京で銅、メキシコで銀、と一定の実力はあったのだが、東洋の魔女の名前の前に霞んでしまっていたのだ。市川崑監督のドキュメント映画には1シーンも登場しない。このアニメは松平監督自らがテレビに売り込んだ、という話がある。レギュラーにも個性的な選手がいて、大会前から人気が出てきていた。
その頃は実業団リーグで製鉄会社のチームが強かった。その縁があって中村祐造選手の話を聞いたことがある。一番の天才的プレイヤーはセッターの猫田選手で、目が顔の横の方に位置しているからチョッと首を振るだけで真後ろの相手のコートが見えたという。
名将松平監督に率いられたチームはA・B・Cクイック、時間差攻撃を駆使して勝ち上がって行く。ところが準決勝で東欧のブルガリアと当たり、1.2セットを連続して落とし絶体絶命のピンチに陥る。松平監督はここでベテランのキャプテン南を投入。怒涛の巻き返しで3セットを奪い勝利した。
劣勢の中、突如日本の若い女性が2~3人「ニッポンチャッチャッチャッ」をやりだした。熱狂的なファンがやっているのだろう、と初めの内観客は「何だこれは」という反応だった。だが日本は第3セットに追い上げだすと、声援に応えて南はオーバー・アクションで走り回る。しまいには会場全体で(大半がドイツ人だろうに)ニッポンチャッチャッチャが始まった。ブルガリアの選手は呆気に取られたことだろう、多少気の毒ではあった。そしてこの勢いで決勝は東ドイツに圧勝して金メダルを取るのだ。
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