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ローリング・ストーンズがやってきた! ジャンピング・ジャック・フラッシュ 歌詞(Jumping Jack Flash)

2014 FEB 25 11:11:20 am by 西 牟呂雄

悪魔的なコード進行とベースの絡みが聞こえてくるだけで胸躍る、そこにエイト・ビートが刻まれて・・・。誰でも耳にしたことがあるだろう大ヒット、しかしそもそもジャンピング・ジャック・フラッシュとは一体どういう意味なのか。ローリング・ストーンズのライヴでは、しばしばオープニングで演奏される、彼等のお気に入りなことでも知られている。

Jumping Jack Flash。Jackという名前はJack in the box とか Jack the Ripper というように英語圏の人にとっては何か象徴的な名前なのじゃないか。日本で言えば、太郎冠者や名無しの権兵衛のように、どこかの誰、程度のものと考えて良かろう。ちなみにJumping Jack単独では”操り人形”という訳がつけられ、歌詞を検索してみるとそれを使ったライナーや、Flashに掛けた稲妻野郎といった凄い訳があったりする。

だが、僕が思うにこの頃のストーンズがそんなに色々と考えて歌詞を書いたとは思えないのだ。多分ギター・リフだけを思いついて、スタジオでジャカジャカやっているうちに適当な歌詞を乗っけただけなのかとも想像している。何しろ当時のストーンズは『赤いドアを黒く塗ってやる』とか『何をやっても満足できない』という歌ばかりやってたのだから。同時期のビートルズが『愛』を歌いあげ、その後『平和』を歌詞に盛り込んだのに比べて、嬉しくなる程のアナーキーというか下品というか。ジャンピング・ジャック・フラッシュは単にノリのいい掛け声で、意味なんかない。こんな感じだ。

I was born in a cross-fire hurricane

コノヤロー   オレは育ちが悪いんだー
And I howled at my ma in the driving rain,

バカヤロー  何か文句があるのかヨー

But it’s all right, now In fact, it’s a gas!

上ー 等ー だー  やるのかよ
But it’s all right. I’m Jumpin’ Jack Flash,

上ー 等ー  跳んでやる
It’s a gas! Gas! Gas!

タイマン だー

 

こうなるともうメチャクチャで、以下2・3番に関してはいちいち合わせなくとも『てめー、いいかげんにしろ、ドタマカチ割るぞ、クソババア、死にさらせ、だからどうした、ウルセー、血の雨降らすぞ』という言葉を繋げるだけで十分かと思われる。一応歌詞だけは書いて置くが。

I was raised by a toothless, bearded hag,
I was schooled with a strap right across my back,
But it’s all right, now In fact, it’s a gas!
But it’s all right,  I’m Jumpin’ Jack Flash,
It’s a gas! Gas! Gas!

(間奏)

I was drowned, I was washed up and left for dead.
I fell down to my feet and I saw they bled.
I frowned at the crumbs of a crust of bread.
I was crowned with a spike right thru’ my head

いかがです。ところで、このアホ曲にもちゃんとカヴァーする人がいて、最もポピュラーなのは百万ドルのギタリスト、ジョニー・ウィンターのやつだと思う。この人はメチャクチャ早弾きしつつ、よせばいいのにガラガラ声でヴォーカルもやる。恐らくわがまま過ぎてバンドとしてメンバーが組めないから何でも自分でやらざるを得なくなったのだろう。僕はこの人のステージを見たことがある、それもニューヨークのマジソン・スクェア・ガーデンでだ。そのときは弟のキーボード奏者エドガー・ウィンターと組んでいた。あのプロレスの殿堂のマジソン・スクェア・ガーデンですぞ!

この旅は学生時代の夏休みで行ったのだが、思えば危ないことだらけだった。何も決めずに行ってしまったため、サン・フランシスコに着いた日から宿の心配をしなければならず、しばらくは観光もヘチマもユニオン・スクエアの周りでハンバーガーばかり食べていた。もちろん英語なんかも怪しいもので、ビクビクしながら過ごしたが、これでは何もせずに帰国になると一念発起、グレイハウンド・バスで大陸横断しニューヨークに行くことにした。乗り放題(こういうのは大抵足が出る)の切符を買ってまず南に向かい、知っている名前の街行き(ニュー・オリンズとかセント・ルイス)にのってみた。ところが途中、乗客の中におかしな薬でも草でもやったのか暴れだした奴がパトカーに連行されたり、エアコンが効きすぎて風邪を引きかけたり。矢沢栄吉のトラベリング・バスという歌があるが、クタクタになるのはその通りで、明け方に目的地に着くとフラフラと安ホテルを探した。大体グレイ・ハウンドのターミナルはダウンタウンにあったから、ホテルといっても今から考えると連れ込みだったんじゃないか、というくらい安かった。それでもかっこいい黒人青年と知り合ったり、きれいなオネーチャンと話したり(ただしこの人は日本を知らなかったが)無事ニューヨークにたどりつき、そこはマンハッタンだから高級ホテルのウォルドロフ・アストリア、が見える三流ホテルに泊まった。そこでマジソンの催し物に気がついたのだ。

しかしその頃のバリバリ・ロックコンサートは、何故かどこからともなくヤバい匂いのクサが回ってきて、誰彼かまわず思いっきり吸い込んでいた。隣のオニーチャンが僕を見て『ストーン?』と聞くのだが、どうも『効いた?』という意味のようで、実はぜんぜん効かなかった。ともあれ、ジョニー・ウィンターのジャンピング・ジャック・フラッシュは聞けた。ハンチングを被っていたので何だと思ったのだが、アンコールで脱いだら当時既に禿げていた。

この話もう一つオチがある。一週間後に大好きなプロレスの興行があって(当時WWWFといった)人気絶頂のブルーノ・サンマルチノが出る、もう見たくて見たくてしょうがなかったが、僕の学校は二期制なので中間試験が迫っていた。大体アメリカをほっつき歩いて準備も何もなかったのだが、これで受けなければ留年確実のため、有り金はたいて直行便で帰りましたとさ(まだ羽田だった)。そして羽田に着いたら物凄い報道陣がいてビックリした。実はこの時、ミグをかっぱらって函館に逃げてきたソ連のベレンコ中尉がアメリカに亡命するために出国する日だったのだ。そういえばニューヨークで、ソ連のミグが日本に攻めてきたという噂を耳にしたが、当時の会話能力では何のことか分からなかったのだ。高飛びですな、ジャンピング・ジャック・フラッシュ。

タイム・イズ・オン・マイ・サイド 歌詞取り

ホンキー・トンク・ウィメン 歌詞取り 埼玉にて

さよならローリング・ストーンズ ダイスをころがせ(Tumbling Dice)

一人ぼっちの世界とライク・ア・ローリング・ストーン 


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Categories:オールド・ロック, 本歌取り

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