Sonar Members Club No.36

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水平線上のアリア (今月のテーマ 空)

 ヨットで全く陸地の見えない360度海という景色を見続けていると、何となく地球は丸いのが実感できる気がする。日本人の先祖の中には南方系の海洋民族の血もじっているはずだから、先祖代々(山国は別として)地球が丸いことが刷り込まれていたのではないだろうか。信長は宣教師から地球儀を見せられて、一瞬にして地球は丸いことを理解したと言われている。

水平線上の日の出

水平線上の日の出

 全部水平線の光景は、晴天の日は雄大で海の迫力に圧倒的される。だが、直ぐに飽きる。特に晴天微風の時は空と海のブルーの色彩に飽きると言ったらいいのか、作業をしていないと時々やりきれなくなる。日中の真上の空の色は物凄く濃く、水平線あたりのかすんだ青と違っている。
 寒いのもたまらないが、強い日差しの中(従って長袖でキャップも被っている)ボーッと水平線ばかりを見ているのもつらいものなのだ。
 何故かいつもは飲んでばかりいるのが酒なんか全然欲しくならない(結果は飲むが)。むしろ甘いもの、エクレアとか冷やしたシュークリームのような物が恋しくなる。聞こえるのは船体に当たる波の音ばかり。
 そしてこんな時はフト旋律が頭の中を駆け巡る。それも普段聞くロックンロールじゃなくてスローテンポの弦楽器ユニゾンなのだ。僕はそれを「水平線上のアリア」と名付けている。メロディーはあれ、G線上ですね。

 山の麓の喜寿庵にいるときは季節ごとの色彩は鮮やかだ。従ってあんまり空を見上げる事もない。
 人と会話をすることがほとんどない、一人で居る事が多いのだ。しかし常に渓谷のせせらぎの音がザア~~っという感じで雨音のように耳に入ってくる。
 変なもんで誰とも会わない喜寿庵にいると頻繁と着替えをする、一日に何回もだ。それもいちいち凝った服装にセッセセッセと着替えるのだ。繰り返しになるが誰も訪ねて来ないにも関わらず、だ。
 例えば芝生を刈るときにはゴルフの格好をし、アグリカルチャーの為に専用のツナギを買った。剪定の時にはネクタイまでする、そのネクタイの締め方も二重巻きという特別な占め方を発明した。暑くなれば汗まみれになるので一日に何回もシャワーを浴びてYシャツを着替える。それでいて買い出しに行くときはそんな格好をすると目立つのでわざわざジャージに着替える。要するに孤独でヒマなのだ。今時は寒いから家の中でスキーウェアに着替えることもある。

北斗七星

北斗七星

 谷合いの山荘だから昼間にジッと空を見上げることはあまりない気がする。むしろ夜空に見入ることはある。夏の夜に芝生に寝転がって星空を見ると、子供の頃「なぜアノ光は落ちてこないのだろうか」と不思議に思ったことまで思い出す。この頃は目が年ではっきり分かるのはオリオンと北斗七星くらいだが、この柄杓は思っているより大きくてダイナミックだ。
 するとですな、これまたせせらぎの音と共に脳裏に流れるのは大好きなエーチャンでも何でもなく、何故かホルストの組曲で真ん中あたりのジュピター!これは女性歌手が歌詞を付けて歌ったりCMのバックに流れたのでポピュラーになったが昔から好きだった。

 そうやって海でも山でも空を見て少しは清らかな人間になったかと思っても、室内で落とした照明の元に戻ると邪悪なローリング・ストーンズやブルー・ハーツをガンガン聞いて元の木阿弥となる。

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